子どもを授かる前の女性に伝えたいこと!オメガ3系脂肪酸が体に与える影響とは…?

昔から「十月十日(とつきとおか)」と言われていますが、妊娠期間は約10カ月間です。そして、「十月十日」と書いて「朝」となります。日本語には言霊があるとされていますが、その意味で「油断大敵」とは現代人への警告のために作られた言葉だったのかもしれませんね。

さて、今回はオメガ3系脂肪酸が体に与える影響を確認していきます。α-リノレン酸やEPA、DHAが脳や心臓をはじめとして私たちの健康を守るため、重要な役割を果たしていることが理解できることでしょう。

オメガ3脂肪酸が体や脳機能に与える影響!

前回もお伝えしましたが、必須脂肪酸のひとつであるオメガ6過剰摂取はさまざまな病気の原因となります。一方で、オメガ6と競合的に働くオメガ3脂肪酸にはさまざまな健康効果が認められています。まずは、その確認をしておきましょう。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 ω3系植物油・魚油の有効性・安全性 名古屋市立大学薬学部 小林哲幸

主に動物実験の結果から、一般にω3が有効に働く疾患、病態として血栓性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)の予防、アレルギー症・炎症反応の抑制、発ガンと転移の抑制、高血圧・脳出血の予防、学習能・網膜機能の維持、老化抑制(寿命と老齢時の識別能)などが証明されている。また、乾せん症、リュウマチ性疾患などに有効であるとの報告もある。

DHAにスポットライトを当ててはいけない!

オメガ3サプリメントというと、多くの方はDHAの効果に目を奪われているようです。確かにDHAは脳や目、心臓などに豊富ですから、スポットライトを当ててしまうのも自然なことでしょう。しかし、重要なのはオメガ3脂肪酸の生体内での動態や代謝は同じではなく、生理機能も異なる点です。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 ω3系植物油・魚油の有効性・安全性 名古屋市立大学薬学部 小林哲幸

アラキドン酸代謝の拮抗疎外という点では、EPAが最も活性が高い。一方、リノール酸からアラキドン酸への変換の拮抗疎外では、α-リノレン酸の活性が高いDHAは、EPAと異なる経路でリン脂質に導入され、また、脳・神経、網膜、筋肉などの臓器に特異的に濃縮される点でもEPAと異なっている。

簡単に、

・体内のアラキドン酸に対抗できるのはEPA

・リノール酸に対抗できるのはα-リノレン酸

EPAとα-リノレン酸あってのDHAということになります。

そのため、当社のラケシスA「EPA>DHA」という処方にプラスしてえごま油(α-リノレン酸)を加えています。

逆に、多くのメーカーで販売されているDHAサプリメントは「DHA>EPA」という処方です。この処方では、オメガ6過剰(アラキドン酸過多)の現代人にはほとんど対抗できません。また、この処方では別にα-リノレン酸を摂らないとリノール酸に対抗できません。

各種オメガ3脂肪酸の役割!

人間も一人一人に得手不得手があるように、同じオメガ3系脂肪酸でもα-リノレン酸、EPA、DHAにはそれぞれの長所と短所があります。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 ω3系植物油・魚油の有効性・安全性 名古屋市立大学薬学部 小林哲幸

α-リノレン酸は、速効性はないものの各種慢性疾患の予防のための食品として最も適している。EPAは、血栓性疾患などに対する医薬品として比較的短期間で効果が期待できる。また、DHAは、脳・神経の発達期の栄養補給として必要である

魚食で死亡率が低下する!

オメガ3系脂肪酸の効果が知られるきっかけとなったのは、デンマークのH.O.BangとJ.Dyerbergが実施した介入試験です。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 心血管系疾患におけるω3脂肪酸の効果 富山医科薬科大学第一内科 浜崎智仁

AMI(心筋梗塞)を起こした男性2033人を2年間にわたり、食事療法により治療し、AMIの二次予防の可能性を調査した。食事の指導項目は①週2~3回の魚食(ただし脂っぽいもの)、②食物繊維を増やす、③P/S比(多価不飽和脂肪酸 対 飽和脂肪酸 の比)の上昇の三点である。

2033名の患者をランダムに2群に分けることを3回行い、そのたびに①、②あるいは③を一方の群には指導し、他方の群には指導しない方法で、グループ分けをした

結局、①、②、③のどの方法もAMIの二次予防が全くできなかったのであるが、興味深いことに、魚食群と非魚食群を比較すると総死亡数で優位さが表れ、魚食群では29%低下することが判明した。(中略)

これにより、2年間魚を週2~3回食べることで、総死亡数を減少させ、その原因としてAMIを起こした際に発生する致死的不整脈を予防できる可能性がでてきた。

事実、この発表の一年前にオーストラリアのグループが、ネズミの実験的AMIにより起こる心室細動(一番危険な不整脈)を魚油投与により完全に予防しうるとの研究結果を発表していた

米国からも最近重要な疫学調査が発表された。(中略)この調査はアメリカの35~57才の男性36万人から出発し、三大危険因子を持つ12,000人を10年にわたり調査し、食事中の油脂の成分と死亡率との関係を計算した。

それによると、EPAおよびDHAの摂取は冠動脈疾患と、また全死亡に対しても負の相関があり、食事中Σω3/Σω6は癌死に負の相関があった。なお彼らの平均EPAの摂取量は日本人のほぼ1/10で1日70㎎であった。

魚食にはこのようなメリットがある。だからこそ、日本人は製薬会社や政府、医師会との協力で欧米食文化に誘導されてきました。

「彼らの平均EPAの摂取量は日本人のほぼ1/10」とありますが、この論文は1992年のものです。本格的な魚離れはこれ以降ですが、この論文では最後に次のような指摘をしています。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 心血管系疾患におけるω3脂肪酸の効果 富山医科薬科大学第一内科 浜崎智仁

欧米人のω3PUFA摂取量の少なさは現在危険な状態にあり、これが原因の一つとなり、AMIや慢性炎症性疾患が多く見られる。日本人は彼らよりましとはいえ、今の中学生は1985年の日本人をはるかに離れ、ほとんどアメリカ人に近い数字になってきた。自分自身の健康のためにもω3PUFAは必要だが、次の世代に対する教育も実は大変重要になってきた

2023年を迎えた今、30年前とは比較にならないほど魚離れが深刻です。今は慣れましたが、10年以上魚を食べたことがない。月に1回程度というご家庭が少なからずありました。また、魚を食べても魚フライだったり、シーチキンの油漬けだけというご家庭もありました。

私の肌感覚では、現在の日本人の8割以上が欧米人より欧米食を好んで食べています。また、回転すしなど一見和食のチェーン店が盛況ですが、ネタが養殖魚だったり、マヨネーズを使ったものだったり、揚げ物やカレーなどのサイドメニューを食べていたりと、とても和食とは言えないものを食されていると感じています。

記憶学習能への影響!

前述したように、脳にはDHAが豊富です。また、脳にはEPAやα-リノレン酸は〝ほぼ″存在しません。(マレに紛れ込むことがあるようですが、速やかに除去されるようです)そして、脳脂質中のDHAが減少すると脳機能が低下することが動物実験で明らかにされています

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 記憶学習能におけるDHAの役割 農水省食品総合研究所 鈴木平光

n-3脂肪酸欠乏食と記憶学習能との関係については、古くはY迷路型学習実験装置を用いて、大豆油とサフラワー油食(n-3脂肪酸欠乏食)の影響を調べた1976年の報告がある。この結果では、大豆油食群に比べて、サフラワー油食群は正解率が低い

・大豆油:α-リノレン酸(ω3)6.1g 、リノール酸(ω6)49.67g/100g

・サフラワー油:α-リノレン酸0.22g、リノール酸69.97g/100g

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 記憶学習能におけるDHAの役割 農水省食品総合研究所 鈴木平光

大豆油食、普通食、ラード食で飼育したラットの水路型学習実験では、普通食群やラード食群は、大豆油食群に比べ、水面下の足代を探すまでの食事が長く、成績が悪いことが認められている。

普通食の内容はわかりませんが、ラードは飽和脂肪酸だけで必須脂肪酸(ω3とω6)が含まれていません。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 記憶学習能におけるDHAの役割 農水省食品総合研究所 鈴木平光

エゴマ油食、普通食、サフラワー油食を親子2世代のラットに食べさせた後、子ラットで明度識別型学習実験を行うと、サフラワー油食群はエゴマ油食群や普通食群よりも正答率が低いことが明らかにされている。また、このとき、エゴマ油食群と魚油食群との間には差がないことが報告されている。

う~ん。この農水省食品総合研究所の鈴木さん、大丈夫でしょうか?

論文の内容が一部繋がっていないようです。まあ、そういうとこなので今回はスルーします。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 記憶学習能におけるDHAの役割 農水省食品総合研究所 鈴木平光

魚油やDHAを添加した飼料とn-3脂肪酸欠乏食とを比較した実験が学会等で発表されている。これらの報告でも、n-3脂肪酸欠乏食は、魚油食群やDHA食群に比べて記憶学習能が低いことが明らかにされている。

演者らも、イワシ油食とパーム油食(n-3脂肪酸欠乏食)をマウスに12ヶ月間与えて、24時間断水した後、出口に水を置いた迷路(袋小路が3ヶ所ある)に入れ、出口を捜させる実験を行った。

その結果、パーム油食群のマウスはイワシ油食群のマウスに比べ、袋小路に迷い込む回数が多く、出口に到着する時間も長く、捜す能力や記憶学習能が低いことが示唆された

ここで念のため、重要なことを記します。

人間の脳や目、心臓、各種臓器の脂肪酸組成と、ウマや牛、犬、猫、ネズミ、カエルに至るまで、その臓器の脂肪酸組成はほとんど同じです。よって、どの動物も脳にDHAが豊富であり、ラットやマウスの実験結果はそのまま人間に当てはまることになります。

母乳とミルク

実は、母乳が十分に出ないのもオメガ6過剰かつオメガ3脂肪酸不足が原因です。そして、母乳とミルクで育てるとIQに差が出ることもわかっています。

DHA(Ω3)シンポジウム 1992 年 1 巻 p. 8-19 記憶学習能におけるDHAの役割 農水省食品総合研究所 鈴木平光

ルーカスらによると、1.5㎏で生まれた未熟児300名にちて、母乳で育てた者の方が、ミルクの者よりも高いIQを示したことが報告されている。この理由として、母乳中のDHAもその一因であろうと考察している。(中略)

わが国では、魚介類摂取頻度とアルツハイマー型痴呆症で死亡した人との関係を疫学的に研究した結果があり、それによると、魚介類を毎日食べる人では、アルツハイマー型痴呆症で死亡する率が低いことが明らかになっている。

以上のように、DHAは明らかに脳機能を高める働きがあります。

ただし、何度も指摘していますが、オメガ6過剰の状態ではDHAをいくら摂ってもその効果はほとんどありません。また、EPAを十分に摂ったケースとそうでないケースでもDHAの効果は違うことを強調しておきます。

まとめ

魚食が死亡率を低下させる。

また、DHAは脳機能を高める働きがあることがお分かりいただけたことでしょう。

よって、もしお子さんが塾に通っても成果が上がらないなら、その責任はお子さんではなくお母さんが作った食事にある。こともご理解いただけたことでしょう。

給食が出るなら、その影響も計り知れません。

お子さんの将来を真剣に心配するのなら、本格的な食生活の改善を強くお勧めします。

以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。

1.10日間チャレンジ

2.減塩を止める – 塩(どの塩を買ったらいいかわからない方はラメールをお試しください)をとる

3.小麦断ち

4.16時間節食

重曹+クエン酸

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16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。

病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。

【拡散希望!】ワクチン打っても食事を改善すれば助かるかもしれません!すべては赤血球の質です

 

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Posted by sinsd