大手回転すしチェーン店の人気ネタランキングでわかるのは、ほとんどのネタが天然ではないこと!
大手回転寿司チェーンを利用される方は、一読されることをお勧めします。
・【人気投票 1~59位】スシローメニューランキング!みんなのおすすめは?
上記サイトによると、スシローでよく食べられている上位10のネタは以下の通りです。
1.サーモン 2.まぐろ 3.特ネタ中とろ 4.サーモンちーず 5.はまち 6.軍艦ねぎまぐろ 7.えび天にぎり 8.たまご 9.鉄火巻 10.たい 13.倍とろ 14.えび 15.赤えび 18.生えび
上記サイトによると、養殖で生産量は1位がブリ・ハマチ、2位マダイ、3位カンパチ。また、クロマグロ、トラフグ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、ヒラマサ、イシダイ、クルマエビ、カワハギ、カサゴ、クロダイ、クロイソ、スズキ、チダイ、オオニベ、メジナ、マサバ、マハタ、クエなど、養殖されている魚種は多岐に渡るようです。
・日本人の大好きなエビ。減っているの?それとも増えているの?
日本国内で獲れるエビの量は、2017年の実績で約1万7500トン(天然エビ約1万6100トン・養殖エビ約1400トン)です。対して海外から輸入されるエビは同年約22万トンで、国内漁獲量の10倍を超え、私たちが食べているエビは、ほとんど輸入エビです。また、輸入エビの多くが中国やインド、インドネシア、ベトナムなど東南アジアで養殖されたエビで、日本国内で流通するエビの9割が輸入エビです。
報道されていないませんが、魚類の養殖では驚くほど頻繁に大規模な感染症が発生しています。これは、以下の論文をサラッと読めば確認できます。
・北海道の養殖ギンザケ Oncorhynchus kisutch から分離された Oncorhynchus masou virus(OMV)の病原性ならびに腫瘍原性 勝又 義友, 水野 伸也, 他 2023年 71 巻 4 号 153-161
重要な事実として、エビを含めた魚介類の養殖では、いったん感染症が発生すると飼育された魚やエビの多くが死ぬため、その被害は養殖事業に大打撃を与えることになります。
例えば、現在エビ養殖の主流はバナメイエビで、日本でもフライや寿司ネタとして利用されています。一方で、1990年代まではバナメイエビはほとんど養殖されておらず、主流はブラックタイガーでした。が…
1990年代、ブラックタイガーでウイルス性の病気が大量に発生し、養殖事業は壊滅的な打撃を受けたことでてバナメイエビ養殖が急拡大したという歴史があります。この事実から、私たちに感染症の流行をコントロールすることができないことがわかります。
そんなエビの大量死は、以下のように一晩で起きるようです。
・養殖エビをウイルス被害から救う 独立行政法人科学技術振興機構 2004年 1 巻 2 号 10-11
(前略)松村教授がWSSVの抗体を開発したのは、学術交流でたまたまタイやインドネシアを訪れ、エビ養殖池の深刻な状況を目の当たりにしたからだった。「5000平方メートルほどの池内のエビが、ほぼ一夜にして全滅。雑草に覆われた死の池が一面に広がっていた」(以下略)
当然ですが、魚類の大量死も同じですから、養殖業では抗生物質やワクチンだけでなく感染症対策のために大量の薬剤を使用しているのが実態です。
・魚類疾病の現状と課題 中西 照幸, 松浦 雄太 2016年 69 巻 1 号 27-35
(前略)
海面魚類養殖においては,かつて連鎖球菌症や類結節症などの細菌感染症がまん延し,治療のために抗菌性薬剤が多く使用されてきた.しかし,耐性菌の増加,抗菌性薬剤の魚体への残留に対する消費者の懸念,薬剤が効かないウイルス性疾病の発生等の理由から,国や業界をあげて治療から予防への防疫対策に転じ,抗生物質の使用が激減している.特に,この傾向は海面養殖魚の5割を占めるブリ養殖に顕著に表れている(図1).この予防対策の柱になったのがワクチンの普及である.1997年に連鎖球菌症に対するワクチンが市販され,これを契機にイリドウイルス感染症をはじめとする多くの疾病に対してワクチンが市販された.図2及び図3に示されているように,ブリ養殖において,ワクチンの普及(投与尾数の上昇)に伴い連鎖球菌症やイリドウイルス感染症の診断件数は激減している[2](図2,3).(以下略)
食事に含まれる抗生物質耐性菌は私たちの健康に影響を与えるという事実がわかっています。
・出荷対象のマダイに対する低魚粉飼料の実用性 青木 秀夫, 松倉 一樹,他 2017年 65 巻 3 号 221-230
(前略)出荷対象のマダイ成魚に対し,大豆油粕とコーングルテンミールを併用配合して魚粉含量を25%とした低魚粉飼料の性能を評価した。魚粉含量が40%の市販のマダイ用飼料を対照飼料とした。(以下略)
魚の餌は、プランクトンや魚介類、海藻類です。しかし、養殖業では陸の食材、大豆やトウモロコシを魚に与えています。そのため、養殖魚の脂肪酸組成はDHAやEPAが減少し、リノール酸(オメガ6)過多となっています。
・マス類低魚粉飼料の普及に向けた取り組み三浦 正之, 山本 剛史 2021年 87 巻 6 号 711-716
マス類養殖において魚粉を植物原料等の魚粉以外の代替タンパクに置き換えた飼料、いわゆる低魚粉飼料を用いることは生産コストの多くを占める飼料代を削減して収益向上をもたらす切り札となることは間違いない。
しかし、日本のマス類養殖現場では海外のサーモン養殖と比較して低魚粉飼料の普及は進んでいない。北欧など海外では低魚粉飼料がスタンダードな飼料となっているのにも関わらず(以下略)
つまり、養殖業者は、私たち消費者のためではなく自分たちの利益のために働いています。もっと正確に言えば、自分たちの利益のために消費者を病気に誘導しています。
・国内クロマグロ養殖業の課題と経営対応 中原 尚知 2005年 46 巻 1 号 107-123
(前略)現在では,マグロ養殖は豪州や地中海諸国にも展開し,市場においては,量販店や回転寿司チェーンでの取り扱いを中心に,「安価なトロ商材」としての地位を築いている(中略)
大手回転寿司のマグロは、ほぼ間違いなく養殖マグロでしょう。
・魚病専門家有志会議による水産防疫体制の改善と見直しに関する提言 良永 知義 2023年 58 巻 4 号 184-186
(前略)我が国には、これまでに多くの水産動物感染症が海外から侵入・まん延・定着するとともに、国内でも新興感染症が発生し、養殖業や天然水産資源に被害を与えてきた。水産動物の感染症は、ワクチンや薬剤などの有効な予防・治療法の開発が困難なものが多く、また、天然魚介類に定着し人間にはコントロールできなくなったものも少なくない。(以下略)
まとめ
スシローの人気ネタランキング上位20のうち、少なくとも13は養殖魚・エビのようです。
繰り返しますが、感染症を防ぐため、これらは多種の薬剤プール中で飼育されています。また、本来の餌ではない大豆やトウモロコシを与えられた上、抗生物質とワクチンも使われています。
これ、果たして食べ物でしょうか?
養殖サーモンの実態、もし、未だにご存じない方いらしたら以下の記事を読み自分の頭で考えてみましょう。
・「養殖サーモンの国ノルウェー」で批判的な研究者でいることのリスク
ランキング8位はたまごですが、これって本物でしょうか?
まさかあの卵もどき、HOBOTAMAで作った卵焼きではないですよね。
大手外食チェーンや回転寿司は、自分たちの利益のために消費者を犠牲にしている。
少なくとも、これは事実であることを忘れないでください。