新型栄養失調!ビタミンB群不足!国民健康・栄養調査からわかるひどすぎる低栄養の現実とは?

「寝ても寝ても疲れがとれない!」
「体が一日中重くてダルイ!」

こんな方は少なくないようですが、でもなぜか?病気を疑い病院に通うものの、自分の食生活を気にする人はマレなようです。しかし、平成29年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)からビタミンB1の摂取状況をご紹介したように、ほとんどの方は慢性的な栄養不足に陥っています。

でも、「食事をとっている」という事実だけで、栄養不足を疑う人はほとんどいません。ここで重要なのは次の点です。

実は、私たちの体は毎日体重と同じくらい、おおよそ50~60キロ程度のエネルギーを作っています。しかし、今この瞬間に体内に存在するエネルギーはわずか5分で体内で消費され、枯渇してしまうレベルの量。ウルトラマンは3分で動けなくなってしまいますが、同じように、私たちもエネルギー生産が止まれば動けなくなり死んでしまいます。

エネルギー生産は常に続かなければいけない。

この事実は誰もが認めるところでしょうが、慢性疲労の原因の多くが「栄養不足」という点については見て見ぬふりをしているのが私たちです。

自らに問うてみましょう!

「スーパーのお惣菜で十分な栄養がとれますか?」
「コンビニやスーパーのお弁当で十分な栄養がとれると思いますか?」

こんな質問をすれば、誰もが「う~ん、たぶんムリだと思う」と答えるでしょう。ならば、冷凍食品や外食、カップラーメン、パスタ、パンなどならそれはなお更でしょう。むしろ、こういったもので十分な栄養がとれるか?聞けば「絶対にムリ!」と答える方がほとんどでしょう。

では、こういった類のものを食べた時、栄養状態はどうなっているのかも容易に想像できます。とくにビタミンB群やビタミンCなど水溶性の栄養は体内で保存ができません。したがって、今食べたものがそういうものならビタミンB群やCは不足することなります。

脳は外側に新しい脳を追加して進化してきた!

私たちの脳は爬虫類の脳に哺乳類の脳が追加され、さらにその上に人間の脳が追加される形で進化してきました。これは「脳の三位一体論(triune brain)」仮説と呼ばれています。

・生きるための脳:爬虫類脳
・感じるため(情動)の脳:哺乳類脳
・考えるため(知性)の脳:人間脳

この3つの脳それぞれの特徴を欲求に置き換えると、それぞれ「生き残りたい!」と「人と関わりたい」、「成長したい」ということになります。

よく、不登校の子どもについて「学校に行かないという選択肢もある!」と言っている人がいますが、この哺乳類脳の欲求を前提にすればそれはあり得ないことだとわかります。

また、現実に脳がしっかり働けるようにしてあげればどんな子も明るく元気になります。あれほど「学校が怖い!」とか「友達が怖い!」と言っていたのに、脳が働くようになるとウソのように表情が豊かになります。また、口にする言葉がガラリと変わります。

「死にたい!」とか「学校なんて絶対に行かない!」、「もう、どうでもいい!」とネガティブな発言に終始していた子供も、脳がしっかり働けるようになると友達と楽しく遊ぶようになります。また、自らの課題に気づいて行動するようになります。勝手に勉強するようになりますし、どんどん優秀になります。

エネルギーが不足すると高次の脳は働けなくなる!

「バタン!」とフイに大きな音がすると私たちは身がすくみます。このとき爬虫類脳や哺乳類脳は働いているものの、いったん思考は停止します。つまり、人間脳はフリーズしています。

このように、私たちは危機的な状況に陥ったとき脳はエネルギーを優先的に「生きるため」の働きに振り分けます。これは他でも明らかで、例えばフイにヘビを見れば私たちはドキッとするとともに身をすくませ足が止まります。また、人前で緊張して頭が真っ白になってしまう人がいますが、これも同じ働きによります。(これも治せます!)

重要なのは次の点です。

・低栄養はエネルギー不足につながる
・エネルギー不足(低栄養)は危機的な状況である

したがって、爬虫類脳は働きますが高次の脳(人間脳)の働きは必ず悪くなります。また、動物脳の働きも悪くなりますから感情が乱れることになります。例えば、友達の視線が気になるとか悪口を言われている(ような気がする)と情緒が乱れることでどんどん悩みやすくなります。

生きるための脳は「反射」が主な役割!

重要なことなので強調しておきますが、爬虫類脳における「生きるための」働きは主に「反射」となります。生き残るために危険を避けることが主な働きですからそれも当然でしょう。そして、この反射が哺乳類脳の情動に影響を与えることになります。

では、危険を避ける反射がいったいどんな影響を動物脳に与えるのか?

といえば、それは防衛本能です。身を守るためですから、例えば他の動物が近づけば攻撃的な態度を示すでしょう。また、相手が自分より強そうなら身を隠すことになります。これを犬に置き換えれば、攻撃的なときは唸りながら牙をむき出して威嚇してくることでしょう。身を隠すときは「キャン!」と鳴いて尻尾を丸めて逃げ出していきます。つまり、怯えかイライラといったわかりやすい情動が見た目でわかるようになります。

爬虫類脳は危険を避ける「反射」が主な働き。

一度強く反応すると、人間脳ではコントロールできなくなる。

人間も同じです。これを子供に置き換えれば、小さな子供なら癇癪を起します。また、泣きわめくこともあります。もう少し大きな子供なら、身を守るためにウソをつきます。つまり、ウソは防衛本能の働きがきっかけであり、これは飲酒運転やスピード違反で捕まった大人でも明らかです。

「どれくらい飲んだの?」

「いや、ちょっとです。ビールを2~3倍…」(ウソ)

「いくら高速でもこのスピードでは…、何キロでてたかわかる?」

「110キロくらいですかね?」(130キロ?)

「点数ないんですよ。仕事で車使うので免停になると…、今回だけ見逃してもらえません?」

みたいな反応です。

また、昨今話題の「煽り運転」も同じです。

彼らは理性的な判断ができないからこそ、あれほど危険な運転を繰り返します。また、一方的に腹をたてて執拗に嫌がらせを繰り返しますし、時には車から降りてきて暴行を働きます。これは、爬虫類脳が反応し、哺乳類脳がそれに引きずられて情動がむき出しになる一方で、人間脳の働きが悪くなった結果なのです。

 

平成29年「国民健康・栄養調査」からわかるビタミンB群の摂取状況は?

先日、平成29年「国民健康・栄養調査」からビタミンB1の摂取状況について説明しました。この記事では、ビタミンB1が不足するとエネルギー生産効率が高いTCAサイクルが動かなくなることを指摘しましたが、今回はビタミンB群の摂取状況を確認してみましょう。

なお、この話は平均値や中央値、標準偏差についてある程度の理解が必要です。もし、まだ理解していない方がいらしたら以下の記事を先にお読みください。

新型栄養失調!ビタミンB1不足 – 平成29年「国民健康・栄養調査」栄養素等摂取状況調査の結果

15~17歳のビタミンB群摂取状況と推奨量は?

ビタミンB群にはB1の他に以下のような種類があります。B2やB6、B12の他にナイアシンや葉酸、パントテン酸などがあります。

下図は上が15-19歳の女、下が15-19歳の男の摂取状況です。また、推奨量は男女それぞれの15-17歳の値を使っています。

まず中央値から見ていきましょう。中央値はデーターの真ん中の値です。99人の数字なら前から数えても後ろから数えても50番目が真ん中の数値です。

ビタミンB2とナイアシン、B6、パントテン酸は中央値が推奨量を下回っています。したがって、半数以上の子どもが低栄養だとわかります。新型栄養失調とは、食べてはいるが知らぬ間に低栄養になっている状態を指しますが、まさしく半数以上の子どもたちがそういった状態であることがわかります。

ビタミンB12は肉に豊富なため、ほぼ不足している人はいないようです。

標準偏差を考慮すると?

標準偏差には68%ルールがあることはビタミンB1の記事でご紹介しました。また、標準偏差はデータのバラつきを示す数値です。なので、平均値に対して標準偏差が大きければ大きいほどデータのバラつきが大きいことになります。

例えば、下図(男)のビタミンB2の平均値から標準偏差を引くと「1.38 – 0.62=0.76」となりますが、この数値は推奨量の半分以下となります。68%には95%ルールがありますから、おおよそ1割以上の男の子は推奨量の半分以下しか栄養がとれていないことがわかります。

ナイアシンやビタミンB6も平均値から標準偏差を引くと推奨量の半分以下です。つまり、ただでさえビタミンB1が不足しているため、TCAサイクルが動くきっかすら十分に作れません。その上で、ビタミンB群が不足していますからTCAサイクルもしっかり周ることができません。

この事実から考えれば、約2割の子ども(大人もです)が脳機能の障害を疑われるような学力や言動、態度に終始していることになります。その理由もお分かりですよね。まともに働くのは爬虫類脳による「反射」だけだからです。

新型栄養失調の影響は人それぞれ!

私たちの知的・理性的な働きは人間脳が担っています。また、慢性的な低栄養は脳のエネルギー不足に直結します。そしてこのとき、私たちの脳は爬虫類脳の反射とそれに反応した動物脳の不快な情動として表出することになります。

まず、その影響が顕著に現れるのは表情で、明らかに表情が乏しくなります。笑顔がなくなりますし、表情は固定化します。まるで爬虫類のように…

また、日常的な会話では口数が減ります。文章で話をしなくなりますし、話しかけても返事は単語となります。新型栄養失調が進んでさらに低栄養状態になれば返事もしなくなったり、「うるせ~」など暴言を吐くようになるでしょう。動物脳の「人と関わりたい」という働きにも影響が出れば、部屋にこもって家族と関わることもしなくなります。

こういったサインを見逃さないでください。そして、こんな態度を「こころの問題」という角度から見ないようにしましょう。また、冒頭でお話した食事内容を確認してください。

冷凍食品や揚げ物、スーパーのお惣菜、コンビニのお弁当やおにぎり、サンドウィッチ、パン、カップラーメンなどを毎週のように食べていないでしょうか?

また、ポテトチップスやじゃがりこ、スナック菓子、チョコレート、ケーキ、ジュース、アイスなどを食べていないでしょうか?

こういったものが多くなればなるほどカロリーはとれますが、ビタミンやミネラルはほとんどとれません。また、お菓子やジュース、アイスなどは糖分のとりすぎることになります。そして、そのとり過ぎた糖分の代謝には、体内のビタミンやミネラルが消費されることになります。つまり、さらに低栄養となり新型栄養失調は進むことになります。

まとめ

「大学生になってから起立性調節障害になった!」

そんなご相談がどんどん増えています。そして、その原因は明らかでしょう。

親元を離れて一人暮らしをはじめると、ほとんどの子どもは食事内容が悪くなります。学食や外食、ファーストフードを食べる機会が増えますし、女の子ではお菓子で食事をすませるケースも少なくありません。

ビタミンB1の記事でもご紹介しましたが、以下のように20歳以上の栄養の摂取状況は高校生と比べてはもちろん、中学生以下よりも悪化しています。その一方で、標準偏差が小さくなっています。

このことから、高校を卒業した若者の食生活は相対的に悪くなっていることが容易に想像できます。

「食」とは「人」が「良」なると書きます。

ならば、食が悪くなれば「人」が「悪く」なることも想像に難くない。私はそう考えますが、あなたは違いますか?

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