突然の腹痛や下痢!過敏性大腸炎と起立性調節障害の関係とは?
「起きれるようになったら、過敏性腸症候群も治ってしまいました。なぜですか?」
実は、こののようなお話はよくあることです。というより、むしろ自然なお話です。
例えば、朝起きれない人は次のような問題を抱えているケースがほとんどです。
【体調面】
- 頭痛
- めまいや立ち眩み、車酔い
- 胃腸の不調
- 首や肩のこり
- 疲れ、だるさ
【精神面】
- 勉強をしない(手がつかない)
- 宿題もしない(手がつかない)
- イライラや落ち込み
- ゲームやスマホ依存
- 遅くまで起きている
ほとんどのご家庭では、これらを別の問題と捉えています。
- 「朝が起きれません!」
- 「宿題もしません!」
- 「ゲームばかりで…」
過敏性腸症候群とは?
ストレスがかかると腹痛が起こりトイレに駆け込むことになる。過敏性腸症候群は、検査をしても腸に異常は見つかりません。炎症や潰瘍といった異常がないのに、腹痛を伴う便通異常が起こる慢性の病気とされています。
過敏性腸症候群の診断基準
過敏性腸症候群の診断基準は、最近3カ月間、腹痛が週に1回以上起こった上で次の3つのうち2つがあてはまるとされています。
- 排便により症状が改善する
- 排便頻度の変化を伴う
- 便の形状の変化を伴う
便の形状変化とは?
- 下痢型:水分を十分に吸収できないで排便
- 便秘型:大腸がけいれんして狭くなり、便が通りにくくなる
- 混合型:下痢と便秘が起きる
腹痛が起きるきっかけはストレス!
突然お腹が痛くなるきっかけはストレスとされています。
胃腸など消化器官の活動は自律神経でコントロールされています。ストレスがかかると、自律神経が乱れ便通に異常が起こり、下痢や便秘につながります。そのため、専門家の方々は次のような当たり前の指摘をしています。
「日ごろからストレスをためないように注意し、自律神経のバランスを整える生活を心掛けること」
自律神経を安定させるには?
自律神経の働きを安定させる方法についても、専門家は次のような当たり前のことを口にします。
- 毎日同じ時間に起きる
- 同じ時間に食事をとる
- 同じ時間に寝る
- 体を動かす習慣をつくる
私が意識してるのは、この中で運動くらいのものです。仕事が忙しければ昼食をとれないことは度々ですし、出張中は夕食の時間もバラバラです。また、静岡にいれば寝る時間はほぼ同じですが、出張中はそれもバラバラです。
すでに自律神経の働きが乱れているからこそ過敏性腸症候群になる!
起立性調節障害と同じように、過敏性腸症候群の人もまた、下痢や腹痛といった部分にスポットライトをあてて語られている病気のひとつです。例えば、過敏性腸症候群の人たちには次のような傾向があります。
- 首や肩のコリ
- イライラや落ち込み
- 睡眠の質が悪い
なかなか眠れないとか、途中で目が覚める。朝が苦手といった方が過敏性腸症候群の人のほどんどは睡眠の質が悪くなっています。また、必ず体にコリが生じていますし、情緒面にも問題を抱えています。
つまり、はじめから情緒が乱れているからこそ、ストレスを感じやすくなっています。また、体にコリを生じているからこそ、もともと胃腸の働きが悪くなっています。
自律神経の働きを再確認しましょう!
自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつがあります。
- 交感神経:活動の働き。筋肉に血液が送られる一方で、胃腸や肌、末梢の血流は抑えられる。
- 副交感神経:リラックスの働き。胃腸や肌、末梢に血液が送られる一方で、筋肉への血液は抑えられる。
交感神経が働きすぎると…
自律神経の乱れとか、ストレスがかかると…、と言ったとき時は交感神経が過剰に働いています。このとき、血液の流れは筋肉優先となります。また、この状況が続くと、筋肉は無酸素でエネルギーを作ることになるため、組織に乳酸がたまりコリを生じることになります。
このコリをほぐすには有酸素運動が必要です。また、ビタミンB群やCが十分に必要となりますが、小冊子でご紹介しているようにこれらの栄養素はほとんどの人が不足しています。
有酸素運動はどれくらい必要か?
競泳のレースで100メートルを泳ぐと、選手は次のレースまでにおおよそ3000メートル以上泳ぐそうです。オリンピックなど、予選から決勝まで4レースくらいありますから、100×4+3000×4=120,400メートル以上泳ぐことになります。
これを前提にすれば、バタフライやクロールなど複数のレースをこなす萩野選手や池江選手など、ひとつの大会でどれくらい泳ぐのか想像もできません。しかし、これくらい有酸素運動をしなければ、筋肉に乳酸がたまってケガにつながります。また、乳酸がたまればはやく動けませんから、有酸素運動は必須となります。
では、ほとんど動いていないときはどうなのか?
というと、交感神経がもっとも働くときをイメージすればおおよその想像ができます。交感神経がもっとも働いているときとは、ドキッとしたとき。大きな音に驚いた時や、崖っぷちで身がすくんだ時。つまり体が硬直した状態です。
体にコリが生じ、乳酸がたまると筋肉がどんどん硬直します。そしてそれを放置すれば、必ずコリはひどくなります。また、コリがひどくなれば自然に交感神経は緊張します。
胃腸など消化器官はどんどん動けなくなる!
血液から栄養やブドウ糖、酸素が細胞に届いてはじめてエネルギーを作ることができます。逆に、十分な血液が届かなければ、エネルギーを作れなくなります。したがって、交感神経が働けば働くほど、胃腸の動きは悪くなります。
重要なのは、胃や腸といった臓器もまた筋肉が動くことで内容物を送っているという事実です。血流が抑えられ十分なエネルギーを作れなくなると、腸の筋肉も痙攣してうまく動けなくなったり狭くなったりします。
過敏性腸症候群の改善には?
以上のことから、過敏性腸症候群の改善に必要なことは大きくふたつであることがわかります。それは、
- 交感神経の緊張をほぐす
- 適切な栄養を補う
このふたつを同時に取り組めば、必ず過敏性腸症候群は改善します。
ただし、もんだりしてコリをほぐそうとしても、栄養が不足してたら交感神経の緊張は続きます。ですから、まずは栄養の摂取が重要です。さらに、ビタミンB群やCが不足すれば、乳酸を利用してエネルギーを作る回路が動かないことも忘れてはなりません。
もうひとつ重要なのは、植物油脂の排除です。オメガ6脂肪酸とトランス脂肪酸は必ず体に炎症を招きます。熱がでると体がコルように、植物油脂をとっていれば炎症を招きますから体は必ず緊張します。
まとめ
体が緊張すれば、必ず胃腸の動きは悪くなります。また、寝ているときに休まりませんから、眠りは浅くなります。さらに、交感神経の緊張は副腎からアドレナリンを、交感神経末端からはノルアドレナリンの分泌を促します。これが、情緒を乱す原因となります。
- アドレナリン:不安・恐怖
- ノルアドレナリン:怒り・イライラ
そして、情緒が混乱しているからこそ、人は些細なことに過敏になります。つまり、ストレスを感じやすくなります。
同じように、起立性調節障害の人たちは寝ているときにもこれらのホルモンが大量に分泌されています。朝起こしたときに不機嫌なのは、これらのホルモンの仕業です。
逆に言えば、これらのホルモンが大量に分泌されているからこそ、起立性調節障害の人は寝ているけど眠れていません。起こしても起きないことから深い睡眠だと思われているご家族が多いのですが、実は逆です。
ラグビー選手が試合中にケガをしても痛みを感じないように、これら興奮物質により脳は休むことができません。そのため、脳が覚醒できないのが起立性調節障害と考えていいでしょう。
なお、今現在、スタッフから「女性の悩みのひとつが、足の浮腫み」と5日前に聞き、「足が浮腫まない体質」にする本を書きはじめました。それが書き終わった後、起立性調節障害の本を書こうと考えています。首を長くしてお待ちください。