起立性調節障害(OD)患者に鼻炎や喘息、アトピーなどアレルギー症状が多い理由とは?

昨日(令和2年2月14日)、私(鈴木邦昭)のFacebookでもご紹介させていただきましたが、昨年の11月にAmazonの電子書籍として発売した著書「30日で朝『スッキリ目覚める』体質にする方法!」へある出版社から商業出版のオファーをいただきました。

また、2月17日月曜日には、もしかしたら他の出版社からのオファーも届いているかもしれません。現在オファーをいただいている出版社とは、2月25日に私が訪ねて担当者と面談することになります。その話次第でボツになることもあり得ますが、とりあえずはオファーをいただいたことを喜んでいます。

でも、書いた本は自分にとって子どもみたいなものですから、できれば商業出版が決まって世に生まれ出てほしいと願っています。

【注意】

商業出版が決まりましたら、予告なく価格を1,500円値上げすることになります。あらかじめご了承ください。

起立性調節障害(OD)では鼻炎などのアレルギー症状を訴える人が多い!

私が起立性調節障害(OD)の相談をいただくようになり、5年くらいになりました。また、すぐに起立性調節障害(OD)では鼻炎や喘息、蕁麻疹、アトピーなどの発症が多いことに気づきました。

実は、私が起立性調節障害(OD)という病気(病名)を知ったのは、相談をいただくようになってからです。笑

いつものことですが、私は病名を診ません。観るのは「苦しんでいる人」その人を診ます。そのため、「病名には興味がない!」というのが本当のところです。そのため、病名についての論文もほとんど読んだことがなかったのですが、商業出版のオファーをいただいたので昨日(2月14日)少し調べてみました。すると、驚くべきことがわかりました。

医師や研究者はもっと早くから気づいていた!

「なんだ、医者や研究者はこんなに前から起立性調節障害(OD)に鼻炎や喘息、アトピーなどのアレルギー症状を訴える人が多いことに気づいていたんだ…」

論文を検索してみると、次々と「起立性調節障害(OD)にアレルギー症状が多い!」という出てくるではないですか。いくつかご紹介すると…

 

1993年4月に 、栃木県内の某大学 1 学年全学生(106名)にアンケート調査を実施した。うちわけは、男子68名、 女子38名で 、有効解答率は100%で あっ た 。

起立性調節障害陽性者の頻 度は 、 男子44名(64.7%) 、女子30名 (78。9%)、合計74名 (69.8%)であっ た。 起立性調節障害陽性者の上気道症状の合併頻度は、 2項 目以下が3名(4.1%) 、 3項 目以上が71名 (96.0%)、5項 目以上が57名 (77.0%)であった 。

以上の成績から、起立性調節障害陽性者には、 アレルギー患者によく見 られる上気道症状を高率に合併していることが判明 した

日比 茂樹, 渡辺 慎, 筏津 裕美, 安藤 保, 阿部 利夫, 吉原 重美, 市村 登寿(獨協医科大 学第一小 児科) 「381 アンケート調査による栃木県内某大学生のアレルギー症状および起立性調節障害の頻度調査」1994 年 43 巻 2-2 号 p. 414- より引用

我 々 は 、 こ れ まで に 起 立性 調 節 障害の 患 児 に 、 鼻 咽 腔 ・ア デ ノイ ドの ア レル ギ ー性 炎 症が 、高 頻 度に 合 併 して い る こ とを 報告して き た。 そ こ で 本調査 で は 、 栃木県某 町内に あ る全 小学校 の 生 徒 を 対象 に 、 起立 性 調 節障害 と ア レ ル ギ ー患者に よ く見 られ る上気 道症状 の 合併 の 頻度 に つ い て検討 した 。
【方法】 1992年4月 に 、栃木県某町内に あ る8 つ の 小学校の 全生徒 (3216名 )に ア ン ケ ート調査を実施 し た 。有効 回答者数 は、男子 1565名 、女 子 1541名 、 合 計 3106名 (96%)で あ った。 起立性 調節 障害 の 調査 は、大 国 らの 問診票 を 用 い た 。 また 、上 気 道 症 状 は、咳 、咳 払い 、 くし ゃ み 、 鼻 汁 、 鼻 閉 、 いび き、 眼 の 下の くま、な どの 10項 目 に つ い て 調 査 した。
【結果 】 起 立 性調 節 障害 の 頻 度 は 、 男 子 216名 (13.8%)女 子253名 (16.4%)、 合 計 469名(15.1%) で あ っ た 。 起 立性 調節 障害 陽性者の 上気道症 状 の 合併頻度 は、 2項 目以下が 34名 (8.5%)、 3項 目以上 が364名 (91.46%) 、5項 目以 上 が 308名 (77.4%) で あ っ た。

以 上の 成績か ら、 起 立性調節 障害陽性者 に は、 アレル ギ ー患 者 に よ く見 られ る上 気道 症状 を 高率に 合併 して い るこ とが 判明 した

 日比茂樹・安藤保・阿部利夫 ・吉原重美・市村登寿(獨協 医大 第一 小児 科 )「336 アンケート調査による栃木県某町内全小学校生徒のアレルギー症状および起立性調節障害の頻度調査」1993年 42 巻 9 号 1388- より引用

上2つの論文は1993年と1994年の獨協医科大学のものです。

(目的 ) 気管支喘息発 作 の 発症 と同様に 、起 立 性調 節障 害 の 発症 に お い て も、 自律神 経 系の 強 い 関 与が 言 わ れ て い る。 こ の こ とは 、喘息児の 中 に 高頻 度に OD を有 す る患 児が い る こ とが 予想 され 、事実、 日常診療 の 中 で 、強 い OD 症状 を 伴な う喘息児は よ く経 験 され る と こ ろ で あ る。 か りに 、OD を有 す る喘息児が 一定 の 特 徴 を有 す る と す れ ば 、 OD の 有無は .喘息児 の 治療 及 び管 理 に お い て 、一っ の 有力 な 指標 とな る 可能性 が あ る。 しか し、喘息児 とOD の 関 連 に つ い て の 報 告はほ とん どみ られ な い 。 そ こ で 、今 回 我 々 は 、喘息 児に お け る OD の 頻度 を調 査 し、 ODの 有無が 喘息 の 重症 化 の 一因 とな る か ど うか を検 討 した 。
(方法 ) 当 科 で管理 し て い る喘息児 70 名 (重症 18 名 、中 等症 35 名、軽症 17 名 )を対 象 に 問 診 と起立 試験 を施行 し、大国 らの 診断基準 に 基づ い て 、OD の 有 無 を 検討 した。 起 立 試験 は 、患児 の 仰臥 位 で の 脈 拍数 、 血圧 、 心 電図 を測定 した 援、 10 分 間 立位を と らせ 董 0 分後の 立位 で の 脈拍、血 圧 、心 電図 を測 定 した。 又 起立 試験 は 、午前 11時 まで に 施行 した 。 さ らに 、こ れ ら の 結 果 に 基 づ い て OD の 有無 と喘 息重 症度 と の 関係に っ い て検討 を加 えた 。
(結 果 ) 1 )喘息児に お け る 起立性調節障害 (OD )は 70 名中 58 名 83 %で あ り、一般学童 の 比率に 比 し、極め て 高率 で あ つ た  2 )OD を有 す る喘 息 児 群の 重症度 は 、OD を有 し な い 喘 息児群に 比 して、有意 な差 は 認 め られ なか つ た 。
〈 結論 〉 喘息 児の 多 くは 起立性調節障害 を 有す るが 、起 立性 調 節障 害 の 有 無 は 喘息の 重症化 を左右す る因 子 とは 考 えに くい 。

太 田 展生 ,平 野 明 子 (高松 平 和 病 院 小 児科 )「96 喘 息児 と起 立 性 調 節 障 害 {OD }の 関 連 に っ い て (第 1報 〕喘 息 児 に おけ るOD の 頻 度 とOD を 合併 す る喘 思 児 の 重 症 度 に っ い て」1983年 32 巻 8 号 602- より引用

なんと、これは1983年の論文です。

起立性調節障害(OD)とアレルギー発症のメカニズムは?

詳しくは著書でご確認いただきたいのですが、私は起立性調節障害(OD)とアレルギーには共通のメカニズムが働いていると確信しています。

つまり、アレルギー発症のメカニズムと起立性調節障害発症(OD)のメカニズムは共通であり、起立性調節障害(OD)だけ発症する人もいれば、アレルギーだけを発症する人もいます。

ピンとこないかもしれませんが、鼻炎や喘息、アトピーなどのアレルギー発症を考えればなんとなくでも理解いただけると思います。

鼻炎や喘息、アトピーなどのアレルギー症状が発症するメカニズムは共通です。人により、そのアレルギー症状が鼻に出れば鼻炎や副鼻腔炎、気管に出れば喘息、肌に出ればアトピーです。

起立性調節障害(OD)も同じ。

これが私の結論でした。

まとめ

私が起立性調節障害(OD)という病名を知ったのが平成15年(2003年)くらいです。また、そこでアレルギー発症と起立性調節障害(OD)に共通のメカニズムが働いていると気づき、10日間チャレンジと称して紹介するようになったのが2016年のことでした。

アレルギー患者を診ていた医師たちは、私の20年以上も前から患者に高頻度で起立性調節障害(OD)がいることに気づきながら…

ここに共通のメカニズムが働いていることには気づいていなかったようです。

中学生ママ
朝全く起きられず、やっとのことで起こしてもリビングでまた横になってしまう娘に困っていました。
起立性調節障害では?と友人に言われ、ネットでこちらの本を知りました。あいにく起立性調節障害の検査が一か月先まで予約がとれず、それまでに出来る事を始めようと本の通り食事にも気をつけ、植物油脂を摂らないようにし、毎日の青魚、エゴマ油、ストレッチ、10日間チャレンジのサプリもはじめました。ちょうど10日めに一人で起きてきてびっくりしました。溜まっている宿題をもくもくと一気に片付ける日もあります。
待ちに待った起立性調節障害の検査では起立した後の血圧が正常に戻る時間が平均よりも早いので特に問題なしと言われ、安心しました。軽度、もしくは予備軍だったのかもしれませんが診てもらう前に症状がなくなってしまったようです。この本に出会えて良かったです。
家族全員元気になってきているのでこのまま続けていきます。

もし、お悩みでしたら著書をお役立てください。

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