【知らなきゃ致命傷!】最強のとんかつチェーンの社長がテレビで語らなかった不都合な真実とは?
「他のお店と比べ、とんかつの衣のサクサク感がすごい!」
日曜日のことですが、夕飯を食べながら「坂上&指原のつぶれない店」という番組を見ました。なぜ、こんな番組を見たのかというと、「最強とんかつチェーン」と称してあるとんかつチェーンが紹介されていたからです。
最強とんかつチェーン「かつや」社長登場!激安とんかつを実現する常識破り戦略とは!?
「サラリーマンに大人気、とんかつチェーンかつやを徹底調査!
490円のかつ丼が、あるテクニックで390円に!しかも、無限ループで食べられちゃう。
『めちゃくちゃおいしいです!』(指原)
安さの秘密はとんかつ店では当たり前の4つのことをやめた!
『確かに!なくてもいいよな…』(ヒロミ)」
あの太った内山君が確か…「俺、昨日も食ったんです!」みたいなことを言っていたと思いますが、この最強とんかつチェーンのとんかつ、テレビの映像から見た目にも衣のサクサク感が他のとんかつと違うのがわかりました。
それを見て、私は思わずつぶやきました。
あ~、これでまた頭がおかしくなっちゃう人や病気の人が増えちゃうな~
安さ実現のためになくした4つの当たり前
このとんかつチェーン店では、安さを実現するために4つの当たり前をなくしたそうです。
2.職人ではなく機械で揚げる
3.食用油の交換をなくした
4.肉の輸送方法を変えた
1.あったら良いをなくした
このとんかつチェーン店では次の3つの「当たり前」をやめたそうです。(まあ、これはどうでもいいのですが…)
・漬物の小鉢をやめた
・からしをやめた(使いたい人が使えるようにした)
・飾りニンジンをやめた
漬物も好き嫌いがあるし、からしも人により使う量が違います。そこで、漬物が入った壺を、からしも小さなパックをテーブルに置いて使いたい人が使いたいだけ使えるようにしました。
こういったことにより、当初のロースかつ定食を90円も安く販売することができるようになったそうです。
2.職人ではなく機械で揚げる
一般に、うまくとんかつを揚げることができるようになるには10年かかると言われています。が、安価なチェーン店でそんな余裕はありません。そのため、この会社ではオートフライヤーと呼ばれる機械でとんかつを揚げています。そのため、どのとんかつを食べても揚げ加減は変わらないことになります。
まあ、これはいいのですが、問題は次の点です。
3.食用油の交換をなくした
オートフライヤーと呼ばれる食用油のろ過機の機能は、次のように語られています。
ずっと新しい油を使いたいけど、原価とのバランスが。もう、そんな心配はいりません。
ろ過機を利用することで常に綺麗な油で調理することができます。
臭いと色と酸価値を驚くほどに取り除き、油を再利用するたけではなく、その油をポンプで吸い上げて洗浄することによって、フライヤーの掃除がとても容易になります。揚げカスなども、ポンプで洗い流すことでとても時間を短縮し、綺麗にできます。
さらに自動フライヤーを使えば、時間と温度を設定し、あとは自動で揚げてくれるため失敗なく調理することが可能です。
「食用油をろ過して使いまわしている!」
このとんかつチェーン店の社長は、自慢げにこの事実をテレビで話していました。
ほとんどの人はこの話を「ふ~ん」というレベルで聞いていたのだと思いますが、知っている人が聞いたら身震いをしたことでしょう。
食用油を使いまわすと何が起きるのか?
外食産業で働いた方ならわかると思いますが、食用油を長時間熱すると油の色が変色して使えば使うほど茶色くなります。これは、食用油が劣化したことを意味します。
食用油の劣化で一般に語られることとは?
食用油の劣化が進むと、油から酷い臭いと油煙が発生します。この劣化した油で調理した食材には、多くの発がん性物質を含みます。また、油煙は店舗の壁や床をベトベトとまとわりつきます。
また、食用油を揚げ物に使うと、油脂が高温で水と反応するために加水分解が起こります。これにより酸価が上昇しますし、油脂が自動酸化すると脂肪酸の炭素が切れてアルデヒドが生成されます。さらに、このアルデヒドが酸化してカルボン酸になることで酸価は上昇します。
このように、油脂の酸価は食用油の変質の指標となります。では、これを食べるとどうなるのか?
誰でも一度くらいあると思いますが、酸価が高い揚げ物を食べると胃もたれやムカつきが起きます。このとき、私たちが想像している以上に胃が荒れることになります。
このとんかつチェーン店がやっているのは?
通常、食用油を揚げ物に使えば劣化するため、油を交換する必要があります。しかし、このとんかつチェーン店では特殊なろ過装置を使い、食用油の交換をする必要をなくしたそうです。
ろ過装置に入った酸化マグネシウムが酸性になった油を中性に戻し、同じく二酸化ケイ素が油の汚れを取り、もとのきれいな油の色に戻してくれます。
と言っていますが、これはまやかしにすぎません。
食用油の不純物を取り除いていますが、ろ過をどれだけ繰り返そうが熱せられた食用油はひどく劣化しています。つまり、この会社がやっているのはコストカットのためであり、決してお客様のことを考えた上での行動ではありません。(まあ、知らないのかもしれませんが…)
食用油とはサラダ油のこと!
サラダ油は植物性の油で、数十年前から「体に良い油!」として広く普及してきました。そんなサラダ油には多くの種類があり、原料としてトウモロコシや大豆、菜種、綿実、ゴマ、ひまわり、紅花、米、落花生など様々な食材から製造されています。
日本では、この9種類の原材料のうち、いずれかを用いた油を総称して「サラダ油」と呼んでいます。低価格の外食産業で使われるのは、これらサラダ油の中でも低品質のものが使われています。
安価な食用油はヘキサン処理で抽出される!
油は、元来「圧搾(あっさく)」、つまり圧力をかけて搾りとっていました。しかし、これでは7割程度しか有効成分が抽出できません。効率が悪いので、ヘキサン利用で99%以上も抽出できるようなっています。
「加工食品には秘密がある」(メラニー:ウォーナー 草思社)によると、大豆油中のヘキサン残留率が0.005%に達することもめずらしくないそうです。
このヘキサンはガソリンに多く含まれ、灯油のような臭いがする液体です。また、ヘキサンにわずか10分~15分さらされるだけで、めまいや頭痛、吐き気、目や呼吸器系上部の刺激症状が現れます。
2012年、アップルは、中国のiphoneの生産工場で働く中国人労働者作業員137人が、ヘキサンで液晶画面などの洗浄をさせて中毒を起こしていたことを正式に認めました。ヘキサン中毒では手足のしびれや脱力などの症状が見られ、重症になると歩行困難などを起こります。
このように、安価な油には何らかの有機溶剤が残留している可能性があります。
植物油(サラダ油)の正体とは?
ヘキサンで抽出された植物油は、続いて不純物が除去されます。次に、ろ過をすることで脱色し塩酸で処理され、ここまでの過程ですべての色素が取り除かれ、摂氏260度の真空中で脱臭します。
このふたつの過程でビタミンEや食物繊維などの栄養素も〝ことごとく″取り除かれます。また、保存料を加えられ「透明」で「無味無臭」、「ほぼ栄養ゼロ」のサラダ油が完成します。
栄養が〝ほぼ″ゼロとは?
「栄養ゼロ!」ではなく「ほぼ」とは、サラダ油には必須脂肪酸が豊富に含まれているからです。例えば、大豆油に含まれる多価不飽和脂肪酸はリノール酸が50%強、α‐リノレン酸が7%ほど含まれています。
多価不飽和脂肪酸は構造に二重結合を複数個もち、二重結合の構造式は一見とても頑丈そうですがとても不安定な物質です。
例えば、大豆油は加熱するとカンタンに崩壊します。加熱により容易に酸化され、時間ととともに酸敗(細菌や熱・水分などの作用を受けて酸化および分解する)し腐敗臭を放つようになります。その対策のため、大豆油はさらに加工されることになります。それが、「部分水素添加」です。
この技術により大豆油は安定化され、長持ちさせることができるようになりました。
事実、開封して時間が経過したサラダ油はいつまでたっても酸敗臭を放つことはありません。「部分水素添加」は、このように酸化を抑える働きがあります。
使いまわされた食用油のリノール酸やα-リノレン酸は?
子どもの大好物のひとつにトリの唐揚げやコロッケ、豚カツなど「揚げ物」がありますが、これはサラダ油を高温で熱しています。したがって、サラダ油に含まれているリノール酸やα‐リノレン酸は確実に酸化されて過酸化脂質とともに、トランス脂肪酸を生成します。
リノール酸やα-リノレン酸は加熱でどんどんトランス型に…
大豆油に限らず、食用油(サラダ油)にはリノール酸とα-リノレン酸が含まれます。よくご覧いただくとわかりますが、リノール酸には二重結合がふたつ。α-リノレン酸には三つの二重結合があります。
先ほど、二重結合は容易に崩壊すると説明しましたが、構造の中に二重結合が多ければ多いほど加熱により容易に崩壊します。つまり、リノール酸よりα-リノレン酸はより酸化されやすい上に、トランス型に変換されることになります。
シス型とは?
天然の不飽和脂肪酸は、基本的にシス型構造をとっています。シス型とは下図の下側のように二重結合の片側だけに水素が添加している構造で、二重結合部で各々60度ずつ折れ曲がりふたつで120度に折れ曲がることになります。
しかし、加熱によりこの構造はトランス型に変換されます。すると、次のようにひとつの水素の位置が反対側に回ることになります。そのため、限りなく直線構造に近づくことになります。
加熱されて使いまわされた食用油では、α-リノレン酸はどんどんトランス型に変換されます。また、リノール酸もそれは同じです。したがって、長時間使いまわされた食用油ではトランス脂肪酸が大量に生成することになります。
サクサク感が半端ない!のが、このチェーン店のとんかつ
部分水素添加というのは簡単で便利な技術です。つける水素の数を増やせばマーガリンのように形を保つことができる上、簡単にパンに塗り伸ばすことができます。つける水素の数をもう少し減らせば、マヨネーズのように容器に詰めた上、簡単に押し出すほど適度な柔らかさを保つこともできます。
加工食品に混ぜるのも簡単です。クッキーに混ぜれば適度なサクサク感が演出できます。ケーキやパンなら、適度なフワフワ感も演出できます。カレーやシチューなら、適度なトロミを演出できます。
この番組で紹介されたチェーン店のとんかつは、画面からもそのサクサク感が半端ではないことがわかりました。また、食感もサクッとしていることでしょう。そして、その理由はもうお分かりでしょう。
このチェーン店の油はろ過して使いまわされ続けていますから、トランス脂肪酸の含有量が半端ではないからです。トランス脂肪酸の特徴は、含有量が多ければ多いほどサクッとした加工食品が作れることにあります。
トランス脂肪酸の規制が厳しいニューヨークでは?
このように、食品業界にとって部分水素添加はとても便利な技術でした。だからこそ、トランス脂肪酸が健康上の問題を引き起こしかねないことを認めたくなかったというのもわかる気がします。
ですが、すでに次のような現実がトランス脂肪酸の弊害を如実に語っています。
現在、アメリカ国内ではトランス脂肪酸が着々と排除されつつあり、特に規制が厳しいニューヨークでは、ここ10年で平均寿命が男性は13歳、女性は8歳も延びました。また、マーガリンはすでに使用禁止になっています。
また、揚げ物はこれらリノール酸や過酸化脂質、トランス脂肪酸を〝たっぷり〟吸い込みます。なお、サラダ油にはヘキサンの他にも毒性物質があるようです。
未知の有害物質も存在します!
「そのサラダ油が脳と体を壊している」(山嶋哲盛/ダイナミックセラーズ出版)で山嶋哲盛博士(医学博士/脳科学専門医)は次のような指摘もしています。
「サラダ油の主成分であるリノール酸を酸化して、神経細胞にダメージを与える『ヒドロキシノネナール』という毒物を作り出すからです。これまで、サラダ油は体に良いとされてきたのですが、それは大きな間違いでした。脳の神経細胞を破壊する有毒な『ヒドロキシノネナール』は、『サラダ油』を原料として活性酸素が作り出していたのです。」
これは食用油の生成時についての指摘ですが、一日中加熱して使いまわされている食用油ですから、このヒドロキシノネナールの生成も続くことになります。このように、植物油には未知の毒性物質がまだまだあるようです。
まとめ
使いまわされた食用油をろ過しても、取り除けるのは色と臭いだけにすぎません。トランス脂肪酸やヒドロキノネナールなど、体に有害な物質は減るどころか増え続けていることになります。そして、少なくともたっぷりトランス脂肪酸を含んだ食用油だからこそ、このとんかつはサクサク感が半端ではありません。
とんかつの衣は、これらをたっぷり吸い込んでいます。
重ねて知ってほしいことは、こういった外食チェーンで使われるパン粉も、パンですからマーガリンが入っていることです。
おそらく、このチェーン店の社長はこういった事実を御存じないのでしょう。悪気がないので、どうどうと「食用油をろ過して使いまわしています。」とテレビで放送したのだと思います。まあ、安価な外食チェーンはどこも同じレベルだとは思いますが…
ということで、少なくとも外食で揚げ物をとらないようにお勧めします。また、こんなものを食べていたら、起立性調節障害や発達障害、メニエール病、花粉症などのアレルギーが治ることはありません。後は、あなたの判断です!