災害に「備える人」と「備えない人」その差はいったいどこにあるのか?少しわかった気がします。

「あなたの家では、災害時に利用できる食料品及び飲料水を何日分用意していますか?」

災害に「備える人」と「備えない人」

埼玉県が実施した調査(調査期間・平成27年7月3日~26日、調査対象:埼玉県に在住の20歳以上の男女3,000人)によると、備蓄日数は食料品、飲料水ともに3日分と答えた人がそれぞれ31.6%、29.3%と最多でした。また、「3日分以上」と回答した人の割合を合わせると、食料品50.4%、飲料水53.5%ともに5割強でした。

一方で、約半数の人は食料品や飲料水を2日分以下しか用意しておらず、まったく備蓄していない人は食料品25.8%、飲料水22.8%と、おおよそ4人に1人という結果でした。

次に、「3日以上の備蓄をしていない理由」について聞いたところ、おおよそ3人に1人は「気にしていなかった」と答えています。また、3割(全体の約15%)の人が「緊急性を感じていない」2割(全体の約10%)の人が「3日分以上の備蓄が必要だと知らなかった」と答えています。

災害時の備蓄は最低でも「3日分」、できれば「1週間程度」備蓄しておくことが大切だと言われています。しかし、今後に想定されている首都直下や東海、東南海、南海地震などの大災害では最低でも2週間、できればカ月程度の備蓄が必要だと私は想定しています

まずは、その理由を確認していきましょう。

「お金がない!」のは行政も一緒。公的備蓄には頼れない!

「費用がかかる」

3日分以上の食料品や飲料水を備蓄していない理由について、2割以上(全体の約10%強)の人が金銭面を理由にあげています。

おそらく、こういった方々は災害時の報道を他人事として扱っているのだと思います。また、「いざとなったら行政が助けてくれるだろう…」と高をくくっているのだと思いますが、現実を確認しておきましょう。

2008年須藤らが実施した調査⑴では1,137市町村のうち、備蓄計画が把握されていたのは707市町村(62.2%)、残りの430市町村(37.8%)については「わからない(把握していない)」という回答でした

また、準備状況が把握されている707市町村のうち、市町村防災計画のなかに、行政として備蓄する水や食料の具体的品目や備蓄量が示されているというところは320箇所(45.3%)、示されていないところは387箇所(54.7%)でした。

さらに、防災計画のなかに備蓄品目や量が示されていた320の市町村について、備蓄が防災計画で示されている品目や量を満たしているかをたずねたところ、「満たしている」が37.2%(119市町村)、満たしていない27.2%(87市町村)、わからない(把握していない)27.5%(88市町村)、無回答が8.1%(26市町村)でした。

備蓄が防災計画に示されている品目や量を満たしていない87市町村に、備蓄ができない理由を複数回答でたずねたところ、「購入する予算がない、もしくは不足している」が56.3%(49市町村)、「保管場所がない、もしくは不足している」が22.9%(26市町村)でした。

2013年に山田らが実施した自治体の災害に対する準備状況調査⑵は、地域防災計画に備蓄内容を示している自治体は52.5%」、さらにその内容が十分に満たされている自治体は18.9%と少ない状況であることがわかりました。

つまり、計画通りに水や食料を備蓄している市町村は、全体のわずか1割程度にすぎません。逆に、「備蓄計画がない」と「あってもその計画が満たされていない」市町村は約9割に上ります。

以上のことから、災害時は自治体の備蓄に頼ることはできないことが容易に想像できると思います。そのために、最低でも「3日分」、できれが「1週間分」の食料品と飲料水の備蓄が必要だと言われています。

このような公的備蓄についての事実を知らなかった世帯の備蓄率が29.8%であるのに対して、公的備蓄についての現実を知っていた世帯の備蓄率は43.7%と高くなっています。⑶

なお、後述しますが、公的備蓄は長期保存ができる乾パンやクッキーなどがほとんどです。この非常食こそ、私たちの心と体を蝕む最大の原因ですので絶対に食べないことをお勧めします。

(1) 須藤 紀子, 吉池 信男.県型保健所管内市町村における災害時の栄養・食生活支援に対する準備状況.2008;66(1):p. 31-37
(2)山田 佳奈実, 須藤 紀子, 笠岡(坪山) 宜代, 他、災害時の栄養・食生活支援に対する自治体の準備状況等に関する全国調査 ~地域防災計画と備蓄について~. 日本栄養士会雑誌.2015;58(7):517-526
(3) 川島 滋和, 森田 明, 樋口 貞三.都市型地震に対する一般家庭の食料の準備行動 – 仙台市アンケート調査の分析 – 2009;16(1): p. 1_14-1_24

30年以内に来ると想定されている地震

日本の国土面積は世界中の陸地のわずか0.25%にすぎません。それなのに、世界中で起きる地震の約10%が日本で発生しています。そんな地震大国である日本ですから、想定されている巨大地震の候補地はいくつもあります。

まず、私が住む静岡では20年以上前から東海地震が想定されていました。また、糸魚川・静岡構造線活断層は本州の中央部を南北に分断する大断層で、最悪の場合M8を超える地震が発生すると予想されています。さらに、東海地震や東南海地震と連動して富士山の噴火も想定されています。

それ以外にも、千島列島沖、新潟県沖、首都直下、相模トラフ、南海トラフ…、東北の震災が起きたのは2011年ですが、三陸沖を震源とする大地震は数年~数十年に一度のペースで起きていますから安心はできません。

これらの地震で問題になるのは想定避難者数がとても多いことです。

例えば、古屋の調査によると2011年の東日本大震災の最大避難者数は47万人でした。

このとき、被害地が広範囲におよぶ上に交通網・通信網・電気・ガス・水道などが破壊され、救助・復旧・医療活動が阻まれました。また、食料の供給に困難が生じました。⑷

一方で、照本らは東南海・南海地震のいずれかで震度5弱の影響をうける人口の合計は約5,720万人であると推計しました。⑸次図のように被害は広範囲におよぶことになります。

南海トラフ地震被害想定では、発災翌日の想定避難者数は最大約430万人であり、発災後の3日間で約3,200万食分の食料および約4,800万リットルの飲料水が不足すると言われています。⑹

繰り返しますが、東日本大震災では47万人の避難者数でも食料供給に困難が生じました。南海トラフ地震はその9倍以上となる430万人の避難者が予想されます。ならば、それ以上の食料不足となることは火を見るよりも明らかでしょう。

首都直下地震における10日後の避難者数は720万人と想定されていますが、専門家たちも「これだけの人の食料と水を行政だけで確保するのは現実的ではない」と口をそろえますし、仮に確保できたとしても届けることなどできるはずもありません。自助努力で食料と飲料水を備蓄しましょう。

(4) 古屋慎一郎.美味技術学会誌.大震災において求められる災害食.2014;13(2):1-4
(5) 照本 清峰, 鈴木 進吾, 須原 寛,他, 来たる東海・東南海・南海地震の時間差発生における問題の構造.地域安全学会論文集.2007;(9):137-146
(6) 中央防災会議、防災対策推進検討会議、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ、南海トラフ巨大地震の被害想定について(第2次報告)~施設等の被害~【被害の様相】

温暖化で急増している大雨被害

「気の毒だな~。ブルーシートだらけだ…」

2019年9月9日、台風15号は強い勢力で千葉市付近に上陸し関東を縦断しました。上陸時の中心気圧は960ヘクトパスカルで、これは関東に上陸した台風でもっとも低かったそうです。

数日後、羽田空港に向かう国内線の窓から千葉県を見下ろしたとき、あまりのブルーシートの数に驚きました。しかし、その1カ月後にさらに驚くことになるとは夢にも思いませんでした。

10月12日、台風19号ら大型で強い勢力を保ち伊豆半島に上陸しました。静岡に住む私は幸い被害がなかったのですが、次の日に驚きました。また、千葉県が被害を受けていたからです。

「水害など運が悪いだけ…」

私もそんな認識でしたが、わずか1カ月程度で2度目の被害ですからもう他人ごとではありません。しかも、10月25日、千葉県記録的短時間大雨情報が出され、千葉市付近で約100ミリ 八街市付近で約100ミリの降雨により川が氾濫しました。

地球温暖化により、日本における大雨の発生数が長期的に増加傾向にあるのはご承知の通りです。また、地球温暖化が今後進行した場合、大雨の発生数は増加すると予測されています。

さらに、最大風速が45m/sを超えるような非常に強い台風の発生も、地球温暖化に伴って増加する傾向があるとされています。

気象庁の地域気候モデルによる地球温暖化予測実験では、「日降水量100mm以上などの大雨の発生数が日本の多くの地域で増加する」とともに、「6月から9月に現在よりも降水量が増加する」という予測結果が出ています。

震災だけでなく集中豪雨台風への備えも重要です。

新しい生活様式で避難生活はどうなるのか?

密閉・密集・密接のいわゆる3密を避ける。新しい生活様式は、災害時の避難行動にも大きな課題を突き付けています。

新型コロナウイルス災厄が収束しないまま、日本は梅雨を迎えました。近年、日本では各地で大雨や台風などによる水害が相次いでいます。また、季節を問わずに起きうる大地震や津波、噴火などの災害はいつ起きるかわかりません。その中でのコロナ禍は「複合災害」となります。

洪水などで避難所に人が密集すれば感染リスクが高まります。避難所床は菌やウイルスがまん延しますから、ブルーシートや体操マットに雑魚寝はとても危険です。事実、1995年の阪神大震災では避難所でインフルエンザが流行しました。

飛沫の拡散と床からの避難。コロナウイルスによる複合災害を防ぐには、避難所に段ボールによるパーティションやベッドの設置が不可欠なようです。

そこで問題になるのが避難所の収容人数です。

例えば、東京都内の避難所収容人数は2018年度時点で約317万人と、人口比で23%にすぎません。しかも、これは新しい生活様式以前の避難を想定した収容人数です。パーティションによる空間の確保を前提にすれば、2割程度は収容人数が少なくなると想定するのが自然でしょう。

また、今までの災害に対する備えは「被害が出た後のため」のものでしたが、コロナ禍により今後は備蓄など事前の防災体制が必要となります。つまり…

避難所は「どうしても避難しなければいけない人だけ」が避難する場所であり、自宅で過ごせる人はできるだけ「在宅避難」できる準備をする必要があります。したがって、各家庭での食料品や飲料水の備蓄は3日分ではなく、最低でも「1週間分」を用意する必要があります。

「納得!」災害に備えているのはサプリをとる人たちだった…

サプリメントを使用している世帯は全体の約4割弱であるが、こうした世帯ほど非常用食料を備蓄している傾向が見られる」₃₎という調査結果を川島らが発表しました。

それも当然で、脳は栄養によりエネルギーを作っており、生産するエネルギー不足すると感情が乱れます。逆に、栄養をとりエネルギー量が増えると情緒は安定します。また、精神面が落ち着くと、人は明るく前向きになります。

例えば、当社のサプリメントをとったお客様からは次のようなお話を頂戴しています。

・ 子供の為にサプリを購入し始めましたが、最初に効果が出たのは、主人でした。子供にもしょっちゅう怒鳴っていたのが、気づくとあまり怒鳴り声が聞こえなくなりました。

・頭痛がひどく朝起きられなくなった息子にサプリメントをとらせたところ頭痛も無くなり朝も時間通りに起きられる様になりました。表情も明るくなり元気になりました本人も効果を実感しているので積極的に飲んでいます。

・友人をつくることが苦手で周囲になじめないことから不登校になりかけた、当時高校2年の長男に飲ませました。サプリメントをとると表情が明るくなり、登校できる日が増え、無事に卒業しました次は次男で、中3から突然の不登校。最初に飲ませたときは一週間で効果があり、登校を開始しました。この子はカッとなりやすい面がありますが、うまくこの商品を摂らせると穏やかになるのが目に見えてわかるので、何年も続けています最近、中学生の三男も、年齢的にイライラすることが増えてきたので摂らせたところ、やはりうまく摂取できているときは穏やかになり、会話が弾みます。やはり、本人たちに気付かれないように摂らせるのがポイントだと思います。

・このサプリとの出会いは、息子の不登校がきっかけでした。兄弟も時折学校に行きたくない。ということもあり、家族全員がどんよりとマイナス思考に陥っていました。そこで、このサプリを飲み、油や砂糖に気を付けて、青魚を食べるよう心掛けました。毎朝鯖缶を一口は食べるようにしています。子どもは嫌だと言っていましたが、今では習慣になっています。息子は学校に行くと自分から言って登校を再開しました。部活にも入部して頑張りました。兄弟もプラス思考になり、気持ちの切り替えが早くなりました。栄養がこれほどまでに考え方、言動、すべてに影響することを実感しましたこのサプリと食事で家族みんなが元気に過ごしています。本当に感謝しています。ありがとうございます。

このような体験談より、栄養の不足は人の性格や思考を狂わせることはお分かりいただけたことと思います。私が、非常食について本を書こうと思ったのもそのためで…

実は、非常食の多くは、食べれば食べるほど「こころ」「からだ」蝕まれます

被災すればどんな人でも大きなストレスがかかります。そんなとき、そんな非常食を食べると些細なことまで強いストレスと感じるようになります。

「不安」や「恐怖」を強く感じるようになります。「うつ」になって希望ももてずに絶望感だけが強くなります。また、人により強いイライラ

また、震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害など強烈なショック体験、強い精神的ストレスがこころのダメージとし記憶に残り、こころの傷(トラウマ)となり、何度も思い出されて当時と同じような恐怖を感じ続ける病気をPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼びます。非常食の多くは、このPTSDの発症率を上げることになると考えていいでしょう

食料品の備蓄は重要ですが、その内容にも注意が必要なのです

まとめ

災害時に行政は当てにならない。

非常時の備えはサプリメントをとる人たち。それは、健康意識が高いという事実に限らず、脳が正常に働いている人たちである。とも言えます。

その一方で、後述しますが備蓄する食料の内容も重要です。

乾パンやクッキー、カップ麺のようが非常食では確実に脳の働きが悪くなります。イライラや落ち込みなど、負の感情の振れ幅がひどくなり、確実に食べた人のメンタル面をかき乱すことになります。つまり、PTSDの発症率が上がることにつながります。

くどいですが、備蓄する食料もしっかり選んでください。

◆ 私が備えたものをご紹介しています。⇒詳しくはこちら(ページ中ごろから)

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Posted by sinsd