【分子・脂質栄養学 入門】はじめに:平均寿命は延びても本人が期待するほど健康寿命は長くない!
何歳まで生きていると思いますか?
こんな質問をすると、ほとんどの人は「自分が答えた年齢より長生きする」ようです。つまり、多くの方は「自分が思っている以上に長生き」します。
一方で、
いつまで健康ですごせると思いますか?
こんな質問への返事は、実際に健康な年齢よりも長く見積もる傾向があるそうです。そう、自分が考えているより健康寿命は短いケースがほとんどのようです。
そこで、健康なうちにさまざまな投資をする必要があるのですが、もっとも重要なのが「食生活」や「栄養面」への投資です。
不思議なもので、食生活や栄養面に投資をすると「やる気」が出てきます。また、思いついたことを〝すぐに〟行動できるようになります。これは、10日間チャレンジをお試しになられた方ならお分かりでしょう。
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強調しておきますが、食生活や栄養をとることは投資です。ですが、ほとんどの人のそれは消費です。私は、その姿勢が生活の質を大きく下げる原因だと確信しています。
そこで、あらためて【分子・脂質栄養学 入門】と称して、楽しく学びながら生活の質を上げていただこうと考えました。
多くの方から、「難しすぎてまったく理解できません!」と言われてしまいました(苦笑)ので、気持ちを入れ替えて記事の更新を続けます。お役立てください。
平均寿命と健康寿命の差は、思っている以上に大きい!
厚生労働省が毎年(たぶん)発表している資料に「平成 30 年簡易生命表」があります。この資料と内閣府が発表している「平成30年版高齢社会白書(全体版) > 2 健康・福祉」を基に、この話を進めていきます。
まずは、平均寿命と健康寿命について確認しておきましょう。
平均寿命は少しずつ延びている!
以下に表をご紹介していますが、平成 30 年簡易生命表によると男性の平均寿命は 81.25 年、女性の平均寿命は 87.32 年です。前年と比べると男性は 0.16 年、女性は 0.05 年と平均寿命が延びていることがわかります。また、平均寿命の男女差は6.06 年となり、前年より0.11 年近づいています。
出典:「平成 30 年簡易生命表」厚生労働省
私が生まれたのは昭和39年(1964年)ですが、昭和40年の平均寿命は男性67.74歳、女性が72.92歳です。半世紀強で男性は13.51年、女性で14.4年も寿命が延びていることがわかります。
平均余命は自分が思っている以上に長い!気がする…
「せいぜい後20年かな…」
昨年までそう思っていたのですが、55歳の私の平均余命は以下のように28.08年もありました。どうやら、平均すれば83歳まで生き残ることができるようです。(たぶん)
出典:「平成 30 年簡易生命表」厚生労働省
ここで念のため、平均寿命と平均余命について確認しておきましょう。
余命 残された命の時間
平均余命を見ると、私はおおよそ28年の余命があることになります。が、もしかしたらそれ以上も十分にあり得るのかもしれません。そう思う理由は次の表にあります。
寿命中位数等生命表上の生存状況
「こんな数値まで出しているんだな~」
というのが素直な印象でしたが、ご覧の通り以下は特定年齢まで生き残っている人の割合です。
65 歳まで生存する者の割合が男性は 89.5%、女性は 94.5%です。また、75 歳まで生存する者の割合は男性75.6%、女性 88.1%、90 歳まで生存する者の割合は男性 26.5%、女性 50.5%となっています。
我が家は短命な家系で、祖父が63歳、祖母が42歳、叔父が64歳、両親はともに73歳でしたから、75歳男性は4人中3人が生存しているというのは驚きでした。
出典:「平成 30 年簡易生命表」厚生労働省
誰でもそうだと思いますが、寿命のことは家族や親族のことが基準になります。そのため、私もこの表を見るまで知らなかったのですが、女性の2人に1人が90歳以上まで生存しているようです。また、男性の4人に1人も同じように90歳以上まで生存しています。ならば…、食事と栄養に投資する生活を送っている私ですから、「83歳以上もあり得るのかな…?」そう思ってしまいます。
このような事実がありますから、冒頭のように「今の自分が想像している以上に長生きする!」というのは間違いなさそうです。でも、重要なのは次の健康寿命です。
健康寿命は意外なほど短かった!
平均寿命と平均余命を確認していただいた上で、次は健康寿命です。この言葉の定義は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」で、高齢化が進む日本で重要視されている指標の一つです。
出典:「平成30年版高齢社会白書(全体版) > 2 健康・福祉」内閣府
図のように健康寿命は平成28(2016)年時点で男性が72.14年、女性が74.79年となっており、それぞれ平成22年(2010)年と比べて延びています。(以下の表)さらに、同期間における健康寿命の延びは、幸いなことに平均寿命の延びを上回っています。
平成22年:70.42歳
平成28年:72.14歳
女性の健康寿命:1.17年の伸び
平成22年:73.62歳
平成28年:74.70歳
生存状況と健康寿命をよ~く比較してみましょう!
平成30年における生存状況をもう一度確認しておきましょう。4人に1人が生存している年齢は、男性で90歳。女性で95歳です。この生存状況はもはや他人事ではありません。短命家系の私でも、「もしかしたら生き残って居るかもしれない…?」そう思ってしまいますから。
一方で、健康寿命は平成28年より多少伸びたであろうものの、男性で73歳、女性が75歳といったところでしょう。ということは、4人に1人が生存している年齢(男性90歳、女性95歳)まで以下のような差があります。
女性:95 ー 75 = 20歳
やばいと思いませんか?
また、どうしたらこの状況を乗り切ることができると思いますか?
そんなことを分子栄養学や脂質栄養学を基に、今後話を続けていきたいと思っています。
まとめ
以前にご紹介したことがありますが、私の両親はともに末期がんで亡くなりました。が、二人とも「余命3ヶ月」を宣告された後、5年以上〝元気〟に過ごすことができました。とくに、母は亡くなる7日前まで妹と旅行三昧で過ごすことができ、おそらく5年で60回以上旅行に出かけていたと記憶しています。
なぜ、そんな生活ができたのか?と言えば、母が父の状況から自信をもてたからだと想像しています。
父が「余命3ヶ月」を宣告された時は、「大腸がん」と「前立腺がん」、「肝臓がん」の3つが見つかりました。また、医師からは「どのがんも末期で、どれが原因でも余命3ヶ月」と伝えられました。しかし、食生活や栄養を改善したことで5年以上好きな音楽を楽しむことができました。
そんな父でも、亡くなる17日前まで元気に過ごすことができた。
父が亡くなってわずか3ヶ月後、母にも末期がんが見つかり「余命3ヶ月」を宣告されました。が、父の「3か所に比べれば…」という気持ちが母にもあったのでしょう。すぐに気を持ち直し、同じ生活を続けて先のように亡くなる7日前まで旅行に出かけているほど元気に過ごすことができました。
したがって、私は健康寿命を延ばすはじめの一歩は「食生活」と「栄養」だと確信しています。それにプラスするのが「運動」です。なぜなら、しっかり栄養がとれていないと頭の働きが悪くなるからです。
よほどの運動好きな人を除けば、やる気が起きずに面倒で運動をしません。また、たまにやったとしても長続きしません。さらに、そもそも認知症になったのでは意味がありませんし、食生活や栄養面が悪いまま運動をしたら関節や筋肉、骨などを痛めたり、脳梗塞や心臓疾患など動脈硬化で寝たきりになりかねません。
1.食生活の改善と栄養の摂取
2.運動
これが、健康寿命を延ばすこと。また、認知症や生活習慣病を防ぐ一番の手立てです。さらに、子どもの時からこういったことを心掛ければ、とても優秀で明るく成長することになります。
10日間チャレンジはとても重要です。
ぜひ、ご自分とご家族のために考え方だけでも生活に取り入れてみましょう。
きっと、元気になります!