乳がんと診断されるヒトが年間約97,000人もいることをご存じでしたか?あのせいかな…

「ご家族や親戚がガンになったというお客様が増えているな~」

私がそう思ったのは2024年の春。

というのも、ガンの診断を受けたヒトの2割近くが「前年度の検査では問題が無かった」のが、今回「検査したらステージⅣ」と、「ガンの進行が(私の常識では)異常に早いな~」と思ったことがキッカケでした。

その後、アメリカで発表された「コロナワクチンとがんについて」の報道「2020年12月、いち早くコロナワクチンの接種が始まった米国から、その1年後の2021年12月にがん患者が急増していたと米国政府機関から発表されました。」を知り、納得しました。

この記事では、ほとんどのヒトがガン発症と進行を促す食事を食べていることをご紹介します。

女性の乳がん

女性が発症するガンの約2割(22%程度)を占めるのが乳がん。

ご覧の通り、2009年から2023年でおおよそ2倍の患者数と、女性のがんで圧倒的に患者数が増えています。

現在,2人に1人の割合でがんに罹患するといわれるが,女性において乳がんは抜きんでている。

全国推計値データに基づく罹患割合は,研究開始2008年には23人に1人とされたが2023年には9人に1人と増大し,1年に97,000人もの人が新たに乳がんと診断されている。

研究回顧 乳がん術後女性の衣生活研究より 川端 博子 2024年 67 巻 2 号 47-52 より引用

さて、その理由は何なのか?最後までお読みになれば簡単に理解できますが、その前に…

今から約60年前、乳がんを発症する日本人女性はほとんどいなかったことをご存じでしょうか?_

わが国の乳癌は,欧米諸国の乳癌に比べて発生頻度が著しく低く,その予後も良好な点がきわめて特徴的である.

発生頻度に関しては,1964年 ~1965年の乳癌訂正死亡率 でみたとき,わが国では人口10万に対し4で米国白人の約5分の1であり,24力国のうちで最低である.

また,乳癌が女性癌死因の第1位を占める欧米諸国に比べて,わが国の乳癌は女性癌死因の約5%で第6位を占めているにすない.

また欧米では,閉経後も乳癌発生頻度が増加するのに対し,わが国では減少するという違いがみられる.

食餌コーン油含量の乳癌発育に及ぼす効果 勝田 吉重 1981年 33 巻 3 号 360-379 より引用

1964年、乳がんを発症する日本人女性が10万人に4人だったのに、2023年には9人に1人です。この数字は明らかに異常ですが、最後まで読めばごく自然なことだと理解できます。

食の欧米化と乳癌

日本人女性の乳がん発症リスクを高める重要な要因の一つが食の欧米化である。こんな話は、誰もが一度くらいは耳にしたことがあるでしょう。

肉類や乳製品、パンなどの欧米型食品を多く摂る人は、そうでない人に比べて発症リスクが約1.3倍高まることが研究で分かっています。

自然発生乳腺腫瘍 については,1942年Tannenbaumが,低脂肪食で飼育したマウスよりも高脂肪食で飼育したマウスに乳癌が高率に発生し,その潜伏期も短いことを報告して以来,Bensonら,Davisらによってもそのことは確認されている.

一 方,化学発癌による乳腺腫瘍については,1949年ICDunningらが,低脂肪食で飼育したラッ卜よりも高 脂肪食で 飼育したラットにStilbestro1誘発乳癌の高い発生率と短い潜伏期がみられたことを報告し,1951年にはEngelとCopelandiiが,2-A㏄tylaminofluorene誘 発 ラット乳腺腫瘍 についても同様の結果を認め,その後 も高脂肪食摂取によって誘発乳癌 が高率に発生するという報告が多くみられる.

食餌コーン油含量の乳癌発育に及ぼす効果 勝田 吉重 1981年 33 巻 3 号 360-379 より引用

また、1964年の日本人女性は乳がんを発症するヒトがほとんどいなかったのに対し、アメリカに移住した移民(日本人)の発症率は高いことが調査研究で確認されています。

国の内外を問わず,最近の疫学的な知見によれば,動物性脂肪摂取量の多いグループに乳癌発生が多いという成績が得られており,最近の本邦の乳癌症例の増加は,栄養事情の西欧化すなわち動物性脂肪摂取量の増加に起因しているとの考え方が有力である.

また,本邦の乳癌の発生頻度は欧米の発生頻度に比べ て著しく低 いことは前述したが,ハワイあるいは米国に移住した日本人移民の乳癌発生頻度は,日本人とアメリカ人の中間にあり,移民の中にあっては一世より二世,二世より三世に乳癌発生率が高くなっていくという.

このことは移住による生活様式,ことに食生活の西欧化とそれ によるホルモン状態の変化によるもの と理 解されている.

食餌コーン油含量の乳癌発育に及ぼす効果 勝田 吉重 1981年 33 巻 3 号 360-379 より引用

このことからも、食の欧米化が乳がんの増加に繋がったことは明らかです。

では、なぜ移民の中にあっては一世より二世、二世より三世に乳がん発生率が高くなったのでしょうか?

乳がんの増殖を促進する栄養素

三大栄養素のひとつ「脂質」ですが、中でも必須脂肪酸と呼ばれるオメガ6(リノール酸やアラキドン酸)とオメガ3(α-リノレン酸やDHA、EPA)は生体内で合成できないため必ず食事から摂らなくてはいけません。

また、オメガ6は生体内で炎症を促す生理活性物質を生じますが、オメガ3は真逆の働きで炎症を鎮めるように働きます。そのリノール酸乳がんの増殖促進効果があることが以下の通り1981年には確認されています

食餌脂肪は乳癌の起始過程よりも増殖促進過程において強く影響することをふまえ,食 餌中の脂肪,と くに多不飽和脂肪酸含量の増加による腫瘍増殖促進効果をより明 瞭 にするために,DMBA処 置SDメ スラッ卜について,その単一投与後1ヵ 月から2ヵ月間にわたり,8%コーン油食群を正常のものとして,無脂肪食群および40%コーン油食群という異常な脂肪食群を設定し,脂肪含量の増加による乳癌多発,増 殖促進効 果を確認した.

この効果 に影響を与 えると考 えられ る因子,す なわち摂取カロリー,体重,乳腺脂肪織脂質および腫瘍燐脂質の脂肪酸組成の変化,さらには宿主内分泌機能を各実験群について検索 した.

その結果,脂肪含量の増加によってひきおこされる乳腺脂肪織のリノール酸の増加および腫瘍燐脂質の リノール酸の増加が,乳癌の増殖促進効果に関与しており,血清プロラクチン値およびそのP/E比 などのホルモン環境の変化,さらには摂取カロリー,体重因子などは 直接的な因果関係を持たないと結論した.

食餌コーン油含量の乳癌発育に及ぼす効果 勝田 吉重 1981年 33 巻 3 号 360-379 より引用

植物油に含まれる必須脂肪酸の量(割合)

1960年代以降、日本では植物油(サラダ油や大豆油、菜種油、コーン油など)を使った「炒める」「揚げる」といった調理が急速に広がりました。その植物油に含まれるリノール酸(オメガ6)とα-リノレン酸(オメガ3)の割合を以下で確認してください。

紅花(ベニバナ)油:リノール酸を含む一方で、α-リノレン酸は含まない

シソ油(エゴマ油) :α-リノレン酸が油全体の4割を超える

ダイズ油:油全体の約3割がリノール酸(オメガ6)

上記3つの油をネズミに与えた結果は以下の通りです。

 

高リノール酸-低α-リノレン酸のベニハナ油、逆に低リノール酸-高α-リノレン酸のシソ油、および両社の間のダイズ油をネズミに与えておくと、がんの転移はシソ油群が優位に少なかった

同様に魚油でも転移が抑制される

一方、自然発症乳がんマウスでの発がん率も、シソ油群で低かった。また化学発がん実験でも、乳がん、大腸がん、腎臓がんの発症率がシソ油群で有意に低かった

これらのがんは魚油でも抑制されることが知られている。

必須脂肪酸の栄養生化学 混乱からの脱出をめざして 奥山 治美 1990年 28 巻 3 号 175-181

上記結果より、α-リノレン酸を豊富に含むシソ油がガンの転移や発症を抑制すること。また、魚油(DHAやEPA)も同様の効果があることから、オメガ3がガンを抑制する働きがあることがわかります。

一方で、リノール酸は真逆で、以下でも発がんを促すことが確認できます。

動物実験では、食餌のリノール酸含量と乳がんの発症率との間に非常に良い相関がある。(図3)

わが国のリノール酸摂取量は40年前には2カロリー%くらいであり、これが現在6%を超えるほどになっている。

それに対応して乳がんも増えている。(中略)

リノール酸系列が発がん促進的に、α-リノレン酸系列が抑制的に働くことはまちがいない。

必須脂肪酸の栄養生化学 混乱からの脱出をめざして 奥山 治美 1990年 28 巻 3 号 175-181

もちろん、リノール酸は乳がんに限らず、肺や大腸、前立腺、すい臓、食道などのがん発症も促します。

わが国の癌死亡率(年齢調節)の趨勢(すうせい)を見ると、胃癌や子宮頚癌が減少しつつあるのに対し、肺、大腸、乳腺、前立腺、すい臓、食道などの癌が非常な勢いで増えている。

これらは米国で先行して死亡率上昇が見られたことから、米国型癌と総称することができるが、すでに大腸癌は米国のレベルに達している。(中略)

この肺腺癌をはじめ米国型癌は、リノール酸で促進されることが動物実験で証明されている。

リノール酸摂りすぎによる炎症性疾患としての癌 奥山 治美 2003年 25 巻 2 号 147-157 より引用

以下でも、リノール酸がガンを促進し、α-リノレン酸や魚油が抑制することが確認できます。

多くの実験により、米国型癌高リノール酸(n-6)植物油で促進されα-リノレン酸(n-3)系油脂(紫蘇油、エゴマ油、亜麻仁油、魚油)により抑制されることが明らかにされてきた。

わが国の過去半世紀におけるリノール酸摂取量増加と乳癌発症率増加(年齢調整死亡率で2倍)の関係は、動物実験での用量依存性とよく合う。

また動物実験で油脂のn-6/n-3比を上げると大腸の発癌率が上がる

これらの結果は、現在のわが国のリノール酸摂取量(6.4カロリー%)もn-6/n-3比(~4)も、すでに危険なレベルに達していることを示している。

リノール酸摂りすぎによる炎症性疾患としての癌 奥山 治美 2003年 25 巻 2 号 147-157 より引用

油脂の微量成分と発癌

油脂と癌の関係は、脂肪酸組成のみでは説明できない現象が存在することをご確認ください。皆さんが大好きなオリーブ油についても再確認してください。

 

たとえばパーム油は異常に大腸化学発癌を促進する

同様にオリーブ油も大腸前がん細胞数を異常に増やすが、脂肪酸組成の似ている高オレイン酸紅花油は抑制的にはたらく。

中国の食堂従事者で、非喫煙の主婦に肺癌が多く、疫学的には副流煙(受動喫煙)でも説明できなかった。しかし、菜種油を使っている場合の方が大豆油を使っている場合より有意に肺腺癌が多かった。そして、菜種油揮発成分に変異原性があることが明らかにされた

ただしわが国の菜種油(キャノーラ油)は精製されており、この問題は存在しないと考えられているが、証拠はない。

このような現象は油脂の脂肪酸組成では説明できず、脂肪酸以外発癌促進性物質が含まれていることを示唆している

実際、菜種油(キャノーラ油)、オリーブ油などには腎炎や血管損傷を促進し、脳卒中ラットの寿命を異常に短縮する微量成分があると考えられている

リノール酸摂りすぎによる炎症性疾患としての癌 奥山 治美 2003年 25 巻 2 号 147-157 より引用

 

まとめ

「移民の中にあっては一世より二世、二世より三世に乳がん発生率が高くなった」

その理由がわかりましたか?

リノール酸は脂質ですから脂に溶けます。つまり、摂れば摂るほど蓄積します。

では、女性のどの部分に脂肪が多いのか?

と言えば、それは乳房です。

リノール酸がより多く蓄積する条件が整っているのが乳房であるが故、乳がんが増えています。

また、「本当の妊活!」でも指摘しましたが、蓄積した脂質は累代で受け継がれます

移民一世は食べた物でリノール酸を体内に取り込みますが、二世は母からそれを受け継いだ上で食べ物からリノール酸を蓄積させます。ならば、三世はそれ以上に蓄積させることになります。

一世より二世、二世より三世の方が乳がん発症率が高いのはそのためであることがお分かりいただけたことでしょう。

なお、最後にこの乳がん発症率が高いことと、日本人夫婦に不妊が増えていることは同様の意味をもつことを指摘しておきます。詳しくは「本当の妊活!」をお役立てください。

念のため、オリーブ油にはα-リノレン酸の約7倍リノール酸が含まれています。

「動物実験で油脂のn-6/n-3比を上げると大腸の発癌率が上がる」

そう、論文で指摘されていた通りですので、やはりオリーブ油であったとしても「炒める」「揚げる」といった調理法はできる限り減らす必要がありますね。

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Posted by sinsd