非アルコール性脂肪性 肝障害のヒトは要注意!認知症発症リスクが高いと心得ましょう。

10日間チャレンジを通じて、私は「揚げ物」や「炒め物」の摂取を減らすよう伝え続けてきました。

その理由のひとつが油(脂質)の酸化であり、以下の通り酸化脂質はさまざまな病気発症に関与しています。

 

近年,酸化脂質が炎症反応や血管新生を誘導するなどの報告が相次いでなされ,酸化脂質が起点となる生体内機能あるいは疾患との関連に関する研究が盛んに行われている。

特に 2012 年に鉄依存的に生成した酸化脂質が誘導する細胞死 “ フェロトーシス  が提唱されると,酸化脂質への注目度はさらに増している。このフェロトーシスは,がん治療への応用のみならず,眼疾患や神経変性疾患,虚血再灌流障害などの複数の疾患の発症に関与しているようである

脂質ラジカル及び酸化脂質の検出・構造解析と疾患モデルへの応用 山田 健一 2025年 25 巻 10 号 441-448 より引用

 

また、同様にオメガ6の過剰摂取を避け、オメガ3を意識的に摂取量を増やすよう伝え続けてきました。さらに、ほとんどの日本人はオメガ6を〝超過剰″摂取しているが故、食用油(大豆油やコーン油、サラダ油)の使用を止める必要性も訴え続けてきました。

その理由も以下の論文で明らかで、過剰なオメガ6は体内の慢性炎症を招くからです

植物の脂肪酸に由来するエイコサノイド〔オメガ 3(n‒3)系 PUFA〕は,の脂肪酸に由来するもの(n‒6系PUFA,例えばアラキドン酸)に比べて炎症が起こりにくい

したがって,食事に含まれるこれらの脂肪酸の相対量は,炎症カスケードのバランスに影響する

植物由来低たんぱく食の理論的背景 猪阪 善隆, 坂口 悠介 2024年 66 巻 7 号 1172-1178 より引用

重要なポイントは、オメガ3の摂取量を増やすことは重要ですが、〝その前″にオメガ6摂取量を大幅に減らす必要があることです。(その理由は以下の記事をご覧ください)

「オメガ6の大幅な過剰摂取を続けたままオメガ3脂肪酸を摂るのはリスクが高いかも…?」

また、上記記事をご覧になれば、日本人が如何に過剰なオメガ6を摂取しているのか想像できるはずです。おおよそですが、ほとんどの日本人は必要量の5倍程度は摂取していると思われます

ここで、オメガ6の生理活性作用を確認しておきましょう。

重要な事実として、オメガ6は脂溶性であるが故、体内に蓄積されます。過剰に摂れば摂るほど体内の蓄積量も増えます。したがって、必要量の5倍以上も摂り続けていたのなら…

動脈硬化(血液ドロドロ)による心疾患や脳血管障害、慢性炎症による慢性的なダルサやドライアイ、足のむくみなど、アレルギー促進による鼻炎や喘息、アトピーの発症などは起きない方が不思議だと考えるのが自然です。

また、前述の通り、慢性炎症はさまざまな病気のトリガー(引き金)となることも忘れてはいけません。つまり、オメガ6を摂りすぎれば、誰もが何らかの病気を発症する確率を跳ね上げることになります

ただし、発症する病気はヒトにより違います。しかも、ガン精神疾患認知症、近視、足のむくみなど、一見何の関係もない病気(病名も洗脳装置で詐欺ですが…)ですから、ほとんどのヒトはその原因に氣づくことはありません

以下もその一例で、非アルコール性脂肪性肝疾患や非アルコール性脂肪肝炎もまた、オメガ6過剰摂取が関与しています。

脂肪酸のうち,分子内に複数の炭素間二重結合を持つ脂肪酸をPUFAと称する.中でも,ω末端から数えて二重結合が3番目から始まるものをω3脂肪酸,6番目から始まるものをω6脂肪酸と呼ぶ.

これらのPUFAは哺乳類の生体内において,食事から摂取される必須脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸から,脂肪酸不飽和化酵素(fatty acid desaturate)であるFADS1とFADS2,及び脂肪酸伸長酵素(fatty acid elongase)であるELOVL5やELOVL2の働きにより生合成される.

ω6脂肪酸は牛や豚に,ω3脂肪酸は魚に多く含まれていることが知られている.ω6脂肪酸にはアラキドン酸などの炎症に係わる脂質メディエーターの前駆体が含まれる一方,ω3脂肪酸にはエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid: EPA)やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid: DHA)などの抗炎症作用を持つ脂肪酸が含まれる.

哺乳類はω6脂肪酸をω3脂肪酸へ変換する酵素を持たないため,両方の脂肪酸を食事から摂取する必要がある.ところが,現在の日本人は食の欧米化に伴い,従来と比較してω3脂肪酸の摂取量が減少し,ω6脂肪酸を過剰に摂取している傾向にある

われわれはこれまで,これらの既知のPUFAの機能に加え,PUFA生合成の減少が双極性障害の発症に係わることや,精巣ライディッヒ細胞で生合成されるω6脂肪酸が男性ステロイドホルモンであるテストステロンの産生を促進することを見い出してきた.

これらのPUFAの働きはこれまで知られていなかったものであり,今後の更なる研究の進展によりPUFAの新しい機能や病態との関係性が解明されることが期待される.

現在,肝臓への中性脂肪の蓄積に,ステロール調節配列結合タンパク質(sterol regulatory element-binding protein: SREBP)や超低密度リポタンパク質(very low density lipoprotein: VLDL)が大きく係わっていることがわかってきた

SREBPはコレステロールや脂肪酸合成を担う酵素の転写を制御している転写因子であり,配列がよく似たSREBP-1SREBP-2が存在する.

役割はそれぞれ異なり,SREBP-1は脂肪酸合成を,SREBP-2はコレステロール合成を制御している.さらにSREBP-1にはSREBP-1aとSREBP-1cというアイソフォームが存在し,肝臓に主に発現するSREBP-1cは脂肪酸・中性脂肪の合成に関与する酵素の遺伝子群の転写を制御している.

いずれも小胞体膜タンパク質として合成されたのち,SREBP結合タンパク質であるSREBP cleavage-activating protein(SCAP)と2量体を形成する.細胞内の脂肪酸量が低下すると,この複合体はゴルジ体へと輸送され,活性を持つN末端が切断されたのち,核内へ移行して応答遺伝子の発現を調節する.

その後,肝臓で合成された中性脂肪はリポタンパク質であるVLDLに組み込まれて血液中に放出される.

一方,脂肪酸合成を必要としない際にはSREBP-1cによる脂肪酸de novo合成はPUFAにより抑制されている.また,リポタンパク質の表面はアポタンパク質やリン脂質により構成されるが,リン脂質の多くにPUFAが含まれている.

よって,PUFAが不足すると,肝臓におけるSREBP-1cを介した脂肪酸de novo合成の抑制が解除されて亢進する一方で,VLDLの分泌不全も生じるため中性脂肪の排出が抑制され,肝臓に中性脂肪が蓄積することになる

実際にヒトを対象にした解析も行われており,NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)患者の嗜好内容について調査した報告によると,健常者と比較して肉や清涼飲料水の摂取量が多く,魚の摂取量が少ないという結果だった

また,NASH(非アルコール性脂肪肝炎)患者の食事内容と食後の血中の中性脂肪量を検討した報告では,NASH患者が摂取する脂肪酸は,飽和脂肪酸の割合が多く,PUFAの割合が少ないという結果であった.

加えて,NASH患者は食後の血中の中性脂肪量が健常者と比較して高く,それにもかかわらずVLDLを構成するタンパク質であるapolipoprotein B(ApoB)の分泌量が増加せず,ApoBの分泌不全が示唆される結果であった.

一方,既述のようにNAFLD患者には食事療法の一つとしてω3脂肪酸を多く含む食事の摂取が推奨されているが,NAFLDに対するω3脂肪酸の効果に関する多くの報告がある

そのうち一つの報告では,NAFLD患者がPUFAを1日2 g,6 ヵ月間摂取し続けると,33.4%の患者で脂肪肝が完全に消失し,全体の50%の患者で脂肪肝が軽減した

血中の中性脂肪量や肝逸脱酵素も減少し,PUFA摂取による脂肪肝の改善効果がみられた

ほかの報告でも同様で,成人のNAFLD患者がω3脂肪酸6 g/日を6 ヵ月間摂取,小児のNAFLD患者がω3脂肪酸1 g/日を12 ヵ月間摂取することにより,脂肪肝の改善が認められた

さらに,これらの報告を含むメタ解析により,ω3脂肪酸にはNAFLD患者の脂肪肝を低減し,肝炎を改善させる効果があることが明らかに示された.

高度不飽和脂肪酸がNAFLDの発症・進行を抑制する分子機構 安藤 美沙, 李 賢哲, 横溝 岳彦 2025年 145 巻 3 号 177-182 より引用

非アルコール性肝疾患のヒトは認知症発症リスクが高い!

先の論文でも「日本人はω6脂肪酸を過剰に摂取している」と指摘がありましたが、既述の通り過剰なオメガ6脂肪酸摂取は体内で生理活性物質を過剰に産生することになります。

そしてそれが、誰もが「一見何の関係も無い!」と思うであろう非アルコール性肝疾患とアルツハイマー病の発症に繋がっていることをご確認ください

 

本稿では,老化した肝臓が産生する液性因子が AD(アルツハイマー病) の病態を悪化させる,という新たな概念を紹介する.

本論文が注目した液性因子エポキシエイコサトリエン酸(epoxyeicosatrienoic acid:EET)は,アラキドン酸の代謝で,血管拡張作用や抗炎症作用が知られる生理活性物質である.

EET は可溶性エポキシド加水分解酵素(solubleepoxide hydrolase:sEH)により不活性化型になることで,体内での働きが制御されている.

AD と sEH の関連として,EH をコードする遺伝子が AD と強い連鎖を示すことがゲノムワイド解析から示されており,また,AD モデルマウスで全身性に sEH の発現を抑制させると認知機能の低下が改善することも見出されていた

また,本論文の著者らは以前に,AD の独立したリスク因子であるうつ病に関して,肝臓の sEH の発現抑制が慢性的なうつ状態のマウスの症状を緩和させることを報告していた.

肝臓のアラキドン酸の代謝機能は加齢とともに低下するが,肝臓の老化による sEH の機能変化の有無は不明で,その変化が ADの病態形成に与える作用も解明されていなかった.

sEH は全身の様々な臓器で発現する.

著者らはまず,加齢により sEH の活性が変化する臓器を探索した.

肝臓や心臓,肺,脾臓,腎臓などを対象とした検討の結果,肝臓のみで sEH の活性が加齢に伴い増加した

sEH の活性増加と相関するように,EET の一種である 14,15-EET の血漿濃度は加齢に伴い減少した.

血漿中の 14,15-EET 濃度の変動が肝臓由来であるか検討するため,著者らは肝臓特異的な sEH 発現抑制マウスを作製した.同マウスでは血漿 14,15-EET 量の増加が認められた一方,脳内での EET 濃度は変わらなかったことから,肝臓の sEH が血漿中の 14,15-EET 濃度の変動をもたらすことが示唆された.

肝臓の sEH が AD モデルマウスに与える作用を解析するため,著者らは肝臓特異的に sEH を欠損する AD モデルマウスを作成した.

同マウスは対象群と比較し,海馬におけるアミロイド β(amyloid β:Aβ)の蓄積が少なく,認知機能も高いことが複数の行動試験から示された.また逆に,肝臓での sEH の発現を高めた AD モデルマウスでは,Aβの蓄積が増し,認知機能も悪化する様子が検出された

これらの結果から,肝臓の sEH 活性と血漿中の 14,15-EET濃度,そして脳内 Aβ の蓄積や認知機能には相関関係があることが示唆された

脳内での Aβ 量は,産生と排出のバランスによる影響を受ける.

著者らは,肝臓での sEH 活性が Aβ の産生と排出どちらに作用するかを検討するため,肝臓特異的 sEH 欠損AD モデルマウスでの脳内での Aβ タンパク質量や Aβ の分解酵素量を測定し,肝臓での sEH 活性が特に脳内での Aβの産生を制御することを示唆した.

さらに,AD 患者脳内でグリア細胞の活性化が認められる点にも着目し,肝臓特異的 sEH 欠損 AD モデルマウスのミクログリアでの分子発現を解析したところ,貪食に関わる TREM2 の発現変化も
検出した.

その他にも著者らは,プロテオミクス解析を実施し AD の遺伝的リスク因子である ApoE と TREM2 の関連を示し,末梢臓器由来の 14,15-EET が血液脳関門を越えて脳内へ移行することを見出し,14,15-EET を直接脳内に投与することでも脳保護効果が発揮されることを示した.

以上の結果は,肝臓が制御する血中因子が脳内へ直接作用し,AD に関連する組織学的変化と行動変化をもたらすという AD 病態形成の新しい作用機序を提示し,さらにその分子メカニズムの一端が解明されつつあることを示している.

老化した肝臓がもたらす認知機能の低下 三宅 雄大, 三澤 日出巳, 村松 里衣子 2024年 159 巻 1 号 69 より引用

 

まとめ

10日間チャレンジ のエッセンスだけでも食生活に取り入れる必要性を訴え続け、すでに20年が経過しました。が、20年前と比べ、ほとんどの日本人の状況はむしろ大幅に悪化しているのが現状です。

前述の通り、同じオメガ6過剰摂取でも、その影響で発症する症状はヒトそれぞれあることがなんとなくでもお分かりいただけたことでしょう。そして、その発症した症状をグルーピングし「非アルコール性肝疾患」とか「アルツハイマー病」と命名したのが病名。

そして、この病名とは簡単に言えば洗脳装置だと氣づいてください。

冒頭から読み直せば確認できますが、ガンや眼疾患、神経変性疾患なども同じオメガ6過剰摂取で発症リスクが高まります。ならば、病名とは記号であり、私たち素人を騙すための詐欺だと考えるのが自然でしょう。

後は、あなたの判断です。

10日間チャレンジ!, Blog’s

Posted by sinsd