子どもを授かる前の女性に伝えたいこと!:回収油の劣化は想像を遥かに超えている!
「マズっ…」
あまりの臭いと味で、思わず口から吐き出しました。
もう30年くらい前のことです。
夕方、ケンタッキーでフライドチキンを買い、1個だけ食べました。まあ、その当時はうまく感じました。残りはそのまま放置しておき、翌朝温めずに冷たいまま食べてみました。
すると、冒頭のように口に入れるか入れないかで臭いが鼻につき、あまりの不味さもあって慌てて吐き出しました。
この事実でわかるのは、劣化した油も温かいとその性状をごまかすことができることです。そう、外食産業やスーパーのお惣菜など、私たちは騙されていることも知らずに「美味しい!」と言って食べているのです。
・大量調理における揚げ油の化学性状と色相の変化の一例 森 光寿, 立石 小百合, 戸谷 永生 2011 年 69 巻 2 号 p. 82-89
(前略) 大量の揚げ作業を行う場合,作業の進行とともに揚げ油が揚げだねに吸収されるため,適宜新鮮油が追加される。しかし,加熱酸化や重合反応が進行すると上記の化学性状が悪化するとともに,揚げ油の風味が劣り,粘度が上昇して食感が重くなりフライの品質も落ちる。
また,脂肪酸分解により低分子量物質が増えるにしたがい,加熱しても煙が大量に発生して目標の揚げ温度に到達できなくなる。この時点で揚げ油は物理的に使用不能となる。
大量調理に使用された後,直ちに回収・ろ過された廃食用油(回収油)は約数十万トン/年 集められ(ミヨシ油脂株式会社からの情報),家畜の飼料原料やペイント・脂肪酸などの工業原料として再利用されている。
回収油の劣化の程度は我々の予想をはるかに超えており,肉眼的には麦茶程度の茶色を示し,濁りのある粘稠な液体で不快臭を放つ。
近年は調理済みフライやファーストフード店のフライ製品の流通量は莫大であるが,加熱劣化油が原因となる食中毒の報告は殆ど見られない。
一方,加熱劣化油の変異原性(分析)・細胞毒性(ヒトの細胞使用)・催奇形性(ラット使用)・発がん性(細菌使用)等について報告がなされている。
Velascoらは,オリーブ油やサフラワー油中のオレイン酸から生成するモノエポキシ脂肪酸について分析し,高温下で生成する酸化脂肪酸はモノエポキシドが主たる成分であることを報告している。
・劣化油の毒性 俣野 景典 1970 年 19 巻 8 号 p. 713-721
(前略)Kaunitzら15)は綿実油,オリブ油,ニワトリ,牛脂などを60℃,40hf通気しながら酸化させ,ラットに投与したところ,未処理油と比べ致命率は増加したが蓄積脂,肝,心臓の構成脂肪酸,肝,脳のコレステリンな どには著しい差異は認められなかった。しかしながら心臓障害を発生してヘイ死したものが多く,と くに綿実油にあってはその毒性は顕著であった。(以下略)
さらに,スペインのレストランやファーストフード店で使用している油中にモノエポキシドが3.37~14.42mg/goil検出し,警鐘を鳴らしている。
また,Morley-Johnらは,ニュージーランドのファーストフード店で販売されるホットチップスの脂質含量や揚げ油の品質のデータを集め,AV(推奨値<2.5%)と PC(推奨値<25%)が推奨値を超えている店はそれぞれ5%と54%であったことを報告している。
Soriguerらは揚げ油中の極性化合物の摂取が高血圧の発症原因として単独で強く関わっていることを報告している。
このように劣化した揚げ油は,残念ながら世界中で広く使用されている可能性が高いが,急性毒性を示さないため黙認されていることが多いと思われる。
上述の回収油は回収直前まで使用されていたことより,我々は回収油をフライに含まれている最も劣化した揚げ油とみなして,これまでに種々の動物実験を行った。
すなわち,標準粉末飼料(AIN93G無脂肪)に7%の回収油を添加混合して調製した餌を,肥満・高血圧自然発症・糖尿病モデルである SHR/NDmc-cpラットと,健康体モデルのウィスター系雄性ラットに8週間自由摂取させた。
その結果,回収油は血中のグルコース濃度と脂質濃度の上昇や,肝細胞などの損傷のパラメーターとなるアスパラギン酸アミノトラスフェラーゼ(AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇,病理組織の観察より肝臓・腎臓の細胞障害をひきおこす危険性をもつことが示唆された。
大量の揚げ調理するために長時間加熱される揚げ油の劣化を,調理現場で十分頻繁に検査できていないことが懸念される。(中略)
神戸学院大学有瀬キャンパスにある複数の大学内食堂のうちの一つの食堂の協力により,揚げ調理に使用中の油が,2009年4月から10月の期間に提供された。揚げ油は月曜日~金曜日の10:00から13:00の揚げ作業の間,フジマック社製ガスフライヤー FGF21HKA内で180°C(デジタル式温度調節)に加熱された。
基本的に毎週月曜日の朝に20lの 新鮮揚げ油の使用を開始し,火・水曜日の朝は,前日使用した油に新鮮油を足して20lとしてから一連の揚げ作業を行っていた。月曜日から木曜日は業務終了後,油が温かいうちに油こしでろ過して揚げかすを除去し,専用の容器に室温下で保存した。
木・金曜日の朝はさし油をせずに専用容器中の油のみを使用し,金曜日の午後廃棄(12~13l)した。場合によっては2週間1バッチに,朝足し油をしながら使い続けることもあった。
新学期が始まった4月・5月は多くの学生が来店していたのでフライの売り上げ量が多く,1週間で油の交換を行っていたが,その後,徐々に来店学生数が減少して1バッチの油を2週間使用したとの説明を受けた。(中略)
新鮮揚げ油の脂肪酸組成は,以下の通りであった。ミリスチン酸 0.1%,パルミチン酸 11.8%,パルミトオレイン酸 0.1%,ステアリン酸 3.1%,オレイン酸 36.1%,リノール酸 42.0%,α ₋リノレン酸 6.4%,エイコセン酸 0.2%,その他 0.2%。(中略)
大学内食堂で1日当り調理される平均的なフライの数は,トンカツ130~150個,ポテトコロッケ30個,海老の天プラ20~30個で,5日間の使用後に廃棄される以外の油として12~13l消費されていた。(中略)
脂肪酸分析の結果から,使用した新鮮揚げ油は大豆油(オレイン酸約23%とリノール酸約52%を主構成脂肪酸とする)と菜種油(オレイン酸約60%とリノール酸約20%を主構成脂肪酸とする)が2:1程度の比率で混合された一般的なブレンド油であると推定された。(中略)
揚げ調理中に発生する揮発物質が,作業員に健康被害をおよぼす危険性が十分に予測され,揚げ調理時の換気にも十分な注意が必要であることが確認できた。
従来,我が国では揚げ油の加熱酸化劣化の指標としてPCは着目されていなかったが,フランス,ベルギー,スペイン,ドイツ,イタリア,ハンガリー,オーストリア,スイス,ポルトガル,フィンランドのようなヨーロッパ諸国では,PCが25%あるいは27%を超えた揚げ油は,ディープフライに使用しないことが推奨,または法的に決定されている。
今回の調査では9日後の PCが18まで上昇することがあった。大量調理においては経済面の因子も考慮せねばならないが,動物実験結果からPC 20.3%でも細胞毒性の危険性が示唆されているため楽
観はできないと思われる。(中略)
今回の一連の揚げ作業中(方法4参照)に失われた油量は多くないと判断されるが,仮に2~3 l廃棄されていたとしても,ひとつの惣菜当り平均10gの食用油が含まれていたことが結果4から算出される。この油量は日本人が一日に摂取する食用油の平均値(10~12.5g)に匹敵する。(中略)
大学内食堂において揚げ調理に使用される油は,1日に3時間,連続9日間使用する場合,AV,COV,PC,TG,色相はそれぞれ1~2.5,2~10,5~18%,90~98.5%,G 1~12の範囲にあり,いずれの性状も問題はないと判断された。(以下略)
「揚げ調理中に発生する揮発物質が,作業員に健康被害をおよぼす危険性が十分に予測され,揚げ調理時の換気にも十分な注意が必要であることが確認できた。」とあるのに、この使用済み揚げ油の性状は問題なかったそうです。笑
街のうどんチェーン店など、この何倍も揚げていますよね。でも、温かいからおいしく感じてしまいます。
・フライ油の使用限界に関する研究( III ) フライ油の風味点数と揚げ物の評価 原 知子, 石津 日出子,他 1998 年 31 巻 3 号 p. 214-219
(前略)暫定油脂試験法による官能検査における風味の分類(日本油化学協会,1981)では、固有臭があっても淡白である油(新鮮油)を5点、新鮮油固有の風味に微妙な変化が見られ、かすかに油っぽく感じる状態を4点、油っぽく、重く、油臭く、口中での消去性の悪い状態を3点、さすような味、変敗臭、嫌なにおいがして非常に油っぽいという状態を2点、強い変敗臭、ペンキ臭、刺激臭を持つ油脂を1点としている。
この風味の分類を参考に揚げ油の点数を判断した場合、フライドポテトが油臭くべたついておいしくなくなったのは風味点数3の油で揚げたときであった(揚げる・炒める分科会1993)。(中略)
2)揚げ種
魚介類、獣鳥肉類、植物性素材から、さわら、鶏ささ身、じゃがいも(メークイン)の3種を選び、前報(揚げる・炒める分科会,1996)と同様に一定の処理方法により揚げ種として用いた。(中略)
3)揚げ方法
揚げ方法は前報(揚げる・炒める分科会,1996)に準じた。キッチンフライヤー(N社 製NF-F150)に、油500gを入れ、温度計をフライヤー中央に固定し、加熱温度は170℃に設定した。
170℃到達後、15分毎に50gの材料を投入し、1回毎の揚げ時間は、さわら2分、じゃがいも、鶏ささ身3分とした。(中略)
1)風味点数3になるまでの揚げ回数
(中略)揚げ油の風味点数が3となるまでの揚げ回数はさわら8回、鶏ささ身9回、じゃがいも14回であった。(以下略)
さて、風味点数3は「油っぽく、重く、油臭く、口中での消去性の悪い状態」です。
味覚や嗅覚には危険を察知する働きがあります。腐ったものや有毒なものを嗅ぎ付け、それを避けようとしてくれます。冒頭で私が前日買ったフライドチキンを朝、冷めた状態でとても食べれる状態でなかったことを紹介しました。よって、風味点数3は、すでにその状態だと考えていいでしょう。
分かる人には分かりますが、分からない人には伝わらないと思いますが…
さわらはたった8回(1.9時間)、鶏ささ身も9回(1.9時間)、じゃがいもは14回(3.1時間)揚げた揚げ油を、私たちの本能は「食べ物ではない!」と教えてくれています。
では、先程の大学食堂に戻りましょう。
「大学内食堂で1日当り調理される平均的なフライの数は,トンカツ130~150個,ポテトコロッケ30個,海老の天プラ20~30個」
風味点数は3以下であることは間違いありませんよね。
風味点数2点:さすような味、変敗臭、嫌なにおいがして非常に油っぽいという状態
1点:強い変敗臭、ペンキ臭、刺激臭を持つ油脂
しかも、「毎週月曜日の朝に20lの 新鮮揚げ油の使用を開始し,火・水曜日の朝は,前日使用した油に新鮮油を足して20lとしてから一連の揚げ作業を行っていた。月曜日から木曜日は業務終了後,油が温かいうちに油こしでろ過して揚げかすを除去し,専用の容器に室温下で保存した。
木・金曜日の朝はさし油をせずに専用容器中の油のみを使用」です。
どう考えても、風味点数は2点以下でしょう。
外食産業の揚げ油は、この大学内食堂以上に変敗した揚げ油が使われています。
「回収油の劣化の程度は我々の予想をはるかに超えており」
こういった指摘に対し、危険を察知する本能が働かない人が今の日本人のほとんどです。それも、サラダ油や植物油脂、トランス脂肪酸の過剰摂取および添加物だらけの食生活の影響ですね。
一日もはやく10日間チャレンジを家族ではじめることを強くお勧めします。
以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。
チクワを食べた方は以下の記事は必読です。お役立てください。
・年度末は眠っている家族や親戚。「体調+メンタル」不良を改善する大チャンスかも?
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16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。
病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。