起立性調節障害(OD)は、なぜ「早寝」をさせても朝起きられないのでしょうか?
次のような質問をいただいたのでシェアしたいと思います。
朝大声で起こしても反応なし。ゆすっても叩いても反応しない。そんな中学2年生になる娘のことで質問があります。
小学生の頃から宵っ張りの娘は、5年生の頃から0時過ぎまで起きていることが普通でした。もちろん、そのころから朝なかなか起きられずたいへんでしたが、中学に入ると本格的に起きられなくなりました。でも、夕方になるとそこそこ元気で、テレビを見てゲラゲラ笑って見ている上で、1時過ぎまで寝ようとしません。
そんな姿を目の当たりにしていますから、最近は朝怒りながら起こしていました。が、それでも起きません。そこで、夜元気が出てきたときに話をして早く寝かせるようにしました。
しかし、早く寝たのに朝起きられません。早く寝ても起きられないのはどうしてでしょうか?
さて、同じような疑問をお持ちのご家庭が多いのではないでしょうか?
はやく寝ないから朝起きられない?
私は今まで、以下のようなご両親の言葉を数え切れないほど聞いてきました。
✓ 「夜遅くまで起きているから朝起きられないのだと思うのですが…?」
✓ 「夜になると元気でなかなか寝ようとしません。朝起きられないのは当然だと思います。」
朝、グッタリしていた子どもが夜になると別人かと思うほど元気になる。また、学校が終わった時間帯はゲームや動画を楽しめるという事実に対し、「怠け」や「甘え」を疑うケースが少なくないようです。
朝起きられない直接的な原因は浮腫み!
すでに何度もご紹介していますが、私は朝起きられない直接的な原因は浮腫みにあると考えています。2020年3月19日から著書購読希望者にアンケートをとりはじめましたが、3月26日現在35名の結果は次の通りです。(今後、順次更新していきます)
ODのケースでは男12人中7人に、女23人中19人になんらかの浮腫みが認められました。また、お母さん27人から回答をいただきましたが、27人中21人に浮腫みがありました。女性に限ると、OD患者の8割以上。お母さんもおおよそ8割です。
では、他の方々は?というと、おそらく浮腫みを自覚していないだけだと私は考えています。これは私やお客様の経験からも明らかです。
例えば私はご紹介しているアプローチをはじめたとき、おおよそ2週間は顕著に尿量と回数の増加が認められました。また、OD患者とともに食生活を改善されたご家庭では、浮腫みを自覚していなかったご両親も同じ経験をほぼ例外なくしています。また、10日程度で1キロ程度の体重減少が認められています。
体の浮腫みは起きると下半身に移動する!
足が浮腫む人はイメージしてみましょう。
自覚しているかどうかは人それぞれですが、体の浮腫みは起き上がると重力により徐々に下半身に移動します。それが徐々に下半身にたまると足が浮腫むことになりますが、多くの方はそれを昼以降に自覚するようです。このとき、起きてからおおよそ6~8時間経過しています。
✓ 足が重い
✓ 足がパンパンだ!
✓ 体も重い!
また、これは主婦などは夕食を作っているときに健穂に自覚するようです。では、このことを前提にすると寝るとどうなるのしょうか?
横になる(寝る)と体の浮腫みは全身に散る!
繰り返しますが、立つと重力で体の浮腫みは下半身に移動します。
一方で、横になる(寝る)と浮腫みは全身に散ることになります。
一般に、浮腫みとは組織間質液が異常に増加した状態です。組織間質液は、細胞内と血管内以外に分布する液で、浮腫みはここを自由に移動できます。「朝起きたときに顔が腫れぼったくなり、夕方になればスッキリした。」といった浮腫みがこの状態です。
一方で、「目元がポッテリする」、「顔がパンパンに大きい」、「足が太い」というのは組織間質液の浮腫みが移動できなくなった状況と考えられます。また、そういった浮腫みがパーツにとどまれば、体の浮腫みが移動できる場所が限定されることになります。
横になる(寝る)と浮腫みは頭部に移動する!
横になると浮腫みは全身に散ることになります。また、その一部は頭部にも移動します。すると、浮腫みは血管外で起きるが故、その部分の血管が圧迫されます。そして、その影響を最初に受けるのは静脈です。それも、まずは首の外側を走る外頸静脈が容易に圧迫されます。
繰り返しますが、体の浮腫みが重力により足の浮腫みに移行するまでおおよそ8時間程度かかります。同じように、体の浮腫みも8時間程度で全身に移行すると考えていいでしょう。
朝顔が腫れるようなら…
朝起きたときに顔が腫れぼったい!
重力を前提にすると、そんな状態なら頭頂部や後頭部はいったいどれくらい浮腫んでいるのでしょうか?
まとめ
起立性調節障害(OD)の直接的な原因は頭部の浮腫みにあります。
体の浮腫みは、横になると徐々に頭部へ移行します。それが脳血流の低下につながり、脳がしっかり働くだけのエネルギーを作れなくなります。また、そのため、脳が覚醒できなくなります。
朝、なんど起こしても反応がない。ゆすっても叩いても死んだように眠り続けている。
こんな状況は、浮腫みにより脳がエネルギー不足に陥っていたからだったのです。
はやく寝かせれば、当然ですが浮腫みの影響は強くでます。だからこそ、早く寝かせてもさらに長時間寝てしまうことにつながる。お分かりいただけたことと思います。
なお、
現在、起立性調節障害(OD)のアンケートにご協力いただいた方には、私の著書「30日で朝『すっきり目覚める』体質にする方法!」を無料で読めますのでお役立てください。
お名前などの入力は必要ございません。簡単なアンケートのみご協力ください。
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