子どもを授かる前の女性に伝えたいこと!食用油の選択が寿命に与える影響とは?
魏志倭人伝には「卑弥呼がいた邪馬台国は80~90歳まで生きる長寿国だった」という記述があるそうです。
その頃には魚介類を発酵させた塩辛、ひしお(醤)、口噛み鮭、なれずしなどの発酵食品があり、卑弥呼が食べていたのは主食が玄米、栗を蒸した強飯(こわめし:おこわ。小麦や大麦、きび、ヒエも使っていた)、
菜茹(さいじょ:ダイコン、カブ、ゴボウ、フキ、ウリ、タデ、ノビル、みつば、せり、ヒョウタンなどの野菜・山菜、獣肉や魚肉を一緒に煮込んだ汁物)、
副食に魚介の刺し身や塩焼き、干物、ワカメやアラメなどの海藻の熱汁、山菜の塩茹でや塩漬け、茹でた大豆・小豆・サトイモ、桃、柿、梅、スモモ、山ぶどうなどの果物、クルミ、栗などの木の実、口噛み酒、など多様な食材を食べていたそうです。
卑弥呼は西暦247年頃「倭国の女王」と魏志倭人伝に記されていますが、西洋医学など存在しない時代に80~90歳まで生きる長寿国だったことから、今の住環境を考えれば伝統的な日本食へ回帰すればさらに寿命が延びると私は思います。
一方、グリーンランドのイヌイット(以前はエスキモーと呼ばれていた)は、1日当たりn-3系脂肪酸として5~10g、EPAとDHAの合計としては4~8g程度摂取しており、この状況は一生続いていると考えられています。
また、イヌイットは高脂肪、高たんぱく質、低炭水化物、高エネルギーの欧米型の食事をしているにもかかわらず、糖尿病の発症は極めてマレです。したがって、健常人にあってはn-3系脂肪酸の糖尿病発症抑制効果が期待できます。
食用油の選択が寿命に与える影響とは?
オメガ3系脂肪酸の代表的なものにα-リノレン酸とEPA、DHAがあります。α-リノレン酸は生体内でEPAに変換され、またEPAもDHAに変換されます。そのため、α-リノレン酸だけ摂取すれば良いという意見もありますが、私はEPAやDHAを直接摂取した方が良いという立場です。
α-リノレン酸のEPAやDHAの転換効率
体内に入ったα-リノレン酸はEPAやDHAに変換されますが、その転換効率は非常に低いと考えられています。
・n-3系多価不飽和脂肪酸の生理的有効性と栄養学的側面からみた安全性評価 斎藤 衛郎 2001 年 59 巻 1 号 p. 1-18
重水素でラベルしたα-リノレン酸を成人男性に投与し、48時間までに血漿総脂質のEPAとDHAの変換をみた試験では、低リノール酸食(リノール酸15g/日:飽和脂肪食)では、48時間までにEPAへの転換率は6%、DHAへは3.8%、高リノール酸食(リノール酸30g/日:多価不飽和脂肪食)では、それぞれ3~3.6%、1.9~2.3%であり、高リノール酸食により40~50%転換率が低下するとされている。
前述したように、イヌイットはEPAとDHAの合計としては4~8g程度摂取しています。上記の低リノール酸食ではα-リノレン酸の約10%がEPAとDHAに変換されていますが、仮にEPAとDHAを合計4g得るのにα-リノレン酸を40g摂取する必要があります。これは、イヌイットが1日当たりにとるn-3系脂肪酸の4倍ですので、どう考えても現実的ではありません。
私見ですが、私は1日にオメガ3系脂肪酸を合計で5g程度は摂った方が良いと考えています。また、EPAとDHAで最低3gは摂った方が良いと考えていますので、やはり魚介類とサプリメントの併用が現実的でしょう。
魚食と死亡は逆相関する!
EPAとDHAの生理的有効性は「魚を食べる」人「全く魚を食べない」人を比較した疫学調査が参考になります。
・n-3系多価不飽和脂肪酸の生理的有効性と栄養学的側面からみた安全性評価 斎藤 衛郎 2001 年 59 巻 1 号 p. 1-18
オランダZutphenで実施され、Zutphen Studyと呼ばれている。この研究では、852人の中年男性を1960年から20年間追跡し、その間78人が冠動脈性心疾患で死亡した。
魚食と死亡は逆相関し、1日平均30gの魚(週に1~2回の魚料理)を食べるだけで、全く食べない人(全体の約19%)と比較して冠静脈性心疾患による死亡が半分以下となることが明らかになった。(中略)
同様の結果が、中年男性1,822人を30年間追跡調査したChicago Western Electric Studyでも得られている。この疫学調査では、魚を1日当たり35g食べる人々は、食べない人々に比べ、冠動脈性心疾患のうち突然死を除外した心筋梗塞死の相対危険度が0.33となり、優位に低下したとしている。(中略)
同様に、アメリカの40~84歳の男性医師20,551人を11年間追跡調査した前向きコホートスタディPhysicians’Health Studyがある。この調査では、魚をほとんど食べない人と比較して、少なくとも週1回程度の魚の摂取が不整脈による心突然死の抑制に有効であるとの結果を得ている。
魚の摂取量だけではなく、長鎖n-3系脂肪酸の摂取量との相関でも相対危険度を優位に下げていた。(中略)
心臓病歴のない44,895人の男性を6年間追跡調査したHealth Professionals Followup Studyでも、週1~2サービングの魚の摂取は、冠動脈性心突然死のリスク軽減に有効であった。
オメガ3系脂肪酸を摂らないとリスクが増大する!
食事から必ず摂らなければいけない脂肪だからこそ、オメガ6とオメガ3は必須脂肪酸と呼ばれます。そして、オメガ3が不足すればするほどオメガ6による体内の慢性炎症が悪化していくようです。
・オメガ3 系多価不飽和脂肪酸による 心血管イベント予防とその作用機構 龍野 一郎 2019 年 28 巻 1 号 p. 25-
この研究ではオメガ6系脂肪酸としてリノール酸(LA)、オメガ3系としてALAを食事として与えた。ALAを低下させLAに偏った食事に変えると肝臓で desaturase と elongase の発現が亢進し、肝臓内での多価不飽和脂肪酸量は AAが著明に増加、オメガ3系では DHA、EPA ともに減少したが、特に EPA が激減していた。
一方、DHA がもともと豊富に存在する脳では AA は僅かに増加、DHA も僅かに減少、もともと少ない EPA は著明に低下していた。このことから生体内ではオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸の欠乏状態では AA が充分に供給されているにもかかわらず、不飽和化酵素と脂肪酸鎖長延長酵素が活性化し、欠乏しているオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸を供給しようとしていた。
更に、EPA に優先して DHA の産生が増加し、生体内での DHA を維持しようとしている機構の存在が示唆された。
つまり、オメガ3が不足すると、それを補うためにアラキドン酸(オメガ6)が増えることになります。オメガ6の過剰摂取は問題ですが、オメガ3が不足するだけでオメガ6の弊害が強く表れることになります。
以下、チクワを食べた人にはとても重要な情報です。心筋炎増えていますからね。
・オメガ3 系多価不飽和脂肪酸による 心血管イベント予防とその作用機構 龍野 一郎 2019 年 28 巻 1 号 p. 25-
Statin 投与中の高中性脂肪血症を持つ心血管リスクの高い患者群を選んで高純度EPA 製剤を高用量 4 g/day を投与したREDUCE-IT 試験では心血管イベントがコントロールに比して 25%も低下させたと
いう衝撃的な結果が報告された。
EPA4gといったら、イヌイットの人たちでも摂っていませんね。
・高コレステロール食ラットの脂質代謝に及ぼすn-3/n-6多価不飽和脂肪酸比率の異なる油脂投与の影響 滝田 聖親, 中村 カホル, 他 1992 年 45 巻 4 号 p. 317-323
n-3PUFAの多い食事の摂取では血栓形成阻止作用のみられることが示されている。魚油を与えたあとに起こる血小板膜リン脂質中のC20:5/C20:4比の増加は血小板凝集の低下に関わっていることが示唆されている。
また、他の研究者は、C20:5n-3は血小板リン脂質からのC20:4n-6の遊離を低下させることを認めている。
血栓で亡くなっている人も増えています。チクワを食べた人は今すぐオメガ3サプリを飲みはじめましょう。
まとめ
イヌイットの疫学研究では、乾癬・甲状腺機能亢進症・多発性硬化症・気管支ぜんそくなどの自己免疫性疾患が少ないことが知られています。ということは?
こういった病気はオメガ6による炎症反応が原因ということですね。
多くの病気が作られてきた。これが西洋医学の現実です。
つまり、サラダ油や植物油脂、トランス脂肪酸を摂っていれば早死にするという話です。現在の60歳以上の人の多くは子どもの頃から魚食でした。高齢者ほどその傾向が強くなります。
一方で、現在の45歳以下くらいから急速に魚離れがはじまっています。また、子どものころから外食が当たり前の年齢ですし、コンビニも子どものころからありました。ですから、45歳以下の人は真剣にお考えいただくことを強くお勧めします。
目を覚ましましょう。
以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。
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・年度末は眠っている家族や親戚。「体調+メンタル」不良を改善する大チャンスかも?
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16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。
病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。