起立性調節障害(OD)における「吐き気」を止めるにはどうしたらいいですか?

起立性調節障害の診断を受けてから1年以上過ぎました。

我が子は当初上の血圧が70以下で、昇圧剤を半年服用し今は100前後まで回復しました。

今抱えている問題は吐き気です。本人も小学生の頃から吐き気はよくあると言います。脳や胃腸の検査をしましたがどこも悪いところは見つかりませんでした。吐き気を止める方法をご存じありませんか?

宜しくお願い致します。

起立性調節障害(OD)に関するアンケートに協力いただいた方から上記のような質問をいただきました。今後、そういった質問にお返事をすることがODでお悩みの方、ご家族の方々に対して参考になると考えました。お役立てください。

なお、著書「30日で朝『スッキリ目覚める』」体質にする方法!」は商業出版が決まるまで無料で読めるようにしました。詳しくはこちらよりご確認ください

起立性調節障害(OD)の患者とご家族に対するアンケート基本情報

私は著書「30日で朝『スッキリ目覚める』」体質にする方法!」で起立性調節障害(OD)の直接的な原因は「浮腫み」にあると指摘しています。そして、起立性調節障害(OD)のガイドラインには「浮腫み」に関する指摘はありません。

アンケートに対する回答

冒頭の質問は16歳男子で、現在の状況は次の通りです。

「我が子は通信制高校に午後から通学しています。睡眠サイクルも後ろにずれるので朝型になったり、昼夜逆転になったりです。無理に起こすときはやはり、1時間以上かかります。ずっと起こしても何も覚えていないこともあります。」

アレルギーはありますか?

このお子さんは「鼻炎」と「花粉症」があると回答されています。また、お母さんも「花粉症」があると回答されています。

私は、著書で「アレルギー」と「起立性調節障害(OD)」の発症には共通のメカニズムが働いていることを指摘しています。

浮腫みはありますか?

浮腫みについての回答では、このお子さんは「顔が腫れる」、「足が浮腫む」、「目元がポッテリする」という状況でした。一方で、お母さんは浮腫みは「ない」という回答でした。

しかし、アレルギー発症のメカニズムが働いたとき、体は必ず浮腫みます。したがって、お母さんは浮腫みを自覚していないだけで、著書のアプローチを実行すれば尿量が増え、浮腫んでいたとお気づきになることでしょう。

浮腫みはどこに行くのか?

この子は顔が腫れる。足が浮腫む。目元がポッテリする。男の子ですが、お母さんが回答するほど浮腫みが顕著です。そして、ここで重要なのは次の点です。

✓ 浮腫みは組織間質液が異常に増加した状態

✓ 浮腫みは、自由に移動できる

体の浮腫みは自由に移動できるが故、寝ている時は全身にほぼ均等に散ります。

 

一方で、立ち上がる(朝起きる)と重力が働き、浮腫みは下半身に移動します。

浮腫みがひどければ、夕方になると顕著に足が浮腫むことになります。

組織が慢性的に浮腫むと…?

起立性調節障害(OD)の相談をいただいてきて私が気づいたのは、「目元がポッテリ」とか「顔が大きい」、「目玉が大きい」、「下半身が太い」という子どもがとても多かったことです。私は、これらが慢性的な浮腫みが局在化した結果だと考えています。

おそらくですが、目玉が飛び出ている感じの人はどなたも近視でしょう。また、なかには強度近視や緑内障など、失明の恐れのある病気だと診断されているケースも多々あると思います。なお、この目玉が飛び出ている感じについては別記事でご紹介する予定です。今しばらくお待ちください。

足が浮腫むほどの浮腫みは…?

この男の子は足の浮腫むほどですから、浮腫みの程度はひどいものだと想像できます。そして、その浮腫みは横になる(寝る)と全身に散ることになります。また、当然のことですが、この浮腫みは頭部へも移行します。

足が浮腫むひとでも、よほどの状態でなければ朝起きたときは浮腫んでいません。一般に、昼頃から足の浮腫みを自覚し、夕方にもなれば顕著となります。このことから、頭部の浮腫みも横になって(寝て)から数時間で相当量が頭部に移行し、寝て8時間も経過すればピークに達していることが想像できます。

繰り返しますが、浮腫みは組織間質液。つまり血管外で起こります。そのため、浮腫みが血管を圧迫することになります。したがって、足が浮腫むほどの浮腫みが頭部に移行すれば、頭部に流れ込む血流は大きく妨げられることになります。

現在の状況をもういちど確認!

「我が子は通信制高校に午後から通学しています。睡眠サイクルも後ろにずれるので朝型になったり、昼夜逆転になったりです。無理に起こすときはやはり、1時間以上かかります。ずっと起こしても何も覚えていないこともあります。」

寝ているときも脳は活動しています。また、活動しているからこそ良質な睡眠をとることができます。しかし、脳血流が低下したら「寝てはいても眠れてはいない」ことは明らかでしょう。ならば…

✓ 睡眠サイクルがずれる

✓ 起こしてもなかなか起きられない

✓ 起こしても何も覚えていない

こういったことは自然なことだと私は考えます。

①昇圧剤を服用して血圧が回復した!のは…?

「我が子は当初上の血圧が70以下で、昇圧剤を半年服用し今は100前後まで回復しました。」

お母さんは「昇圧剤のおかげで血圧が回復した」と言っていますが、私はおそらくそうではないと考えています。むしろ、「吐き気」が続いていたおかげで血圧が回復したのだと想像しています

組織間質液が異常に増加したのが浮腫み!

繰り返しますが、組織間質液が異常に増加した状態が浮腫みです。また、この子は男の子なのに足が浮腫むほどです。さらに、浮腫みは血管外で起きます。ならば…

先ほど、頭部に浮腫みが移行すれば、そこに流れ込む血管を圧迫することになると説明しました。

血圧とは血管内の血液による圧力です。その血管の外側が浮腫めば血管を圧迫します。そして、ここでのポイントは、血管には動脈と静脈があることです。

✓ 動脈:心臓から全身に血液を送る

✓ 静脈:心臓に戻る血液が流れている

動脈は心臓が拍動して血液が送られます。一方で、静脈は心臓に戻る血液が流れています。したがって、浮腫みは静脈を容易に圧迫します。また、静脈が圧迫されれば、自然と動脈の血流も低下することになります

これは、例えるなら車の渋滞です。

道路が混んでいたらノロノロ運転になりますよね。同じように、静脈が圧迫されれば心臓に戻る血液量が低下します。ならば、そこに送られる動脈血流も低下します。

吐き気が続いたから…

これは想像ですが、私はこの男の子の吐き気が続いていたことで、浮腫みの程度が軽くなったのだと考えています。

著書をお読みになればわかりますが、浮腫みの原因は食生活にあります。この男の子は吐き気が続き、おそらく体が浮腫む原因物質の摂取量が減ったのでしょう。

浮腫みの程度が軽くなった分、以前に比べれば静脈が圧迫されなくなった。それ故に、動脈が血液を送れるようになった。

血圧が上がったのは昇圧剤ではなく、おそらくこのメカニズムが働いたからだと考えるのが自然でしょう。

吐き気を止めるにはどうしたら?

吐き気が続くのは自律神経の働きが乱れているからです。これは説明するまでもないでしょう。でも、吐き気が続くこと。自律神経の働きが乱れている原因も、おそらく説明するまでもありませんよね。

頭部が浮腫めば脳血流が低下します。また、自律神経のコントロールタワーである視床下部は脳にあります。したがって、血流低下により視床下部の働きも悪くなります。

浮腫みの状態を再確認!

この男の子の浮腫みの状況を再確認しておきましょう。

✓ 顔が腫れる
✓ 足が浮腫む
✓ 目元がポッテリする

すでに指摘しましたが、私は目元がポッテリするのは慢性的な浮腫みが生じている結果だと考えています。

逆に、その浮腫みが解消されると目元はスッキリします。事実、不登校状態だった起立性調節障害(OD)の子どもが元気に登校するようになったとき、「整形疑惑をかけられた!」というお話は少なからずいただいてきました。

その理由も容易に想像できますよね?

浮腫みが解消し、目元がスッキリした。このとき、一定割合で一重が二重になる子どもがいます。今まで眠たそうだった目元が、スッキリした上で二重になる。整形疑惑をかけられたとしても何も不思議なことではありません。

つまり、この男の子は目元が慢性的に浮腫んでいるほど、全身の浮腫みがひどいと考えていいでしょう。また、吐き気は自律神経症状ですから、浮腫みを改善すればするほど吐き気も改善することになります。

まとめ

「起立性調節障害(OD)は何科にかかればいいでしょうか?」

「ODの名医をご存知なら教えてください!」

信じられないことに、私に上記のような質問が届きます。そして、こんな質問をするご家族の方もまた、食生活により体が浮腫むとともに脳の働きが悪くなっていると私は考えています。(この話は別記事でご紹介します)

医学における起立性調節障害(OD)の前提条件は、「寝ているとき心臓と脳はほぼ同じ高さ。だから、脳血流は良い状態である」です。また、ODの病態を「立ち上がったときに自律神経の機能不全で、脳血流が低下する」と説明しています。

一方で、私は…

✓ 浮腫みにより寝ているときから脳血流が低下している

✓ 頭部の浮腫みは朝起こす頃ピークに達している

朝起こすころ、脳血流の低下がピークに達しているが故、脳が覚醒できないのが起立性調節障害(OD)の病態である。

だからこそ、立ち上がって徐々に浮腫みが下半身に移動し、夕方にもなれば朝より元気になります。

現在、著書「30日で朝『スッキリ目覚める』体質にする方法!」はある出版社で商業出版できるかどうか?担当者が企画会議に諮る資料を作成している段階です。また、私は出版が決まるまで著書を無料で読めるようにしました。

起立性調節障害(OD)でお悩みの方、ご家族の方はお役立てください。