「見えない健康管理」という論文を引用しました。長文ですがご一読を強くお勧めします。

以下は「 見えない健康管理 中浜 慶和 2025年 11 巻 45-63 」という論文より引用しました。文中、青枠のクリップで私見を追記しております。とても重要な内容ですので、ご家族の健康を真剣にお考えの方は長文ですがご一読ください。

(前略)

生物学の始まり

さてもう一つ、身近なところでは、本稿の主題である健康問題がある。最近、腸内細菌についてよく見聞きするが、腸内細菌の発見は、16 世紀、オランダのヤンセン父子によるとされている顕微鏡の発明によって、精密な生物学が始まり、幾多の研究、成果が成し遂げられた。尤も細菌の培養ができるようになるのはさらに数百年を要し、北里柴三郎博士が細菌の培養を可能にしたことから、その後腸内細菌の研究がわが国で一段と進められてきた。

1917 年に乳酸菌調整剤「ビオフェルミン」が神戸で製造開始、1930 年には「ヤクルト」のシロタ株
(カゼイ乳酸菌 代田稔博士)が発見された。さらに 1933 年には酪酸産生菌(宮入菌 宮入近治博士)が発見され、「ミヤリサン」(ミヤ BM 錠)として手に入る。私も日々ヨーグルトを食べ、主治医の勧めでミヤ BM 錠を服用している。

1970 年に至って、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という言葉が光岡知足博士から提唱されて、腸内細菌が健康と密接な関係にあることを私たちは知ることになった。

「善玉菌」「悪玉菌」とよく分からない「日和見菌」は通常健康な状態では 2:1:7 の割合であるが、日和見菌は善玉菌が優勢なときは悪い働きをしないが、悪玉菌が優勢になると悪い働きをするという(辨野義己博士 辨野腸内フローラ研究所理事長 理化学研究所名誉研究員)、まさに日和見的な細菌で
ある。

まずはご自分の頭で考えてみましょう。

どうすれば善玉菌が優勢の腸内フローラとなるのか?

また、何をすると悪玉菌優勢となるのか…?

私たちの腸内には40兆個から100兆個ともいわれる腸内細菌が棲息していて、腸内細菌叢(腸内フローラ)がつくられている。

驚くほどの腸内細菌の働き

体内に棲息する腸内細菌は、食事で腸内に入った食物繊維をエサとして様々な物質、「腸内細菌代謝物」を作り出す。なかでも短鎖脂肪酸は腸内細菌代謝物のメインプレーヤーで、主に酢酸、酪酸、プロピオン酸に分かれる。

「本当の妊活!」にも記しましたが、この短鎖脂肪酸が妊娠の鍵を握っています。

もし、あなたが不妊でお悩みのご夫婦もしくはそのご家族なら、その点を踏まえて以下をお読みください。

ビフィズス菌は代謝物としての酢酸を作り、有害なウイルスや黴(ばい)菌の侵入を阻止(抗菌作用)したり、腸細胞の傷を治す役目を担っており、酪酸産生菌で代謝される酪酸炎症を抑えたり血糖値を下げるホルモンを分泌したり、ストレスを軽減する作用もある

また乳酸をもとに代謝されるプロピオン酸はビフィズス菌を増やして整腸作用を高めたり、脂肪蓄積を抑制する作用を担う。乳酸菌はヒトと腸内細菌のエネルギー源にもなる

さらに、ヒトには作れないビタミン B 群や K を作る腸内細菌もいるし、最近ではアンチエイジング物質とされるポリアミンやアトピー性皮膚炎など炎症を防ぐ抗炎症物質をつくる腸内細菌が注目を集めている

また腸内細菌が大きくバランスを崩すと、老化に影響をもたらすという研究が 2020 年から各国で行われている。

こうして、腸内細菌叢(腸内に花畑のように細菌のむれができるので「腸内フローラ」と呼ぶ)のバランスがヒトの健康や病態を左右することが分かってきた。

最近では、腸内フローラがバランスを崩すことが、大腸がんや炎症性腸疾患などの消化器系疾患、肥満や糖尿病などの生活習慣病、さらにアレルギーや自己免疫疾患、うつや自閉症スペクトラム障害などの精神・神経系疾患、加齢などにも影響するなど、広範な疾患と関連性があるといった調査研究が急速に増えてきている。

またパーキンソン病と腸内細菌との関係も明らかになりつつある。

これまでは腸は単なる消化器官の一つと見られてきたが、最近は脳と腸の相関関係が注目されており、腸内細菌が精神安定や脳の健康を支えていることが確認されてきた。

ビフィズス菌が加齢で低下する認知機能の改善に効果があることや、乳酸菌シロタ株の摂取でストレス軽減や睡眠の質を高めるというデータが報告されている。

このように腸内細菌は私たちの生命、健康維持に欠かせない存在であるが、実は個々人の腸内にいる腸内フローラは、一人ひとり違っており、それは誕生の時に母親の腸内フローラを分けてもらうからである。そして母乳や生活衛生環境によって3歳までのうちに自らの常在菌叢のベースとして体内に定着する。

ところが私たち日本人の腸内フローラは世界の中でも特異といわれており、例えば日本人の腸内にはビフィズス菌が多いが、米中仏など他国の人の腹中にはほとんどいないという。その特異性は日本人の腸内には炭水化物やアミノ酸、海苔やワカメに含まれる分解酵素を持つ腸内細菌がいるからで、食習慣の違いに由来すると思われる

欧米人のように高たんぱくでコレストロールが高い肉食よりも、日本人である私たちは魚類中心で、根菜を含む野菜に豆やイモ類、穀類や海藻を多く食してきた

日本人の食習慣と言えば「まごわやさしい」ですよね。

ま:豆類 ご:ごま・種実類 わ:わかめ・海藻類 や:野菜 さ:魚・貝類 し:しいたけ・きのこ類 い:いも類

あなたのご家庭の食習慣を見直す際の参考にしてください。

 

ごぼうなどは、その典型で、終戦直後に進注してきた米軍将校をもてなそうとして、料理人が山海珍味の中にごぼうを加えて食卓に出したところ、木の根っこを食わせるのかと激怒されたという話がある。日本人の食材は実に多彩なのである。

伝統的日本食の勧め

今日、腸内フローラの研究が進むにつれ、認知症と食事の関係が注目されてきた。

認知症でない人は認知症の人に比べて、味噌、醤油に漬物、納豆といった発酵食品、大豆や小豆類、緑黄色野菜、キノコや海藻類、魚介類といった伝統的日本食を多く摂ることで健康を維持しているという調査研究が医学方面から発表されてきた。

がん免疫に関しても、腸内細菌がエサとして利用する食物繊維を多く含む伝統的日本食が勧められるようになった。食物繊維を1日20g以上摂取している人はがん生存率が高いという調査もある(2021年、米国研究チーム)。

日本の平均寿命(男性.81.09 歳 女性 87.13 歳)や健康寿命(健康状態で生活することが期待される平均期間 男性 72.1 歳 女性 74.8 歳)は先進7ヵ国の中で最も高い水準にある(Global Health Observatory (GHO) 資料2021 年)ことも伝統的和食文化が貢献していると思われる。

因みに先進7カ国中最も低いのは米国で、平均寿命(男性 73.7 歳 女性 79.1 歳)、健康寿命(男性 62.8 歳 女性 65.1 歳)である。

日本食を中心に、腸内細菌のバランスによい食品を並べると次のようになる。

(1)発酵食品

乳酸菌を含む味噌、キムチ、チーズ、発酵バター、乳酸菌飲料など、納豆菌を含む納豆、また酪酸菌ではぬか漬け、麹菌を含む食品には塩こうじや甘酒、それにビフィズス菌ヨーグルトなど多彩である。

最初から体内にいる腸内細菌と異なり、便と一緒に排泄されるため、発酵食品は定期的に摂取することが必要である。

(2)オリゴ糖や水溶性食物繊維を含み、善玉菌のエサとなって善玉菌を活性化する食品

水溶性食物繊維が多い食品としては、冷えた炭水化物(おにぎり、ポテトサラダ、あんこを使った和菓子など)や未精製穀物(玄米、ライ麦など)、キクラゲ、乾しシイタケ、きのこ類、昆布、ワカメなどの海藻類、ごぼう、こんにゃく、ネバネバ系食品(オクラ、なめこ、めかぶ)やきな粉、味噌、蜂蜜、ブロッコリー、カボチャ、さとうきび、柑橘類など

オリゴ糖を含むのはタマネギ、インゲン、アスパラガス、ニンニク、バナナ、大豆、エンドウ豆、小豆、そら豆などの豆類、蜂蜜など

実は、前述の短鎖脂肪酸は食物繊維やオリゴ糖の摂取量と相関します食物繊維やオリゴ糖を摂れば摂るほど腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸量は増えます。また、短鎖脂肪酸量が増えれば増えるほど、妊娠の維持(流産を防ぐ)働きをするある免疫物質が増えてくれます

逆に、食物繊維やオリゴ糖の摂取量が少なければ…

当然ですが、妊娠維持が困難となり流産や早産が増えます。

現代人は食物繊維摂取量が大幅に減っています。また、それに連れて流産・早産も増えているという事実も忘れないでください。

※ 詳しくは「本当の妊活!」をお役立てください。

(3)抗酸化食品 病気や老化の原因となる体内の酸化を防ぐ

抗酸化食品としては、赤野菜であるトマト、ニンジンや果物リンゴ、スイカなど。

緑黄色野菜であるブロッコリー、ホウレンソウ、小松菜、ミカンなど。

白色野菜としては、玉ねぎ、にんにく、大豆、白菜などがある。

また、ポリフェノールを多く含む食品としては、ベリー類、ナッツ類、アボカド、赤ワイン、コー
ヒー、緑茶、カカオなどが挙げられ、疲労の元になる活性酸素を取り除き、疲労回復に有効なイミダペプチドを含むものとしては鶏のムネ肉やササミ、サバ缶がお奨めである。

食物繊維の力

食物繊維は消化吸収されずにそのまま体から排出されるため、これまではエネルギーにも体を構成する成分にもならない“食べ物のカス”程度にしか考えられてこなかった。

しかし 1930 年代になって便秘患者や大腸炎患者への有効性が確認され、1970 年には「食物繊維の摂取量が少ないと大腸がんになりやすい」という研究が発表され、さまざまな調査や研究によって、食物繊維の優れた機能や生理作用が明らかになった。

便秘や心臓疾患、動脈硬化などの予防効果や、がんのリスクを下げることが報告され、食物繊維への注目が高まっている。

腸内細菌がエサとして利用するということで、食物繊維は、今や五大栄養素に次ぐ、体に不可欠な第6の栄養素と位置づけられている

なお、五大栄養素とは、炭水化物(糖分)、脂質、たんぱく質、無機質(ミネラル)、ビタミンである。

厚生労働省の 「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」 によると、食物繊維の 1 日あたりの摂取目標は、男性 30〜64 歳で 22g 以上、65~74歳は 21g以上、75歳以上は 20g以上、女性は 30 歳以上で 18g 以上とされている

日本人の食事摂取基準(2015 年版)では,食物繊維の目標量は,18 ~ 69 歳では 1 日あたり男性 20g 以上,女性 18g 以上とされています.しかし,ほぼすべての世代で摂取量が低く,10 ~ 40 代の女性は 12 ~ 13 g/日と最も低いことが分かっています.

腸内細菌から見直す食事と健康 福尾 惠介 2020年 94 巻 7 号 422-423 より引用

食物繊維摂取量が20g/日以上の日本人は〝わずか″数パーセント。なお、調べてみればわかりますが、野菜をたっぷりとったとしても十分な食物繊維は摂れません。

100g中の食物繊維:キャベツ1.8g、小松菜1.9g、チンゲンサイ1.2g、ホウレンソウ2.8g 水菜3g もやし2.3g ニラ2.7g

毎日食べている野菜でどれくらい食物繊維が摂れているのか?一度計算して食生活の改善をしていきましょう。

一方、欧米においては、地中海食が注目を浴びている。その食材は、多種な野菜や果物、精白していない穀物、豆、少量の魚や鶏肉、チーズやヨーグルトが中心で、肉は赤身肉が多い。

イタリアで行われた 5 年間の臨床研究に基づき、ヒトの平均寿命や健康寿命を延ばすと証明された唯一の食事とされた。

この臨床実験では食材にオリーブ油が追加されたところに特徴がある。

オリーブ油は高カロリーで、飽和脂肪と不飽和脂肪が混じっているので、非常に体に悪いと評判が芳しくなかったが、オリーブ油を摂った地中海食の人たちの結果が最良で、摂らなかったグループと比べると、糖尿病、心臓病、脳卒中が 3 分の 1 少なく、認知低下も少なかった。さらに体重も減ったという結果が出た(ニール・バルジライ アルバート・アインシュタイン医科大学教授)。

地中海食とは、地中海沿岸諸国の食事や食習慣を指すもので、特定のレシピは指していない。

日本でもアクアパッツァやパエリア、ブイヤベースなどが知られている。

イタリアやギリシャなど地中海沿岸の国々の食習慣は、北欧や北南米とは異なるようだ。日本でもよく使われるようになったエキストラ・バージン・オリーブオイルはキーとなる食材である。

食卓の大変化

伝統的な和食文化が見直されてきている一方で、私たちの腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが、ここ数十年の間に乱れてきたようである。その背景には、食生活の急激な変化や生活環境の変化と抗生物質の多用がある。

抗生物質は,本来,発病後にごく短期間週間程度),限定的に使用されるべきものだが,健康状態にある家畜体の成長促進や病気予防を目的とした日常的な使用がアジア・米国等を含む国・地域では一般化し,抗生物質が効かない薬剤耐性菌の増大に深く関与しているとして,世界保健機構(WHO)は,「食用家畜における医療上重要な抗菌性物質の使用に関するガイドライン」(WHO 2017)を公表した.

日本でも,人の約 2.5 倍量の抗生物質が飼料添加物や医薬品として動物(養殖魚を含む)に使用されている(農林水産省消費・安全局 2003).(中略)

市販鶏肉の 68%から ESBL(extended-spectrum β-lactamase)産生大腸が検出されている(森田ら 2014).肉用鶏では,種鶏場や孵化場における抗菌剤の使用と生産段階での薬剤耐性菌の分布との関連性が示唆されており,また,サルモネラ菌・カンピロバクター菌について食品由来耐性菌と人由来耐性菌との関連性が強く示唆されている(渡邉2021).

窒素循環から見た健康な食と有機農業の密接な関係 江口 定夫 2022年 14 巻 1 号 44-48 より引用

日本で飼育されている家畜(乳牛や卵採取の鶏も含め)の99%以上で抗生物質が使用されていることから、肉や卵、乳製品を摂れば誰もが抗生物質を摂取していることになります。

1960年代の女性の初潮は中学2~3年生が普通でしたが、現代女性は10歳未満が普通なようです。牛や豚、鶏の成長が抗生物質(飼料中)で促進されることから、日本人も食品中の抗生物質により生理が早くなったと考えられます

抗生物質の多用に関しては、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が構築している世界に類を見ない腸内細菌叢ビッグデータベースで、抗生物質の多剤併用によって、日和見感染症の病原菌の増加や、薬剤耐性遺伝子の増加、免疫恒常性と関連する腸内細菌が減少するなど、腸内環境に悪影響を与えて、好ましくない転帰を引き起こす可能性があるとの検証が提示されている(東京医科大学、国立国際
医療研究センターや早稲田大学などによる研究チーム)。

日和見感染症とは、疾病により免疫機能が低下することで、健康な状態では感染しないような微毒性
の病原体により引き起こされる感染症をいう。

発酵鶏糞・牛糞,微生物入り発酵堆肥や発酵魚肥,油粕,自家製ぼかし肥,野草堆肥など,完熟発酵肥の使用が大きなポイントである.牛肥や野草堆肥は窒素含有量が少なく,主に土壌改良目的の元肥として使われるが,鶏糞,魚肥,油粕,魚粕・魚粉やこれらを原料に含むぼかし肥は養分価が高く,効き目も早いバランスのとれた良質な有機質肥料として元肥と追肥の両方に使われている

優れた有機農業の代替技術と経営に関する実証分析 ―「みどりの食料システム戦略」の具現化および農学への示唆― 胡柏 2022年 94 巻 1 号 1-18 より引用

上記論文の通り、有機農業の肥料として鶏糞や牛糞が使われています。また、家畜への抗生物質の使用は既述の通りです。

事実として、投与された抗生物質は糞中に排泄されます。また、肥料中の抗生物質は土壌中に残留し、有機野菜中に移行します。したがって、野菜も主要な抗生物質摂取源となっていることも忘れないでください

わが国は先の大戦で多くの人々を失い、都市と農地は荒れた。

太平洋戦争における日本の死者数は、日本軍の軍人 230 万人、内地での戦災死者約 80 万人、総計 310 万人(1977 年 厚生省発表)とされているが、現在も調査が続けられている。

日本本土は 1942(昭和 17)年 4 月 18 日から 1945(昭和 20)年 8 月15 日の終戦日まで実に 3 年以上にわたり、北海道から沖縄に至るまで無差別爆撃を受け、16 万 800 トンもの爆弾が投下され、無残にも内地戦災死者 80 万人と共に建物、住家も壊滅焼失、田畑も焼き払われた。

国民を飢えから救い、健康を取り戻し、復興と発展に向かって、終戦の 1945(昭和 20)年から官民一体となって食料増産を目指し、わが国は農薬を開発生産、農家は農地に撒くことになった。

1940(昭和 15)年生まれの私が健康なのは、5歳までは全くの無農薬の農産物で育ったからだと、東京大学農学部教授から教えられたことがある

農薬を使って栽培した野菜を食べたら、腸内で善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢になると思いますか?

 

小学校に上がったころから、日本の児童のからだを強く大きくするために、進駐軍からの脱脂粉乳ミルクを飲み、パン食、肉食へと洋式に変わっていった。そして本年は戦後 80 年を迎えている。

日本の食卓の変化で最も顕著なのは、米を食べなくなったことである。

米の一人当たり年間消費量は、1962(昭和 37)年度の 118.3 ㎏をピークに減少に転じ、2021(令和 3)年度には約 51kg にまで減った。一方で、肉類の 1 人当たり年間消費量は約3.8倍、油脂類も倍増している(図2 農林水産省「食料需給表」)。

油脂類の摂取。とくに日常的な炒め物や揚げ物調理に使用される大豆油、菜種油、コーン油などを含めたサラダ油からリノール酸を過剰摂取し、各種アレルギーや起立性調節障害、糖尿病、ガンなど、さまざまな疾患発症のトリガーとなっているのが現状です。

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60 年間でクロスしてしまった。

日々の食卓に上がる食事の中身は経済発展につれ大きく変化していった。

図 3で 1965(昭和 40)年度と 2021(令和 3)年の国民 1 人当たりの熱量(カロリー)自給率の内訳を比較すると 1965(昭和 40)年度は、必要なカロリーの半分近くを米から摂取していたが、2021(令和 3)年度には必要カロリーの 1/4 にまで下がっている。

一方、米の自給率は、ほぼ 100%を維持している。

そして油脂類と輸入飼料で生育した肉類の比率が 2 倍以上と大きく高まったことが分かる。

わが国は戦後から穀物の増産に励んで国民の必要カロリーを満たしつつ、経済発展のために一次産業(農林水産業)から二次産業(製造業)、三次産業(小売・サービス業)に構造変換を果たした結果、図 4 にあるように食料自給率は低下の一途で、供給熱量(カロリー)ベースでは 1965(昭和 40)年の 73%をピークに、2022(令和 4)年度は、38%にまで低落してきた。

生産額ベース食料自給率では 1967(昭和 42)、1968(昭和 43)年の 91%をピークとして、2022(令和4)年度には58%にまで低下、農漁業の国内生産額が9兆9,467億円(62%)となる一方、食料輸入額は 6 兆 1,840 億円(38%)に上昇、今日に至っている。食料の輸入大国になったのだ。

食品の安全・安心

今や、わが国の食卓では米中心の和食よりも小麦中心の洋食が好まれている。

だいぶ前に聞いた話であるが、子どもの顎が外れる症状が出てきたという。

カレーライス、チャーハン、スパゲッティが子どもの好きな 3 大食事だそうで、あまり噛まなくて済むために、何かの調子で顎が外れるようになったという。

伸びてくる歯はよく噛むことで減らすことができる。しかし、こうなると伸びた歯をやすりで削るという、子どもにとって酷いことになる。

ごぼうやレンコン、するめ、めざし、干しいも、炒り豆など日本に多くある噛み応えがある食べものを与えれば、子どもの顎が外れることはなくなる

現代社会は多忙で、2000 年に入る頃から、専業主婦世帯よりも共働き世帯が多くなった。

2024(令和 6)年の労働省「労働力調査」によると、「共働き世帯」は 1,300 万世帯で、「専業主婦世帯」は 508 万世帯となっている。今後とも共働き世帯は、高齢社会化の中で増え続けることになる。

共働き主婦にとって、食事の用意は大変で、インスタント食品やレトルト食品、様々な弁当や 1 週間分をまとめた冷凍宅配弁当に囲まれ、そのまま食卓に出せる多彩な総菜でデパート、スーパー、コンビニは溢れている。高齢者もまたこの状況を好んでいる。

インスタント食品やカップ麺、コンビニ弁当など食べて、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢となるでしょうか?

そう、ひとつひとつ自問すれば答えは明白ですね。

 

輸入品に頼るようになれたのは、輸入品の安さと安価な食事を提供できる飲食業界の発達に支えられているからである。

しかし、私たちが日々手にする食品の多くは加工食品であるために、健康面で問題があるように筆者は日々の食事を通して感じている。

最近では、米国の心臓専門医が長年の診療経験から、

①過剰摂取したアガベシロップは天然由来であるものの中性脂肪を急上昇させ、心疾患リスクを高め
る、

②ダイエット効果が期待されるというココナツオイルの大量摂取は飽和脂肪酸によって血液中の悪玉コレストロールが上昇、循環器疾患の発症のリスクが高まる、

③市販のグラノーラには超加工食品で隠れた糖質が多いものがあり、体脂肪として蓄積されるリスクがある、

④全粒と明記されていない添加物入りパン。色は茶色だが、実態は白パンと変わらない、

⑤グルテンフリーの加工食品は小麦食品と違って食物繊維やビタミン B 群が不足しがちとなり栄養バランスを崩し、心臓、血管疾患のリスクが高まるなどと具体的に食品名を挙げて警告するようになった(出典 ニューズウイーク日本版 2025 年 5 月 10 日)。

科学雑誌ネイチャー・メディシン(2025 年 6 月 30 日)には米国シアトルの保険指標評価研究所の研究者から、過去の 60 以上の論文のデータ分析により、加工肉についてはホットドッグを 1 日に 1 個食べるだけでも、一切食べない人に比べて、インスリンの作用不足による 2 型糖尿病リスクは11%、大腸がんは7%、それぞれ増大する

また加糖飲料水は 350ml 相当の摂取を続けることで 2型糖尿病 8%、虚血性心疾患 2%リスクが上昇したことが判明したとの報告が掲載された。

この研究では、食習慣と疾病の因果関係までは立証されていないが、それでもソーセージ、サラミ、ハンバーガーなどの加工肉や加糖飲料は様々な慢性疾患の原因となる炎症を起こさせる可能性があると、米ハーバード公衆衛生大学院の専門家は言う。

そして「健康を守るために最善なのは、加工肉、加糖飲料、工業的に生産されたトランス脂肪酸の習慣的な摂取を避けるか、最小限に抑えること」と、英ケンブリッジ大学の専門家も指摘する。脂肪酸は脂質を構成する成分で、その内、加工油脂のほか牛などの反すう動物の胃内で生成される不飽和脂肪酸をトランス脂肪酸と呼ぶ。

WHO/FAO 合同専門家会合は 2010 年の報告書で、水素添加油脂由来のトランス脂肪酸は、心血管疾患(CVD)、特に冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを高める確実な証拠があると注意喚起している。

トランス脂肪酸には自然由来のトランス脂肪酸があり、牛肉、羊肉、牛乳やチーズなど乳製品にも微量であるが含まれている。

問題は工業的に生産されるトランス脂肪酸で、常温で液体の植物油や魚油から、半固体又は固体の油脂を製造する際に、「水素添加」と呼ばれる加工技術によって、トランス脂肪酸が発生する。

この加工工程で生成されるトランス脂肪酸には、善玉コレステロールの減少・悪玉コレステロールを増加させるリスクがある(農林水産省 トランス脂肪酸に関する情報)。

平均的な日本人より多くのトランス脂肪酸を摂取している諸外国からの検証報告によれば、トランス脂肪酸の摂取により、冠動脈性心疾患の発症が増加する可能性が高いと考えられ、また、肥満、アレルギー性疾患についても関連が認められている。トランス脂肪酸の摂取量について、日本人の大多数が WHO の勧告(目標)基準であるエネルギー比の 1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、わが国においては通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる(国の食品安全委員会による評価書 2012年)。

しかしながら、戦後 80 年の間で起こった大きな食生活の変化により、殊に近年若年層のトランス脂肪酸の摂取が増えていると想定されるため、脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が 1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要があると国の食品委員会は注意喚起している。

トランス脂肪酸に囲まれた食生活

トランス脂肪酸はヒトに不可欠なものではないので、できるだけ摂取を少なくすることが望まれる。

食品中のトランス脂肪酸含有量については、全体として近年減少傾向が見受けられるが、スナック類など一部製品においては 10%を超える製品もあることなど、リスク管理機関においては、今後とも日本人のトランス脂肪酸の摂取量について注視するとともに、引き続き疾病罹患リスク等に係る知見を収集し、適切な情報を提供することが必要であると同委員会の報告からわかる。

因みに工業的に生産されたトランス脂肪酸を多く含む食品を列挙してみると、

1.ショートニング マーガリンから水分を抜き取った、より純度の高い食用油脂。食感を良くするために様々な加工食品に使われている。特に菓子類ではケーキやパイなどの焼き菓子から、フライドポテトなどの揚げ物まで幅広く利用されている。

2.マーガリン もともと液状の油に水素を添加して作られる固形の油脂だが、その加工過程でトランス脂肪酸が生成される。

善玉コレステロールの減少、悪玉コレステロールの増加につながるリスクを避けるため、摂取量には注意が必要。最近は加工技術の進歩でトランス脂肪酸がバターよりも少ないマーガリンも市販されている。

3.バター 成分である牛乳にもトランス脂肪酸は含まれるが、天然由来であるので、健康に大きな影響はないが、高カロリー・高脂肪であるので、大量摂取は避ける。

4.クッキー クッキーにはマーガリンやショートニングが使用されているため、トランス脂肪酸が含まれている。

5.市販のスナック菓子 大量の油が使われており、その油の中にトランス脂肪酸が多く含まれている。スナック菓子は健康維持のためには日頃の摂取量を特に注意する必要がある。

6.パイなどの洋菓子 生地のふわっとした食感を出すためショートニング、マーガリンが使われるので、トランス脂肪酸が多く含まれる。コレステロール値の悪化を防ぐためにも、日常的な摂取とならないように気をつける。

7.生クリーム 生クリームは通常、植物性の脂肪酸を加工することで作られるが、その加工過程でトランス脂肪酸が発生する。牛乳で代用可能な際は、牛乳を使うのがお勧めである。

8.フライドポテト 大手チェーン店のフライドポテトは揚げたあともベタつかず、調理後に時間が経っても軟らかくなりにくいことで知られているが、これはポテトを揚げるときに使われるショートニングの働きによるもので、ショートニングにはトランス脂肪酸が多く含まれている。また、大量の油で揚げるので、高カロリー、高脂肪食品である。

9.ドーナツ ドーナツを揚げる時に使われる油は、トランス脂肪酸を含むものが多い。

10.菓子パン コンビニの菓子パンにはトランス脂肪酸が含まれているものが多い。低コストで大量生産できるよう、安価なマーガリンやショートニングが使われていることが多い。

11.マヨネーズ 市販のマヨネーズにはトランス脂肪酸が含まれているため、日頃の摂取量に注意が必要。マヨネーズを製造する際に使われる植物油脂に、トランス脂肪酸が多く含まれている。

私たちが摂取するカロリーに油脂類が増加していることがわかる(図 3)。

これら〝すべて″がリノール酸過剰摂取に繋がり、ありとあらゆる病気のトリガーとなっています。

トランス脂肪酸が低減されているからといって安全・安全と言うわけではありませんよ!

「トランス脂肪酸が低減されているマーガリンは安心なのか?と言えば、そんなことはあり得ません!」

洋菓子と違って昔からの和菓子である羊羹、最中、きんつば、手焼き塩せんべいやカステラは、小麦粉、米粉、小豆、砂糖、塩、タマゴ、醤油、味噌といった食材だけで作られているものが多く、ほぼ安全、安心である

腸内細菌は、免疫などのさまざまな体の機能を調節し健康と病気にかかわり、環境要因で変化することがわかってきた。

特に食事の影響は大きく、腸内環境を改善させる食と悪化させる食に分けられる

腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やしてくれる食べ物として、海藻類に多い水溶性食物繊維、大豆などの植物性たんぱく質、玉ねぎやニンニク、ゴボウに多いオリゴ糖などがある

人生100年時代の健康長寿を考える~こころ・からだ・たべもの・くすり~ 山田 靜雄 2024年 17 巻 1 号 1-7 より引用

クッキーで、小麦粉、バター、砂糖、食塩のみで製造されているのは、専門メーカー、輸入
品では英国王室御用達クッキーとフランス製にあるのでお勧めする。

加工食品を購入する前に

筆者は最近、加工食品を購入するときは、商品に記載してある栄養成分表示原材料名を必ず見るようにしている

特に、原材料名の中で自然食材のほかに添加物の数と名前を確認することにしている。加工食品には必ずといっていいほど添加物が入っており、様々な添加物が加えられていることが気になりだした

わが国では食品衛生法によって使用が認められている食品添加物には指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物に分類されている。

指定添加物は、食品安全委員会の厳密な評価を受けて、個別に指定される化学的合成物(ソルビン酸、キシリトールなど)で、令和 6 年 3 月 1 日改正までに登録された品目数は 476 品目ある。

既存添加物は平成7年の食品衛生法改正により、化学的合成品以外の添加物で、わが国において広く使用されており、長い食経験があるものとして認められるもので、その品目数は 327 品目である(カテキン、クチナシ色素、カラメル、香辛料抽出物、タンニン、ローズマリー抽出物など)。

天然香料は、動植物から得られる天然の物質で、食品に香りをつけるために使用されるもの(小豆、アニス、アロエ、イチゴ、サンショウ、バニラ香料、カニ香料など)で、その登録品目数は 613 である。

一般飲食添加物は、通常食品として飲食に供されているものが添加物としても使用されるもので 104 品目が指定されている(小麦粉、サフラン、茶、イチゴジュース、寒天、卵白など)。

わたしは食品添加物の多さから、加工食品を購入する基準を決めている。

①加工食品のパックに添加物が5つも記載されていたら、原則購入しない、

②2 つ、3 つならやむなしとする、

③輸入品をチェックする(イタリアのバジル入りトマト缶詰は無添加物だった。イタリア人は毎日でもパスタを食べるからだろう)、

④日常的に食べる加工品は、特に厳しくチェックするか、毎日食べることはやめる。

添加物って摂った方がいいと思うヒト、おそらくいないですよね。

おそらく「知りたくない事実に蓋をしている!」のだと思いますが、以下の記事をご覧いただくことを強くお勧めします。

「リン過剰摂取にご注意を!加工食品や食品添加物、チーズをよく食べるなら一読ください」

 

日本の食品検査は厳しい

食品添加物を使用する重要な目的は、サルモネラ菌、ノロウイルスなど凶悪な細菌やカビの除去繁殖防止による食中毒の防止のためであり、また食品の加工器材の殺菌除菌、洗浄なども使用目的とされている。

一方、食材を柔らかくしたり、とろみをつけたり、着色したり、甘みやコクを加えたり、色艶を出し
たり、あるいは栄養強化であったり、いわば商品価値を高めるために食品添加物は多種使用される。

この 1500 もの添加物は、ほとんど栄養素、栄養価値とは関係がない。

わが国では 70 年前、1955(昭和 30)年に起こった粉ミルク事件で、これを飲んだ乳幼児1万 3000 人がヒ素中毒になり、130 人以上が亡くなった。

それ以降では 1996 年(平成 8 年)7 月に、大阪府堺市で学校給食を原因として発生した集団食中毒が起こり、児童 7,892 人を含む 9,523 人が腸管出血性大腸菌 O157に感染し、3 人の児童が死亡するという痛ましい事件がある。

感染源や経路は、現在も判明していない。それ以降、わが国では広範囲な食中毒事件は発生して
いない。

ひとつひとつの加工食品に添加されている添加物の量は単位 mg の微量であっても、日々購入している弁当やカップラーメン、レトルトパック、加工食品の原材料の中に、野菜、肉類、砂糖、食塩、調味料の後に、蛋白加水分解物、乳化剤、有機酸、pH 調整剤、ソルヒトール、グリシン、増粘剤、ピロリン酸鉄、アセスルファム K、L-カルニチン、亜硫酸塩、微粒二酸化ケイ素・・・ずらずらと並ばれると、塵も積もれば山となるの譬えどおり、血管を巡り、脳や筋肉や腎臓、肝臓に蓄えられていくのではないかと危惧してしまう

腸内細菌バランスが乱れる食品として、甘いもの、揚げ物の摂り過ぎ、アルコール、添加物、過食などがある。

人生100年時代の健康長寿を考える~こころ・からだ・たべもの・くすり~ 山田 靜雄 2024年 17 巻 1 号 1-7 より引用

 

平成 9 年〜令和元年の厚生労働省による食品添加物の摂取量調査から食品添加物の一日摂取量は、8355mg/人/日という。しかし、この摂取量には食材そのものに元から含まれている成分と天然物から抽出加工された添加物も含まれている。

これを勘案すると、私たち日本人が食品加工によって生体に取得される化学合成の食品添加物は 1 日に約 2.8g、年間では約 1.2 ㎏と推定される

それであっても、20 年間では 20 数 kg の化学合成添加物を食べていることになる

60 歳ともなれば、70kg にも達する。多くの化学的合成品である食品添加物は大量に摂ると、炎症誘発やアレルギー反応、腹痛、ひいては発がん性が疑われたり、心血管系への悪影響を引き起こす可能性があるということも世界の幾多の研究で検証されてきている。今後、微量な化学合成添加物が人体に時間をかけて蓄積されていることに関する研究、検証が俟たれる。

日本の食料自給率は、熱量ベースで 2010-13 年度には 39%に低下しており、果実・野菜、大豆、小麦、油脂類、畜産物等の不足分は諸外国からの輸入に頼っている(図 3、4)。

これらは、主に南北アメリカ、中国、東南アジア等から輸入されている。輸入食品は、「輸入食品監視指導計画」に基づき検疫所で試験・分析試料を採取し品質等の検査を経て、消費者の手許に届けられている。

その主な検査項目は、食品の抗菌性物質、残留農薬、食品添加物、病原微生物、大腸菌群、遺伝子組換え食品、照射食品である。2015 年度以降、厚生労働省は輸入食品の違反事例をデータベース化している。

日本は、「食品衛生法」により、放射線を食品の製造、加工及び保存に用いることも禁じている。しかし、世界の国々では多品目の照射食品が作られて輸出もされている。細菌やカビ、残留農薬のある食品が無検査乃至は検査の不備の下で箱詰めされてわが国に輸入されているのが現実である。

今日の日本の食卓に海外からの食材が上がっていない日はないであろう。

2024 年の日本の農林水産物・食品の輸入額は前年比 4.7%増の 13 兆 4,049 億円(製材類、皮・羊毛、真珠を除くと 11 兆 5,953 億円)に上る。

しかし、輸入冷凍食品で食品衛生法に違反した事例 168 品目(表 2 厚生労働省 2024 年度公表)を見ると、幅広く多岐にわたっている。冷凍加工で菌が完全に死滅したり、添加物や農薬が消えることは基本的にない

輸入加工品の実態

公表された資料を見ると、食中毒を起こす「大腸菌群」の検出が特出して目立っている。各国のニンジン、馬鈴薯、玉ねぎ、枝豆など冷凍野菜や果物のドリアン、ココナッツ、マンゴーなど、冷凍水産物ではベトナムのエビ類、韓国産のチャンジャ(タラのキムチ)や中国産のエビ団子、フィリピン産の切り身イカなど、さらに焼き鳥や肉まん、ギョウザから各種ケーキに至る迄 80 件以上で大腸菌群が検出された

菜の花、ブロッコリー、玉ねぎ、ニンジン、ブルーベリーなどの冷凍野菜果物類に基準値超の農薬物残留も目立つ

2024 年違反リストの 60 件は中国からの輸入品で 3 割以上を占める

現地の生産、製造工程が非常に不衛生である証左といえる

日本では一定の冷凍技術を持つ食品工場は、HACCP(ハサップ)という国際衛生管理基準を導入、運営管理も徹底しているが、中国や東南アジアの中小レベルの事業者では国際基準が導入されていないのが実情であり、スウェーデン産ブルーベリーから日本の基準値の 1.6 倍にあたる放射精物質が検出されたこともある。

わが国の輸入冷凍食品の安全検査は全国 32 カ所の検疫所で行っているが、体制は十分とは言えず、全輸入食品の検査率は、わずか 1 割程度にとどまっている。

輸入冷凍食品に関しては、極めて心許なく、国民の安全、安心の域には達していない

減少の最大の要因となっている。

国連食糧農業機関(FAO)データベース(2017 年)によると、世界の耕地面積は 15 億 6,132 万 ha、世界の人口は 76 億 4,261 万人、1 人当たり耕地面積は2,250 ㎡とされている。わが国は、耕地面積 444 万 ha で国民 1 人当たり 350 ㎡、世界平均の 1/6 に満たない。221 カ国・地域の中で、1 人当たり 500 ㎡以下 39カ国の中に属する。因みに世界 3 大耕地面積国は、中国、インド、米国で、そ
れぞれ 1,414 百万 ha、1,360 百万 ha、332 百万 ha、国民 1 人当たりは、955㎡、1,246 ㎡、4,829 ㎡である。

世界人口は 1960 年では約 30 億人であったが、1980 年に45億人、2000 年には 60 億人を超え、昨年 2024 年は遂に 80 億人を超えた。

世界人口が増え続けるのに対して、食料の中心となる穀物が獲れる土地の面積(収穫面積)は、1960 年から 2020 年の間に約 13%増えているだけである。

しかし、穀物の生産量は 3 倍以上に増えている。つまり、単収が増えていることになる。

それは、農業機械、品種改良、肥料と農薬などの農業技術の進歩に因る。

国内で生産された食料だけでなく、輸入された食料や飼料に多くを支えられているわが国が今日の豊かな食生活全てを国内生産で賄うために必要とされる農地面積は、現在の農地面積 444 万 ha の約 3.1 倍に相当する 1,355 万 ha といわれており、現状においては、全てを国産で賄うことは不可能な状況に置かれている。

日本は食料が豊富で一見豊かな国に見えるが、実際は安全性に問題がある輸入品に頼らざるをえない食糧難な国と言えるかもしれない。

 

であればこの少ない耕作地でできるだけ食料を増産するには、農薬や肥料の力に仰がざるを得ないだろう。そのためには農業機械、品種改良、作物を育てるための肥料、病害虫や雑草から作物を守るための、加えて長期摂取しても人体の安全が侵されない農薬などの農業技術の開発が一段と求められる。

様々な病害虫・雑草防除

人類は病害虫や雑草から農作物を守ることができず、餓死や飢饉による大きな被害を体験してきた。

例えば、1845 年にはヨーロッパ全土で、真菌によるジャガイモ疫病が蔓延し、ジャガイモを主食としていたアイルランドでは 100 万人以上が餓死したり、わが国でも、1732 年の享保の大飢饉では、西日本を中心にウンカが大量発生して、稲の収量が激減し、その結果 1 万人以上が餓死した。

特にわが国は温暖湿潤な気候であることから、病害虫や雑草が多く発生し、農作物が被害を受けやすい環境にあるため、病害虫・雑草防除の重要性が高い。

病害虫や雑草から農作物を守るためには、品種改良や輪作による耕種的防除、雑草や虫を食する鳥や虫を利用した生物的防除、ビニールシートや敷きわらによる雑草抑制、防虫ネットの利用や太陽熱で土壌消毒などがあるが、戦後開発された化学合成農薬は収量の増大や農作業に要する労働の軽減に大きく寄与してきた。果樹の場合は収量への影響が大きく、農薬を使用しなかったリンゴでは平均で 97%減収することが確認されている(図 5)。

従って、農薬は経済性や防除効果が高く、わが国においては農業就業者の減少や高齢化対策としても重要な防除手段の一つとなっている。

一方で、農薬は農作物に散布され、意図的に環境中に放出されるものであることも含めて、生産段階から消費段階に至るまで健康や環境に対する安全を確保するための様々な取組が欠かせない。

農林水産省は、農産物を安定的に供給するために、農産物が病気により作物が枯れたり、害虫に食べられるなどの被害を防ぐため、使用基準に従って使用すれば安全であると判断できる農薬だけを農薬取締法に基づき登録を行っている。

農薬取締法により、登録されていない農薬は使用できない。登録の際には「使用できる作物」や「使用できる時期」、「使用してよい量」などの「使用基準」が定められ、同時に農産物中に消費者の健康に悪影響を及ぼさないと判断した残留基準値が設定されている。

残留農薬に関しては、わが国では内閣府食品安全委員会において、食品安全基本法に基づき、残留農薬の食品を通じた人の健康への影響評価(食品健康影響評価)を行い、許容 1 日摂取量を設定している(図 6)。

その許容一日摂取量(ADI)は一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと考えられる 1 日当たりの物質の摂取量としている。毒性以外の他の分野に関する試験も含め、1つの農薬を登録するにあたっては、90 種類以上もの試験を必要としている。

わが国の食品安全に対する厳しさが世界でも抜きんでていることは前述の輸入加工品の違反事例からも判る。

わが国においては、農薬は主なものに、殺菌剤、殺虫剤、除草剤があり、化学農薬に限らず、アブラムシを補食するナミテントウのような「天敵」など、病害虫の防除に用いられる生物も生物農薬としてに含まれている。

現在、有効成分で約 600 種類、製品として 4,000 種類以上の農薬が登録されている

食の安全への道のり

わが国は苦い体験を経て食の安全の向上を図ってきた。日本国内で 2001 年に発生した BSE(牛海綿状脳症 感染源は飼料の肉骨粉。

翌年トレーサビリティ法を策定、国内で生まれた牛の BSE 発生報告はない)問題により、これまでの行政が、生産者・事業者サイドに偏った運営がされてきたこと、リスク評価とリスク管理が渾然一体となって行われてきたこと、施策の決定過程が不透明であることなどとともに、消費者をはじめとする関係者への正確な情報開示が行われていなかったことなどについて厳しい反省が求められた。

そこで食品の安全の確保のための包括的な法的枠組みを定めた食品安全基本法の制定や、食品衛生法の改正が 2003 年(平成 15 年)5 月に相次いで行われた。

同時に、食品を摂取することによる健康への悪影響について、科学的知見に基づき客観的かつ中立的に評価する機関として内閣府に食品安全委員会が同年 7 月に発足した。さらに、その後、食品衛生法の大改正が行われ、残留基準が設定されていない農薬が残留している食品の販売等を禁止するポジティブリスト制度が 2006 年(平成 18 年)5 月 29 日より施行された。

食品安全基本法は、食品の安全の確保のための包括的な法的枠組みを定めている。

「食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行わなければならない」(第 3 条)と明確にうたい、消費者保護を全面に打ち出したことが、これまでの法律や制度に比べ大きく変わった点といわれている。

また、食品の安全については、食品の安全には絶対はなく、リスクの存在を前提に科学的手法に基づき制御するという立場を明確にした。

このため、食品のリスク(健康への悪影響が生じる確率とその程度)への対応については、リスク評価とリスク管理に分離し、リスク評価は関係の行政機関が行うのではなく、内閣府に新設した食品安全委員会が担当、リスク管理はこれまで通り厚生労働省と農林水産省などが担当することとした。

食品安全委員会は国民の健康の保護を最重要視する基本的認識の下に、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立させて、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関と位置付けたということになる。

一方、既存の食品衛生法は、国民の健康の保護のための予防的観点に立ち、事業者による自主管理の促進、農畜産物の生産段階の規制との連携の視点に基づき見直された。こうして、制定以来初の大改正が行われ、残留農薬規制にポジティブリスト制度が導入された。

ポジティブリスト制度は、すべての農薬に対して残留基準を設定し、規準を超えて農薬が残留する食品中の販売を原則禁止する制度である。現在 760 品目の農薬について基準値設定を行っている。

【重要】

4000種類以上の農薬があるにもかかわらず、基準値設定されているものは760品目にすぎません。

私は、これで安全を確保できるなどあり得ないと思いますが、あなたはどうですか?

 

基準値が設定されていない農薬であっても人体の健康を損なう恐れがない量として一律 0.01ppm を基準として適用され、これを超えると販売禁止とされる。ポジティブリスト制度の導入前の残留農薬の規制はネガティブリスト制度で、原則規制がない状態で、人体等への影響が懸念される農薬のみをリスト化して、それらの農薬のみの残留基準を設定、その基準を超えた食品の販売を禁止するというものであった。

しかし、ネガティブリスト制度では残留基準が設定されていない農薬については、いくら残留が検出されても規制対象とならず、輸入農産物の激増の中で問題視されていた。

なお、食品衛生法規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質で、ポジティブリスト制度の対象外物質が、現在、74 物質が指定されている。

亜鉛、安息香酸、カリウム、カルシウム、クエン酸、重曹、鉄、トウガラシ色素、乳酸、ビール酵母抽出グルカン、マグネシウム、葉酸などが指定されている。また、微生物農薬や天敵農薬は、それぞれ残留しないことが明らかであるため、対象外物質の選定対象から除外され、ポジティブリスト制度の対象外になっている。(中略)

地球だけに存在する「土」

「土」は地球にしか存在しない。

岩が砕けて細かに分解してその中に動植物が混ざった土こそが、本物の「土」なのだ。

農薬を使えば土壌中の有用細菌が死に、土はどんどん痩せて弱くなります。ならば、その土に植えた食物の実りは少なくなるのは自然なことでしょう。

私たちも同じです。

薬や農薬、添加物などを摂れば摂るほど腸内で善玉菌は減り腸内フローラは悪玉菌優勢となるでしょう。その結果、私たちが病気になるのも何も不思議なことではありません。

 

地球は太陽系の一員だが、太陽系には地球のような惑星が 8 個、月のような衛星が約 400 個、銀河系には太陽のような恒星が 2000 億ないし 4000 億個、そして宇宙には銀河系のような星集団が 2 兆個以上も存在するという。

動植物が存在する星は地球以外にはまだ確認されていないので、人類は地球環境を壊しては絶対にならないのだ。

地球は唯一「青い星」なのだ。

そして人類は個人個人母親から譲り受けた腸内フローラで生命を維持しているのだ。

今日、私たちを取り巻く食の安全や健康管理に関する情報は、現代医学の先端を行くものが多く、世界からの広範囲な調査研究、あるいは検証が含まれており、斬新で驚くばかりの考証が多い。

私たちは先進的な地震観測調査研究に携わり、あるいは関心を持ちつつ、来るべき大地震の備えを怠らないように日頃から心がけているが、もう一方で、これからますます研究検証されてくる腸内フローラや残留農薬について、自分や家族のための「見えない健康管理」として大いに関心を持つべきだろう。

そして、誰もが母親から受け継いだ腸内フローラを大切に維持・保管しつつ、健康な人生を歩んでほしいと願っている。(以下略)

 

 

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Posted by sinsd