女の子の起立性調節障害とその母親にみられるアレルギーや浮腫み、目のトラブルの関係は?
起立性調節障害(OD)の患者にアレルギー症状発症率も高い。また、なかでも女の子に「浮腫み」が顕著に多い。私がこの事実に気づいたのは2015年の暮れのことでした。そして、2016年の春に小冊子「起立性調節障害が治らない本当の理由!」を書き、ODでお悩みの方ご家族の方にお役立ていただいてきました。
さらに、2019年の11月、それまでの実績をもとに「30日で朝『すっきり目覚める』体質にする方法!」という起立性調節障害改善のための実用書を書き、Amazonの電子書籍として出版しています。現在、ある出版社からオファーをいただき、商業出版ができるかどうか返事を待っている状態です。
現在、アンケートにご協力いただいた方(以下のフォーム)は、著書「30日で朝『すっきり目覚める』体質にする方法!」を無料で読めるようにしています。
※ お名前などは必要ありませんので安心してお申し込みください。
アンケートをとっている理由は強度近視について、私はある疑いをもっています。しかし、私は「心の問題」や「心の病」を中心にご相談をいただいてきたため、目のトラブルについての相談経験がありません。そもそも、目のトラブルについて、眼科医以外に相談する人などほとんどいないのではないでしょうか?
おそらくですが、強度近視も生活習慣病です。論文を読み漁っていますが、ほぼ間違いありません。しかも、強度近視発症のメカニズムは起立性調節障害発症と共通のメカニズムによります。
つまり、起立性調節障害を改善しないと強度近視はどんどん悪化することになります。これは失明のリスクが高まることになりますので、お悩みの方はぜひご協力ください。
ODの女の子とそのお母さんのアレルギー発症率
鼻炎や花粉症というと、すでに国民の半数近く(49%強)が発症しているようです。そのため、アレルギーとOD発症に共通のメカニズムが働いていることは、ほとんどの方が見逃しています。しかし、以下は45名のデータ(複数回答)ですが、ODの女の子が27名(60%)、そのお母さんが30名(66.7%)と優位に高い発症率です。
また、ODの女の子9名とお母さんの11名が「アレルギーはない」と答えています。逆に、36名(80%)の女の子と34名(75.6%)のお母さんはなんらかのアレルギーを発症しています。
ODの女の子とそのお母さんの浮腫み発症率
起立性調節障害では、胃腸の不調が現れるケースが多々あります。そのため、小食で痩せている子どもが少なくありません。また、極端な偏食であるケースも少なくありません。「浮腫みがない」という回答は、おそらくそういったケースだと想像しています。
その一方で、上半身は痩せているのに下半身が太いケースは少なくありません。以下のように、足が太いと回答したODの女の子は18名(40%)お母さんは19名(42.2%)もいます。また、足が浮腫むと答えたODの女の子は11名ですが、お母さんに至っては25名(55.6%)もいました。
さらに、顔が浮腫むや目元がポッテリするODの女の子が多いことがわかります。つまり、首より上が浮腫んでいることになります。
アレルギー発症のメカニズムが働くと、そこには必ず浮腫みが生じます。ODの女の子35名(77.8%)とお母さん33名(73.3%)に浮腫みが生じていますので、起立性調節障害と深く関連があることが想像できます。また、体質というより食生活が関わっているであろうことも容易に想像できると思います。
ODの女の子とそのお母さんにおける目のトラブル
アレルギー発症のメカニズムは炎症を招きます。それが結膜炎やドライアイ、目の痒みなどの原因となります。また、炎症が生じれば浮腫みが生じます。したがって、強度近視は炎症により目が浮腫み、眼軸が伸長した結果だと考えられます。
逆に、私のお客様には飛び出ていた目が、OD症状の改善とともに健康な人と同じような位置まで引っ込んでいます。このことからも、私の想像はほぼ間違いないと思われます。
強度近視はここ30年で増えているようですが、それでも発症率は1割程度とされています。しかし、ODの女の子は11名(24.4%)、お母さんに至っては13名(28.8%)の発症率です。このことからも、強度近視は生活習慣病と考えていいでしょう。
お母さんから聞いたODの女の子の様子
お母さんがアンケートにお答えいただいた、女の子のODの様子をご紹介します。なお、女の子のODは生理前や排卵期に症状が悪化します。また、低気圧などにも反応しますので、とくに生理前に天気が崩れると症状の悪化は顕著です。これは、女性の体が生理前に水をため込むことによります。
17歳 OD発症から10カ月
8時過ぎから起こし始める。一応返事はするが、30分~1時間おきに起こしても絶対に起きない。10時半頃からしつこく起こして、やっと11時~13時頃、ぼーっと起きてくる。
起きてもいつも眠そう。夜は元気。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症
✓ 浮腫み:足が太い
✓ 目のトラブル:強度近視・目の痒み
14歳 OD発症から3年
15分間隔で声をかけても、すぐ寝てしまう。
顔面蒼白で最近瞼が腫れが気になります。甘麦体そう湯を小児科で処方あり。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症
✓ 浮腫み:足が浮腫む・目元がポッテリ・足が太い
✓ 目のトラブル:ドライアイ・目の痒み
9歳 赤ちゃんの時からずっと起きない
しばらくゆすると目は覚ますが、起きたがらない。
12時間以上寝てもすっきり起きない
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・アトピー性皮膚炎
✓ 浮腫み:なし
✓ 目のトラブル:なし
15歳 OD発症から2年5カ月
たまに、早く起きれる日もありますが、ほとんど10時半以降でないと起きれない。起きてと声かけすると、うるさい!とか、怒り出す。
✓ アレルギー:なし
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
14歳 OD発症から1年5カ月
どんなに寝ても眠そうにしていてなかなか起き上がれない
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・喘息
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・目元がポッテリする・顔がパンパンに大きい・足が太い
✓ 目のトラブル:強度近視・目の痒み
15歳 OD発症から3年くらい
なかなか反応しない。
顔が蒼白。
立ちくらみで動けなくなる。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・アトピー性皮膚炎
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・目元がポッテリする
✓ 目のトラブル:ドライアイ
14歳 OD発症から半年くらい
ゆすっても、叩いても何度起こしても反応はあるが、起き上がれない。起きれてもしばらく座っている。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症
✓ 浮腫み:顔が腫れる・目元がポッテリする
✓ 目のトラブル:目の痒み
10歳 OD発症から6年
ゆすっても叩いても反応がない場合や、頭が痛くて起きれなかったり、お腹の調子が悪くて起きれなかったりします。でも、朝の10時過ぎぐらいには、回復して、途中から学校に行くことが多かったです。
✓ アレルギー:喘息
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・目元がポッテリする・顔がパンパンに大きい・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
15歳 OD発症から1年2カ月
ゆすっても反応がなく、反応かある時は暴言をはいて暴れますが全く覚えていない。
✓ アレルギー:なし
✓ 浮腫み:足が浮腫む・足が太い
✓ 目のトラブル:ドライアイ・目の痒み
14歳 OD発症から7カ月
何をしても反応なく、14時頃に早ければ起きて来る。酷い時は、17時に起きて少ししたら、また寝る。そして22時近くに起きる。とにかくだるさと頭痛をうったえる。
✓ アレルギー:なし
✓ 浮腫み:足が浮腫む・目元がポッテリ・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
14歳 OD発症から4カ月
何度か声をかけて反応はありますが、直ぐに眠りに入ってます。起きてもボーッとして座ってます。
病院で検査してもらい、サブタイプと診断されましたが、とにかく頭痛とふらつきがしんどいと言っているので、色々調べてここにたどり着きました。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症
✓ 浮腫み:顔が腫れる・目元がポッテリ
✓ 目のトラブル:目の痒み
12歳 OD発症から4年
何度もゆすってやっと起きる。起きてからもボーッとしている。床でゴロゴロしてまた寝てしまうこともある。
最近は、立ちくらみが毎日の様におき私(母親)の仕事にも支障をきたしている状況。
頭痛・腹痛・めまいが頻回に起きるため昨年は週に2、3回は保健室から呼び出しがあり迎えに行ってた。
小児科で相談しても鎮痛剤を処方されるのみで、めまいの時は症状が治るまで何も出来ない。動き方等を気をつけているが、トイレやお風呂で倒れる事が増えているため回避する方法があれば教えて頂きたい。現在は、動作をゆっくりする事と水分をこまめに摂る事を心掛けています。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・喘息・蕁麻疹
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・顔がパンパンに大きい・足が太い
✓ 目のトラブル:強度近視・目の痒み
11歳 OD発症から3~4年
何度も声を掛けて、4、5回目くらいに体を揺らして起こす。
セカンドオピニオンで起立性調節障害、偏頭痛と言われましたが、特に何の治療もしていません。急に症状が出るので登校後に直ぐ保健室に行く事が度々ありました。
また、家でも急にめまい、頭痛、吐き気が起こります。最近では、入浴中必ず具合が悪くなります。どうしたら良いのでしょうか?
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・喘息
✓ 浮腫み:顔が腫れる・目元がポッテリ・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
16歳 OD発症から1年
何度も部屋に行き、声をかける。
本人も体を起こしているが、目は開けられず、目を閉じたままどうにか体を起こしている様子。歩いて階段を降りリビングに来たらとりあえずソファで横になり、寝てしまう。
どうにかぎりぎり間に合うように家を出て登校していたが、学期に20日ほど遅刻している状況。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・喘息
✓ 浮腫み:顔が腫れる・目元がポッテリ・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
17歳 OD発症から2カ月
学校がある時は 5:30くらいには起きていたのだが、コロナで休校になり、受験勉強で夜遅くまで勉強していて昼夜逆転しているようです。12~16時間くらい寝て、夕方に起きるという生活で、学校が始まるのが心配です。
光時計も考えましたが、このページを開くと、娘の寝ている様子が同じようなので、この療法が合うのかも知れないと興味を持ちました。
いくら起こしても起きず、起こした事を覚えていないし、死んだように寝ています。寝室から起きて来ても、リビングのソファーでまたゴロゴロしています。
✓ アレルギー:鼻炎・アトピー性皮膚炎
✓ 浮腫み:なし
✓ 目のトラブル:目の痒み
18歳 OD発症から1年半
顔色が白く、意識を失っているように反応がない。うまく喋れない時もある。全身が重い、頭が痛い。起きてもぼーっとして頭がまわらない。
✓ アレルギー:花粉症
✓ 浮腫み:顔が腫れる・足が浮腫む・目元がポッテリ・顔がパンパンに大きい・足が太い
✓ 目のトラブル:なし
17歳 OD発症から2年
起こしても反応するがすぐ眠ってしまう。無理に起こすと機嫌が悪く、ぼんやりしている。
✓ アレルギー:花粉症・喘息
✓ 浮腫み:なし
✓ 目のトラブル:なし
10歳 OD発症から1年
起こしても無反応。起きるとボーッとしている。頭痛や腹痛を訴える。
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症・喘息
✓ 浮腫み:目元がポッテリ
✓ 目のトラブル:目の痒み
15歳 OD発症から1年
起こすと返事はするが本人は覚えていない。
起きて来ても2度寝したりすぐには動けずボーッとしていたりする。
✓ アレルギー:なし
✓ 浮腫み:顔が腫れる
✓ 目のトラブル:ドライアイ
14歳 OD発症から2年
思春期に入り、だんだん朝起きれなくなりました。すっきり目覚めることができた日は、本人も機嫌がよいです。
夜、早く寝ても、同様の結果です。
本人、花粉症、鼻炎がありますが、特に通院して、投薬しているまでではありません。また、浮腫は、見た目にわかるほどではありませんが、本人は気にして浮腫対策のソックスを履いて寝ています。
とにかく、朝、揺すっても、大きな音を立てても、死んだように眠り続けます。父親も同様でそっくりです。大学のころ、2日間寝てしまったこともあるみたいです。一日、娘は、10時間は寝ています
✓ アレルギー:鼻炎・花粉症
✓ 浮腫み:足が浮腫む
✓ 目のトラブル:強度近視
12歳 OD発症から3年
就寝時間に関係なく 起こさなければ休日は正午すぎに起きます。起こしても全然起きません。
学校がある日は三段階大音量で鳴り響く目覚ましにも動じずスヤスヤ寝ていますが 家族全員で代わる代わる起こしてなんとか間に合っている日々です。
昨年より血圧が低いことをきっかけに小児科OD外来を受診しています。
✓ アレルギー:アトピー性皮膚炎
✓ 浮腫み:顔が腫れる・目元がポッテリ
✓ 目のトラブル:なし
まとめ
繰り返しますが、起立性調節障害は生活習慣病です。したがって、家庭で治療が可能です。それも、適切な対処をすればおおよそ10日で明確な改善が見られます。ただし、それを改善と認めるかどうか?はご両親次第です。
「朝起きられない」
そのため、朝起こすことにお母さんが苦労していることは理解できます。しかし、子どもたちは頭痛や腹痛、吐き気、めまい、立ちくらみ、倦怠感など人によりさまざまな不調で苦しんでいます。また、不機嫌な振る舞い(暴言や暴力、イライラ、すぐ怒る、落ち込む、ネガティブ)に終始しているケースがほとんどです。
そんな精神状態ですから、どうしても前向きな行動ができません。勉強をしなければいけないことは彼ら彼女らは自覚しています。でも、精神状態がそんなですから集中できません。そのため、ゲームや動画、スマホなどに逃げています。宿題になかなか手が付けられないのも精神状態が原因です。つまり…
✓ 朝起きられないこと
✓ 頭痛や腹痛、吐き気、めまい、立ちくらみ、倦怠感など体の不調
✓ イライラや落ち込み、暴言などの精神状態
これらを同じベクトルで見てあげましょう。
どこから改善するのか?人により違います。あっさり数日で朝起きてくるようになるケースもありますが、そうでないケースもあります。そして、そうでないケースであっても「笑顔が増えた」とか「イライラしてもその時間が短くなった」という姿があれば、それは改善している証拠です。
体調不良も同じで、たとえ朝起きられないままであっても頭痛や腹痛などの程度が軽くなっていれば、それを改善していると判断してください。そしてこのとき、精神状態も必ず改善しているはずです。
残念ながら、多くのご両親はこれらをすべて「点」で捉えているようです。
「朝起きられない」
これがお子さんのすべてではありません。もちろん、「朝起きると頭が痛い」というのも部分にすぎません。「腹痛」や「イライラ」、「ゲームばかり」というのも部分です。
「それはわかっている!」と思われているでしょうが、でもその部分にご両親が反応していないでしょうか?
親という字は「木」の上に「立」って「見」ると書きます。したがって、私は子どものことで悩むご両親に「鷹になった気分で子どもを観て」とアドバイスすることにしています。
木から降りて子どもと見る(反応)するのではなく、上空100メートルから子どもを「観て」みましょう。きっと、子どもの見え方が変わるはずです。
現在、アンケートにご協力いただいた方(以下のフォーム)は、著書「30日で朝『すっきり目覚める』体質にする方法!」を無料で読めるようにしています。ぜひご協力ください。
※ お名前などは必要ありませんので安心してお申し込みください。