【論文】メンタルヘルスにおける ω3 系多価不飽和脂肪酸の役割:天然の青魚を食べよう
天然の魚、とくに青魚を食べましょう。
私がそう繰り返し述べている理由のひとつが、うつ病の予防です。
今回、ご紹介したいのは魚食とうつ病に関する疫学調査についての論文です。
しかし、論文の暴騰に気分障害とありますが、魚食は以下のような一見「人格や性格の問題」と思ってしまうような問題にも関わること。私は、仕事柄それを日本で最も確信しているヒトのひとりです。
精神疾患とされる・統合失調症 ・不安障害 ・パニック障害 など
各種ハラスメント:パワハラやモラハラ、アカハラ、カスハラ、アルハラなど
性格の不一致などとされる夫婦喧嘩や親子喧嘩など
人格の問題と思われているゴミ屋敷や煽り運転、万引きなど
性格の問題とされているわがままや頑固、ヒトの話を聞かない、勉強をしない、ゲーム依存、ギャンブル依存など 他
思い当たる方は最後までお読みください。
・メンタルヘルスにおけるω3系多価不飽和脂肪酸の役割 浜崎 景 2023年 158 巻 6 号 460-463
厚生労働省の「患者疾患」によると,「気分障害(躁うつ病を含む)」の受療率(入院+外来)が,1996 年には 48(人口 10 万対)だったのが 2020 年には 94 と,この四半世紀で倍に増えている.
また,COVID-19の感染拡大の影響もあり,経済協力開発機構(OECD)の報告によると加盟国では軒並みうつ病および抑うつの有病率が増加しており,日本では 2013 年の調査で 7.9%だった有病率が,2020 年には 17.3%まで上昇している.
うつ病に対する治療はこれまで主として,薬物療法,心理療法,電気療法などであったが,普段の生活習慣(睡眠,食生活,運動等)の改善により,予防もしくは症状改善につなげられるという報告がここ 10 数年の間に増えてきた.
さらに,食・栄養との領域では ω3 系多価不飽和脂肪酸(以下 ω3)の報告が多い.
ω3 は 1970 年頃のグリーランドにおける観察研究を発端に,当初は動脈硬化症に対する予防効果や改善効果が注目されていた.
日本の臨床現場でも 1990 年頃からエイコサペンタエン酸(EPA)製剤が,2013 年からは EPA+ドコサヘキサエン酸(DHA)混合製剤が,脂質異常症や閉塞性動脈硬化症に対する疾患に対して処方されるようになった.
2000 年頃からメンタルヘルス(うつ病や抑うつ)を対象とした観察研究や介入研究が報告されるようになり,動物実験等によりその機序も徐々に明らかになってきた.
現時点では,観察研究では魚食・ω3 摂取とうつとの関連は認められているが,介入研究のメタ解析結果からは,抑うつ症状に対して効果があるものとないものが混在しており,まだエビデンスとしては十分ではない.
本稿では我々が得た知見を紹介するとともに,この分野に関する海外からの観察研究や介入研究の報告をメカニズムとともに紹介する.
1. はじめに
動物は体内で糖質・タンパク質から,飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸を合成することは出来るが,生物学的に重要とされている ω3 と ω6 系多価不飽和脂肪酸(以下 ω6)については,体内で合成することが出来ないため,食べ物から摂取しなければならない.
α-リノレン酸が前駆体となって EPA や DHA が合成される経路も存在するが,その割合は非常にわずかであり,基本的には EPA や DHA は魚から摂取しなければならない.
魚以外では玉子にも DHA が存在するがこれもほんのわずかである.
一方,摂取する ω6のほとんどがリノール酸であり(98%),アラキドン酸(AA)を介してプロスタグランジン・ロイコトリエン・トロンボキサンなどといった生理活性物質が作られる.
ω3 とうつ病の報告は,おそらくは 1981 年にイギリスのFehily らの症例・対照研究が最初である.
血中ホスファチジルコリン中の ω3 が対照(年齢・性別でマッチングさせた健常者)と比べて,内因性うつ病患者で何故か上昇しており,反応性うつ病患者で差はなかった.
これ以降,この分野の報告は少しずつ増えてくるが,1998 年に Hibbelnが行った 9 ヵ国の地域相関研究で,魚の消費量が多いほどうつ病の有病率が少ないという関連を Lancet で報告して以降,うつ病と ω3 に関する疫学調査・臨床試験が飛躍的に増えた.
2. 成人を対象にした研究
日本では食の欧米化と言われて久しいが,国民健康・栄養調査の結果によると,2006 年から肉食が魚食を上回り年々その差は拡大し,特に若者では顕著である3).
青年期としては,我々は以前,某大学の学生 4,190 名(平均年齢20.5 歳)を対象に横断研究を行ったところ,魚の摂取頻度と抑うつとに負の関連が認められた.
男女を分けてサブ解析を行ったところ,女性でその関連が強く見られた.
理由はよくわからないが,男性よりも女性で ω3 の生物学的利用能が高いことが報告されており,これが要因なのかもしれない.
また,驚いたことにこの大学生全体のおよそ13%は魚をほとんど摂取していないという状況であった.
米国では,3,317 人の若年者(18~30 歳)を対象に 10 年追跡しうつ病発症率 を 調 べているが,参加時の ω3(EPA+DHA)摂取が多いほど,うつ病になる危険率が低いという結果であった.
また,その関連は男性ではほとんど見られず女性で顕著であった.同じ米国でも 54,632 人の看護師(50~77 歳)を 10 年間追跡した研究によると,EPA や DHA はうつ病の発生とは関連がなかった7).
ただしα-リノレン酸が発症のリスクを抑えており,特にリノール酸(ω6)の摂取の少ない集団では更に効果が高かった.①
なお,コホート研究を扱ったメタ解析のアンブレラレビュー(過去のメタ解析論文を収集してレビューを行ったもの)においては,魚食と ω3 摂取は両者ともうつのリスク低減とに関連が認められている.
最初に報告された二重盲検法によるうつ病へのランダム化比較試験(RCT)は,2002 年 Nemets らによる大うつ病で維持療法を受けている患者 20 名を対象とした臨床試験である.
4 週間の試験で 1 日 2 g の EPA を投与しているが,対照群と比較して 2 週目より効果が現れ,4 週目まで持続している.
比較的大きな RCT としては,2011 年にカナダでうつ病の症状がある者を対象とした(n=432)が
報告されている.
ω3(EPA 1,050 mg/日+DHA 150 mg/日)あるいは,プラセボを 8 週間投与しており,前者投与群で改善傾向が認められている.
男女別のサブ解析では,女性の方で効果が出ており,既述の疫学調査の結果と似ている.
発症の予防という観点から,米国で 50 歳以上の成人 1.8万人(ベースラインで抑うつ症状がない)を対象とした魚油 1 g/日(EPA 465 mg+DHA 375 mg)とビタミン D の 2×2 要因試験(5.3 年の介入)では,うつ病発症のリスクについてはむしろ ω3 投与群で多かったという結果であった.
著者は今までに,日本での成人を対象とした RCT に共同研究者として 2 つ参画させてもらった.
まずは病棟勤務女性看護師(n=80)を対象として行われた多施設共同・要因デザイン無作為割り付け対照試験である.ω3(1.8 g/日×90 日間)vs. プラセボと,精神療法介入の有無のそれぞれの不安・抑うつに対する軽減効果の有無を明らかにする試験であるが,ω3 群と対照群の間で特に有意差は認められなかった.②
次に,軽~中程度の抑うつを有する勤労者(n=90)を対象とした,集団認知行動療法+ω3(1.8 g/日×12 週)vs. 集団認知行動療法単独介入の抑うつ症状軽減効果を検討した RCT だが,こちらも ω3 の改善効果は認められなかった.②
その要因として,そもそもの日常の ω3 摂取量が関与しているかもしれない.
日本における魚介類摂取量は年々減っているとは言え,それでも欧米とくらべるとまだ多い.
RCT のメタ解析の結果をみてみると,抑うつ症状に対して小~中程度の効果はあるものの臨床的意義はない,あるいは,中等度の有益な(予防と治療の)効果はあるがエビデンスの質はまだ十分ではないとされている.
3. 妊婦・産褥婦を対象にした研究
妊婦・産褥婦は胎児形成・育児のために ω3 が不足になりがちで,この分野での研究が多く報告されている.
以前,筆者は「子どもの健康と環境に関する全国調査(通称:エコチル調査)」のデータおよそ 8 万人を使って,妊娠中の魚食と妊娠前期,中後期,産後 1 ヵ月16),6 ヵ月・1 年における抑うつとの関連を調査した.
その結果,前期・産後1 ヵ月では関連が弱いものの,妊娠中後期では第 2~5 五分位で,産後抑うつの有意なオッズ比の低下が認められ,また,6 ヵ月・1 年においては,強い関連が認められた.
デンマークの研究では,妊娠中の魚介類摂取は産後 1 年以内のうつ病で入院する危険率には影響しなかったが,抗うつ薬の処方箋をもらう危険率が魚介類摂取の一番低い群で(一番高い群と比較して)46%も高かった.
なお,ω3 の摂取においては,両者(うつ病で入院する危険率および抗うつ薬の処方箋をもらう危険率)で,特に有意な関連は認められなかった .
イギリスの研究では,妊娠 32 週目において ω3 摂取量と抑うつ症状との関連を調べているが,ω3 摂取量が少ないほど,抑うつ症状を呈するオッズ比が高まるという結果であった.
この研究では更に,妊娠 18 週目と産後 2 ヵ月目,8 ヵ月目での抑うつ症状を調べているが,妊娠 18 週目と産後 8 ヵ月目で同様の(弱い)関連が認められたが,産後 2 ヵ月目では関連は認められなかっ
た.
なお,観察研究(血中 ω3)のメタ解析においては,周産期うつでは有意に低いという結果であった.
RCT に関して,著者は Nishi ら(国立精神・神経医療研究センター)と Su ら(中國醫藥大學(台湾))との共同研究で,日本人と台湾人の妊婦 108 名を対象としたランダム化比較試験を行ったが,ω3(1.8 g/日×12 週)の効果は認められなかった.②
この 10 年前には台湾の同グループより同様のランダム化比較試験が報告されているが,この試験では妊娠うつに対しては ω3 の効果が認められている.
この 2 つの試験の大きな違いとしては,前者の投与量が1.8 g/日に対して後者では 3.4 g/日であり,魚食習慣のあるアジア系の妊婦を対象とした場合に限っては用量を上げなければならないのかもしれない.
いずれにしても,RCT 数がまだ少ないのが現状であるが,メタ解析の結果をみると効果がないとする報告や,ω3 の単剤治療で限定したものでは有益であったという報告もある.
4. 高齢者を対象にした研究
うつ病は,年齢自体がリスクとなっている.動物実験から,加齢とともに脳における DHA が減少することが知られているが,その一つの理由として,長鎖アシル-CoA合成酵素のような脳リン脂質への DHA の取り込みを特異的に行う酵素の活性低下によるものと考えられている.
そして,この加齢による DHA の減少は,DHA の摂取によって防ぐこともできる.
今までに世界から報告されている60 歳以上の高齢者を対象とした観察研究は 6 つありうち 4 つで関連が認められている.
このうち,日本人中高年を対象とした研究を紹介したい.筆者は Matsuokaらとともに,佐久地域で実施されたメンタルヘルス調査データを利用し,魚介類・ω3 摂取とうつ病リスクの関連を縦断的に検討した.
1990 年に長野県佐久保健所管内の南佐久郡 8 町村に在住だった 40~69 歳の約 1 万 2 千人のうち,2014~15 年に行った「こころの検診」(平均年齢 73 歳)に参加した 1,213 人のデータにもとづいて解析を行った.
その結果,1 日に 57.2 g(中間値)魚介類を食べる群と比較して,1 日に 111.1 g 魚介類を食べる群でうつ病リスクの低下が認められた.
その内訳として EPA,DHA ともにオッズ比が下がる方向には動いているものの統計学的な有意差はなかった.
ただし,EPA と DHA の中間代謝産物であるドコサペンタンエン酸(DPA)を 1 日に 67.1 mg 摂取する群(最低四分位)と比較して,1 日 123.1 mg 摂取する群(第 3 四分位)で有意なうつ病リスクの低下が認められた.
本研究から魚介類・ω3 摂取とうつ病には,摂取すればするほどリスクが下がる,という線形の関連ではなく,ある量でリスクが下がり,それ以上とると影響がみられなくなることが示唆された.
なぜ,DPA が関連しているのかはっきりした原因はわからないが,以前著者は精神疾患の死後脳研究において,うつ病患者の嗅内皮質ではコントロールに比べて DPA が 34.4%低下していることを報告しており,今後のターゲットなるのかもしれない.
Bai らによって報告された高齢者(60 歳以上)を対象とした介入研究のシステマティックレビューによると,今まで 9 つの試験のうち 4 つで効果が示されており,2 つで層化解析または統計学的な傾向として効果が示されている.
この中で,Hashimoto らによって行われた日本人を対象に行われた介入研究を紹介したい.
島根県内の 4 つの介護施設と 1 つの老人ホームに居住する75 歳以上高齢者を無作為に分け,ω3 群には DHA1,720 mg+EPA 410 mg を含む家庭料理を,対照群には DHA106 mg+EPA 30 mg を含む家庭料理を 12 ヵ月間二重盲検下で提供している.
その結果,改訂長谷川式簡易知能評価スケールやミニメンタルステート検査(MMSE)では効果は認められなかったが,自己評価式抑うつ尺度(Zung SelfRating Depression Scale)では,(6 ヵ月時点では効果はないものの)12 ヵ月時点で効果の傾向が認められている(P=0.056).
なお,Bai らによるメタ解析では全体として効果は認められないものの,ω3 が 1.5 g/日を超える試験(n=5)のサブ解析では,プラセボと比較して抑うつ症状を軽減していた.効果を発揮するためには,一般の方に比べ高齢者では多くの ω3 が必要のようだ.
5. 作用機序
そもそもうつ病が生じる 1 つの仮説として神経炎症がある.この炎症に対して,ω3 が抗炎症作用を発揮し,うつを改善するのかもしれない.
ω6 であるアラキドン酸からは2 シリーズや 4 シリーズのエイコサノイドができるが,ω3からはそれぞれ 3 シリーズ,5 シリーズと,ω6 に比べて活性の弱いエイコサノイドが産生される.
例えば,ω3 由来のロイコトリエン B5 は,ω6 由来のロイコトリエン B4 に比べて,10 分の 1 から 100 分の 1 程度の効果しかない.
そのため ω3 が体内に相対的に増えると,結果的に炎症惹起が抑え込まれるようになる.
また,最近では EPA,DHAそのものが 5-リポキシゲナーゼなどの酵素によって,レゾルビン E1,レゾルビン E2,そして,レゾルビン D1~5,マレシン 1,ニューロプロテクティン D1 などの代謝産物ができ,抗炎症作用を発揮することが知られてきた.
その他の機序としては,脳内セロトニンやドパミン,脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor:BDNF),副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの調整,プロテインキナーゼ C の阻害,心拍変動の調節,樹枝状分枝とシナプス形成の亢進,神経細胞のアポトーシス抑制,脳血流量の改善などの関与が知られている.
6. おわりに
この分野は本格的な調査が始まってまだ間もなく,今後更に多くのエビデンスが蓄積されるものと思われる.
また,ω3 の介入試験に関しては,分野を問わず重篤な副作用はほとんど報告されておらず,安全性の面から高齢者,妊婦,小児といった対象への投与もしやすいと考えられる.
ただし,現時点において食・栄養介入が従来の向精神薬や精神療法に取って代わるほど効果的であるというエビデンスはない.
最近は日本での魚の摂取量が減っているが,今後,この分野での日本発の大規模なコホート研究や介入研究が報告されることを期待したい.
以上、論文(出典:メンタルヘルスにおけるω3系多価不飽和脂肪酸の役割 浜崎 景 2023年 158 巻 6 号 460-463)より
まとめ
疫学調査研究には限界があります。このケースでは緑線を引いた②部分がそれに当たります。
どういう事かと言うと、私は10日間チャレンジという食習慣をお勧めしていますが、この取り組みを大雑把に紹介すると次の通りとなります。
1.植物油(サラダ油や大豆油、菜種油、コーン油など)を使った「揚げる」「炒める」という調理を止め、リノール酸(オメガ6)の過剰摂取を大幅に減らす
2.植物油脂やトランス脂肪酸が入った加工食品や調味料(パンや冷凍食品、マヨネーズ、マーガリン、菓子類)を食べない。これもまた、リノール酸(オメガ6)の過剰摂取の原因となっている
3.天然魚の、特に青魚を毎日食べる。もしくは、サプリメントを利用する
上記でお分かりだと思いますが、疫学調査では個々人の食事内容まで詳しく調べることが困難です。
したがって、私は「ω3 の改善効果は認められなかった」ケースでは緑線を引いた①の部分が当てはまると考えています。
「α-リノレン酸が発症のリスクを抑えており,特にリノール酸(ω6)の摂取の少ない集団では更に効果が高かった」
オメガ3とオメガ6は競合する!
オメガ3とオメガ6は、細胞膜の主役であるリン脂質のsn-2部位(下図 不飽和脂肪酸部分)に取り込まれます。

重要なのは、同じ部位に〝競合して″取り込まれていること。争ってその部位に取り込まれる上で、体内にはオメガ6を優先して取り込む酵素も存在します。つまり、オメガ3は初めからハンディを背負っており、私はこれを次のように例えています。
椅子の周囲にオメガ6、その外にオメガ3が周った状態で椅子取りゲームをしている。
こんな状況ですから、リノール酸の過剰摂取が続けば、椅子の周囲をリノール酸がグルリと囲みますから、オメガ3がリン脂質に取り込む余地はありません。
自覚はできませんが、炒め物や揚げ物をよく食べるなら〝超″リノール酸過剰摂取状態です。
また、問題なのは次のいずれかひとつでも当てはまれば〝超″リノール酸過剰摂取であるという事実です。
☑ 市販のパン(食パンやサンドウィッチ、菓子パンなど)をよく食べる
☑ ポテトチップスやジャガリコなど、スナック菓子をよく食べる
☑ マーガリンやマヨネーズを使っている
☑ 市販のカレールー、シチューのルーを使っている。
☑ ファーストフードや安価な外食チェーに行くことが多い
☑ 市販の菓子(チョコレートやグミ、クッキーなど)を食べる
☑ 1日3食食べる
信じられないかもしれませんが、1日3食という習慣で〝すでに″オメガ6は過剰摂取状態です。したがって、日本人の95%以上はオメガ6を超過剰に摂取しているのが事実です。
脂溶性であるが故
必須脂肪酸は脂溶性です。また、脂溶性ですから脳を含め、脂質に蓄積します。それが故、リノール酸過剰摂取が続けば続くほど、細胞膜中のリノール酸も過剰に蓄積していきます。さらに、脳にはアラキドン酸(リノール酸より変換されて)が過剰に蓄積します。
ここでのポイントは、オメガ6は炎症を生じる脂質メディエーターを産生すること。また、各種臓器は細胞で構成されますから、細胞膜中のオメガ6が増えれば増えるほど臓器は慢性炎症を生じることになります。そして、臓器の慢性炎症が続けば病気となります。
炎症が生じると浮腫みが…炎症が生じたとき、その周囲の血管が拡張し、そこから血漿成分が漏れ出します。
慢性炎症状態となれば、この働きが常態化し浮腫みが生じることになります。これが足の浮腫みなどの原因となります。詳しくは以下をお読みください。
・30日で足が「むくまない体質」にする方法!: 「生活の質を高める実践栄養学」がすすめる足の浮腫み解消法とは?
また、あまり知られていませんが、慢性的な浮腫みは「朝起きられない病気(起立性調節障害)」の原因となります。詳しくは以下をお読みください。
・30日で朝「スッキリ目覚める」体質にする方法!: もう、起立性調節障害で悩む必要はありません。
この点を理解した上で、さらなる重要な
事実をご確認ください。
脂質はエネルギー源となるが…
他の脂質と同じく、オメガ3やオメガ6は1グラム当たり約9キロカロリーを得ることができる効率的な体のエネルギー源となります。が、そこで次のような問題が生じます。
実は、体がエネルギー源として脂質を使うとき、最優先されてしまうのがオメガ3脂肪酸です。
前述した通り、オメガ6はオメガ3に優先されてリン脂質に取り込まれます。しかも、オメガ6に優先してオメガ3がエネルギー源として消費されてしまいます。
つまり、オメガ6はより容易に体に蓄積する一方で、オメガ3は努力しないと容易に不足します。
この事実は、オメガ6とオメガ3の摂取バランスが如何に重要であるか?ご理解いただけたことでしょう。
最後に、オメガ6過剰摂取はさまざまな病気のトリガーとなりますが、女性・男性のいずれにも不妊の原因となることを強調してこの記事を終えます。詳しくは以下をお読みください。





