鬼母!育児放棄(ネグレクト)は母性がないのか?我が子が嫌い!可愛くないと思うのは実は…
2020年7月、東京都大田区で女児が自宅に放置されて死亡した事件がありました。報道によると次のような育児放棄(ネグレクト)が繰り返されていたようです。
✓ 母親は事件前の約1カ月半、娘を一度も外出させた形跡がない
✓ 5月に3日間、娘を残して交際している男性に会いに鹿児島県へ行っている
✓ 6月上旬、同じく8日間鹿児島県に行っている
✓ 外出時は、娘が今から出られないように外にソファを置いていた
✓ 事件前にも娘を自宅に残してたびたびパチンコなどに出かけた
✓ 仕事や友人との飲食で帰宅が深夜になることがあった(「多い時で週1~2回は来て、いつも終電で帰っていた」母親が訪れていたバーの店長)
✓ 1年以上前から保育園に通っていなかった
この事件は特別なものではないようで、厚生労働省の発表では平成30年度における育児放棄(ネグレクト)は29474件もあったようです。
8月1日、平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)が厚生労働省から公表されました。件数は15万9850件で、前年度より2万6072件(19、5%)増え、過去最多を更新しました。
対応件数の内訳は、心理的虐待88,389 (55.3%)、身体的虐待40,256 (25.2%)、ネグレクト29,474 (18.4%)、性的虐待1,731 (1.1%)となっています。相談対応経路別件数は、件数が多い順に、警察等79,150(50%)、近隣・知人21,440(13%)、その他18,138(11%)、学校等11,449(7%)、家族11,178(7%)となっています。相談対応件数の主な増加理由は、心理的虐待に係る相談対応件数の増加、警察等からの通告の増加が指摘されています。
同時に公表された「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)」では、平成29年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日までの)間に、心中13人を含む65人の子どもが虐待で死亡したこと、死亡した子どもの年齢は、0歳が28人(53.8%)と最も多く、うち月齢0か月が14人(50%)であったことなどが報告されています。
一方で、この母親に関しては次のようなこともわかっています。
✓ ゴミ屋敷:空の菓子袋とペットボトルが散乱するゴミ溜めのような部屋
✓ 小学校の途中で児童養護施設に入っていて、高校を卒業するまでそこから通学していた
✓ 母親は幼少期から虐待が続き、それが明るみに出て両親が逮捕されている
さて、この事件を知ったあなたはどう思われたでしょうか?
とても悲しいし事件です。残酷だと思いますし、何より母親の無責任に腹が立ちます。なぜ、そこまでいい加減な子育てを…と、大半の人が感じていることでしょう。
一方で、この事件を知り、「きっと、このお母さんは子どものころ虐待を受けて育ったから…」と思われた方も少なからずいらっしゃると思います。私も記事を読みましたが、このお母さんは壮絶な虐待を受けていたようです。
でも、「虐待の連鎖!がこの事件の原因だ!」と、もしそう思われた方にはこの記事はとても重要です。
また、もしかしたらこの記事をお読みの方の中でも、「我が子が嫌い!」とか「我が子が可愛くない!」という方や育児放棄(ネグレクト)や精神的虐待を繰り返しいる方がいらっしゃるかもしれません。そんな方も、「なぜ、自分の子どもに愛情を持てないのか?」と、こころのどこかで悩み苦しんでいらっしゃる方も少なくないでしょう。
ならば、尚更この記事は重要です。最後までお読みいただき、今すぐ行動してください。
「知っている」と「わかる」は別物です!
「この母親も虐待を受けて施設育ち。愛情の与え方がわからなかったのだから…」
心理学をかじった方はこういった思考をされるようですが、私はこういった意見は本質を観ていない(見てるだけ)が故のものだと思っています。価値、真理、妥当性などの抽象概念を何らかの心理的作用として把握しようとする学問上の態度を心理主義と言います。
心理学を「知っている」から、「知っている」ことのみから物事を判断したくなる。その気持ちはわからないではありません。しかし、繰り返しますがそれは心理学という一面から見た判断にすぎません。つまり、「わかった」わけではなく単に「知っている」だけの話です。
「わかる」とは?
こういった事件に対して「虐待に至った背景はなんなのか?」とか「離婚した父親は?」、「社会的支援は?」などを知り総合的に判断すれば「わかる」のでしょうか?
この母親は任意段階の聴取では、「一緒にいた数日前から具合がわるくなりご飯を食べなくなった。セキをして苦しそうだった。」と、自分が鹿児島に行っていたにも関わらずウソの供述をしています。
また、「お茶やお菓子をいっぱい置いていったので死ぬとは思わなかった」、「もう少し早く帰るつもりだったが、飛行機が取れなかった」と言っています。
話が飛びますが、私は不登校の子どもについての相談をいただいたとき、ご両親に「子どもに不登校の理由を聞くのはムダですよ!」とお伝えしています。なぜなら、人は何かしらの質問をされたとき、その質問内容に応じて脳が働くからです。
不登校のケースなら、自分が学校に行かない理由を脳が勝手に考えます。例えば、「友達に仲間外れにされている(ような…)」とか「先生が僕のことばかり怒る(ような…)」などと答えます。そして、これは脳の防衛本能が働いたことによる思い付きの返事です。
では、その不登校の子どもの親がカウンセラーに相談したらどうなるでしょうか?
心理カウンセラーを訪ねた親は、心理学で救いを求めています。そのため、カウンセラーからの質問に対し、「カウンセラーが気に入るであろう返事」を脳が探します。「私の愛情が足りなかったのだと思います。」とか「父親が単身赴任で…」など、もう心理カウンセラーの思う壺です。
同じように、この事件の母親も、その場その場で思い付きの返事をしています。これが、防衛本能が働いた結果であることは明らかです。つまり、こういった類の情報では本質的な原因などわかるはずもありません。
重要なヒントとは?
実は、育児放棄(ネグレクト)という問題の本質を知るヒントが、このお母さんの言葉にあります。それは、「お茶やお菓子をいっぱい置いていったので死ぬとは思わなかった」という言葉です。
彼女は、「お菓子をいっぱい」と言っています。
このことから、この親子がテキトウなものを食べていたことが容易に想像できます。この親子がよくコンビニを利用していたことから、コンビニ弁当や粗悪な油を使われたお惣菜、外食産業などを利用していたことでしょう。つまり、彼女の脳の性能は落ちていました。
同じような話に、「別れた旦那が養育費を払ってくれない!」という問題があります。私のお客様にはシングルマザーが少なくありませんが、多くの父親が離婚後の養育費をケチります。自分の子どもでありながら、できる限り養育費を払おうとしません。そんな父親が離婚後どんな食生活を送るでしょうか?
想像するまでもありませんよね。
当然のことですが、離婚後の父親はさらに脳の性能が落ちることになります。それ故に、自分の子どものことも真剣に考えることができなくなり、決められていた養育費も払わなくなります。
母性とは?
「母性」は生まれ持った本能だ。多くの方は、そうカン違いされているようです。
例えば、私は神話の心理学でヘンゼルとグレーテルを題材にあることを語っていますが、この音声セミナーを聴いた女性から次のような感想をいただいています。
「ヘンゼルとグレーテルの話で本当は継母では無く実母であったということですが、実際に考えて自分達が生き延びる為に幼い我が子を危険にさらすであろうかということ。
ある程度の年齢になっていれば独立を促すであろうが、自分は食べないでも子供に与えようと思うのが母性では無いでしょうか?」 神話の心理学 ヘンゼルとグレーテル
このことからも、「母性は女性が生まれつきもっている」とカン違いされていることがわかります。
オメガ3欠乏マウスの母性行動への影響
サラダ油や植物油脂、トランス脂肪酸(マーガリンやショートニングなど)など、粗悪な油をとりすぎは母性行動に大きな影響を与えることがわかっています。
育児放棄(ネグレクト)
DHAやEPA、α-リノレン酸といったオメガ3系脂肪酸は、「母性」の発現にも重要な働きをします。たとえば、オメガ3脂肪酸が不足した母親マウスは育児放棄や虐待(食殺)をします。
ω3欠乏または正常の妊娠マウスの妊娠後期から出産後の行動を観察してみると、正常母獣は新生仔を出産し通常通り育仔したが、ω3欠乏母獣は食殺や育児放棄するものが30~40%観察された。
原馬 明子, 守口 徹「ω3系脂肪酸の脳機能への影響と周産期(妊娠期、授乳期)での重要性」2017(55); 8:553-558 より引用
ゴミ屋敷
「片付けや掃除ができません!私は発達障害だから…」
NHKの発達障害キャンペーンで、ある主婦がそう語っていましたが、とった油の影響は片付けや掃除、ゴミ屋敷といった問題にもつながります。
出産以降、正常母獣では新生仔への授乳のために大きく丈夫な巣を作成していたが、ω3欠乏母獣の巣は小さく粗雑なもので、育仔環境に大きな違いが見られた。
ω3欠乏の食殺した母獣に至っては、出産前からほとんど巣を作成しておらず、出産の準備すらできていない状態であった。
原馬 明子, 守口 徹「ω3系脂肪酸の脳機能への影響と周産期(妊娠期、授乳期)での重要性」2017(55); 8:553-558 より引用
冒頭の事件の家庭は「空の菓子袋とペットボトルが散乱するゴミ溜めのような部屋」ということですから、この母親は子育ての適切な環境を用意していません。
子どもへの愛着は?
「我が子が嫌い!」
「我が子が可愛くない!」
私もさまざまなご相談をいただいてきましたが、おおよそ20年前、はじめて虐待のご相談をいただいたときには驚きました。当時は「母性は女性が生まれつきもっている」と思い込んでいましたから、今この記事を読まれている方と同じレベルの認識でした。
しかし、そんなお母さん方も適切な栄養をとること。粗悪な油を排除すること。これらを適切に行うと、おおよそ10日で「子どもが可愛い!」と口にするようになるという事実を何度も目の当たりにしてきました。
また、不思議なもので、それまで母親を怖がり避けていた子どもも手の平を返したように母親に甘えるようになっていました。
巣から話した新生仔を回収する試験では、ω3欠乏母獣は正常母獣よりも新生仔の回収や保温行動までに時間を要し、新生仔への愛着が薄いことが考えられた。
原馬 明子, 守口 徹「ω3系脂肪酸の脳機能への影響と周産期(妊娠期、授乳期)での重要性」2017(55); 8:553-558 より引用
まとめ
人間はネズミやラットとは違う!
そう思われる方もいらっしゃるのかもしれません。しかし、脳や目、心臓など各種臓器に使われる脂肪酸は、臓器によって特徴がありますが種差はほとんどありません。例えば、脳や目にはDHAが豊富に使われていますが、人や猿、猫、ネズミ、カエルに至るまで共通しています。
このことから、各種脂肪酸は特別な生理活性作用があり、各種臓器に特異的に利用されていることが想像できます。また、ラットに見られた育児放棄や粗雑な巣の作成、食殺、子どもへの愛着などの特徴は決して見過ごせるものではありません。
さらに、事実として、こういった論文が発表される20年以上前から、私が偶然同じ理屈でモラハラや家庭内暴力(DV)、虐待といった問題を同じベクトルで解決策として提示してまいりました。また、その結果は今回の記事を読まれた想像通りのものでした。
「脳の栄養状態が最適化されれば、人は皆穏やかで明るい性格となる」
重要なのは、これは女性に限られた話ではないことです。
「ヘンゼルとグレーテル」の音声セミナーで、私は母性について語っています。ここでは、貧困が脳の栄養不足をもたらし、それが「子捨てにつながる!」という話はしていません。が、今回のお話で「栄養不足が子どもへの愛着を低下させる」ことはお分かりいただけたことでしょう。
つまり、母性も脳の栄養状態があってはじめて生まれるものだったのです。また、同じ栄養不足でも、育児放棄で終わるラットもいれば食殺にいたるラットもいるように、人間でも子どもへの接し方のレベルは人により違ってきます。単なる育児放棄(ネグレクト)で終わる親もいるし、精神的虐待や暴力といった問題に至る親もいます。
そして、これは父親も同じです。
記事中でも、離婚後の父親が養育費の支払いも渋るようになるというお話をご紹介しました。が、こんな記事を書いているタイミングで、タイムリーな体験談をいただきましたのでご紹介しましょう。
今回は旦那がお金をくれるようになりました。
結婚後お金の喧嘩が絶えず、生後間もない子供がいながらも離婚を考えている時期がありました。家にお金を入れる理由がわからないと言われ、子育てをしながら私の貯金で生活。他にも多々ありますが…
これがこの人の感覚なのだと諦め、数年たちましたが、少し前から旦那の収入だけで生活が出来る様になりました!
それだけでも有難い話なのに、毎月少しずつ返済していくと、生活費の他にもお金をくれるようになったのです。
予定はトータル数百万円です。私や子供の生活費でもあったわけですし、返済なんて思いもしませんでした。専業主婦で働いてもいないのにお金がもらえるなんて、夢のような体験です。よほど機嫌が良くなったのと、仕事が調子良くいっているのだと思います。
私がしてきた事は、〇〇を摂らせ続けてきた事、家で食べる時はなるべく添加物を使わない事です。
夢のような体験をさせてもらえてきましたが、今回の件は本当に驚きです。
同一人物なのにこれだけ違うので、お勧めできる商品です。
上記の体験談はご主人の経済的DVが栄養により問題解決したというお話です。が、この方もいろんなことでご苦労を重ねられたようで、一連の体験談を時系列で並べると多くの方のご参考になると考え以下のページでご紹介しております。
「感情が暴走していることすら自覚できなかった主婦と経済的DVをしていた夫の家庭の体験談」
お役立てください。(なお、体験談をお送りいただいた方には昨日7月20日にお礼をお送りしました。少なくとも22日は到着すると思いますのでポストをご確認ください。)