朝起きが苦手!起立性調節障害の本を書くことにしました。
「えっ、それだけ…、ですか…?」」
正直、私も驚いているくらいですから、聞いたお客様が冒頭のような反応をするのも自然なことでしょう。
「これで朝起きれるようになるから…」
繰り返しますが、この話を聞いたら誰もが「ポカン…?」とされます。
でも、それほどカンタンなことなのに、誰もが朝起きが楽になっています。
4月13日、ある中学2年生の男の子など、
「朝はまったく起きれません。頭痛や日中の吐き気、腹痛はまったくなくなりましたが、やはり朝
はダメです。いつまでかかるんでしょうか…?」
少々懐疑的になっていたお母さんに、私は伺いました。
「お母さん、〇〇ですか?」
「はい」
「じゃ、一緒に…」
「わかりました。(少々不満げに)」
5月2日、来店されると、
男の子
「4月20日の土曜から起きれるようになりました。もう、スッキリ起きれます。この間まで昼頃にならないと起きれなかったのに、たった1週間で起きれるなんてビックリです!」
お母さんもニコニコされて、
「私も驚きました。すごく楽になって…。でも、なぜこんなカンタンなことで起きれるようになるのでしょうか…?」
「それはね…」
お伝えしたい気持ちはあるのですが、残念ながらそれはできません。なぜなら、ヒトの体にはシステムがあるからです。
例えば、朝起きれないヒトは、次のような不調のいずれかを訴えるケースがほとんどです。
朝起きれないヒトが訴える体の不調
- 腹痛
- 吐き気
- 頭痛
- めまいや立ち眩み
- 食欲不振
- 顔の浮腫み
これは、すべて交感神経が過剰に働いていることを意味しています。
交感神経は自律神経のひとつで、アクセルの働きをします。つまり、交感神経は活動のときに働くわけで、この時に体内で血液の流れが変わります。
組織は、血液中の酸素や栄養を使ってエネルギーを生み出します。
したがって、活動するためには筋肉優先で血液を送り届ける必要があります。交感神経が働くとき、この流れが起きます。
一方で、活動中には消化器官の働きはあまり重要ではありません。例えば、100メートル走をしながら食べようとしたら、飲み込むことすらできないでしょう。おそらく、吐いてしまうことになります。
これは、消化器官に流れ込む血液量が少なくなったからであり、十分な活動をするに必要なエネルギーが作れないからです。
つまり、朝起きれないヒトの腹痛や吐き気とは、エネルギーをつくれない状態を意味します。
なぜ、交感神経が過剰に働くのか?
交感神経が緊張すると、副腎皮質からアドレナリンというホルモンが分泌されます。また、交感神経末端からはノルアドレナリンが分泌されます。そしてこれらは、それぞれ大雑把に次のような情動(感情)につながります。
- アドレナリン:不安・恐怖
- ノルアドレナリン:怒り・イライラ
起立性調節障害における情緒の問題とは?
朝起きれないヒトは、一般に情緒面に問題を抱えています。例えば…
- すぐに怒ったりスネタリする
- 家ではそんな態度なのに、外ではやたらとヒトに気を使う
- 勉強や宿題をなかなかやらない
- ゲームやスマホばかり
また、朝起こすお母さんに暴言を吐いたり、叩いたりするケースも少なからずあります。もちろん、彼らはそのことを覚えていません。
その理由もこれでお分かりでしょう。
アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが、不安やイライラといった感情を呼び覚ますことが些細なことでスネタリ怒ったりする原因です。
では、学校など家の外ではおとなしくなったり、ヒトに気を使うのはなぜでしょうか?
というと、それもまたホルモンの働きです。
実は、交感神経が強く緊張すると、ノルアドレナリンはアドレナリンに変換されます。つまり、「不安」や「恐怖」が強くなります。
学校や会社などに出かければ、誰もが家の中より緊張(本人はそう思わなくても)しますから、もともと緊張(交感神経が過剰に働いている)していればさらに緊張し、アドレナリンの影響を強く受けることになります。
そんなとき、誰もがガチガチになります。
例えば、私は極度の高所恐怖症でした。今はそれほどではなくなりましたが、それでも高い崖の側に近づくと明らかに体がガチガチになる感覚があります。おそらく、自分が苦手な状況のとき、誰もがそういった感覚を思い出せるのではないでしょうか。
苦手は不安と言い換えることができますからね。
交感神経が緊張する原因は?
朝起きれないのは、寝ているが眠れていないから。
これが私の結論です。
十分な睡眠がとれていないからこそ、脳が休むことができません。そのため、朝起きたときに脳が覚醒できない。また、その一因には脳の浮腫みもあります。
めまい&立ち眩みは、そんな脳の浮腫みが原因でしょう。したがって、一般的には朝起きれないヒトのめまいや立ち眩みは、午前中の方が多い傾向があります。
また、脳の浮腫みも少しずつ重力で下に移動します。そのため、午後から徐々に脳がエネルギーを作れるようになります。夕方になれば、それ相応にに浮腫みがとれていますから元気にもなります。
その一方で、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌は続いていますから、なかなか寝ようとしません。また、布団に入っても寝付けないケースがほとんどでしょう。
最低限必要なことは?
先のように、交感神経が緊張していれば胃腸の働きは悪くなっています。
食事をとれていても、十分な栄養がとれていないことは明らかです。また、朝起きれないヒトの多くは「偏食」です。好き嫌いが多いなら、低栄養であることに疑いがありません。すると…
実は、本能の中枢は脳の「視床下部」にありますが、ここは自律神経のコントールタワーでもあります。
つまり、低栄養は食欲という本能を満たせないことになります。また、低栄養であれば、それは次のようなイメージの状況となります。
「獲物がとれずに腹ペコで獰猛になっている動物」
腹を空かしたトラやライオンが獰猛になっている。なんとなくでもイメージできると思いますが、これは食欲を満たせないと交感神経が緊張するからです。また、獰猛であることもアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が原因です。
したがって、朝起きれないヒトの最低限の対処。また、入り口の対処は栄養状態の改善です。
こんなにカンタンなことで?
冒頭にご紹介した「こんなにカンタンなことで…」とは、栄養状態の改善をしていないと効かないどころか状況を悪化させることがあり得ます。
例えば、起立性調節障害のヒトで整体などに通っているケースは少なくないでしょう。でも、次の日には体がガチガチ。みたいなヒトがほとんどのはずです。
一方で、10日間チャレンジを試みたヒトは、整体に通うとだんだん体がほぐれていらっしゃいます。
この差も、先の話でお分かりだと思います。
低栄養の状況が改善すれば、視床下部の食欲という本能は満たされます。したがって、交感神経の過剰な緊張は和らぎます。
逆に、交感神経が緊張したままなら、いくらほぐしても視床下部の興奮は収まりません。そのため、ほぐしてもすぐに体はガチガチになります。
このシステムを前提にすると、「こんなカンタンなことで…」と誰もが口にするこのアプローチをお子さんが受け入れてくれない可能性が大です。また、受け入れたとしても、整体と同じで効果がでないどころか悪化する可能性があります。
そのため、残念ですが、ここでご紹介することはできません。また、今後もその紹介はできません。しかし…
まとめ
あまりにもあっけなく、それも驚くほどの効果がでていますので試してほしい気持ちでいっぱいです。この仕組みとアプローチに気づいたからこそ、私は起立性調節障害の本を書くと決めることができたくらいですから。
【追記】
2019年11月、本を書きあげました。
残念ながら、まだ出版社は決まっていません。ですが、Amazonから電子書籍は先行して出版しております。
著書レビューを読めばわかりますが、この本に書かれたことを行動に移せば‟わずか10日”程度で明確な改善が確認できることでしょう。なお、Amazonからも読めますが、以下のアンケートにお答えいただいた方には無料で読めるようにしました。
※ アンケートにご協力いただくと返信メールに「パスワード」が記載されております。以下のページよりパスワードを入力いただき、起立性調節障害の改善にお役立てください。
※ ドクターショッピングを続けている方は、せめて著書レビューだけはご確認いただくことをお勧めします。