「メールを見たのが遅すぎたみたいで、近所のスーパーから鯖缶が消えていました!」
ためしてガッテン(NHK)で先々週はえごま油を、先週は鯖缶を紹介されてしまったため、スーパーやドラッグストアからどちらも消えてしまっているようです。
私は11月28日の放送を見ていましたから、翌日に「鯖缶を利用している人は今日中に…」とメールでお知らせをしました。が、そのメールを開封したのが遅すぎて、お客様から冒頭のようなお話をいただいたきました。
「どうしたらいいのでしょうか?」というご相談を多々頂戴しております。が、心配はいりません。
別に、鯖缶を食べなきゃいいんです。
その話の前に、ひとつだけ注意があります。
えごま油や鯖缶をとったとしても…
まず、ためしてガッテンではえごま油や鯖缶のメリットだけ伝えていました。しかし、小冊子などでもご紹介していますが、次のことがわかっていなければ、これらをとることは長期的にデメリットになります。
逆に、以下のことを守れば、その効果はさらに高くなります。
サラダ油や植物油脂を減らさなければいけない!
まず、基礎からおさらいです。
- オメガ6脂肪酸:炎症を促す – リノール酸やアラキドン酸
- オメガ3脂肪酸:炎症を鎮める – α-リノレン酸やEPA、DHA
アラキドン酸はリノール酸から合成できます。また、EPAやDHAもα-リノレン酸から合成できますが、その変換率はとても低い。なので、EPAやDHAは魚からとるのが賢明です。
重要なのは、えごま油や鯖缶をとるのはいいことなのですが、サラダ油や植物油脂をたっぷり食べていたら…
どういうことかというと、オメガ3もオメガ6も不飽和結合をもつ脂肪酸です。不飽和結合とは二重結合のことで、C=Cという形で表現されます。
C=Cは、見た目にはとても頑丈そうですがそんなことはありません。とても不安定で、加熱や光などにより容易に酸化されます。また、体内に量が増えすぎれば過酸化され過酸化脂質が発生します。
酸化されやすいのはむしろオメガ3!
オメガ3は、現代人にとっても有益だと私は思っています。実際、学習障や多動、他害といった発達障害はもちろん、うつ病やパニック、不安障害の方にもお勧めしています。
しかし、酸化という一点に絞れば、オメガ6より二重結合が多いオメガ3の方が危険です。
小冊子でもご紹介しているように、サラダ油の過熱や植物油脂には必ず過酸化物質が存在します。したがって、その過酸化物質はオメガ6よりもオメガ3、つまりえごま油や魚油を標的にします。
おそらく、テレビでこういった事実が放送されることはありません。それも当然で、もしサラダ油や植物油脂が悪いと放送したら、テレビCMのスポンサーがいなくなります。また、業界そのものの存在が問われますから、NHKだってとても放送できるものではありません。
とにかく、サラダ油や植物油脂を減らした上で、えごま油や魚を食べるようにしましょう。
なお、とくに減らしてほしいのは外食産業の揚げ物全般およびポテトチップスの類です。これらは、使いまわされた油の中にトランス脂肪酸や過酸化脂質がたっぷり入っています。また、それをたっぷり吸いこんでいます。
種類によって競合関係が違います!
- オメガ3:α-リノレン酸 → EPA(α-リノレン酸の10%程度) → DHA(α-リノレン酸の0.5%程度)
- オメガ6:リノール酸 → アラキドン酸(変換率不明)
先のように、オメガ6は炎症を促しオメガ3は炎症を鎮めます。ですが、各々の脂肪酸には各々の働きがあります。
例えば、脳ではDHAが取り込まれますが、α-リノレン酸やEPAは脳には入れません。まれにEPAが入り込むことがあるようですが、その時にはすぐにDHAに変換されます。
しかし、脳内にアラキドン酸が大量に入ると、脳細胞はDHAをうまく取り込むことができません。アラキドン酸に対抗できるのはEPAであり、DHAやα-リノレン酸はアラキドン酸には無力です。
したがって、いくら青魚などでDHAをとったとしても、アラキドン酸を減らさなければ意味がありません。
また、リノール酸に対抗できるのはα-リノレン酸だけです。EPAやDHAはリノール酸の前では無力です。だからこそ、えごま油と青魚の両方を私はお勧めしています。
※ くどいですが、サラダ油や植物油脂を減らさなければ意味がありません。
えごま油はブームが去ると…
コエンザイムQ10やバナナダイエットなどと同じように、おそらくえごま油のブームは去ると思います。と、言いたいところなのですが、ブームは持続する可能性が大です。
というのも、ここ20年の脂質栄養学の研究から脂肪酸の有効性を示す論文が次々と発表されています。
それも、先に指摘したようにとても有益な情報です。そのため、えごま油や魚油については今後もテレビ番組で取り上げられることが続くと思われます。
次に鯖缶の件です。私がお勧めしているのは青魚の類であり、鯖缶はもっとも安上がりかつ、手間なしで食べれるからお勧めしていたにすぎません。私がお勧めしているのは上記のえごま油ですが、ご覧のように発送は1月中旬以降となっております。今後、テレビの健康番組で放送されたら、ほぼ購入が不可能になると思いますので予算のある人は予約をしておくことをお勧めしておきます。
私は鯖缶よりしめ鯖という立場です!
お客様には鯖缶をお勧めしていましたが、私はしめ鯖のほうが好きです。寿司屋に行っても、最初に頼むのは必ずしめ鯖とイカのゲソ。私が好きなものって、とても安上がりです。
鯖缶はプレミアム価格!
「ここまで値上げするか?」
正直、私もやりすぎではないのか?と思うほど、鯖缶はプレミアム価格になっています。とても買う気にはなりません。でも、焼き塩サバというものもありますが1個367円です。

また、私はもっぱらしめ鯖です。寿司屋に行っても、私が最初に頼むのは必ずしめ鯖およびイカのゲソ。私はとても安上がりな人間です。

このしめ鯖は90ℊで281円ですから、二人で食べればひとり140円少々。まあ、しめ鯖は人により苦手な人が多いようなので、以下のような青魚もお勧めです。
イワシやサンマ、アジも青魚!