認知症〝悪化・改善″は「何を食べ」、「何を食べないのか」の選択がカギを握っている!

良いことをすれば良い結果が…

悪いことをすれば悪い結果が自分に返ってくる。

おそらく、日本人の多くはこの因果応報(過去および前世の行為の善悪に応じて現在の幸・不幸の果報があり、現在の行為に応じて未来の果報が生ずること)という考えを信じていることでしょう。

その文脈で考えてほしいことの一つが認知症の増加です。

例外なく、誰もが認知症にはなりたくありませんよね。

よって、因果応報を前提とすれば、認知症という悪い結果は悪い行いにより生じていると考えることができます。

また、2012年に15%程度(65歳以上)だった有病率が2020年、わずか8年で18%と3ポイント悪化していることから、悪い行いをする傾向がどんどん強くなっていることが示唆されます。2012年は65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15.0%)でしたが、昨年2025年には約700万人、5人に1人になると見込まれていました。

Google AIによると1992年時点の65歳以上における年齢調整済みの認知症有病率は4.4%~5.7%程度と報告されており、1990年代を通じて高齢化率(1994年に14%突破)の高まりとともに実数は上昇し続けました。

認知症で知られている事実を再確認しておきましょう!

自分は大丈夫!

正常バイアスが働くため、ほとんどのヒトは認知症について以下のような事実をスルーしているようです。

糖尿病と認知症

糖尿病はアルツハイマー型を1.5倍、脳血管性を2.5倍発症しやすくする認知症の大きなリスク要因です。

では、糖尿病ではどのようなことに注意が必要なのかご存じでしょうか?

糖尿病患者は菓子パン、スナック菓子、カップ麺、冷凍ピザなどの「超加工食品」を避けるべきです。これらは糖質・脂質・塩分が多く、食物繊維が少ないため血糖値の急上昇を招き、2型糖尿病のリスクを高めます。加工肉や清涼飲料水も控え、素材に近い食品を選びましょう。

具体的に避けるべき加工食品

・菓子パン・洋菓子:ケーキ、ドーナツ、クッキー、甘いパン
スナック菓子・ジャンクフード:ポテトチップス、カップ麺、冷凍食品
・加工肉:ハム、ソーセージ、ベーコン
・清涼飲料水・加糖ジュース:炭酸飲料や果汁飲料(急速に血糖値を上げる)
・高GI値の炭水化物:白米、食パン、もち

注目すべきは最下部「白米や食パン、もち」も避けるべき加工食品に含まれていることです。また、多くのヒトは「冷凍」というネーミングに騙されているのかもしれませんが、冷凍食品も立派な加工食品です。

では、加工食品の利用にはどんなリスクがあるのでしょうか?

加工食品、特にスナック菓子やインスタント食品などの「超加工食品」は、高カロリー・高塩分・高脂肪で栄養価が低く、過剰摂取により肥満、心血管疾患、2型糖尿病、がん、認知症などの健康リスクを大幅に高める

ここまでのポイントを以下に記します。

糖尿病はアルツハイマー型を1.5倍、脳血管性を2.5倍発症しやすくする

糖尿病患者は菓子パン、スナック菓子、カップ麺、冷凍ピザなどの「超加工食品」を避けるべき

・加工食品は糖尿病や認知症などのリスクを大幅に高める

白米や食パンも加工食品である

コロナ禍以降、スーパーの冷凍食品売り場はどんどん拡張されているようですね。

認知症におけるDHAやEPAの働き

DHAやEPA、各種抗酸化物は以下の通り認知機能に良い働きをします。

認知症の中でも頻度の高いアルツハイマー病では,脳や脳脊髄液に酸化修飾産物(酸化により生成された物質)が増加していることや,脳内に神経炎症(神経の損傷,感染,自己免疫などの刺激に対して応答した状態)が認められる。

このため,これまでの観察研究では,魚由来のn-3系多価不飽和脂肪酸であるDHAイコサペンタエン酸,葉酸やビタミンE,ポリフェノールやカロテノイドなどの抗酸化・抗炎症作用(酸化を抑えたり,炎症を抑制したりする効果)をもつ栄養素などが認知機能の栄養学的保護因子と考えられている

食生活からの認知症予防 大塚 礼 2024年 578 巻 39-46 より引用

一方で、アラキドン酸(オメガ6)は以下の通り認知機能を低下させるだけでなく、うつ状態を招きます。※ 可溶性エポキシド加水分解酵素については後述しています。

本稿では,老化した肝臓が産生する液性因子が AD の病態を悪化させる,という新たな概念を紹介する.

本論文が注目した液性因子エポキシエイコサトリエン酸(epoxyeicosatrienoic acid:EET)は,アラキドン酸の代謝で,血管拡張作用や抗炎症作用が知られる生理活性物質である.

EET可溶性エポキシド加水分解酵素(solubleepoxide hydrolase:sEH)により不活性化型になることで,体内での働きが制御されている

AD(アルツハイマー病sEH の関連として,EH をコードする遺伝子が AD と強い連鎖を示すことがゲノムワイド解析から示されており,また,AD モデルマウスで全身性に sEH の発現を抑制させると,認知機能の低下が改善することも見出されていた

また,本論文の著者らは以前に,AD の独立したリスク因子であるうつ病に関して,肝臓の sEH の発現抑制が,慢性的なうつ状態のマウスの症状を緩和させることを報告していた.

肝臓のアラキドン酸の代謝機能は加齢とともに低下するが,肝臓の老化による sEH の機能変化の有無は不明で,その変化が ADの病態形成に与える作用も解明されていなかった.

sEH は全身の様々な臓器で発現する

著者らはまず,加齢により sEH の活性が変化する臓器を探索した.

肝臓や心臓,肺,脾臓,腎臓などを対象とした検討の結果,肝臓のみで sEH の活性が加齢に伴い増加した

sEH の活性増加と相関するように,EET の一種である 14,15-EET の血漿濃度は加齢に伴い減少した.

血漿中の 14,15-EET 濃度の変動が肝臓由来であるか検討するため,著者らは肝臓特異的な sEH 発現抑制マウスを作製した.同マウスでは血漿 14,15-EET 量の増加が認められた一方,脳内での EET 濃度は変わらなかったことから,肝臓の sEH が血漿中の 14,15-EET 濃度の変動をもたらすことが示唆された.

肝臓の sEH が AD モデルマウスに与える作用を解析するため,著者らは肝臓特異的に sEH を欠損する AD モデルマウスを作成した

同マウスは対象群と比較し,海馬におけるアミロイド β(amyloid β:Aβ)の蓄積が少なく,認知機能も高いことが複数の行動試験から示された.また逆に,肝臓での sEH の発現を高めた AD モデルマウスでは,Aβの蓄積が増し,認知機能も悪化する様子が検出された

これらの結果から,肝臓の sEH 活性と血漿中の 14,15-EET濃度,そして脳内 Aβ の蓄積や認知機能には相関関係があることが示唆された.

脳内での Aβ 量は,産生と排出のバランスによる影響を受ける.

著者らは,肝臓での sEH 活性が Aβ の産生と排出どちらに作用するかを検討するため,肝臓特異的 sEH 欠損AD モデルマウスでの脳内での Aβ タンパク質量や Aβ の分解酵素量を測定し,肝臓での sEH 活性が特に脳内での Aβの産生を制御することを示唆した.

さらに,AD 患者脳内でグリア細胞の活性化が認められる点にも着目し,肝臓特異的 sEH 欠損 AD モデルマウスのミクログリアでの分子発現を解析したところ,貪食に関わる TREM2 の発現変化も
検出した.

その他にも著者らは,プロテオミクス解析を実施し AD の遺伝的リスク因子である ApoE と TREM2 の関連を示し,末梢臓器由来の 14,15-EET が血液脳関門を越えて脳内へ移行することを見出し,14,15-EET を直接脳内に投与することでも脳保護効果が発揮されることを示した.

以上の結果は,肝臓が制御する血中因子が脳内へ直接作用し,AD に関連する組織学的変化と行動変化をもたらすという AD 病態形成の新しい作用機序を提示し,さらにその分子メカニズムの一端が解明されつつあることを示している.

老化した肝臓がもたらす認知機能の低下 三宅 雄大, 三澤 日出巳, 村松 里衣子 2024年 159 巻 1 号 69

可溶性エポキシド加水分解酵素の働き

可溶性エポキシド加水分解酵素

覚える必要もない名称ですが、この酵素の働きは重要です。

なぜなら、この酵素はリノール酸過剰摂取で活性化するからです。

アラキドン酸とDHAの代謝経路

まず、アラキドン酸はシトクロムP450(CYP)によって「エポキシ体」に変換されます。

・アラキドン酸 → EETs(エポキシエイコサトリエン酸)

実は、このエポキシエイコサトリエン酸は強力な血管拡張作用抗炎症作用を持つ、健康維持にとても重要な働きをする生理活性物質です。

生理作用血管拡張: 強力な血管平滑筋弛緩作用を持つ。
抗炎症作用: 炎症性サイトカインに対する細胞保護作用がある。
血管新生促進: 心筋梗塞の範囲を縮小させる可能性が示されている。

ただし、エポキシエイコサトリエン酸は短時間しか存在できず、速やかに(酵素)可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)によって非活性型のDHET(ジヒドロキシエイコサトリエン酸)に速やかに分解されます。

・アラキドン酸 →酵素(シトクロムP450) →  EETs(エポキシエイコサトリエン酸) → 酵素(sEH) → DHETs(ジヒドロキシエイコサトリエン酸
EETs(エポキシエイコサトリエン酸)が体に良い働きをする一方で、このDHETs(ジヒドロキシエイコサトリエン酸) は炎症性・細胞毒性を持つ物質です。先の論文では、このsEHが活性化するとアミロイドベータが蓄積し認知機能が低下すること。うつ状態が悪化することが指摘されていましたね。

実は、このsEHの活性化を促すのがリノール酸過剰摂取です。

リノール酸の過剰摂取とsEHの活性化

リノール酸を過剰に摂取すると、原料であるエポキシドが増え、それを分解するsEHの働きも高まるため、結果としてDHETEのような炎症性物質が大量に生成されます。また、この物質は細胞内に蓄積します

したがって、リノール酸過剰摂取は負の連鎖を生むことになります。

リノール酸過剰摂取とsEH経路による身体への影響

リノール酸の過剰摂取によりsEH経路が活性化されると、主に以下のリスクが高まります。

慢性的な炎症と血管損傷: リノール酸から作られたDiHOMEは血管の細胞を攻撃し、コレステロールを溜まりやすくして動脈硬化を促進します。

生活習慣病のリスク増大: 肥満、高血圧、炎症性疾患(腸疾患など)に関与するとされています。

認知機能への影響: 2型糖尿病の患者においては、この経路で生じるDiHOMEが脳の微小血管の炎症や、脳の白質の構造的ダメージ(白質病変)と関連していることが報告されています。

HDLコレステロールの低下: リノール酸の過剰摂取は、善玉(HDL)コレステロールを低下させることが知られています。

sEHを活性化する他の原因

リノール酸過剰以外にも、以下の因子がsEHを活性化または発現を亢進させることが報告されています。

・高脂肪食 (HFD): 高脂肪の食事全般が肝臓などでのsEH活性を高める要因となります。肉や乳製品の摂取はできるかぎり控えましょう。

・炎症性脂質(酸化LDLなど): 酸化された脂質は炎症のシグナルとなり、sEHの活性化を誘発します。揚げ物炒め物はできる限り避ける必要がありますね。

・糖尿病・代謝障害: 糖尿病状態の腎臓や網膜では、sEHの活性や発現が変化し、病態に関与します。

まとめ

最近テレビを眺めているとグルメ番組やグルメ情報が溢れていると感じています。また、その多くが既述したsEHの活性化に繋がるものばかり。もう、日本人の食生活改善は待ったなしの状況と言えるでしょう。

とにかく、植物油や植物油脂、トランス脂肪酸、添加物などの摂取を止めることが〝はじめの一歩″です。ぜひ、10日間チャレンジを生活に取り入れてください。

なお、sEHの活性化は自閉症の原因のひとつとなる可能性を最後に指摘しておきます。

自閉スペクトラム症(ASD)は社会的コミュニケーションの障害や興味の限局と常同的・反復
的行動を主徴とする神経発達症であり、早期診断に有用な生物学的指標は未だ確立されていな
い。

近年 ASD の発症には母体免疫活性化の関与が指摘され、ASD モデルマウスでは、炎症性ジヒドロキシ脂肪酸Diol)を生成する可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)の脳内での発現上が報告されている。また、ヒト臍帯血中の Diol が出生児の ASD 特性と関連する可能性も報告されている

自閉スペクトラム症特性をもつ新生児における臍帯血中可溶性エポキシド加水分解酵素の低下 菜 都希, 平井 孝治, 他 2025年 13 巻 2 号 74 より引用

 

結婚前のお子さんがいらっしゃるなら、「本当の妊活!」をお役立てください。

 

 

 

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Posted by sinsd