パワハラが原因でうつ病?なってしまった時の対処とならないための予防策
「『仕事が忙しいが、やりがいがある』って言ってるけど、そうでも言わないと上司に目をつけられるんです。本当は忙しすぎて体の疲れが取れません。そのためか休日になっても何もする気が起きないのです。」
「無理して『大変だけれども楽しい!将来の自分の糧になるから、頑張れます!』と言っていました。本当は会社に行くのもやっとでした。」
本当は精神的にもきついのに、仕事だからと仕方なくこういう振る舞いをしている人も多いのではないでしょうか?
もちろん、本当に仕事が楽しいとか忙しくてもやりがいがあるという方もいらっしゃると思います。しかし、そういう方も、毎日やる気に満ち溢れているというわけにはいかないでしょう。
また、今やっている仕事が自分の好きなことや得意なことばかりではないはずです。それは人間関係も同じで、あなたの上司や同僚にも得意な人と不得意な人がいるはずです。自分に合わないと思っている人があなたに対し厳しく当たるとそれは心に負担を感じることでしょう。
上司の指導があなたに対し厳しく、ゆきすぎたものになる。心の負担から体調を崩すことも考えられます。精神的に辛い時、人は気分が落ち込みます。いわゆる「うつ」の状態です。
この辛いうつ病になった時、それが会社の上司からのパワハラが原因であった時、あなたはどうしますか?
1.パワハラが原因で起こるうつ病を治す方法
パワハラによるうつ病が発症したということは、仕事に行くことが何より苦痛となるはずです。うつ病と診断されたら、3つの方法で治療のことを考えましょう。それは
- 病院へ行く
- 体調を整える
- うつの原因から離れる
と言うことです。
もしかしたら、この一つのみで良くなる場合、楽になる場合もあるでしょう。しかし、多くの方はパワハラを受けない状態、すなわち会社を退職することが必要となってきます。
一つずつ試してみましょう。
1-1.パワハラでうつ対策その1.病院に行く
対処の一つが、やはり多くの方が考えること、病院に行くことになります。
もちろん手っ取り早いですし、今後のことを考えると診断書なども必要になってくるでしょう。その時は病院でもらうしか方法はありません。
きちんと治療を考えるようであれば、心療内科などと掲げている病院よりは精神科にかかりましょう。心療内科も結局は精神科ですが、印象の違いだけです。
1-2.パワハラでうつ対策その2.体調を整える
もう一つは、体調を整えること。
病院に行くのと同じじゃないかと思われた方は早計です。病院は、病気を見るところ。病気ではない、体調不良に関しては専門ではない可能性があります。
うつ病ではなく、うつの思考や行動になっているとしたら、うつ病の薬や対処で治ると思いますか?
また体調不良から、その症状が強くなるとしたら、体調不良を改善することで、うつなどの症状が軽くなることも、十分考えられます。
もちろんそれだけでは治ることは難しいでしょうが、改善の傾向が出るだけで、人間明るくなれるものです。また、症状はいくつものものが重なって出ていることが多いので、色々人により異なるのはそのためです。
肩こりや、胃腸障害、腰痛、頭痛などうつ病の方は色々な症状が出ます。それらの症状に対してもアプローチするようにしましょう。もちろん睡眠不足、栄養不足もしっかり改善する必要があるのは言うまでもありません。
1-3.パワハラでうつ対策その3.うつの原因から離れる
スギ花粉アレルギーの方は、スギの花粉が少しでもあるとすぐに反応してしまうように、うつ病の場合もうつの原因を絶たないと自分が調子良くなっても、再度症状が出てしまうのは目に見えています。
今回のうつの原因は「パワハラをする上司」ですから、その原因が除かれないかぎり、再度うつになるのは目に見えています。
しかし、ほとんどの場合、変われるのは自分です。相手を変えようとすると大変な労力になりますし、ほとんどの人は変わりません。
現実的なものは、会社を辞めることになるでしょうが、他にも方法はあります。
2.パワハラをする上司から離れてストレスを回避する方法
前章でお話しした、うつの原因から離れる方法として実際の方法が3つ考えられます。
- パワハラをしていた上司がパワハラを辞める。
- パワハラ上司が自分の前からいなくなる
- 自分が、パワハラ上司から遠ざかる
これらを詳しくみていきましょう。
2-1.パワハラ上司が大人しくなる
パワハラをする上司がパワハラをしなくなると言うことが一番いいと思われます。しかし、先ほども言ったように基本的には他人が変わるのは難しいことですが、それで上司が大人しくなり自分が楽になるのであれば、それに越したことはありません。3つの方法があります。
- 自分から上司の言動や行動がパワハラと感じてしまい苦しいと正直に告白する
- 病院の診断書を見せたりして、パワハラになったことを上司に直接言うまたは、人事に伝えて言ってもらう
- 他の部署でも構いませんが信頼のおける他の部署の上司などに相談して、上司の対応をみてもらう。
直接上司に言ってもだめだったり、言いにくかったり、上司に対してしっかり言ってもらえそうな人に相談するのも良いでしょう。
パワハラをしにくくするのが効果があるようです。
2-2.パワハラ上司がいなくなる
パワハラをする上司が異動などによりいなくなると、精神的にも安定するでしょう。しっかりと人事機能が働いている会社であれば、人事の方に相談をしてパワハラの事実、証拠、診断書などを見せることで、上司の異動が可能な場合があります。人事課に相談を。その際は客観的にみてわかるようにすることが大切です。同じような境遇の仲間がいるとなお説得力があるでしょう。
2-3.自分がいなくなる
前述した通り、他人を変えることは困難です。自分が変わる、行動することが一番の近道でもあります。パワハラをする上司の前からいなくなる方法は3つです
- 自分が希望して、部署などを異動する
- 会社を一旦休職して、パワハラ上司から遠ざかる
- 会社を退職する
2−3−1、自分が部署異動
人事課に申し出て、自分の部署を変更希望を行う方法です。
上司のパワハラの事実を伝えなくても良い方法ですので、行動に移しやすい方法かもしれません。もちろん、他の方がパワハラ受ける可能性がある場合、事実として人事課に情報を提出し、そのために異動したいと言うことも理解のある会社では行うべきでしょう。
2−3−2、会社を休職する
部署異動などが期待できない。また、そこまで待っていられないと言う場合は、自分の体のことを考えて、休職すると言う方法があります。
休職をしてストレスから遠ざかる。このことも自分の身を守る上では重要な選択です。最近では多くの会社に休職規定が定められています。休職規定は業務以外の私的な理由で働けなくなった場合に適応するものであり、したがって業務上では問題がないと判断されても休めるのです。
特に、医者の診断書があり、そこに休職の指示があれば、会社はそれに従うべきですので、堂々と休みを取ることができます。
心と体をリフレッシュして、体調を万全にしてからリスタートしましょう。
2−3−3、会社を辞める
これは、最終的な手段になると思われますが、退社が一番現実的かもしれません。実際、休職したとしてもパワハラを起こした上司を何らかの処分をしていたりなど、改善が認められていれば、今後の仕事の上でも復帰した場合に期待が持てますが、改善傾向がなく再度同じようなことが起きてしまう、また会社にいること自体、パワハラを受けた本人が耐えられないといった場合は、退職または転職を考えた方が良いでしょう。
3.パワハラでうつになったらしっかりと休養を!仕事ができない時の金銭面の対処
仕事ができないと判断した時についてまわることがあります。
それは、
「仕事を辞めると、収入源がなくなるので生活ができないのでは」ということ。誰しもが不安になると思われます。収入に関して不安がある場合は、収入を得ながらうつ病からの回復を行いましょう。
その方法は労災認定、損害賠償請求や、休業でも収入を補償することができます。
3-1.パワハラでうつになった対処その1.労災認定取得
会社でのパワハラが原因でうつ病になった場合は、労災認定を認められます。これは厚生労働省でも決議されていますので、該当する場合は取得できます。
基本的に、業務上の災害に当たるかどうかは労働基準監督署がおこない、最終的には裁判所が判断することになります。
その判断の条件は、3つです
- うつ病を発症していると診断を受けている
- うつ病発症前の6ヶ月以内に業務上で強い心理的負担があった
- 業務上の理由以外で、うつ病発症の理由がない
上記をクリアして労働基準監督署が認めればあなたのうつ病の労災認定がおります。
3-2.パワハラでうつになった対処その2.傷病手当金取得
労災として会社で認められなかった場合、私的なこととして休職をする。休業規定があるものの、会社の規定で休職中は給料が出ないなどの場合があるときにも諦めないでください。傷病手当金というものがあります。これは労災認定が下りなかった場合などに使えるものです。傷病手当金とは事故にあったり、怪我をしたりだけでなく、うつ病などでも支給されることがあります。
3-3.パワハラでうつになった対処その3.失業手当
会社を辞めて休養する場合、当面の生活費として失業手当を受け取ることが可能です。今では、名前を聞かない方はいないと思いますが、ハローワークで所定の手続きを行うと、私的な離職の場合でも失業保険が入ってきます。
会社を辞めてしまってから、後からでも申請はできます。申請しないともらえませんので、面倒でも申請しましょう。条件面などは下記のホームページに詳しくのっております。参照してみてください。
3-4.パワハラでうつになった対処その4.その他・・・上司、会社への損害賠償請求
パワハラを起こした上司や監督責任のある会社に対し、損害賠償として請求することも可能です。ただ、パワハラなどの言うのは物的証拠がなく、訴える場合にはきちんとした証拠が必要です。どうしても、上司や会社に対し、許せない気持ちがあり、謝罪してもらいたいなどの強い気持ちがあれば、行うと言った選択肢もあるでしょう。
どういった証拠が必要か、まず弁護士に相談をしてみましょう。何も証拠がない場合、弁護士も動きようがありません。
参照:法テラス
3-5.パワハラが原因のうつの裁判2例
パワハラの種類の中でも、精神的な攻撃型のハラスメントが多くを占めています。パワハラの被害は大小ありますが、中には本当にひどい例もあります。パワハラが原因でうつ病までになり、しかも裁判になった2例をみてみましょう。
【事例1:日本ファンド事件】 平成22年7月27日判決
事案の概要
消費者金融会社に勤務していた従業員3名が、上司及び会社を被告として、パワーハラスメントによる損害賠償請求訴訟を提起した事案。原告のうち1名は、被告上司のパワハラにより、抑うつ状態を発症したとして、慰謝料とともに治療費及び休業損害も請求した。
(1)扇風機の風当て
被告上司は、12月から翌年6月頃まで継続的に、扇風機を原告A,Bの席の近くに置き、風が直接両名に当たるよう向きを固定した上で、時には「強風」の設定で扇風機を回し、原告A、Bに扇風機の風を当て続けた。
(2)始末書の提出及び会議での叱責
被告上司は、原告Aが被告上司の提案した業務遂行方法を採用していないことを知り、事情を聴取したり、弁明をさせたりすることなく原告Aを叱責した上、「今後、このようなことがあった場合には、どのような処分を受けても一切異議はございません。」という始末書を提出させた。
また、会議において、原告Aが業務の改善方法について発言したことに対し、「お前はやる気がない。なんでここでこんなことを言うんだ。明日から来なくていい。」と怒鳴った。
(3)叱責及び始末書の提出
被告上司は、本来行うべき報告が行われていなかったことを指し、「馬鹿野郎」「給料泥棒」「責任を取れ」などと原告B及びBの直属上司を叱責し、原告Bに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした。」という文言を挿入させた上で始末書を提出させた。
(4)暴行
被告上司は、原告Cの背中を殴打し、また面談中に叱責しながらCの膝を足の裏で蹴った。
(5)暴言
被告上司は、原告Cと昼食をとっていた際に、原告Cの配偶者のことを指して「よくこんな奴と結婚したな、もの好きもいるもんだな。」と発言した。
判旨
本判決は、下記の行為を不法行為と認め、原告Aについては抑うつ状態発症、休職とパワハラ行為の因果関係を認め、慰謝料60万円に加えて治療費及び休業損害を、原告Bについては慰謝料40万円を、原告Cについては慰謝料10万円の支払いを、被告上司及び被告会社に命じた。
【事例2:長崎・海上自衛隊員自殺事件】 平成20年8月25日判決
事案の概要
21歳の海上自衛隊員が上官からの継続的な誹謗によりうつ病に罹患し、自殺したとして、同隊員の両親が国に対し慰謝料の支払い等を求めた事案
上官(直属の上官)が、自殺した自衛隊員(以下「被害者」という。)に対し、指導に際して継続的に「お前は三曹だろ。三曹らしい仕事をしろよ。」「お前は覚えが悪いな。」「バカかお前は。三曹失格だ。」などの言動で誹謗する
判旨
まず、(1)他人に心理的負荷を過度に蓄積させるような行為は原則として違法となるが、その違法性の判断に際しては、平均的な心理的耐性を有する者を基準として客観的に判断されるべきこと、(2)使用者は、労働者に対し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うこと(安全配慮義務)をそれぞれ一般論として示した。
これらを本件にあてはめ、この行為は被害者に心理的負荷を過度に蓄積させる行為で、指導目的であっても相当性を著しく欠いており、上官には少なくとも過失があるとして違法と判断した。さらに、使用者である国は、被害者の心理的負荷が過度に蓄積しないよう注意する義務がありながら、国の履行補助者である上官がこれを怠ったとして、国の安全配慮義務違反を認め、一審の判決を覆し、被害者の両親に対し合計350万円の慰謝料を支払うよう命じた。
参照:あかるい職場応援団
4.パワハラでうつ。再度うつ病にならないためにできること
例えば、同じ境遇を迎えたとしても。うつ病になる人とならない人がいます。
そのため、うつ病になってしまった人は、
「気合が足りないからだ」とか、「自分はなんて弱いんだ」とか自分を責めてしまうことがあるようです。そもそも、そういう考え自体がうつ状態にあると言えますので、できれば、そうなる前から自分の身を守れるように準備しましょう。
うつ病にも種類があり、特徴があります。また、自分の特徴を知っておくと対処がしやすいでしょう。それらを知った上でうつ病が再発しないようにできることは、体調などの管理とストレス管理、うつ思考の改善の3つあります。
4-1.うつ病にも種類がある。うつ病判断チェックリスト付き
うつ病といえば、大きく分けて2つの種類があります。
- 定型うつ病・・・メランコリー(親和)型うつ。 世間一般的に知られているのがこちらのうつ病です。
- 新型うつ病・・・正式には「非定型うつ病」と呼ばれます。
昔はうつ病と言ったら、生真面目な人がなってしまう「うつ病」が主流でした。というよりそれしかありませんでした。
しかし、少し前から新型うつと呼ばれるものも現れ、うつ病の枠組みが拡大されています。その新型うつに関しては、こちらに詳しく書かれています。参照してください。
参照記事:新型うつ病5つの特徴と対策方法【症状チェックシート付】
4-2.うつ病になりやすい人の特徴
うつ病になりやすい人というのは、年齢や職業は関係ありません。
主に3つの特徴があると言えます。それは、
- 几帳面で真面目である。
- 責任感が強く、他人から信頼されやすい
- 上手な手抜きが出来ずに、自分一人で責任を抱え込んでしまいがちである
というような人がなりやすいと言われています。
ただ、性格や気の弱さがあるからということで、うつ病にはかかる訳ではありません。また、元々の性格以外でも、外部からの影響によりうつ病、うつ状態になってしまうことも十分にあります。うつ病の原因ははっきりわかっていません。ストレスがきっかけになることは多く、小さなストレスの積み重なりや、大きなストレスの両方の影響の可能性があります。
自分がまさかうつ病に。認めたくない!という意識もあるでしょうから、当の本人は、なかなか自分から気づきにくいことが多いようです。
うつ病の症状は様々ですが、大きく分けて4つに分けられます。
その4つとは、気分、行動、思考、身体反応です。
- 気分の症状・・・抑うつ気分、悲哀感、不安感、イライラ
- 行動の症状・・・興味の喪失、集中力の低下、意欲の低下、焦燥
- 思考の障害・・・些細なことへのこだわり、悲観的な考え方、自責感、自殺念慮、自殺企画
- 身体の症状・・・全身倦怠感、易疲労性、不眠、食欲低下、性欲減退、頭痛、肩こり、口渇、動悸、咽喉等異常感、胃部不快、頻尿
また、医療でも使用されているチェックリストもご紹介します。
気になる方は、試してみてはいかがでしょうか?
4-3.うつにならないよう体調管理、栄養管理
うつ病になる体調であれば、体のエネルギーが不足している状態と言えるでしょう。普段から十分な休息をとり、健康的な生活を送るようにしましょう。
例えば、
- 疲れたと思えば、無理をせずにエネルギーを充電しましょう。
- しっかり1日三食食べて、体のリズムを整えます。
- 睡眠をしっかりとるようにしましょう。
- 過度の飲酒を避けます。良質な眠りを妨げてしまうおそれがあるからです。
- 体に悪いとされる食べ物はなるべくひかえましょう。
- 食事だけではしっかりとした栄養をとることが現代は難しくなっていますので、ちゃんとした健康食品や栄養剤等で補うことも重要です。
4-4.うつにならないよう、心の安らぎやストレス解消
ストレスをうまく解消することで、前向きな感情が出てくるでしょう。
くたくたになってしまうぐらい疲れるのであれば考えものですが、そうでなければ何をやっても結構です。自分なりの趣味自分の好きなことを行い、ストレスを解消しましょう。お友達とおしゃべりをしたりして、リフレッシュすることや旅行に行くのも良いでしょう。
そういったことを普段の生活に積極的に取り入れていきましょう。
4-5.うつ思考の改善
うつ思考のパターンがあります。それに陥らないためには、「うつ思考」を理解しましょう。
うつ病と聞いてプラス面に捉える方はいません。しかし、体にとっては、防衛手段なのです。外側からのストレスに耐えられずに、精神が壊れてしまう、その前に自分の身を守るため、脳がとった方法と言えます。そのため、外部の情報にとらわれないように、反応が鈍くなったり、外部になるべく晒されないような行動をとることが多いのです。
主に3パターンあります。それは
自分のことをマイナスに考えすぎる
自分の能力を過度にマイナスに考えすぎ、「自分はダメな人間だ。集中できない、物覚えも悪い」と過度に自分を責めたりする
まわりや物事をマイナスに考えすぎる
十分に考えてもみないで、うまくいかないと決めつけ、他人がこう思っているに違いないと、深読みするような勝手な被害妄想を持っている。
今後のことを前向きに考えられない
今の状態がいつまでも変わらないと思い込み、「どうせダメだ」と決めつけて、しまう。
うつの時には活動量がへり、思考が狭くなります。自分が傷つかないように他への興味が少なくなり、感動すること、心を揺さぶられないようにするなどの防衛本能が働くのかもしれません。
また、現在起こっている問題に触れないように、何でも先延ばしにする傾向もあります。その結果、後で「何も自分はできていない」と自分を責めてしまうことになりかねません。その状況でも、「うつ思考」の人は、周りに助けを求めたりするのが苦手です。人からどう思われるのかが怖いため、うまくいかないことが多く、さらに自暴自棄になってしまうのです。
これらを理解して、観察をおこなってください。うつ思考のような傾向が強くなってきたなと感じたら、前述の体調管理、栄養管理、ストレス解消に意識を強めてください。
まとめ
人間調子が悪いときには悪いことを考えがちです。
という事は、体の調子を整えたり、体に悪いことを避けたりすることができれば、悪いことを考えることが減る可能性があります。
あなたにとって、体に悪いこと。例えば食事であったり、生活環境であったり、また仕事環境であったり、もしかしたら自分が考えているものと異なった原因で、体の不調が出ているかもしれません。
今の自分を、客観的に見て評価ができるようであれば、そのことを観察してみてください。
明らかに、会社の環境が悪くても、体の調子を整えることで「うつ」になることを回避できるかもしれません。環境が悪い中でも自分の体調を整え、考えをまとめていく力ができると、周りに対してもまた違った影響が出る。例えば、自分にたいしての接し方が変わる、こういったことも考えられるでしょう。
自分にできることを一つ一つ試してみましょう。その1つが会社をやめるという選択肢になっても、それは逃げではありません。何も悪いことではないと思ってください。
1番大切なのはあなたです。まずはあなたの体調をよくすること。これを1番に考えましょう。現在悩んでいるのでしたら、解決することを心より願っております。
なお、職場におけるハラスメントでは、モラハラとパワハラを混同しているケースがほとんどですので、詳しくはパワハラとモラハラの違いとは?職場で確認したい特徴と対策を参考にしてください。