腸内環境(腸内細菌バランス)が体重へ与える影響!「デブ菌」と「やせ菌」が存在する
乳酸菌を調べていたら、偶然にも「シールド乳酸菌」という商品があることを知りました。
おはようございます。
無性にチョコレートが食べたくなってこれを🍫「たべる乳酸菌チョコレート」✨今日も良い1日を😊 pic.twitter.com/xks9YsRzxU
— Kitty@スイーツ大好き (@kitty_11504) June 28, 2022
すると、またまた偶然ですが、このシールド乳酸菌チョコを使ったマウスの体重と腸内フローラについての論文を見つけました。とても興味不快内容でしたのでご紹介します。
・乳酸菌チョコレートは肥満マウスに体重の減少効果! 稲田 未来 2022 年 60 巻 2 号 p. 95-98
(前略)2015年にマヌカハニーが食中毒原因菌に高い抗菌効果を示すことを報告し,さらに2016年から2018年にかけて,マヌカハニーをマウスに投与すると乳酸菌が増加し,クロストリジウムが減少するなど腸内フローラを改善するのみならず潰瘍性大腸炎モデルマウスの炎症も改善することを報告してきた。(中略)
乳酸菌やビフィズス菌は通称善玉菌と呼ばれ,増加すれば悪玉菌と呼ばれるクロストリジウムを減少させると共に,日和見菌の一種であるバクテロイデス(以下,日和見菌)を増加させて腸内フローラのバランスを改善することが知られている。さらに日和見菌による短鎖脂肪酸の産生が脂肪細胞の脂肪の取り込みを防ぐなどして体重増加を抑制するとの報告がある。(中略)
【材料および方法】
1. 肥満マウスに与えた試料
試料は,対照区は日本クレア(株)の「飼育繁殖用飼料CE-2(以下,普通飼料)」を摂取させ,実験区には同じく日本クレア(株)の「高脂肪飼料HFD-32(以下,高脂肪飼料)」を摂取させた.
また,乳酸菌を含まないチョコとして,ロッテ(株)の「ガーナミルクチョコレート(以下,プレーンチョコ)」を投与した.一方,乳酸菌を含むチョコは,森永製菓(株)の「たべるシールド乳酸菌
チョコレート(以下,乳酸菌チョコ)」を投与した(図1).
また,今回実験に用いたプレーンチョコと乳酸菌チョコの栄養成分(推定値)は,乳酸菌の含量以外はほぼ同等であった(表1).
肥満マウスに
対照区:普通食 ①高脂肪飼料 ②高脂肪飼料+ガーナチョコ ③高脂肪飼料+乳酸菌チョコ
対照区:投与終了時の30日後には投与開始時と比べて約51 g(-7%)に体重は減少した.
①投与終了時には投与開始時と比べて約61 g(+11%)まで体重が増加
②は投与開始時と比べて約59 g(+7%)の体重増加
③投与開始10日後から体重の減少が観察され,投与終了時には投与開始時と比べて約53 g(-4%)の体重減少
腸内フローラのプロファイル
ⓐ=善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌) ⓑ=日和見菌(バクテロイデス) Ⓒ=悪玉菌(クロストリジウム)
③高脂肪飼料+乳酸菌チョコ日和見菌が実験区①よりも増加すると共に,他の実験区ではほとんど認められなかった善玉菌であるビフィズス菌(約2%)も認められた.
この理由としては殺菌乳酸菌でも腸内フローラに好影響を与えるとの報告があることから,乳酸菌チョコに含有されるシールド乳酸菌(殺菌乳酸菌)の菌体成分が,腸内フローラのバランス改善に機能してビフィズス菌が出現したのではないかと考えた.
このビフィズス菌は,動物の腸管以外には生息しない腸内細菌で便通の改善を図り,ヒトでは便秘の解消につながるのはもちろんのこと,酢酸を産生して腸内を酸性に保ち悪玉菌の増殖を抑えることが知られている。
さらに悪玉菌の減少は,逆に日和見菌の増加による短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸など)の産生から,脂肪の代謝促進や脂肪細胞による脂肪の取り込みを防ぎ,余分な脂肪の蓄積を防ぐため体重増加の抑制につながると報告されていることから,
実験区③の乳酸菌チョコの投与は,善玉菌であるビフィズス菌や日和見菌の増加に加え,悪玉菌の減少が体重の減少効果に大きく貢献していることが考えられた.
(以下略)