脂肪が腸内細菌叢に与える影響 – オリーブ油は体に良い!そう猛進しているなら必見です
脂肪も栄養素。ってことを忘れているヒトが少なくないようです。
「(脂肪は)太る!」
というイメージがありますからね。
でも、脂肪は三大栄養素のひとつです。また、脂肪は細胞膜の主要構成成分です。これなしに細胞が構成できませんから、ある意味最も重要な栄養素が脂肪です。
それほど重要な栄養素だからでしょうか?
摂取する脂肪の量と質が驚くほど健康に影響を与えますのでご紹介しましょう。
飽和脂肪酸が腸内細菌叢に与える影響
飽和脂肪酸は動物性脂肪や乳製品に多く含まれる脂質のひとつです。摂り過ぎが生活習慣病のリスクを高めるため、1日の摂取カロリーの7%未満とすることが推奨されています。
食物性脂肪については,その量と質のいずれも腸内細菌叢の組成や宿主代謝機能に影響を与える.
たとえば,マウスにおいて,飽和脂肪酸(SFA)を多く含む食事がBilophila wadsworthiaのような硫酸還元菌を増加させ,それによって産生された高濃度の硫化物が腸管ムチン層の溶解を引き起こし,実験的腸炎の病態を増悪させることが示唆されている.
・腸内細菌叢に影響を与える食事因子 食事は腸内細菌叢を介して宿主生理機能を変化させる 山口 元輝, 金 倫基 2022年 60 巻 4 号 156-160 より引用
毎日肉や乳製品を摂り続けると硫酸還元菌が増加。そんな状態で硫黄の含有量が多い卵や玉ねぎ、ニラ、ニンニクなどを食べると…
ものすごーーーーく、オナラが臭くなります。
また、硫化物がムチン層の溶解に繋がりますから、そこに腸壁に陰窩(微小な「くぼみ」や「穴」)が生じます。そして大腸ガンは、その陰窩の底にある細胞から発症することが多いことはよく知られた事実です。
オリーブオイルが腸内細菌叢に与える影響
「オリーブオイルは体に良い」と、未だにジャブジャブ揚げ物や炒め物に使っているヒトが多いようです。
エキストラバージンオリーブオイルに含まれるオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸(MUFA)が豊富な食事を摂ったヒトでは,Parabacteroides, Prevotella, Turicibacter属菌やnterobacteriaceae科が増加し,Bifidobacterium属菌が減少する傾向があることが報告されている.
・腸内細菌叢に影響を与える食事因子 食事は腸内細菌叢を介して宿主生理機能を変化させる 山口 元輝, 金 倫基 2022年 60 巻 4 号 156-160 より引用
まず、青字で示したBifidobacterium属菌の減少ですが、これは代表的な善玉菌(ビフィズス菌)のひとつです。オリーブオイルは善玉菌を減らす傾向があります。
続いて黒字太文字ですが、Prevotella(プレボテラ)属は腸内環境が良好であれば問題ありませんが、腸の炎症を引き起こす要因(ディスバイオーシス)と結びつくこともあります。さて、代表的な善玉菌が減っていますが、果たして腸内環境は良好なのでしょうか?
続いてParabacteroides(パラバクテロイデス)属ですが、これは主に動物性脂肪の多い食事で増加することが知られており、胆汁酸耐性が高い菌です。Turicibacter(ツリシバクター)属は腸内の炎症状態や、高脂肪食などの食事内容に反応して変動しやすい菌群です。Enterobacteriaceae(エンテロバクター)科大腸菌やサルモネラ菌などが含まれるグループです。この菌群の増加は、腸内の微小な炎症や腸内環境の乱れを示唆する典型的なサインの一つです。
これらを総合すると、オリーブオイルを摂ると善玉菌が減少し、炎症を促す流れとなるのですが、果たしてジャブジャブ使い続けてよいものなのでしょうか?
オリーブオイルと大腸ガン
オリーブオイルは脳卒中促進作用が認められていることをご存じでしょうか?また、ご覧の通り、大腸ガンの発生も促進します。
オリーブ油とカノーラ油は心疾患の二次予防に有効であることが示され、オリーブ油の健康イメージは高い。
しかし、両者には脳卒中促進(寿命短縮)作用があり、これが血栓性を抑えた可能性を指摘できる。そして、オリーブ油は大腸の化学発癌を異常に促進する。

・トランス脂肪酸 (水素添加植物油) の何が悪いのか 奥山 治美, 山田 和代, 他 2007年 16 巻 1 号 49-62 より引用
魚の摂取が腸内細菌叢に与える影響
以下は養殖魚はあてはまりませんよ。天然魚に限ります。
さらに,脂肪の多い魚に特に多く含まれているω3多価不飽和脂肪酸(PUFA)であるEPA(エイコサペンタエン酸)およびDHA(ドコサヘキサエン酸)のヒトへの摂取により,Bifidobacterium,Lactobacillus,酪酸産生菌であるRoseburia属菌が増加する傾向にあることが分かっている.
・腸内細菌叢に影響を与える食事因子 食事は腸内細菌叢を介して宿主生理機能を変化させる 山口 元輝, 金 倫基 2022年 60 巻 4 号 156-160 より引用
Bifidobacterium属菌はビフィズス菌、Lactobacillus(ラクトバチルス菌)は乳酸菌の一種で、糖を分解して乳酸を作り出す細長い棒状(桿菌)の善玉菌です。腸内や腟内では環境を酸性に保ち、有害な菌の増殖を抑えて健康をサポートしますが、口腔内では虫歯の進行を早めるという二面性があります。
Roseburia属菌は代表的な酪酸産生菌であり、大腸にとって最も重要な腸内細菌のひとつです。
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サバの水煮缶、大量に備えることをお勧めします。
肉や乳製品は、動物性タンパク質+飽和脂肪酸の両面から腸内細菌叢に悪影響を与えます。また、「炒める」「揚げる」調理で食べるなら、そこに植物油の面から腸内細菌叢に悪影響を与えた上で、抗生物質(飼育飼料中に含まれる)の弊害もあるという4重苦となることを忘れないでください。


