甘いもの摂りすぎ!高血糖はなぜ悪いのか?上がりにくい食べ方とは?

「高血糖(糖尿病含む)は体に悪い!」

というのは誰もがご存知ですが、なぜ、血糖値が高いのが悪いのか?正確に認識している人は少ないようです。そのため、子どもたちに限らず、お菓子をやめることもできず、中にはジュースをがぶ飲みしているという方が少なからずいらっしゃるようです、高血糖がなぜ悪いのか?ご紹介していきます。

糖質は反応性がとても高い物質である!

まず、血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)濃度のことです。このグルコースは、細胞のエネルギー源のひとつであり、不足するとエネルギー不足により体の機能が維持できなくなります。

糖化とは?

ですが、ブドウ糖が多すぎても困ります。なぜなら、ブドウ糖はとても反応性が高い化合物で、体内のタンパク質や脂質とカンタンに反応してしまうから。これは、食パンで考えるとよくわかります。

食パンをトースターで熱すると、おいしそうな焦げ茶色になります。これはブドウ糖とタンパク質が反応したことで起こり、メイラード反応と呼びます。このとき、あの白くて柔らかなパンが、変色して硬くなることは誰もがご存知です。

実は、過剰なブドウ糖は、体内の組織や血管などと反応してタンパク質や脂質の「性質」を変化させることになります

体に備わる監視機構!

ジュースのがぶ飲みはもちろん、お菓子を当たり前のように食べている人がいます。が、ブドウ糖は白米やパンなど、さまざまな食品に含まれています。そのため、今ではカンタンに血糖値が上がりやすい環境になっていますが、それを監視して調節する仕組みが体にあります。

まず、血糖値を監視しているのは、脳の視床下部です。ここは自律神経の中枢でもあり、血液中のグルコース濃度に応じて次のように反応します。

血糖値が上がるとき!

食後など、血糖値が高い時には副交感神経の働きを高め、すい臓からインスリンの分泌を促します。このインスリンは、筋肉や脂肪組織にブドウ糖を取り込むように促します。

参考までに、糖尿病を「血液中にブドウ糖が余っている」病気とカン違いしている人が少なからずいるようですが、そうではありません。糖尿病は、血液中のブドウ糖を「細胞内に取り込むことができない」病気です。

話を元に戻すと、筋肉に取り込まれたブドウ糖は、ブドウ糖がいくつもつながりグリコーゲンがつくられた状態で蓄えられます。また、脂肪組織では中性脂肪に変換され、同じく蓄えられます。

こういった働きにより血糖値は下がります。グリコーゲンや中性脂肪は、いざというときのエネルギー源となります。

血糖値が低いとき!

お腹がすいた時、血糖値が低い時に視床下部は交感神経の働きを高めます。このとき、血糖値を上げるホルモンの分泌を促します。この働きがエネルギー源の確保であることは容易に想像できると思います。

すい臓からグルカゴンが、副腎髄質からはアドレナリンが分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンをブドウ糖に変換する反応が促されます。

また、副腎皮質からはコルチゾールが分泌され、筋肉のタンパク質(アミノ酸)や脂肪が分解してできるグリセロールからブドウ糖をつくる反応が促されます。

このような働きにより、下がっていた血糖値が上昇することになります。

過剰なブドウ糖の末路は?

体にはインスリンに依存してブドウ糖を取り込む細胞と、そうでない細胞があります。例えば、筋肉や脂肪組織はインスリンがないとブドウ糖を取り込めません。一方で、腎臓や眼球、神経などはブドウ糖をそのまま取り込めます。

そのため、血糖値が高いと後者の細胞内には多くのブドウ糖が入り込みます。そして、細胞内で使いきれなかったブドウ糖は、タンパク質などと反応してその性質を変えてしまうことになります。

ヘモグロビンA1cとは?

血液検査で糖尿病の指標とされるヘモグロビンA1c。これは、赤血球中にあるヘモグロビンというタンパク質に、ブドウ糖がベタベタにくっついてしまった数を表しています。では、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついてしまうと何が起こるのか?

というと、赤血球が血管を通れなくなります。(下図)

 

したがって、血管が詰まってしまい、その先の組織に酸素や栄養が届かなくなります。糖尿病で「壊疽」が起きるのは、その結果です。

毛細血管は地球の4分の1

私たちの体に張り巡らされている血管ですが、その90%以上は毛細血管です。そして、赤血球は末端の毛細血管よりも大きく、おおよそ1.5倍もあります。では、1.5倍の赤血球がどのようにして毛細血管を通るのか?

実は、赤血球はグニュっとつぶれて毛細血管をくぐりぬけます。

これを赤血球の「変形能」と言いますが、ヘモグロビンにベタベタとブドウ糖がくっつくと変形ができなくなり毛細血管を通過できなくなります。

オメガ6脂肪酸とブドウ糖

すでに何度もご紹介していますが、オメガ6脂肪酸をほとんどの方は過剰摂取しています。これが、多くの「こころの問題」の原因となっていることも何度も指摘しています。不登校や起立性調節障害、発達障害、モラハラなど、精神面にも多くの影響を与えるのがオメガ6脂肪酸です。

今回のお話で問題になるのは、このオメガ6脂肪酸は、体内で「炎症」を促すことです。先の話のように、トースターで食パンを焼くと柔らかなパンが硬くなります。

同じように、オメガ6が細胞膜で多くなればなるほど、ブドウ糖がタンパク質や脂質と反応しやすくなります。

このことからも、オメガ6を意識的に減らすこと。サラダ油の使用を最低にして、植物油脂やマーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなどを排除することは忘れないでください。

DHAと赤血球

一方で、オメガ3脂肪酸ですが、とくにDHAは有効です。

すでに研究で、DHAが赤血球の細胞膜で使われると「変形能」が高まることが確認されています。魚嫌いの人と、DHAを十分にとった人を比較すると、赤血球が毛細血管をくぐりぬけるスピードがなんと4分の1程度となるようです。

DHAは二重結合が多い構造ですが、これが膜の流動性とともに変形能も高めることになるのでしょう。したがって、手足の冷えや肌の乾燥などにもDHAは有効であると考えていいでしょう。

食べる順番と血糖値!

1996年に糖尿病患者は約218万人でしたが、2014年にはその数317万と1.5倍に増えました。また、高脂血症は96万人から2.1倍の206万人に増えています。これもまた、ブドウ糖とオメガ6脂肪酸の摂りすぎ、および魚食の回数が減少したことが原因であることは疑いがありません。

そこで、血糖値の上昇は、食べる順番を意識することでも抑えることができますのでご紹介しましょう。

まず、白米やパンなどの精製された食品は、消化吸収がすばやく行われます。そのため、血糖値が上がりやすくなります。一方で、玄米や全粒粉のパンは、食物繊維が多いため消化に時間がかかり血糖値はゆるやかに上昇します。また、食物繊維は小腸におけるブドウ糖の吸収をゆるやかにする働きがあります。

つまり、食事は「野菜」「タンパク質(肉や魚)」「糖質(ごはん)」の順に食べだけで、血糖値の上昇を防ぐことができます。

その意味で、菓子パンなどを食べる人は注意が必要です。食パンなら目玉焼きや野菜を一緒にとるのでしょうが、菓子パンは「それだけ!」という人が多い傾向があるからです。また、菓子パンは糖質が多くなるので、それはなお更です。

まとめ

血糖値が上がりやすくなる食生活を続けていれば、誰でも糖尿病になるリスクが高くなります。その意味で、ジュース類は控えることをお勧めします。これは、ファーストフードのシェイクやカフェの甘い飲み物も含みます。

なお、ジュース類は「低血糖」という点で精神面に大きな影響を与えることになります。詳しくは小冊子「なぜ、ジュースを飲むと感情が乱れるのか?」をご覧ください。

血糖値が過剰に上昇する機会を増やせば増やすほど、そしてそのときオメガ6やトランス脂肪酸が多ければ多いほど、脳へのダメージも大きくなります。また、栄養不足ならばそれはなお更です。

つまり、体の問題は脳の働きにも大きな影響を与えることになります。メンタル面でお悩みの方も、こういった問題も意識して生活するようにお勧めします。


 

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Posted by sinsd