女子大学生の食生活が目覚め(朝起き)や眠気、あくび、だるさ、思考力などに及ぼす影響! 起立性調節障害(OD)発症のメカニズムに食事内容が関わることを忘れないでください!
「子ども(小学生)の友達がもってきて食べ残して帰ったポテトチップスを、夕方ひさ~しぶりにつまんでみたら寝る前、足に蕁麻疹がでてきました。笑」
一昨年(2018年)の11月から当社で働くようになったスタッフですが、彼女はそれまで原因不明の蕁麻疹が10数年続いて病院の薬を飲み続けていました。当然ですが、当社に勤めるようになって1ヶ月ほどしてから蕁麻疹は出なくなっていました。
それが、本当に久しぶりに、1袋の3分の1くらいポテトチップス食べただけで蕁麻疹がでてきた。この事実に、本人も「たったこれだけで…」と驚いていました。
「私たちは食べたものでできている。私たちは食べたもの、そのものである。
また、食べたものが悪ければ体の不調として現れるだけでなく、脳の働きも悪くなる。」
私は、約25年間にわたり、この事実を声高に叫び続けてきました。それほど、私たちの「こころ」と「からだ」を蝕む食品は身近に溢れかえっています。
今回、その事実を指摘している「女子学生の食行動パターンと生活習慣・健康状況との関連」という論文を見つけましたのでご紹介します。
女子大学生の食行動パターンと生活習慣
この論文は2005年のもので、当時で10~30歳代のコンビニの利用は90%以上だったようです。また、コンビニを利用する理由の第1位は食事やおやつの購入で、利用する者は利用しないものに比べ、生活習慣や健康状況が良好でないことは以前から指摘されていました。
コンビニや市販弁当類は家庭食に比べ、総エネルギーは多いもののビタミンやミネラルなど微量必須栄養素が不足していることは誰もが承知していることでしょう。しかし、ほとんどの人はその事実を観て見ぬふりをしています。したがって、こういった食事をすればするほど低栄養状態が続くことで、こころやからだに不調が現れるのは自然なことです。
研究方法
2003年6~7月、広島県内の女子大学生1,195名(1、2年生)を対象に、食行動、生活習慣、健康状況についてアンケート調査を行った。
調査内容
生活習慣や健康状況、食生活など10項目について調査しており、ここでは次の項目について検討した。
1.生活習慣:寝つき、目覚め、排便、生活の規則性
2.疲労自覚症状
3.食行動:コンビニ利用頻度と購入食事内容、外食利用頻度、市販弁当購入頻度、市販惣菜利用頻度、おにぎり購入頻度
調査では、食行動を基に「内食」と「外食」、「中食」の状況を捉え、これらが生活習慣や健康状況にどのような影響を与えているのかを検討した。なお、20歳代は夕食も含めて外食率が高く、外食内容も単品に偏りがちであることは周知の通りです。
結果および考察
コンビニ利用頻度(弁当やパン、おにぎりなど食材に限る)は、ほとんど利用しないものは454人(39.1%)、月1~2回利用する者207人(17.8%)、週1~2回利用する者335人(28.9%)、週3~4回利用する者113人(9.7%)、ほぼ毎日利用する者51人(4.4%)であった。
この表でわかるように、コンビニ利用頻度と市販惣菜、弁当購入頻度、おにぎり購入頻度、外食利用頻度などには有意な関連が認められ、本調査の女子大学生の3人に2人はコンビニを食の拠点としていることがわかった。
食行動のクラスター分析
クラスター1:週1~2回のコンビニ利用頻度が77.6%するとともに、市販惣菜や弁当購入、外食を月1~2回利用する割合が高いグループ
クラスター2:ほとんどコンビニや市販惣菜、弁当、おにぎりを購入しない割合が高いグループ
クラスター3:週1~2回、コンビニや市販惣菜、弁当、外食利用をする割合が高いグループ
クラスター4:月1~2回コンビニや市販惣菜、弁当、外食利用をする割合が高いグループ
さて、このグループ分けが生活習慣や疲労などにどのような結果として現れるのか?想像して次をご覧ください。
クラスター別の生活習慣への影響!
以下のように、寝つきや目覚め、排便、生活リズムなどは、すべてクラスター2がもっとも良い結果でした。このグループがコンビニやお弁当、市販惣菜、外食をしない割合が高いグループです。
では、これらをもう少し詳しく確認してみましょう。
食行動クラスター別疲労自覚症状
以下は、24の疲労自覚症状についての調査です。全対象者において、有訴率が高い順に表にまとめられています。
A:ねむけ – 眠い、気分単簡したい、あくびが出る、横になりたい
B:注意集中困難 – 集中力がない、根気がなくなっている、思考力が低下している、考えがまとまらない
C:活力低下 – 座りたい、何もしたくない、動くのが面倒である、立っているのがつらい
D:身体的違和感 – 目が疲れている、目がしょぼしょぼする、肩がこっている、首筋がはっている
E:意欲低下 – ゆううつな気分である、元気がない、無口になっている、話をするのが嫌である
F:だるさ – 全身がだるい、体が重く感じる、足がだるい、腕がだるい
ご覧のように、「考えがまとまらない」、「目が疲れている」、「肩がこっている」、「無口になっている」、「話をするのが嫌である」を除いたすべてにおいて、コンビニや弁当、外食をしないグループ(クラスター2)がもっとも該当者の割合が低くなっています。
では、これをもう少し細かく見ていきましょう。
A:ねむけ
赤い□で囲んだ部分がもっとも数値が高かったグループ。赤い〇で囲んだのが二番目に数値が高かったグループです。クラスター3は、コンビニや市販惣菜、弁当、外食利用がもっとも多いグループです。
ねむけの項目では、クラスター3がもっとも該当者の割合が多く8割以上が眠い、気分転換したい、あくびが出る、横になりたいと自覚しています。
B:注意集中困難
クラスター3が、もっともコンビニや市販惣菜、弁当、外食利用がもっとも多いグループですが、クラスター1はもっともコンビニ利用頻度が高く、かつ市販惣菜や弁当購入、外食を月1~2回利用する割合が高いグループです。ご覧のように、クラスター1と3が優位に集中力など頭の働きに問題を抱えています。
C:活力低下
座りたいや何もしたくない、動くのが面倒など、活力低下についてもクラスター3がもっとも高く、次いでクラスター1が続いています。ここまでくればもう想像できますよね。食生活の内容は、私たちの体調や脳の働きに大きな影響を与えることになります。
D:身体的違和感
こちらも、クラスター3がもっとも数値が高く、次いでクラスター1が続きます。
E:意欲低下
意欲の低下については、クラスター3に次いでクラスター4が高くなっています。クラスター4は、月1~2回コンビニや市販惣菜、弁当、外食利用をする割合が高いグループです。
F:だるさ
全身がだるい、体が重く感じるなど、だるさを訴えるのもクラスター3と1という結果でした。
まとめ
コンビニ食やお惣菜、市販弁当、外食がねむけや注意力、活動、意欲、体調面に大きな影響を与えていることがご理解いただけたことと思います。
ただし、見逃してはいけないのは、この調査が食事面に限られた点です。そこで、再度以下の表をご覧ください。以下のように、クラスター2(ほとんどコンビニや市販惣菜、弁当、おにぎりを購入しないグループ)でも24の調査項目中19で50%以上の人が該当しています。
また、上位4項目の「眠い」や「集中力がない」、「気分転換したい」、「あくびが出る」は8割以上が該当しています。その理由は何か?
といえば、それはお菓子やジュース類にあると考えていいでしょう。コンビニ食やお惣菜、外食をしなくても、おそらくほとんどの女子大学生が当たり前のようにチョコレートやクッキー、アイスなどを食べています。これが、食生活とともに彼女たちのこころと体の健康を蝕んでいます。
この調査は2005年のものです。世代が若くなるにつれ、コンビニ利用が当たり前になっています。したがって、今の女子大学生はこれ以上に不調を抱えていると考えていいでしょう。
また、こういった食生活が起立性調節障害(OD)につながります。つまり、起立性調節障害(OD)は生活習慣病だったのです。もし、お悩みの方がいらっしゃいましたが、私の著書「30日で朝『スッキリ目覚める』体質にする方法」をお役立てください。
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