La Mer(神仙堂薬局の塩)について!
令和2年の1月、浮世離れした生活を続けている私は55歳にしてはじめて「世間が減塩ブームだった!」ことを知りました。そこで、当時私が食べていた塩を次から次へと一方的にお客様に送り付け、塩の重要性を体感いただきました。
3月末、フト「いったいどれくらい送ったのか?」気になってスタッフと調べたところ、1/4~1/3くらいで面倒になって放り出してしまいましたが、この数でおおよそ25キロ送付していました。ですから、おそらくですが2カ月間で100キロ程度の塩を送っていたと思います。
アサリの開口実験!
実は、私はある会社の天日塩を愛用していました。それを大量に買い込み、お客様に送って(もちろん無料で)使っていただいたのですが…
自分で長年使っていたのに、「なぜこの天日塩を選んだのか?」お客様に説明できない自分がいることに‟はじめて”気づきました。そこで、その天日塩で「アサリの開口実験」をしてみました。
なぜ、アサリの開口実験?
私たちの祖先は単細胞生物です。そして、この単細胞生物は海水中で生まれました。あぶら(脂質)の膜で自己を覆う一方で、その体内に海水を取り入れました。多細胞生物である私たちは、その海水を体内で連携して利用しています。(意味が分からない方は、以下の小冊子をお読みください。無料でダウンロードできます。)
◆ 「その不調を治したかったら『減塩』をやめなさい!」
この事実から、私は「海のミネラルを丸ごととれる!」ということで天日塩を使っていました。また、アサリの開口実験を行ったのは、
「海水組成に近いミネラルバランスの塩でアサリは開口しやすい!」
からです。そこで、さっそく私が使っていた天日塩とともに、著名な塩2種類を購入してアサリの開口実験を3度繰り返してみました。すると…
なんと、3度とも私が使っていた天日塩は3割程度しか開口しませんでした。涙
一方で、著名な塩のひとつはまったくアサリが開口することはなく、もうひとつの塩は7~9割も開口しました。
海水から塩をつくるには?
世界中の海水は3.1~3.6%と塩類濃度は多少異なりますが、海洋深層水を含めて製塩に関与する塩類間の比率は変わりません。また、海水を濃縮すると溶解度の小さい塩類から順に析出してきます。(ここ重要です)
天日製塩法
例えば、100㎖の海水を1/10まで濃縮すると‟はじめて”塩は析出しはじめます。
それまでに酸化鉄(Fe₂O₃)と炭酸カルシウム(CaCO₃)は100%析出しており、硫酸カルシウム(CaSO₄)は約80%析出します。硫酸カルシウムは塩(塩化ナトリウム:NaCl)の析出がはじまっても析出が続きます。
また、濃縮が進んで塩が約85%ほど析出すると、今度は硫酸マグネシウム(MgSO₄)が析出してきます。そして、この硫酸マグネシウムが析出される前に残された液が「苦汁(ニガリ)」で、ここには塩化マグネシウム(MgCl₂)や塩化カリウム(KCl)、臭化マグネシウム(MgBr₂)などが含まれています。
オーストラリアやメキシコなどから輸入される天日塩とは、太陽熱と風力を利用して天日濃縮していますが、硫酸マグネシウムが析出する前にニガリを排出して収穫した塩を指します。
完全天日塩とは?
完全天日塩は太陽光と潮風を利用して作ります。
木箱に入れた海水をビニールハウスに入れ、かく拌しながら自然に蒸発させます。これはすべて手作業です。この方法は海水から塩になるまでに時間がかかりますが、海水のミネラルを残したまま結晶化するので豊かな味の塩が出来上がります。
塩をつくってもらおう!
完全天日塩は海水のミネラルをそのままとれる理想的な塩です。私も、それは認めますが…
仕事柄、次のような事実に目を向けないわけにはいきません。
マイクロプラスチック汚染
レジ袋やペットボトルなど、さまざまな製品に使われるプラスチックはとても安価で便利な品物です。しかし、これが海に流れ着き、風や紫外線で壊れて極小のプラスチック粒子となります。これをマイクロプラスチックと呼びますが、このプラスチック粒子が引き起こす問題は決して小さくはありません。
むしろ、あまりの小ささ故に回収できず、今後は解決が困難な問題として次代に引き継がれる可能性が大です。
まず、プラスチックにはもともと有害な物質が使われているものが少なくありません。また、そんなプラスチックの破片は表面積が大きく、海に残留しているさまざまな有害物質を多く吸着することが知られています。
このようなマイクロプラスチックを動物プランクトンや小魚などが食べ、それを中型魚や大型魚が食べています。私たちは、そんなものを食べているのが現実です。
事実、2018年、人体にマイクロプラスチック片が取り込まれていることを欧米消化器学会が発表しています。また、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームは、食塩の9割にマイクロプラスチックが含まれていたという調査報告をしています。
水銀汚染!
お母さん方ならご存じのことですが、妊娠がわかると「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」(厚生労働省)を伝えられます。
以下はその注意事項で指定されている「妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量の目安」です。
参考2にあるように、魚の重量は次の通りです。
✓ 寿司、刺身 一貫又は一切れ当たり 15g程度
✓ 刺身 一人前当たり 80g程度
✓ 切り身 一切れ当たり 80g程度
このように、妊婦は大型魚を1週間当たり80グラムに制限すべきとされています。そして、その理由が水銀汚染です。
サバやアジなどの小型魚類は?
水銀汚染については、サバやアジなどの小型魚類は心配いりません。しかし、プラスチックは海洋表面に多く流れていますから、サバやアジなど海面近くのプランクトンなどを食べる青魚の体内からプラスチックは検出されます。
また、先日次のようなことが新聞報道にありました。
「エウリセネス・プラスティックス」
太平洋のマリアナ海溝の水深6千メートルを超える深海で見つかった新種の甲殻類にこんな学名がつけられました。その理由は、この甲殻類の体内から「マイクロプラスチック」が含まれていたからです。
先のように、マイクロプラスチックは浮遊するため、海の浅瀬に生息する青魚に含まれることはずいぶん前から報道されていました。それが、深海の生物から発見されたわけですから、海の汚染は私たちが想像している以上に進んでいると考えていいでしょう。
私たちが安心して口にできる塩は?
お客様の多くは減塩をしていた。それは、私からすれば自然と体調不良を招くことになります。また、塩をとって2カ月も経てばわかりますが、塩が不足すると悩みやすい性格になります。もちろん、「そんなに悩まないよ!」という方なら、塩をとればもっと気持ちの切り替えが早くなります。
また、脳の神経細胞上を流れる電気信号はイオン(ミネラル)ですから、塩を適切にとると気持ちの切り替えが早くなるし頭の回転も良くなります。
海水の汚染物質はニガリに濃縮される!から…
海水を濃縮する過程で塩類が析出しますが、海水中の汚染物はニガリに濃縮されます。したがって、完全天日塩は汚染物が残留していることになります。また、9割の塩にプラスチックが入っていたという調査結果から考えれば、完全天日塩に限らず一般の天日塩もそれは同じでしょう。
岩塩ならいいのか?
海水が汚染されている。それなら岩塩ならいいのではないのか?そんな意見もあるかと思います。
しかし、いくつかの論文で調べたところ、岩塩では塩化ナトリウムの配合率が99%以上ととても高く、海水のミネラルバランスとはかけ離れたものだとわかりました。
海外の天日塩には土砂の混入も少なくない!
先のように天日塩にはプラスチックが混入されたものが多いようです。海洋にプラスチックが多いのは圧倒的にアジアですから、個人的に中国などアジア地域は却下です。
また、フランスやペルー産の天日塩には土砂が混入したものが多く、そのためヒ素やクロム、鉛などが検出されるものが多いことがわかりました。
✓ 天日塩の品質
✓ 市販食塩の品質
La Mer(神仙堂薬局の塩)とは?
以上のことから、安全なニガリをブレンドしたのが神仙堂薬局の塩「La Mer」です。
偶然ですが、お客様の「減塩」を知ったタイミングで私の長女に子どもができたことがわかりました。
赤ちゃんを育むお母さんの羊水とは、まさしく海です。長女が安心して使える塩ができれば、安心してお客様にもご紹介できます。また、上記のように安全なニガリを利用していますから、後は海のミネラルに近いものができたかどうかが問題でした。
そこで、その良し悪しを私は冒頭のように「アサリ」に委ねてみました。
実験方法
実験方法は、各々の塩31gを1リットルの水に溶かしそこにアサリを10匹入れ3時間後の様子を観察しました。(※ 海水の塩分濃度は地域により3.1~3.6%と差があります)それを14種類の塩で比較しました。
それぞれ4回行った結果、「天〇海塩」と「伯〇の塩」、「赤〇の天塩」、「天塩〇きしお」、「あらしお」、「五島〇の塩」、「〇るとの塩」、「南の〇」、「海の〇」の9つが脱落しました。これらは開口率が0~50%でした。
でも、偶然活きが悪いアサリだったのでは?
そんな疑問がありましたので、その点も考慮しました。
先の塩で開口しなかったLa Merの塩水に入れてみました。すると、その何割かは30分以内に開口したことから、鮮度の問題ではありませんでした。
また、塩水につける時間が長ければ開口率が上がるのか?
という疑問もあったので、それぞれの塩について3時間と4時間の開口率を比べてみました。が、1時間延長の結果、開口率に変化は‟ほぼ”ない(全製品平均で3%未満)ことがわかりました。
開口率が6割以上の塩で比較しました!
開口率がコンスタントに6割以上…、と言いたいところでしたが残念ながらそれはやはり「アサリの鮮度」に左右されるようです。
4回の実験で6割以上の以下の5つの塩でした。が、この5つに絞って比較した最初の実験では、すべての塩において開口率が2割以下。ちょうど同じ日、同じスーパーでアサリを購入した義母が「ぜんぜんアサリが口開かないからスーパーに連絡する!」と言っていたほどでした。笑
ですから、それを除いた結果を申し上げますと…
✓ ぬちまーす
✓ 海の精
✓ 粟國(あぐに)の塩
✓ 屋我地島(やがじしま)の塩
✓ La Mer
アサリの開口という一点からの比較では、順位付けができませんでした。
試しに5つの写真を載せたら、ページが重くなりなかなか開かなかったので3つだけ写真を載せます。
3月中旬より週に4回、この5つの塩でおおよそ16回のアサリ開口実験を繰り返しました。が、ご覧の通りで開口するものは開口しますが、開かないアサリは開きません。また、上記5種類の塩で作った海水において、アサリの開口に有意な差はありませんでした。
したがって、海のミネラルをとるという点においては上記5種の塩はお好みで利用されれば良いと考えます。また、他の塩をご利用の方は、上記いずれかの塩とアサリの開口を比較してみるといいでしょう。
まとめ
塩はとらなければいけない。また、現代人は塩不足による不調を抱えています。
私はそう考えていますし、なぜ塩をとったほうがいいのか?は、冒頭でもご紹介した小冊子に記しました。
◆ 「その不調を治したかったら『減塩』をやめなさい!」
その一方で、海の汚染は深海6000メートルに生息する生物にまで及んでいます。
お客様の多くが「減塩」に励んでいることを知り、またちょうど同じタイミングで長女に子どもができました。さらに、私が長年にわたって愛用していた天日塩でアサリはほとんど開口しなかった。
こんな経緯から4月中旬よりLa Merを販売するに至りました。
安全なニガリがしっかり含まれたLa Merを、脇役の調味料としてではなく主役としてご利用ください。