子どもを授かる前の女性に伝えたいこと!糖尿病が胎児に与える影響とは? 深刻です。

糖尿病について!

「糖がだぶついて余っているのが糖尿病!」

そう、勘違いしている人がほとんどですが、糖尿病は細胞が糖をエネルギー源として利用しずらくなる病気です。糖を摂るとすい臓からインスリンが分泌されますが、糖尿病は大きくふたつあり簡単に説明すると…

・インスリン分泌不足:細胞膜のドアのカギが足りなくてブドウ糖が入ることができない

・インスリン抵抗性:インスリンはあるのにドアが壊れていて開かない(ので、ブドウ糖が入れない)

ガバガバジュース類を飲んでいれば前者の可能性がありますが、ほとんどの糖尿病は後者です。そして、その原因は「油」にあります。

妊娠と糖尿病。およびオメガ3脂肪酸

糖尿病患者が妊娠した場合はもちろん、妊娠中に高血糖が続くと胎児に大きな影響があります。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

胎児期を過栄養環境で過ごした子どもには悪い影響はないのだろうか? 

糖尿病の患者が妊娠し出産する糖尿病合併妊娠,および妊娠により発症する妊娠糖尿病がその答えを与えてくれる.つまり,これらの妊婦の疾病では母体の血糖値が上昇することにより,胎盤を通じて,血糖値の高い血液が胎児に供給される子宮内高血糖状態となる.

子宮内高血糖が胎児に及ぼす合併症として,巨大児,低酸素症,多血症,呼吸障害,先天奇形および心肥大などが報告されており,流産,早産の危険リスクが高まり,最悪の場合は子宮内胎児死亡に至るケースもある.

細胞が糖を取り込む方法とは?

細胞は脂質二重層と呼ばれる細胞膜で囲まれています。また、細胞内にはさまざまな働きをする小胞体が存在しますが、それらの多くは以下のように〝必要に応じて″細胞内から浮かび細胞膜と融合することでその効果を発揮します。

ブドウ糖を細胞内に取り込むのはグルコーストランスポーターと呼ばれる小胞です。グルコーストランスポーターは、細胞膜がインスリン分泌に氣づくとモータータンパク質が運んできます。

グルコールトランスポーターにはグルコース専用のドアがいくつも付いています。つまり、細胞膜と融合し、一時的にグルコースを細胞に招き入れるドアを増やします。それにより、健康な人が甘~いジュースを飲んでも高血糖状態はさほど続くことはないのです。

グルコーストランスポーター:ドアの役割をするタンパク質がいくつも膜に浮いている

インスリン抵抗性

インスリン抵抗性の原因は大きくふたつ考えられます。ひとつは膜の流動性の低下。もうひとつが終末糖化産物(AGEs:以下AGEs)の生成です。

以前もご紹介していますが、細胞膜に入るリン脂質はsn-1位に飽和脂肪酸が、sn-2位に不飽和脂肪酸が入ります。

不飽和脂肪酸には以下のような種類があります。

・オメガ3:α-リノレン酸、EPA、DHA

・オメガ6:リノール酸、アラキドン酸

・オメガ9:オレイン酸(オリーブオイルに含まれることで有名)、エルカ酸

この[369]という数字が何を意味するのかというと二重結合の位置です。以下はすべて炭素数18のオメガ3と6,9の脂肪酸です。

・α-リノレン酸(18:3、n-3)

・リノール酸(18:2、n-6)

・オレイン酸(18:1、n-9)

一番下のオレイン酸は二重結合がひとつです。そして、二重結合の両脇部分はそれぞれ60度の角度で折れ曲がります。

また、上図の下がオレイン酸ですが、オメガ9とはメチル基末端から9番目に二重結合があることを意味します。リノール酸には2つ、α-リノレン酸には3つ二重結合がありますが、最初の二重結合はオメガ6は6番目、オメガ3は3番目にあります。ということで、絵が下手ですが、大雑把にこれらがリン脂質に入ると以下のようになります。

隣との間隔が大きく違うのがわかると思います。が、現実にはリノール酸には2つ、α-リノレン酸は3つの二重結合がありますので…

想像できると思いますが、これらが細胞膜に浮かんでいるわけです。隣との間隔が大違いであるのは容易に想像できることでしょう。

飽和脂肪酸:パルミチン酸

分かっていることとして、パルミチン酸がインスリン抵抗性やアポトーシスを抑制することです。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

飽和脂肪酸のパルミチン酸は心筋細胞機能不全を引き起こし,TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインが発現することで,インスリン抵抗性を引き起こすことが報告されている.さらに,ラット心筋芽細胞株(H9C2)を用いた研究ではパルミチン酸はインスリンシグナル伝達系やMAPキナーゼシグナル系により,NFκB活性が惹起され,心筋細胞でアポトーシスやインスリン抵抗性の原因となることが明らかになっている。

「炎症性サイトカインが発現することでインスリン抵抗性を引き起こす」

ここで想像してみましょう。インスリン抵抗性とは、細胞膜にグルコーストランスポーターが融合できない状況です。

例えば、満員電車(オレイン酸のリン脂質が多い車両)にトランクケース(糖を取り込むドアだと思ってください)を20個入れるのは大変です。しかし、ガラガラの車両(α-リノレン酸のリン脂質が多い車両)なら容易ですよね。

つまり、飽和脂肪酸(パルミチン酸)でインスリン抵抗性が現れるのは、膜の流動性が低下することが原因だと考えられます。また、グルコーストランスポーターの膜も同じように狭くなっていることも予想されます。そのため、膜の融合がうまくいかず、糖を取り込むドアの設置ができないのでしょう。

なお、肉食ばかりだと飽和脂肪酸の摂り過ぎとなりますが、人間の体は一価不飽和脂肪酸を作ることができます。また、1日3食摂れば十分なリノール酸を摂取することになります。論文でも「炎症性サイトカインがインスリン抵抗性を引き起こす」とあります。よって、オメガ3の摂取不足レベルが膜の流動性を低下させ、以下で説明する終末糖化産物(AGEs)の生成がインスリン抵抗性の原因だと思われます。

終末糖化産物(AGEs)の恐怖!

一般に、肉を焼くのはサラダ油です。よって、肉食はリノール酸摂取量が増えることになるでしょう。また、トンカツなどを食べる習慣があるのならなおさらでしょう。さらに、肉食好きな方の多くは魚離れが進んでいると想像されます。

一方で、肉食好きの人の多くは高カロリーを求める傾向があります。甘いジュースやお菓子も好む傾向があるでしょうし、ほとんどの人はパンやラーメン、ごはんも白米ですよね。

すでにご紹介していますが、現代の小麦は砂糖よりも素早く血糖値を上昇させます。また、多くの加工食品には異性化糖(ブドウ糖果糖液糖など)が使われています。ジュースやアイスなどにも入っています。

そこで思い出してください。

白くて柔らかな食パンですが、トースターで焼くとどうなりますか?

カリっとした食感でこんがりキツネ色ですよね。この変化は、パンの糖とタンパク質がトースターの熱で反応し、その性質が変化したことで起こります。そして、同じことが体内でも細胞レベルで起こります。

再度ご紹介しますが、細胞膜にもタンパク質が浮かんでいます。

細胞膜の周囲に浮かぶリン脂質ですが、そこに圧倒的な量のオメガ6が入ったらどうなるでしょうか?

炎症を促すオメガ6がタンパク質の周囲を囲み、そこに糖が届き続けていたら…?

トースターで焼いた食パンと同じく、終末糖化産物が生じることになるでしょう。また、もしそれが細胞に糖を取り込むドアの設置時に起きれば、その性質が変化するわけですから使い物にならないドアとなることでしょう。

私はこういったことがインスリン抵抗性の原因だと考えています。そして、これが高血糖に繋がるわけですが、それが妊娠中に起きると胎児に大きな影響を与えることになるようです。ご紹介します。

子宮内高血糖環境で何が起きているのか?

まず、糖尿病の女性が妊娠した場合と妊婦が糖尿病となった場合のどちらも、ラットの胎仔の心臓においてさまざまなタンパク質がAGEs化されているのが確認されています。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

AGEsはその受容体であるRAGEを介してさまざまなサイトカインの放出により多くの疾患にかかわっていることが明らかとなり注目されている.そこで,抗AGEs抗体を用いてタンパク質の糖化を調べてみたところ,糖尿病妊娠ラットの仔の心臓そして単離した初代心筋培養細胞において,さまざまなタンパク質がAGEs化されていることが明らかになった

重要なことなので追記しますが、ラットにおけるこの実験では普通食およびラード食で行われていることです。(オメガ6を過剰にしていない)したがって、我々人間の場合、糖尿病の女性が妊娠により自らが食事への意識を高め、また正確な情報を手に入れて食生活の改善を行わない限り糖尿病妊娠ラットの仔よりも影響が大きくなる可能性があります。それが、冒頭にも記した以下のような状況です。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

子宮内高血糖が胎児に及ぼす合併症として,巨大児,低酸素症,多血症,呼吸障害,先天奇形および心肥大などが報告されており,流産,早産の危険リスクが高まり,最悪の場合は子宮内胎児死亡に至るケースもある.

この実験では、糖尿病妊娠ラットに飽和脂肪酸を多く含む高脂肪ラード食を与えました。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

糖尿病妊娠ラットに,飽和脂肪酸を多く含む高脂肪ラード食(脂肪56.7%)を与えたところ,その死産率はコントロール食(脂肪7%)を与えたラットに比べて有意に高くなった.これは子宮内高血糖環境に加えて,妊娠期間の飽和脂肪酸を多く含む高脂肪ラード食の摂取が,生まれてきた仔の心血管イベントを増悪した可能性が考えられる.飽和脂肪酸に含まれるパルミチン酸の過度の摂取は心機能障害を引き起こすことが報告されている

一方で、魚油の摂取が死産率を減少させることが報告されています。また、臨床においてはエパデール(高純度EPA製剤)に脂質代謝異常改善や心血管系イベントに対する保護効果が示されていることから、オメガ3(EPA)の効果を糖尿病妊娠ラットで検討しました。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

妊娠糖尿病モデルラットを用いてこのEPAの効果について検討した.妊娠期間中,糖尿病妊娠ラットに普通食を摂取させ,EPAを胃ゾンデにて妊娠期間,毎日,経口投与し,生まれた仔の心臓およびそれらの心臓から単離培養した初代心筋培養細胞について,インスリンシグナル伝達系に与える影響を調べた.

予想どおり,妊娠中にEPAを摂取した糖尿病妊娠ラットから生まれた仔の心臓およびその心臓から単離培養した初代心筋培養細胞では,インスリンシグナルの異常が改善されていた

さらに、糖化についても次のような結果が得られています。

子宮内高血糖環境より胎児の心臓を保護するω-3系不飽和脂肪酸の役割 糖尿病妊婦にとっての妊娠期のエイコサペンタエン酸の摂取 中村 彰男, 河原田 律子 2017 年 55 巻 5 号 p. 319-325

ところが興味深いことに,EPAを摂取した仔の心臓および初代心筋培養細胞ではこれらのタンパク質のAGEs化が有意に抑制されていた.(中略)炎症性シグナル分子のNF-κB, TNFαやIL-6の遺伝子発現レベルをリアルタイムPCRで調べたところ,正常な母ラットから生まれた仔と比較して有意に上昇していた.そしてEPAの摂取はこれらを有意に抑制した。

まとめ

人間は体内でリノール酸からα-リノレン酸を合成することができないため,α-リノレン酸はリノール酸と並び必須脂肪酸として食事から十分摂取することが必要です。

また、人間は体内でα-リノレン酸からEPAそしてDHAに変換することができますが、その変換効率はα-リノレン酸からEPAが10~15%と非常に低く,α-リノレン酸からDHAが作られるのは1%程度と考えられています。したがって、人間が魚油や藻類に含まれるEPAやDHAを直接取ることは重要です。

なかでも、特に未熟児や新生児では,EPAやDHA生合成に必要な酵素活性が低いことから、母親がEPAやDHAを多く含む食物を直接摂取することが必要となります。赤ちゃんにとって、やはり最高の食事が母乳ですからね。

ですが残念なことに、ほとんどのお母さんは母乳の質について考えることがありません。

再度、千島学説を思い出してください。

私たちが食べた物。それが小腸の絨毛でそのまま赤血球となります。また、その赤血球が白血球に分化し免疫を司ります。白血球はたどり着いた臓器の臓器細胞となります。つまり、私たちは食べた物、その者なのです。

母乳も同じです。

お母さんが粗悪な物を食べているなら、粗悪な母乳ができるでしょう。ならば、その母乳を飲んだ赤ちゃんが夜泣きをしたり、ぐずったりすることは何も不思議なことではないと思いませんか?

大げさではなく、私たちは未来の子どもたちのために今を生きています。

一日も早く、未来の子どもたちが安心・安全に過ごせる世の中にできるよう行動していきましょう。それには、「何を食べず」に「何を食べるのか?」この選択が「はじめの一歩」であると私は考えています。

以下の5つはチクワを食べた方はもちろん、不調のあるなしに関わらずすべての人にお勧めしております。

1.10日間チャレンジ

2.減塩を止める – 塩(どの塩を買ったらいいかわからない方はラメールをお試しください)をとる

3.小麦断ち

4.16時間節食

重曹+クエン酸

チクワを食べた方は以下の記事は必読です。お役立てください。

年度末は眠っている家族や親戚。「体調+メンタル」不良を改善する大チャンスかも?
↑ページ内で問診票が無料ダウンロードできますのでお役立てください。

16時間節食(1日の中で16時間以上食べない時間を確保する)は重要ですよ。

病気の臓器細胞は十分な節食時に病気の白血球に戻ります。また、その病気の白血球も赤血球に戻り、その後アポトーシスします。真剣に取り組むことを心からお勧めします。

【拡散希望!】ワクチン打っても食事を改善すれば助かるかもしれません!すべては赤血球の質です

 

10日間チャレンジ!, Blog’s

Posted by sinsd