子どもを授かる前の女性に伝えたいこと!:多価不飽和脂肪酸が体の成長へ与える影響!
スーパーの油コーナーにはオリーブオイル,キャノラ油,大豆油,コーン油,ごま油,えごま油など,たくさんの「あぶら」が並んでいますが、私が購入を勧めるのはえごま油と亜麻仁油くらいです。もちろん、このふたつは生食です。決して加熱調理に使ってはいけません。
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「揚げる」「炒める」という調理法をやめましょう。そうすればサラダ油を使う必要はありません。また、肉料理も食べなくなるでしょう。さらに、加工食品を買うのをやめましょう。そうすれば、植物油脂やトランス脂肪酸の摂取が止まります。
オメガ6系脂肪酸のリノール酸を過剰摂取を止めれば、オメガ6過剰状態はずいぶん改善できます。また、肉を食べ無くなればアラキドン酸の過剰摂取も止まります。その上で、1日2食以下にすればオメガ6は適正量の摂取となるでしょう。
そこで、今回はオメガ6が私たちの体にどんな働きをしているのか?
適正にオメガ6の摂取は必要であることを紹介していきます。
オメガ6の生体への働きとは?
脂質はエネルギー源として利用されます。また、身体の細胞膜の重要な構成成分でもあります。さらに、摂取する脂質の中には生理活性作用を有するものがあり、その過不足が生活習慣病や不妊、精神疾患など、以下のように私たちの生涯に関わることになります。
そんな働きを持つ脂肪酸が、食事から摂取しなければいけないオメガ6系とオメガ3系脂肪酸の二つです。
したがって、私たちはこの二つの脂肪酸を過不足なくかつ、バランス良く摂る必要があります。
成長期におけるオメガ6の働き!
オメガ6過剰は生活習慣病やメンタルヘルスの悪化など、さまざまな問題を引き起こします。一方、不足すれば(食事をしていれば不足することはない)したで問題です。
オメガ6は血を固める働きを持ちます。したがって、不足してケガをすれば血が止まらなくなります。また、オメガ6はアレルギーを促進します。したがって、不足すると異物が侵入した時それを追い出せなくなります。また、オメガ6は免疫の働きにも必須です。そして、それ以外にも重要な働きをしていますので紹介します。
・成長発達期における多価不飽和脂肪酸の相互作用 守口 徹, 原馬 明子 2018 年 18 巻 7 号 p. 309-315
多価不飽和脂肪酸のうち ω6 系脂肪酸であるリノール酸(LA,18:2n-6)は,Δ6 不飽和化酵素D6D),鎖長延長反応と Δ5 不飽和化酵素(D5D)により,アラキドン酸(ARA,20:4n-6)へと代謝される。
その後さらに鎖長延長反応,D6D,β- 酸化を介してドコサペンタエン酸(DPAn-6,22:5n-6)へと代謝されることになる。
ω3 系脂肪酸である α- リノレン酸(ALA,18:3n-3)も同様な反応を経て,エイコサペンタエン酸(EPA,20:5n-3)やドコサヘキサエン酸(DHA,22:6n-3)へと代謝される(Fig. 2)。
このように,生体内では,ω6系脂肪酸と ω3 系脂肪酸は同じ不飽和化酵素や反応によって代謝されるため,互いに拮抗することが知られている。
最近では,ARA や EPA から合成されるプロスタグランジンやロイコトリエンなどのエイコサノイドやDHA から産出されるレゾルビンやプロテクチンと言ったドコサノイドの研究も盛んになり,ω3 や ω6 系脂肪酸の個々の脂肪酸の詳細な作用や役割について検討することが重要となってきた。
前述のように ω3 系脂肪酸の生体への有用性は数多く報告されているが,食餌性ω3 系脂肪酸欠乏は,α- リノレン酸,EPA や DHA など,一連の ω3 系脂肪酸全てが低下していることと ω6 系脂
肪酸については考慮されていなかったため,ω3 系脂肪酸と ω6 系脂肪酸の個々の脂肪酸の役割や両脂肪酸の相互作用を明らかにすることは困難であった。
近年,中村らが作製した D6D 欠損(D6D-KO)マウスは,LA や ALA を摂取しても ARA,EPA,DHA 等を産生することができない。この D6D-KO マウスについては,比較的短期間に代謝回転する皮膚や生殖能への各多価不飽和脂肪酸の必須性について検討されている。
しかし,脳組織については,授乳期間中に母獣乳を介して十分量の ARA や DHA が直接供給され,蓄積することから,離乳した D6D-KO マウスに各脂肪酸を与えて長期間の飼育を行っても,脳機能の明瞭な変化は得られ難い。
そこで我々は,脳組織を含む身体の著しい成長期である授乳期間から各脂肪酸の供給を調節できる人工飼育法とD6D-KOマウスを組み合わせることで,個々の脂肪酸の役割と相互作用の評価を可能にした 。
このマウスの人工飼育法は,生後 48 時間以内に新生仔を母獣から離し,人工乳を 3 時間おきに 1 日 5回授乳し,授乳時間以外は,卵巣摘出処理した経産マウスを仮母獣として新生仔の世話をさせるもので,人工乳は,脂質や炭水化物,タンパク質,ミネラル,ビタミン量は同一とし,多価不飽和脂肪酸として,LA と ALAの み を 添 加 し た Control 乳(Cont 乳 ) と, そ れ にARA,EPA,DHA,ARA+EPA,ARA+DHA の 各脂肪酸をそれぞれ 0.2%(w/v)ずつ添加した 6 種類を調製した。
対照群としては,野生型マウス(WT)にCont 乳を与えた。
D6D 欠損(D6D-KO)マウス
1.リノール酸+α-リノレン酸
2.リノール酸+α-リノレン酸+アラキドン酸
3.リノール酸+α-リノレン酸+EPA
4.リノール酸+α-リノレン酸+DHA
5.リノール酸+α-リノレン酸+アラキドン酸+EPA
6.リノール酸+α-リノレン酸+アラキドン酸+DHA
7.対照群 野生型マウス(WT)リノール酸+α-リノレン酸
生後 15 日目からは,人工乳の授乳に加え,固形化した各人工乳を離乳食として与え,3 週齢時からは,同様の脂肪酸組成の精製飼料に切り換え,仮母獣から離乳させ通常飼育して,9 週齢時から脳機能を評価した後に各組織の脂肪酸組成を測定した。
身体形成における多価不飽和脂肪酸の働き
KO Cont 群は,WT Cont 群と比較して,離乳の 3 週齢以降から体重増加が顕著に抑制されている。
※ 1.ノックアウトマウスはリノール酸+α-リノレン酸をアラキドン酸やEPA、DHAに変換できない
一方,ARA を含んだ KO ARA 群や KO ARA+EPA 群,KOARA+DHA 群は WT Cont 群と類似の体重推移を示した。ARA による身体形成の促進作用は,再現性が複数回確認されている。
また,KO DHA 群と KO EPA 群では KO Cont 群よりも体重増加は示すものの,ARA を含んだ群には及ばず,6 週齢以降,徐々に増加量は低下した(Fig. 5)。
これらのことから,エネルギー量はもちろんのこと,炭水化物,脂質量,タンパク(C,F,P バランス)やミネラル,ビタミンを等量に調整しても,多価不飽和脂肪酸が LA,ALA のみでは,身体成長には不十分であることが確認された。
特記すべきことは成長過程における外的所見である。
(アラキドン酸不足となる)KO Cont 群および KODHA 群では,週齢を重ねるにしたがって貧血に起因した四肢,耳介の白色と血便,直腸温度の低値が観察されたのに対して,KO EPA 群と ARA を含む群ではこのような症状は全く確認されなかった。
これは ARA から産生されるプロスタグランジンなどのエイコサノイドの骨格筋の増大や消化管粘膜の保護作用によるものと考えられた。また,KO DHA 群と類似した体重推移を示した KO EPA 群で血便等が観察されなかったのは,弱いながらも EPA から生成されるエイコサノイドの作用によるものと推察された。
このことから,KO Cont や KODHA 群で観察された血便等の症状は,ARA 欠乏していたために消化管粘膜の発達不良に起因した粘膜剥離が示唆される。
まとめ
赤ちゃんが飲むミルクを買う時、アラキドン酸含有されているものを選んでくださいね。もちろん、魚油も配合されているミルクです。さんざん「オメガ6系脂肪酸を摂り過ぎてはいけない!」と繰り返しお伝えしてきましたので、勘違いされていると困りますので。
母乳が出ないお母さんなら尚更ですよ。しっかり「魚油」と「アラキドン酸」含有のミルクを買ってくださいね。
1日2食食べれば必要量は足りてしまいます。
一日も早くサラダ油を使わないようにしていきましょう。
以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。
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16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。
病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。