大豆製品を中心とした健康的な食事は要注意! – ナッツ類も健康に良いがあなたには危険
イメージとは怖いものです。
「脂」と聞いたら、私は「ギトギト」という言葉を思い出します。他にも、太るといったあまりよくないイメージを持つ方がほとんではないでしょうか?
一方で、植物物語という製品名もあるように、「植物」という言葉が持つイメージは体に優しいイメージがあります。また、植物由来と聞くと「自然なもの」「刺激が少ない」など、負のイメージがありません。
サラダも同じですよね。赤と緑中心の鮮やかな色彩はとても健康的なイメージがします。
サラダ油は、植物やサラダが持つイメージを悪用したとんでもない商品だと私は確信していますが、そのネーミングの由来は以下のようです。
サラダ油の由来サラダ油という名前は、日清オイリオが「日清サラダ油」という商品名で販売したのが始まりで、その由来は次のとおりです。
・サラダ料理などに生でも使用できる食用油であること
・冷やしても固まらないほど精製の度合いを高めた良質の食用油であること
脂肪は栄養です!
栄養と言ったらビタミンやミネラル、アミノ酸は誰もが思いつくことでしょう。一方で、ほとんどの人は脂肪酸が栄養という意識は薄いようです。もちろん前者の不足は体の正常な代謝を妨げます。が、脂肪酸はそれ以上と言ってもそれほど言い過ぎではない健康効果を持っています。
必須脂肪酸とは?
脂肪は飽和脂肪酸と、その構造に二重結合をもつ不飽和脂肪酸に分けられます。また、不飽和脂肪酸は、その構造にひとつだけ二重結合を持つ一価不飽和脂肪酸と2つ以上二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸に分けられます。
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が体内で合成されます。また、食事から飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を摂った時、体内での合成量は減少します。
一方、多価不飽和脂肪酸は体内で合成できませんが、多価不飽和脂肪酸は体内で健康維持の働きをするため必ず食事から摂らなければいけません。そのため、多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれます。つまり、必須脂肪酸はとても重要な栄養素で、それにはオメガ6とオメガ3の2種類あります。
オメガ6の働き
私たちは誰もが一度くらいは風邪をひきますし、ケガで出血の経験もあるでしょう。そんな時に重要な働きをするのがオメガ6です。
例えば、私たちの免疫反応のトリガーはアラキドン酸(オメガ6)です。細胞膜からアラキドン酸が切り出され、アラキドン酸からプロスタグランジンやロイコトリエンといった生理活性物資が生じることで「異物の排除」といった一連の免疫反応が起きます。事実、アラキドン酸には次のような働きを持ちます。
・アラキドン酸(オメガ6):炎症を促す、血を固める、アレルギー促進
蚊に刺されれば腫れます(炎症)し、ケガで出血したら患部にカサブタ(血を固める)ができます。また、ホコリを吸い込めばクシャミ(アレルギー促進)が出ます。こういった体を守る反応の引き金となるのがアラキドン酸で、これが細胞膜から切り出されると免疫反応がスタートします。
オメガ3の働き
体内でのオメガ3はオメガ6と真逆の働きをします。
・オメガ3:炎症を鎮める、血液サラサラ、アレルギー抑制
ケガの出血もカサブタでふさがったらそれ以上は血を固める必要もありません。また、蚊に刺されて腫れても、異物の処理が終われば炎症を鎮める必要があります。
このように、オメガ3には免疫反応の収束を促す働きがあります。
大豆製品中心の健康的な食事の盲点とは?
食の西洋化により、アレルギーや糖尿病、動脈硬化、ガンなどの生活習慣病が増加しました。また、再三指摘していますが「起立性調節障害」や「発達障害」も生活習慣病であり、不登校やパワハラ、モラハラ、虐待などのハラスメントも私からすれば生活習慣病です。
「食が大事!」
そう氣づき、多くの女性がやってしまうのが大豆製品中心の健康的な食生活です。毎日魚を食べた上でならいいのですが、魚を食べる回数が少ないと思わぬリスクがありますのでご紹介します。
更年期障害の女性たち
「更年期障害は食事を改善すれば治る!」
30年くらい前から私はそう指摘してきましたが、そんな中で「改善したけど治らない!」と相談を申し込まれる方々がいました。そしてそんな人のほとんどが、大豆製品中心の食生活でした。
大豆製品:味噌汁、豆腐、きな粉、豆乳、おから
健康的な食材の追加としてよく摂られていたのがゴマ。
とくに食事を改善したのに悪くなった人たちが食べていたのが…
・豆乳にきな粉: ← ブームだったのか?すごく多かった
・おからのレシピ:おから煮物、おから団子、おから豆腐ナゲット、おから入りチヂミ、おから餃子、おからコロッケなど
・ナッツ類
実は、大豆製品はもちろん、ナッツやごまなどの種実類はとてもリノール酸が豊富です。そもそも、大豆油があるくらいですから。大豆油の半分以上がリノール酸です。
日本脂質学会が提唱する、理想的なオメガ6:オメガ3の摂取バランスを2:1を前提に大豆製品・ナッツ類の必須脂肪酸組成を確認してください。
大豆製品の脂肪酸組成
大豆100g中のリノール酸は8.84g、α-リノレン酸は1.54gで5.7:1です。
豆腐
代表的な大豆製品である豆腐。オメガ6:オメガ3=7.4:1
豆腐の厚揚げや油揚げだとさらにリノール酸が増え、摂取バランスが偏ります。
納豆
オメガ6:オメガ3=7.4:1
おから
おからのオメガ6:オメガ3=6.25:1ですが、おからのレシピで油を使う料理を食べていた人がすごく多かったという記憶があります。
おから煮物、おから団子、おから豆腐ナゲット、おから入りチヂミ、おから餃子、おからコロッケ。
このサイトで紹介されているおからの煮物などおから150gにサラダ油3杯が推奨されています。それ以外も油料理ですし、おからコロッケを作り置きされている方も多かった記憶があります。
豆乳
オメガ6:オメガ3=7.1:1
きな粉
オメガ6:オメガ3=5.9:1
豆乳+きな粉
豆乳100ml(リノール酸0.93)+きな粉5g(リノール酸0.6g)リノール酸1.5gです
他にもいろんなお菓子レシピがありますが、豆乳きなこでおおよそ1.5gのリノール酸(オメガ6)がとれてしまいます。
ごま
オメガ6:オメガ3=148:1
まあ、大量に食べる人はいませんので参考です。
大豆中心の和食を食べたとしたら…
仮に毎日豆腐と納豆を食べたとしましょう。白米100g中リノール酸0.3g、α-リノレン酸は0.01gです。おおよそ1杯が150gとすると、これだけで1日に必要なリノール酸の約半分4.9g摂れてしまいます。
それにおから50g食べれば約5.7gのリノール酸を摂ることになり、+豆乳1本で8.53gのリノール酸です。また、この時リノール酸:α-リノレン酸=9.58:1となります。
その上で魚を食べたとしたら…
大豆製品中心の食事の上で魚を100g食べたとしましょう。
納豆+豆腐+魚
ご覧の通り、イワシ100g食べたレベルではn-6:n-3=3:1。サバなら日本脂質学会推奨の2:1となります。
重要なので強調しておきますが、大豆製品中心の健康食にするなら魚を毎日食べる必要があることがお分かりになったと思います。
もし、きな粉や豆乳まで毎日食べているなら…
納豆に豆腐、おから、豆乳まで飲んでいたとしたら、サバを食べてもリカバリーできません。
重要なのは、この食事内容でリノール酸はイワシの場合で8.63g、サバで8.96gとなることです。必要量大人10gまで後1g程度です。また、仮に10gのリノール酸を摂ったとして、n-6:n-3を2:1とするならサバを毎日200g食べる必要があることが分かります。
強調しておきたいのは、このレベルの食事でオメガ6の必要量が〝ほぼ″とれてしまうこと。
先のようなおからのコロッケなどを食べれば10gを優に超えることになります。一方で、もし魚を食べなければ一般に健康的とされる大豆製品中心の食事も、体が慢性炎症を起こす元凶となることも容易に想像できることでしょう。
さらに、ナッツを食べていたとしたら…
クルミにα-リノレン酸が豊富。ということもあり、私は2年ほどナッツ類1袋(60g入)を毎日食べていました。何も考えていなかったという話です。が、あるお客様がナッツアレルギーだったことからピンときて調べてみました。
実が詰まっているので当たり前のことですが、種実類はα-リノレン酸が非常に少なくn-6:n-3=おおざっぱに100:1くらいと考えていいでしょう。したがって、ピスタチオブームがありましたが、あれは日本人の健康を損なう為に作り出されたものだったのでしょう。
したがって、一般の洋風な食生活をしている人がナッツ類を食べるのは非常に危険です。
私の場合、毎日魚を必ず食べた上で10日間チャレンジをやっていたから問題がなかったわけです。事実、ナッツ類を食べていた当時の私の血液中のオメガ6:オメガ3は3.1:1でした。
※ 繰り返しますが、私は最後に魚を食べなかった日はいつ?と聞かれたら、「少なくとも15年以上前だと思う…」と答えるほど魚好きです。
ナッツ類60gでおおざっぱに10g程度のリノール酸を摂ることになるのでしょうから。一般の人なら病気にならないわけがありません。
また、確かにクルミは種実類の中で唯一オメガ3(α-リノレン酸)が豊富です。が、その5倍程度のリノール酸を含みます。よって、n-6:n-3=4.6:1レベルなのでオメガ3の供給源として食べることはお勧めできません。
まとめ
大豆製品は健康的。
ナッツ類も体に良い。
これは事実です。
ですが、偏ると弊害が生じることが理解いただけたと思います。
更年期障害に限らず、健康的な食生活にしているつもりでもオメガ6過剰はさまざまな病気の原因となります。また、メンタル面を大きく狂わせることになります。
最後に再度確認をしてください。
大豆製品をパパっと食べただけ。
たったそれだけで1日に必要なオメガ6のほとんどが摂れてしまう。粗食でも簡単に必要量が摂れてしまう。この事実を頭に入れ、献立を意識されるよう強くお勧めします。
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