早産は、単に体が小さいだけでなく、出生児は大きなリスクがあることをご存じですか?
妊娠中の女性はもちろん、これから子宝を望むご夫婦にこの話はとても重要です。まずは、以下のことを前提に、続いてご紹介している論文の抜粋をお読みください。
☑ 早産を惹起する食品が存在する
☑ 出生児の障害の多くは母の食生活が原因である
本邦の年間総出生数は、2015年時点で約100万人である。うち9~10%が在胎37週未満の早産出生時であり、1%前後が在胎32週未満の早産児である。
はじめに、筆者が診療に携わる愛知県の早産児予後の現状を示す。
2005年4月1日~2008年3月31日までの3年間に愛知県内のNICUで治療を受けた在胎30週未満の全早産児828名の予後を東海ネオフォーラムの協力を得て調査した。
NICUを生存退院した児は728名(82.9%)であった。6歳時まで追跡可能であった症例は314名であり、運動障害64名(20.4%)、知的障害77名(24.5%)、発達障害64名(20.4%)、てんかん17名(5.4%)、何らかのリハビリを施行している児は74名(23.6%)であった。
221名でWISC-Ⅲ知能検査が施行され、全検査知能指数(IQ)は平均(SD)で86.4(16.3)であった。(中略)
Treyvaudらは、177名の早産児(30週未満もしくは出生体重1,250g未満)をNICU退院時から追跡し、7歳時点でDSM-IVに基づく自閉スペクトラム症は4.5%、注意欠陥多動性障害は10%、何らかの精神疾患は24%、と報告した(表1)
このように、NICUを生存退院した早産児は、脳性まひや知的障害以外にも、微細運動障害、言語発達遅滞、記憶障害、読み書きの困難、算数困難、発達障害など、多彩な神経学的後障害を、同時期に正期産として出生した児と比較し高率に認める現状がある。
・胎生期脳の正常発達とその損傷 城所 博之 2017年 49 巻 5 号 315-321 より引用
お分かりいただけたように、早産になればなるほど出生児は大きなリスクを抱えることになります。また、30週未満で生まれた児の17%程度は生存できないようです。さらに、728名-314名=414名は6歳時に追跡調査ができなかったという事実には、何らかの理由(6歳未満で亡くなるなど…)が存在していると思われます。
また、妊娠合併症の中でもっとも多いのが切迫早産です。統計では10%程度が早産ですが、一定割合の女性が投薬治療などで防いでいるという事実も忘れないでください。
高齢出産における現状
高齢出産には種々の問題がつきまとうと言われていますが、その現状を確認しておきましょう。
妊娠初期の流産
高齢妊娠だと妊娠初期の流産率が上昇する。(中略)
米国における36,056例を対象とした母体年齢と妊娠転機に関する研究では、35歳未満の妊娠と比較し35歳以上40歳未満では流産率は2倍、40才以上では2.4倍上昇する
・高齢妊娠に伴う諸問題 古川 誠志 2016年 47 巻 1 号 77-79 より引用
切迫早産
前回 2 回の分娩後の次の妊娠について,既往が正期産/正期産の場合早産率は約 4%,早産/正期産の場合 12%,正期産/早産の場合は 23%,早産/早産の場合には 32% の早産率であり,既往早産が多いほど,また最近に早産している場合に早産率が高い.
また,複数の大規模なデータベースを用いた報告によれば,前回妊娠時の早産の週数が早いほど 37 週未満の早産率が高く,37 週未満の早産でリスクが約 3 倍,35 週未満で 4~6 倍,32 週未満で 6 倍,28 週未満の早産では約 10 倍まで増加する.
・早産の予防と管理 林 昌子 2020年 16 巻 3 号 138-143 より引用
早産や流産の原因の多くは食生活にある!
西洋医学では、これらの問題の原因は「加齢に伴う卵巣と子宮機能の低下が影響している」としています。しかし、本当の原因は食生活にあります。
事実として、陣痛促進や分娩誘発に使われる代表的な薬の成分はPGF₂αです。
PGF₂αの黄体短縮作用
黄体退縮作用とは、黄体が機能的な役割を終えて自然に縮小・消失することで、女性の生殖サイクルの中で、妊娠が成立しなかった周期を終わらせて、次の周期へと移行するために不可欠なプロセスです。
この黄体短縮により、新たな妊娠の準備が始まります。
以下、誤って記載しておりました。申し訳ございません。
ここで話は戻りますが、子宮収縮促進作用があるPGF₂αは流産や早産を防ぐ治療薬として使用されますが、次の通り黄体短縮作用があります。
ここで話は戻りますが、子宮収縮促進作用があるPGF₂αは陣痛促進や分娩誘発を目的に使用される薬ですが、次の通り黄体短縮作用があります。
Pharrisは ラットにプロスタグランディン(以下PGと略)PGF2αを投与し,黄体期間が短縮することを認め,PGF2αの黄体退縮作用を初めて明らかにした。以来,各種動物においてPGF₂αが黄体退縮因子 としての生理的作用を持つことを認めている。
・ラット卵巣における黄体機能の調節機構 特に, PGF2αのLHレセプターおよびステロイドホルモンへの関連性について 中田 好則 1982年 58 巻 5 号 706-730 より引用
PGF₂αは何から生じるのか?
実は、PGF₂αはオメガ6脂肪酸であるアラキドン酸から生じる物質です。
したがって、料理にサラダ油をよく使ったり、トランス脂肪酸に無頓着だったり、お惣菜や冷凍食品を含む加工食品を当たり前のように食べていたり、ケーキや菓子類が好きだったりしたら…
体内で驚くほど大量にPGF₂αが産生されています。
そして、既述の通りPGF₂αは黄体短縮作用があります。そんな物質が大量かつ持続的に体内で生じていたら、当然ですが黄体が十分に機能せずプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が不十分となるでしょう。
また、プロゲステロンの分泌が不十分なら、子宮内膜は妊娠に適した状態にはならないでしょう。
したがって、前述のような食生活をしているなら、その女性は不妊、流産、月経不順などの問題を抱えることになります。
脂肪酸は脂溶性であるから…
脂肪酸は脂溶性です。そのため、体内に蓄積しやすい栄養素でもあります。
ならば、前述のような食生活を続ければ、年齢を重ねれば重ねるほど体内の蓄積量が増えることになります。また、この事実は不妊や流産、早産、月経不順などのリスクを高めることになるでしょう。
西洋医学はこれらの事実に蓋をして、加齢に伴う卵巣と子宮機能の低下という言葉で女性や不妊で悩むご夫婦を欺いてきた。というのが真実です。
早産のリスクとは?
詳しくは「本当の妊活!」を読んで確認いただきたと思いますので、ここでは簡単に。
早産は、胎児の脳や目が成長する前に生まれることになります。
これを例えるなら、建築中の家が途中で建築中止となった状態です。
超未熟児出産なら、柱と屋根だけの家。未熟児出産なら、そこに壁が追加された家といったイメージです。
その意味で満期出産はとても重要ですね。
念のため、以下に乳児期におけるオメガ3とオメガ6の重要性も追記しておきます。
長鎖多価不飽和脂肪酸は,乳児の中枢神経系の発達において重要である.特にドコサヘキサエン酸(22:6n-3)やアラキドン酸(20:4n-6)は脳や網膜細胞の基本成分であるため,乳児の認知機能や視力の発達に影響を及ぼす.
食餌性 n-3 系脂肪酸は学習能力や認知行動に関与し,食餌性 n-3 系脂肪酸を欠乏させると脳内のドコサヘキサエン酸濃度が減少する.
例えば,3 世代にわたって n-3 系脂肪酸を欠乏させた食餌を与えたラットでは,第 2 世代と第 3 世代のラットの脳内のドコサヘキサエン酸濃度が 20%低下し,モリス水迷路試験より認知機能や記憶力が低下することが示されている .
・母乳に含まれる脂肪酸アミドと認知機能 窪田 舞, 北風 智也, 他 2024年 98 巻 3 号 121-124 より引用
まとめ
私も含め、大人たちは無知でした。
また、私自身は西洋医学をまったく信じてはいませんでしたが、まさか…
西洋医学が他業界と協力し、積極的にヒトの健康を害する努力を続けていたとまでは想像できなかったというのが本音です。
私たち大人のせいで、子どもたちの食は大きく乱れてしまいました。
この記事をお読みになっている方々の子どもたちも、その多くが親となる年齢というご家庭も少なくないでしょう。
ぜひ、食の現状をできるだけ正確にお子さんに伝えてください。
「本当の妊活!」 が、その一助となれれば幸いです。