アレルギー発症児童に起立性調節(OD)が多く、その児童の母にもODが高頻度に発症している。

現在、「本当の妊活!」の本を執筆中です。そんな中、起立性調節障害についての問い合わせが多いので、アレルギー疾患と起立性調節障害に「正の相関」があると指摘している論文を改めてご紹介します。

シンポジウムV「アレルギー疾患と自律神経異常」 1994 年 8 巻 4 号 p. 166-170

(前略)起立性調節障害は小児期にしばしばみられる病態で自律神経失調の1つであり、その成因については主として自律神経機能異常がいわれている。気管支ぜんそく患児に高頻度に起立性調節障害がみられる。(中略)

独協医科大学第一小児科)我々は、これまで鼻咽頭・アデノイドのアレルギー性炎症、すなわち神経原性炎症が起立性調節障害(以下ODと略す)の成因となっていることを報告してきた。(中略)

今回、栃木県内の小・中・高等学校児童・生徒に行ったアンケートによるODおよびアレルギーの実態調査の結果と、当科外来におけるアトピー患児およびその母親におけるODの存在について報告する。(中略)

アンケート調査は、1992年4月に栃木県棒町内にある全ての小・中・高等学校児童・生徒5,783名(小学生3,216名、中学生1,685名、高校生882名)を対象に行った。

OD陽性率は小学生15.1%、中学生47.7%、高校生56.6%と高率であり、いずれも学年が高くなるにつれて増加した

一方、OD陽性者におけるアレルギー症状の合併率は、3項目以上合併例が、小学生で91.5%、中学生で94.4%、高校生では91.8%と、いずれも90%以上という合併率であることが判明した。

当科アレルギー外来にて行ったアトピー患者およびその母親におけるODおよびアレルギーの調査では、(中略)OD陽性者は、患者群で60%以上におよび、母親群では90%ちかくに見られた。(中略)

(高松平和病院小児科)(中略)アトピー性皮膚炎(AD)におけるODと頻度ODの成立に関係する要因を検討した。対象は6歳から18歳平均年齢11.1歳の既往を含めて気道アレルギーのないAD患者74名である。男性30名女性44名であり、ADの重症度は、重症44名、中等症24名、軽症6名であった。(中略)

1)AD患者におけるODの頻度は67.5%(中略)

2)ODの頻度は、12歳以上がそれ以下に比し優位に多かったが性差は認めなかった。

3)重症例は、中等症及び継承に比し、OD(中略)陽性者が多かった(中略)

ODの頻度は、気管支喘息児、AD児、非アレルギー児の順に多かった。喘息児、AD児は、非アレルギー児に対し、優位さを認めた。(中略)

アトピー皮膚炎児は、ODの頻度が高く、特にIgE反応性の高いAD児ほどODを併発しているということから、アレルギーと起立性調節障害の密接な関係が示唆された。(以下略)

この論文の指摘と、私の主張の関連性をここに記します。

独協大学では神経原性炎症が起立性調節障害の成因と指摘していますが、以下の事実からこれは食事性に基づく体の慢性炎症が原因だと私は考えています。

・アトピー患者がOD6割強発症しているが、その母親が90%近かった。この事実は食事性だと考えるのが自然でしょう。

・アレルギーと起立性調節障害には同じメカニズムが働いている。これは、私がお客様方にお答えいただいたアンケート調査(数百人の児童・生徒とその母親)で明らかです。

アレルギー疾患と起立性調節障害の合併とは、発症に同じメカニズムが働くことからとても自然なことでしょう。この事実にピンと来た方は、以下の私の著書をご一読ください。

きっと、パズルのピースがどんどん当てはまるように理解できると思います。


不登校や起立性調節障害でお悩みの方は一読されることをお勧めします。

「30日で朝「スッキリ目覚める」体質にする方法!: もう、起立性調節障害で悩む必要はありません。」