悪玉菌は酸素が好きで、ビフィズス菌など善玉菌は嫌いであることをご存じでしたか…?
健康な大腸内の酸素濃度は非常に低く、ほぼ〝無酸素″状態(約1〜4%以下)です。
口から肛門に向かって消化管内の酸素は徐々に減少。小腸から大腸へ向かうにつれて酸素は急激に低下し、大腸内はほぼ無酸素状態になります。これにより、小腸と大腸では生息する腸内細菌が異なります。
また、ヒトの腸内には数百種類,100兆個ほどの細菌が生息していますが、その約9割が大腸内、つまり酸素を嫌う細菌(偏性嫌気性菌)です。
この腸内細菌叢の組成は,食事,季節,ライフスタイル,ストレス,抗生物質の服用,各種疾患などの多くの環境因子の影響を受けています。特に注意が必要なのが食事内容と抗生物質の服用です。例えば、抗生物質の服用が腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌を減少させることはご承知の通りです。
そんな中でも健康意識の高いヒトとそうでないヒトが…
☑ 低いヒト:野菜や果物をほとんど食べず、カップ麺やファーストフード、コンビニ弁当が主食
など、驚くほど個人差が大きいであろう食事内容について、腸内細菌叢にどんな影響を与えるのか?
1.炭水化物
2.タンパク質
3.脂肪
4.食品添加物
5.微量栄養素(ビタミン・ミネラル)やポリフェノール
上記5つについて次記事より5回に分けてご紹介しますが、今回はその前提となる基礎知識の話です。
・腸内細菌叢の時間栄養学的研究 佐々木 裕之 2021年 1 巻 1 号 1-9
小腸と大腸で生息する腸内細菌は違う!
植物や藻類が二酸化炭素を吸収し、光合成により酸素を放出します。また、私たちや動物がその酸素を利用しているのと同じように、ほとんど無酸素状態の大腸と、酸素が存在する小腸に生息している腸内細菌は異なります。
小腸に生息する腸内細菌
小腸は栄養を吸収する器官であるため、本来生息する細菌は少数です。また、免疫細胞の約70%が存在するのが小腸ですから、主に生息する細菌は免疫機能の調節や腸内環境を改善する働きをする乳酸桿菌です。
乳酸桿菌は「通性嫌気性菌」と呼ばれ、酸素がない環境を好むが、酸素があっても生育できる細菌です。
☑ 病原菌の増殖抑制:乳酸桿菌は強い酸である乳酸を生成し、アルカリ性を好む悪玉菌の増殖を抑えます。
☑ 免疫機能の調節:乳酸桿菌は小腸内の免疫細胞を刺激し免疫力をサポートしています。
☑ 栄養素の分解と吸収をサポート:消化酵素だけでは分解しきれない成分を分解し、吸収しやすい形に変えるのを助けます。
消化器官中の酸素は奥に進むほど酸素濃度が低くなります。乳酸桿菌は酸素がある環境(小腸上部)では呼吸を行います。これにより小腸下部では酸素が減少し、大腸に至るときはほぼ無酸素状態となります。
また、〝酸素がない″環境では主に乳酸を生成します。強い酸が悪玉菌の増殖を抑えますから、どちらも大腸の環境を整えるサポートであると言えるでしょう。
大腸に生息する腸内細菌
小腸を通過した後の大腸では、乳酸桿菌よりも酸素を嫌うビフィズス菌が善玉菌の大部分(約99.9%)を占めます。ビフィズス菌は乳酸だけでなくお酢の主成分でもある酢酸を作り出すことで大腸環境を酸性に保ちます。
また、大腸内には酪酸を産生する酸素を嫌う酪酸菌なども生息します。
酪酸菌が産生する酪酸は大腸の粘膜上皮細胞にとって最も重要なエネルギー源で、細胞が必要とするエネルギーの約60~80%をまかなうことで腸のバリア機能やぜん動運動を支えています。
☑ 大腸のエネルギー源:酪酸は大腸を動かし、健康な状態に保つための主要な栄養素(短鎖脂肪酸)です。
☑ バリア機能の強化:酪酸は腸の粘膜細胞の修復や新陳代謝を促し、有害物質の侵入を防ぎます。
☑ 水分の吸収:大腸での水分吸収
したがって、酪酸が十分に作れないと大腸機能は破綻します。
食べ物やサプリで腸をサポート!
発酵食品は、乳酸菌や納豆菌などの善玉菌を直接腸内に補給することができることはご承知の通りです。毎日継続して摂取することで、腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性が高まり、免疫バランスの調整や便通改善などの健康効果が高まります。
お勧めの発酵食品
・ぬか漬け:植物性の乳酸菌だけでなく、酪酸菌が非常に多く生息しています。毎日ぬか漬けを食べましょう。
・納豆:生きて腸に届きやすい納豆菌が豊富
・ヨーグルト:乳酸菌やビフィズス菌が摂れる
・味噌:麹菌や酵母、乳酸菌など多様な菌が含まれる
乳酸菌飲料はどう効くのか?
乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌は主に小腸で働きますが、大腸にも到達して効果を発揮します。小腸では主に免疫細胞を刺激して免疫力を高め、大腸では善玉菌のエサとなって腸内環境を改善します。
多くの乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌は、その多くが大腸に至る前に死んでしまうようですが、死んだ乳酸菌も善玉菌のエサとなるので有効です。
炭水化物が腸内細菌叢に与える影響
炭水化物は、体や脳を動かすエネルギー源となる「糖質」と、腸内環境を整える「食物繊維」を合わせた三大栄養素の一つです。
したがって、玄米は炭水化物のひとつですが、私は白米を炭水化物に含まれないと考えます。(→続きはこちら)
タンパク質の種類が腸内細菌叢に与える影響
肉や卵、乳製品、魚などに含まれるタンパク質を動物性タンパク質と呼びますが、これらは人体で合成できないアミノ酸がバランスよく含まれており、吸収率(90%以上)が高いのが特徴とされています。
一方で、大豆など…(→続きはこちら)
脂肪が腸内細菌叢に与える影響
脂肪も栄養素。ってことを忘れているヒトが少なくないようです。
「(脂肪は)太る!」
というイメージがありますからね。
でも、脂肪は三大栄養素のひとつです。(→続きはこちら)
食品添加物が腸内細菌叢に与える影響
食品添加物が腸内細菌叢に与える影響。
余計な物なので口にしない。これ一択です。(→続きはこちら)
安全・安心かつ長期保存が可能な加工食品を大量に備蓄してください。
この冬、食糧事情が大きく悪化すると思われるので、上記は大量に備蓄されることを強く強くお勧めします。
・酒好きに朗報!脳・血管・腸内環境を最後まで守る食べ物リスト ビールや赤ワインも!



