いま、世界中で「近視の激増」に対する懸念が広がっていることをご存じだろうか。〝近視パンデミック″とも呼ばれるこの問題で、オーストラリアの視覚研究所は、2010年に約20憶人だった近視人口が、2050年には世界人口の約半分の50憶人になると予測している。しかも、そのうちの9億3800万人は失明リスクのある強度近視になるとの推計だ。
日本も例外ではなく、視力の悪い子が増加している。19年度の「学校保健統計調査」(文部科学省)によると、裸眼視力1.0未満の割合は小学生が34.57%、中学生が57.47%、高校生が67.64%、小中高の全てで過去最高を記録した。
医療の現場では長らく、近視は仕方がない、眼鏡で矯正すればいいとの考え方が主流だった。だが、大人になったら進行が止まると考えられていた近視が、成人しても進行するケースが明らかになってきている(中略)