なぜ、認知症になるのか?もし、脳の免疫機能が壊れたら脳機能はどうなるのだろうか?

白米に納豆1パック、卵、味噌汁。

こんな食事、誰もが〝粗食″と思いますよね。

また、こんな食事を1日3回(食)食べたとしたら、ほとんどのヒトは栄養失調を疑うのではないでしょうか?

でも、こんな食事を3食摂っても〝過剰″摂取となる栄養素があることをご存じですか?

それが必須脂肪酸であるオメガ6(リノール酸とアラキドン酸)です。

まずは、この事実を受け入れましょう。

その上で自らの頭で考えてください。例えば、以下のような類は、リノール酸(オメガ6)を大量に含んでいます。

炒め物や揚げ物(コロッケやトンカツ、天ぷら、メンチカツなど)、マヨネーズ、マーガリン、市販のパン、冷凍食品、コンビニ弁当、カレーやシチューのルー、スナック菓子、チョコレートなどの菓子類、アイス(アイスミルクやラクトアイス)など

したがって、上記の類を食べる習慣があるのなら、オメガ6を大幅に過剰摂取していることになります。

重要なのは、オメガ6は脂溶性であることです。また、脂溶性であるが故、摂れば摂るほど体内に蓄積するという事実です。さらに、オメガ6はガンや脳や心臓などの血管障害、アレルギー(鼻炎や喘息、アトピー、食物など)、糖尿病、起立性調節障害などさまざまな病気のトリガーとなります。

そんなオメガ6について、前回、「なぜ、認知症になるのか?脳の〝関所″「血液脳関門」が破壊されたら脳機能はどうなる?」で、血液脳関門がリノール酸過剰摂取や食品添加物、異性化糖などで容易にその機能を喪失することをお伝えしました。

しかし、血液脳関門が正常に働いていたとしても、リノール酸過剰摂取は脳機能に深刻な影響を与えます。なぜなら、リノール酸は容易に血液脳関門を通過できるからです。また、脳内に入ったリノール酸は脳の免疫機能を狂わせます。

リノール酸過剰摂取がミクログリアに与える影響

脳内で白血球のような働きをしているのがミクログリアです。免疫担当細胞であるミクログリアは、死滅した細胞や過剰な脂質を貧食(取り込む)します。また、アストロサイトと同じように脂質は脂質滴としてため込みます。

リノール酸過剰摂取が続くと…

前述の通り、過剰なリノール酸摂取は血液脳関門を破綻させます。この時、本来は通過できるはずもなかった異物が脳内に流れ込むようになります。ならば、通常を遥かに超えた過酸化脂質が生じ、ミクログリアは大忙しとなります。

また、アストロサイトが回収しきれなかったリノール酸をミクログリアがため込むことになります。すると、ミクログリアは慢性的な活性化状態(炎症性ミクログリアへのシフト)となります。

この炎症性ミクログリアは、「NHKスペシャル 病への挑戦 第3集 認知症 治療と予防の新時代」で紹介されていたようにニューロン(神経細胞)を貧食するようになります。

また、炎症性ミクログリアはオリゴデンドロサイト(オリゴデンドログリア)も貧食します。

オリゴデンドロサイトが髄鞘を形成することで神経伝達スピードが上がりますから、それが貧食されれば情報伝達は異常に遅くなります。

これらの結果は…?認知症が進行するのは自然なことになります。

ニューロンにミエリンが巻き付くとニューロンの周囲をミエリンが巻き付くことで情報伝達スピードは約100〜150 m/s(秒速100〜150メートル、時速に換算すると約360〜540kmと新幹線以上となる)に達する一方、ミエリンが脱落すると約0.5〜10 m/s(秒速0.5〜10メートル)程度と、数十倍から百倍以上もの違いとなります。

以上のことから、リノール酸過剰摂取が続きミクログリアが活性化すると…

・ニューロン(神経細胞)を貧食するようになる:結果、脳の情報ネットワークが脆弱になり、情報伝達が困難となる

・オリゴデンドロサイトが壊れるとニューロン上の情報伝達スピードが異常に遅くなる

こういったことが起きれば、物事の理解や記憶の喪失、言葉が出ないなど、認知症はどんどん進行していくことになるのは何も不思議なことではありません。

食品添加物がミクログリアに与える影響

さまざまな食品添加物がミクログリアの機能に悪影響を与えることがわかっていますのでご紹介します。

アルミニウム

パンやケーキ好きのヒトはご注意を。ベーキングパウダーなどに含まれるアルミニウムはミクログリアを過剰に活性化させることがわかっています。

まず、アルミニウムは血液脳関門を通過できる上、脳に蓄積すること。また、もともとヒトにとって神経毒であることを確認してください。

アルミニウム(Al)は環境中に広く存在し、ヒトにとって神経毒であることが知られています。三価の遊離Alアニオン(Al 3+)は血液脳関門(BBB)を通過して脳内に蓄積し、中枢神経系(CNS)細胞に有害な影響を及ぼします。そのため、Alは神経変性疾患、特にアルツハイマー病(AD)の発症リスクを高めることが示唆されています。(中略)

・アルミニウム誘発性BV-2脳​​ミクログリア細胞のプリン作動系パラメーターの変化 より引用

Al(アルミニウム)が脳で脂質化酸化を促進し、過酸化脂質が生成されること。また、それにより活性酸素(ROS)が生じ、脳内は連鎖的に過酸化反応が進むことになります。

Akinrinadeらによる研究では、Al曝露後に脳​​内の脂質過酸化生成物とROS形成が増加することが示された。さらに、炎症反応も活性化され、アストロサイトとミクログリアの活性化が増加する。

・金属神経毒性におけるミクログリアの活性化:神経変性疾患への影響 より引用

ミクログリアが活性化すると、リノール酸をため込んだ時と同じようにニューロン(神経細胞)を攻撃するようになります。

アルツハイマー病の特徴と異性化糖

アルツハイマー病は、脳の神経細胞がゆっくりと減少し、脳が萎縮していくこと。それと共に、「最近の出来事を忘れる」記憶障害から始まることがよく知られています。

また、 脳内に「アミロイドβ」や「タウタンパク質」という特殊なたんぱく質が蓄積し、それにより神経細胞が破壊されると考えらています。

この「アミロイドβ」や「タウタンパク質」の処理をしてくれるのがミクログリアです。

ミクログリアには、脳内の死んだ細胞や不要な成分(アミロイドβなど)を食べて掃除する「貪食能」という重要な役割があります。が…

異性化糖は、その貧食能に深刻な影響を与えます。

異性化糖がミクログリアに与える影響

異性化糖に多く含まれる果糖をミクログリアが取り込むと、貧食能(掃除能力)が著しく低下します。

この研究では、脳の免疫細胞であるミクログリアが、果糖を取り込むトランスポーターGLUT5を高発現していること、さらに血中に果糖が存在するとミクログリアの貪食能が低下し、それが不安様行動につながることをマウスモデルで示した。これは、臨床での観察報告を動物モデルで再現し、そのメカニズムを明らかにした典型的な研究といえる。

具体的には、新生児マウスに果糖を直接胃内投与すると、脳内ミクログリア数が減少し、貪食されずに残る死細胞が蓄積して神経発達が障害されることが観察された。同様の異常は、妊娠中の母マウスに果糖を摂取させた場合にも出生児に見られたことから、臨床現象と一致するモデルであると結論されている。

さらに、脳全体としてはGLUT5の発現は非常に低いものの、ミクログリアに限ってはGLUT5を明確に発現しており、果糖の取り込みに応じてその発現がさらに増強されることも示されました。①

・果糖は脳のミクログリアで代謝され貪食能を低下させる(6月11日 Nature オンライン掲載論文) より引用

前回の「なぜ、認知症になるのか?脳の〝関所″「血液脳関門」が破壊されたら脳機能はどうなる?」でもご紹介した通り、異性化糖はジュースや菓子類、アイスなどに限らず、ありとあらゆる加工食品にも利用されています。とても健康に良さそうな醤油やポン酢などにも…

重要なポイントのひとつは、黄色のアンダーラインを引いた①の部分です。

私が指摘するまでもなく、異性化糖の入った食品から私たちは大量の果糖を摂取することになります。すると…

ミクログリアにある果糖の取り込み口(GLUT5)の数が増えてしまいます。また、それによりミクログリア中に取り込まれる果糖の量が増えることは容易に想像できます。ならば、ミクログリアの貧食能、余分なタンパク質の掃除機能はさらに低下していくことでしょう。

その意味で、習慣的にジュースやアイス類を摂る習慣があるヒトは特に注意が必要ですね。

・ポカリスエット

・ガリガリ君 ソーダ

・マルちゃん正麺 カップ 豚骨醤油

まとめ

漬物・梅干し、つくだ煮にも異性化糖が入っているものが販売されています。

どうしても加工食品を買うなら、徹底的に原材料表記の確認が必須ですね。

また、カレーやシチューのルー、カップ麺など、原材料表記にびっしりと大量の食品添加物が使用されている加工食品があります。これらは、異性化糖が入っていなくても避ける必要があります。

なぜなら、食品添加物は単体ではなく、複数の同時摂取で複雑に絡み合い、さまざまな形でミクログリアや脳機能に悪影響をもたらすからです。

ぶっちゃけ、日本人は大量の食品添加物を摂りすぎていること。例えば、カップ麺を毎日食べるような健康に無頓着なヒトなら、どんな専門家でも説明ができないほど脳機能を損なっていることに疑いがありません。

なお、「なぜ、認知症になるのか?脳の〝関所″「血液脳関門」が破壊されたら脳機能はどうなる?」でお伝えしていますが、血液脳関門の関所機能が壊れれば、本来侵入できない異物が脳に届くことになります。

ならば、それらが脳に与える影響など私たちに推し量れるものではない。この事実も受け入れましょう。

と言うことで最後に!

異性化糖に限らず、砂糖(甘いもの)の摂り過ぎも同じ結果に繋がりますのでご注意ください。

過剰な砂糖やトランス脂肪酸(一部のスナック菓子や加工食品)は火に油を注ぐ行為となりますので、少しずつ減らす意識を持ちましょう。

・脳の専門医が教える】「甘いものでリフレッシュ」は脳に逆効果? 頼れる味方を“最悪の敵”に変えるNG習慣(出典:DIAMOND ONLINE)

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Posted by sinsd