子どもを授かる前の女性に伝えたいこと:妊婦の魚摂取量と乳幼児の睡眠時間との関係
「生まれてからずっと夜泣きがひどい!」
一般に、多くのお子さんは生後1歳になっても夜泣きがあるようです。また、そんなお子さんは些細なことでグズルことも多いようです。
一方で、当社のお客様のお子さんは…
「生後3ヶ月くらいしてから、夜は6時間以上ぐっすりと寝てくれます。機嫌ですか?泣くことはありますが、『お腹が空いた』か『うんちやおしっこが出た』という時くらいですかね~」
さて、この差が妊娠中の食生活と授乳中のお母さんの食生活にあることはすでにご紹介してきました。
もし、今現在子どもの夜泣きでお悩みなら、今すぐ10日間チャレンジをお勧めします。なお、以下で紹介している調査結果も参考にしてください。
・妊娠中の母親の魚摂取量と乳幼児の睡眠時間との関係:全国縦断研究—日本環境と子どもの研究(JECS)(転載元:富山大学)
ポイント
富山大学学術研究部医学系公衆衛生学講座 杉森成実 研究生らのグループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」で、妊婦が魚およびn-3系多価不飽和脂肪酸を十分に摂取すると、生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間が11時間未満となるリスクが低くなるという調査結果を得ました。1歳までの睡眠パターンは中枢神経系の発達と密接に関係していると考えられることから、妊婦のn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取が胎児および新生児の中枢神経系の発達に寄与し、生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間に良い影響を与える可能性が示唆されました。
概要
これまでも、妊婦のn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)摂取が生まれた子どもの睡眠に好影響を与えることを示す研究報告はありましたが、いずれも小規模集団を対象にしたものでした。そこで今回、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」から得られた約8.7万人の大規模集団のデータを用いて、妊婦の魚類摂取と生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間との関連を調査・検証しました。
魚およびn-3 PUFAの摂取量に応じて参加者を5つのグループに分類し、生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間が11時間未満となる割合を調べました。その結果、摂取量が一番少ないグループに比べて、より多く摂取している4グループのいずれにおいても、子どもの睡眠時間が11時間未満となる割合が小さくなりました。
本研究の結果は、妊婦の魚およびn-3 PUFA摂取が不十分であると、生まれた子どもの1歳時点の睡眠が不足するリスクが高くなる可能性を示唆しています。
研究の背景
ヒトは通常、毎日決まった時間に起床・就寝し、おおむね一定のリズムで生活します。この一定のリズムを「概日(がいじつ)リズム」と呼びます。概日リズムは、ひとりひとりのからだに備わっている機能であり、体内時計とも呼ばれていますが、光を浴びる時間帯や食事などの影響を受けて乱れることが知られています。幼少期の睡眠不足は、からだの発達、とくに肥満と関係することが知られており、子どもの概日リズムがどのようなことに影響を受けるか、様々な角度から研究する必要があります。
n-3 PUFAは人間の健康維持に欠かせない栄養素の一種で、よく知られるものでは、植物油に多く含まれるα-リノレン酸(ALA)や、魚介類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。これらのn-3 PUFAは人間の中枢神経系に高濃度に存在し、その構造と機能を維持するために重要な働きをしますが、体内で新しく作り出すことはできません。そのため食品から摂取する必要があり、とくに胎児の中枢神経系の発達には、胎盤を介して胎児に移行するn-3 PUFAが必要不可欠となります。睡眠リズムはこの中枢神経系によって制御されており、妊婦の食事内容(n-3 PUFAを含む魚の摂取)が胎児の中枢神経系の発達に影響を及ぼし、出生後の睡眠時間にも影響を与える可能性があります。
実際、これまでにいくつかの研究で、魚およびn-3 PUFA摂取が中枢神経系の発達と機能維持に有益であり、睡眠に良い影響を与える可能性が報告されてきましたが、調査対象が小規模であることがほとんどでした。そこで本研究では「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」から得られた約8.7万人の大規模データを用いて、妊婦の魚およびn-3 PUFA摂取と生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間との関連を調べました。
研究の内容・成果
質問票調査によって得られた87,337人分のデータを基に、妊婦の魚およびn-3 PUFAの摂取量と生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間が11時間未満となる割合との関連を調べました。食事摂取頻度調査票の魚介類に関する21項目の回答から、妊婦の1日あたりの魚摂取量を計算しました。さらに、得られた1日あたりの魚摂取量から、日本の食品の脂肪酸組成表を使用し、1日あたりのn-3 PUFAの摂取量も算出しました。また、生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間については質問票にて情報収集を行い、保護者が30分単位で回答しました。本研究では米国 National Sleep Foundation が1歳児の推奨睡眠時間を1日11~14時間としていることに基づき、11時間未満を睡眠不足と定義しています。
魚摂取量およびn-3 PUFAの1日あたりの摂取量に応じて参加者を5つのグループに分けたところ、睡眠時間が11時間未満となる割合はそれぞれ次のようになりました。
魚およびn-3 PUFAの摂取量が一番少ないグループに比べ、より多く魚およびn-3 PUFAを摂取している全てのグループにおいて、生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間が11時間未満となる割合は少なくなりました。妊婦が、魚やn-3 PUFAを十分に摂取することで、生まれた子どもの1歳時点の睡眠不足を減らす可能性が示されました。この結果は、妊婦が魚、特にn-3 PUFAを多く摂取すると、新生児の中枢神経系発達や睡眠状態が良好になるという、これまでの他研究結果とよく一致します。
今後の展開
本研究の結果は、妊婦が十分な魚を摂取することが、胎児の中枢神経系の発達に有効であり、生まれた子どもの1歳時点の睡眠不足を予防する可能性を示唆しています。しかし今回の調査・研究では、妊娠中の魚およびn-3 PUFAの摂取量および生まれた子どもの1歳時点の睡眠時間について、母親が記憶に基づき回答した自己記入式の質問票で調べています。また、妊婦の健康意識が妊娠中の食事パターンや生まれた子どものケアの双方に影響する可能性があるにも関わらず、妊婦の健康意識については調べていません。さらに、今回、n-3 PUFA全体の摂取量は調べましたが、個々の脂肪酸データ(EPA・DPA・DHAなど)は調べていないため、血中濃度を含めたさらなる研究が望まれます。
以上のような調査・研究を進めることにより、胎児の中枢神経系が発達する妊娠中期にどのくらいの量の魚を食べると、生まれた子どもの1歳時点の良好な睡眠に結び付くか、具体的に分かるようになるかもしれません。
妊婦にn-3 PUFAの摂取を推奨することは、従来の妊婦に対する栄養指導を早期から、より丁寧に継続することで可能です。なお、n-3 PUFAがたくさん含まれるイワシ、サンマ、アジなどの小型の青魚は、食物連鎖でメチル水銀などの有害物質が濃縮されることはまれであり、妊娠中において摂取量を特に注意する必要はありません。
まとめ
この調査結果を見て「さほどではないのでは…?」そう思われた方もいらっしゃることでしょう。
でも、こういった調査の限界は、魚食やオメガ3サプリの摂取の優位性は調査できるものの、オメガ6過剰状態を排除できないことです。一方で、10日間チャレンジはオメガ6過剰を止めた上でオメガ3を十分の摂ることになります。その差が、冒頭の…
「生後3ヶ月くらいしてから、夜は6時間以上ぐっすりと寝てくれます。機嫌ですか?泣くことはありますが、『お腹が空いた』か『うんちやおしっこが出た』という時くらいですかね~」
もし、この記事を読んでいる人が赤ちゃんの子育て中なら、今すぐに10日間チャレンジのエッセンスだけでも確認してください。
赤ちゃんの脳は出産後に髄鞘化が進みます。また、見た目でも分かりますが2歳までに脳はとても大きくなります。もちろん、その後も20代半ばまで成長しますが、この2歳までの期間に対処できるかどうかはその後に大きな影響を与えることになるでしょう。
10日間チャレンジを続ければ1か月も経たないで睡眠時の様子は変わることでしょう。また、日中の機嫌もどんどん良くなることでしょう。
「赤ちゃんが夜泣きをする」という裏に、「お母さんがストレスを受けやすい精神状態である」という事実が隠れています。
まだ間に合います。赤ちゃんのためにも、お母さんのためにも、そして家族のためにも一日も早く取り組んでください。
きっと元気になります!
以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。
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・年度末は眠っている家族や親戚。「体調+メンタル」不良を改善する大チャンスかも?
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16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。
病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。