えごま油の選び方!

「どのごま油を買ったらいいの?」

多くの方々からご質問をいただいておりましたが、調べてみたら意外なことがわかりました。

どうやら、どこかの不届き物が、「えごま油」と称して偽物を販売していたらしく、国民生活センターがえごま油の主力流通商品について比較調査をしたレポートを見つけることができました。

 

【 独立行政法人 国民生活センター レポート】

▼ 見た目だけでは分からない、えごま油の品質

このレポートからわかったのは、次の点です。

 

  1. オメガ3(α₋リノレン酸)の含有量には‶ほぼ″違いはない- 不届き物を除いて
  2. α₋リノレン酸の品質についても‶ほぼ″違いはない

その一方で、とても重要な次のこともわかりました。

  • 生食が不向きな(しないほうがいい)えごま油が6割近くあった


小冊子でもご紹介したように、えごま油は生食が基本です。

どんなメーカーが、どんな言い分で「加熱に強い」といっても、それはオメガ3脂肪酸の性質(二重結合の数が多い)から考えればそれは詭弁でしかあり得ません。(お客様からお問い合わせいただいた次の商品がそれに該当します)

もちろん、この調査対象になったえごま油のメーカーもそれは承知しており、どれも加熱に不向きであると説明しています。しかし…、その上で20種類中(1社が不届きものなので、実質19製品)12社の製品が生食しないほうがいいことがわかりました。

1.α₋リノレン酸含有量

調査結果より、主成分であるα₋リノレン酸の含有量にはふとどきものの会社を除き、大差は(誤差の範囲)ないことがわかりました。また、ヨウ素価とは二重結合に要素がくっつく数ですから、α₋リノレン酸およびリノール酸の含有量と比例します。したがって、主成分についての矛盾はないことがわかりました。

2.問題は「酸価」です!

国民生活センターのレポートでは「酸価の値にはばらつきがあり、製法の違い等が一因と考えられました」と、深く言及されていません。しかし、この「酸価」とは、とても大きな問題です。

おそらく、一般の方ではこの「酸価」について正確な理解ができないと思われますので、以下を参考にしてください。

2-1.酸価とは?

実は、酸価とは油脂の変質の指標です。

重要なポイントなので、なんとなくでいいので理解しておきましょう。

2-1-1.過酸化による油脂の劣化を示すのが酸価

油脂は、酸化すると次のような過程を経て劣化します。

 

油脂 → 過酸化物 → 重合物・分解物

 

このときの過酸化物の量を示すのが過酸化物価であり、さらに分解して出来た脂肪酸の量示すのが酸価です。

常温では、穏やかな自動酸化によって過酸化物価は上昇しますが、酸価は過酸化物がある程度蓄積して分解し始めてからでないと上昇しません

一方で、焼く・揚げる等100℃以上の加熱を受けると発生した過酸化物はすぐに分解されるため過酸化物価は上がらず酸価が高くなります。

したがって、酸価油脂が強い酸化(過酸化物が分解されるような長期間保存や強熱)を受けていないかどうかの指標です。常温以下での保存中の油脂の酸化度合いは主に過酸化物価に現れるということになります。

2-1-2.酸価の値でわかる劣化基準

要は、この数値が大きいほど油が劣化していることになります。

  • 0~1mg:正常
  • 1~3mg:少し劣化しているが、ほぼ正常
  • 3~5mg:劣化しており好ましくない
  • 5mg以上:中毒を起こす危険性がある

これを簡単に言うと、

 

  1. 食用油とするときには、いずれの油脂も酸価が0.5以下でなければならない
  2. 冷用のサラダ油では0.2以下ぐらいまで脱酸して精製しなければならない

つまり、生食には0.2以下でなければいけません。

2-2.低温圧搾(圧縮)製法

えごま油を選ぶとき、その製法として低温圧搾(圧縮)がお勧めだと認識しておりましたが、この調査結果ではそうではありませんでした。※ メーカーのサイトから、製法が表示されたもののみ加筆

ご覧の通り、この製法でありながら「酸価」の値が大きいメーカーが二社もありました。

3.安心して購入できるメーカーは8つ

ということで、安心して購入できるえごま油は次の通りです。酸価の値がこれくらいなら、どれを選んでも心配ありません。

右端は1g当たりの価格です。3番目の会社は、他と比較して価格が突出して高いのがわかります。先のように、α₋リノレン酸の含有量など品質に差はないのですから、価格の高い3つは個人的に却下です。

また、エゴマ油は開封後1か月以内に使い切ってもらわないと困ります。空気で酸化しますので、容量は小さいほうが無難です。ということで、1g単価がもっとも安い(右端の数値は1グラム当たりの単価)赤い色の太田油脂株式会社のえごま油で決まりでしょう。

 

【追記】

すでに10名以上の方から、「お勧めの油は中国産だけど大丈夫か?」というご質問をいただきました。笑

笑いというのは、国民生活センターにおけるえごま油の品質検査で「問題がなかった!」という調査結果とともに、皆さんがもっともわかりにくい「酸価」というポイントについてもクリアしたとご報告させていただいた後だからです。

油に問題があれば、ヨウ素化や酸価に必ず影響が出ます。中国産でもまともなものはまともです。安心してご利用ください。

亜麻仁油とえごま油のどちらがいいの?

こんな質問を多数いただいておりますので、以下で私の考え方をご紹介しております。ご確認ください。

 

まとめ

ということで、品質検査を比較した結果、私は「太田油脂 マルタえごまオイル」をお勧めします。また、上記表から上位4つをご紹介しておきます。テレビなどで放送され、品切れの際には代用品をご利用ください。

1g単価も最安値の上に、アマゾンを覗いてみましたがロングセラー商品のようです。したがって、欠品の恐れもありません。安心してご利用ください。

1.太田油脂

2.スギヤマ薬品(太田油脂)

3.株式会社朝日

4.えごま一番100

ご覧の通り、楽天とアマゾン、ヤフーショッピングのいずれでも販売されていました。繰り返しますが、中国産でもまともなものはまともです。笑

Posted by sinsd