無農薬玄米は冷暗所での保存をお勧めします。私は冷蔵庫に50キロ。車載冷蔵庫に16キロ備蓄しています。

玄米の備蓄についての質問が多いのでお返事をさせていただきます。前回、米びついらずをご紹介しましたが、お返事が簡単すぎてカン違いされている方が多いことがわかりました。再度ご確認ください。

鈴木先生

お忙しい所、大変申し訳ありません、問い合わせです。

先生は玄米の備蓄は、何に入れて保存してますか?

小麦は備蓄しましたが、米は虫が来そうで、備蓄方法を毎日考えてますが思いつきません。真空パンク入りのを買えば良いのか?とか思いますが、数ヶ月で食べるようにと書いてるのもあり、よくわかりません。

小麦は購入時のビニール袋のままで良さそうですが、米は虫がきますよね?
玄米のがマシとは思いますが。

また、食料危機について話せる人も周りにいなく、米の備蓄をしてる人も周りにいません。
我が家は庭のない戸建てで、対して大きくはないので蔵などありません。
 

もし、お手隙の時にお返事頂ければ幸いです。

まず、以下3つの論文をご紹介します。

脱酸素剤の発芽玄米保存への影響と化学発光による品質評価

小浜 恵子, 三浦 達夫, 涌井 徹「脱酸素剤の発芽玄米保存への影響と化学発光による品質評価」2005 年 52 巻 11 号 p. 532-534

保存中に酵素分解により生じる遊離アミノ酸や脂肪酸を測定し、保存性向上のため脱酸素剤を封入して発芽玄米の品質保持について検討した。

3.要約

⑴35℃乾燥した発芽玄米の生菌数は脱酸素剤の有無に関わらず増大せず、GABA含量も6カ月の保存期間中に顕著な変化はみられなかった。

脱酸素剤を入れずに保存した大正区の試料発芽玄米の6か月後の脂肪酸度は52KOH㎎/100gであり、脱酸素剤包装区に比較して劣化が進行した。

⑶対象区では2か月後に化学発光量が明らかに低下したが、脱酸素剤包装区の発芽玄米は、6か月後も製造時の発光量を維持していた。脱酸素剤の封入は、製造時の品質を保持するのに有効であり、化学発光量が品質評価の簡便な指標となり得ることが示唆された。

化学発光量:貯蔵物質である炭水化物やタンパク質の分解が進むと化学発光量が減少する

玄米保管時における酸化劣化とその抑制方法

奥西 智哉, 大坪 研一「玄米保管時における酸化劣化とその抑制方法」2008 年 55 巻 2 号 p. 76-77

コメの主要成分のうち最も変化を受けやすい脂質は過酸化物に変化する可能性がある。過酸化物価と毒性の程度は比例することから、そのような化学種の発生を抑制することは重要である。

3.要約

玄米の開放貯蔵下での過酸化物価は貯蔵開始後すぐに増加し、最大値はおおよそ50meq/gを示した。カルボニル価は、およそ10日後から上昇を開始した。脂肪酸度は、30日後に増加し始めた。過酸化物抑制のために最も効果的な方法は暗所保存で、脱酸素剤の効果は補助的であった。

貯蔵中の米の品質変化

満田 久輝, 河合 文雄, 山本 愛二郎, 大村 芳子「貯蔵中の米の品質変化」1971 年 24 巻 4 号 p. 216-226

(前略)本報では水中に貯蔵した米穀類を梅雨期、夏期、冬期を過ぎた時点で引揚げ、水分変化をはじめ種々の化学成分、生物活性の変化並びに物性試験、炊飯試験、食味試験などを行い満1ヵ年間にわたり観察した結果について報告する。

※ 玄米と白米それぞれについて観察。水温は夏期13℃、冬季8.5℃

要約

(前略)

⑵脂肪、でんぷん質、タンパク質、有機酸、ビタミンB₁など種々の化学成分変化は極めて緩徐で、従来の低温倉庫での保存と同等の効果を示した。(中略)

7カ月貯蔵後の精白米について行った食味試験の結果、水中区は外観、香り、うま味、粘り、硬さ、総合評価のすべてにおいて基準の低温米とほとんど差がないと判定された。

以上、水中での密封低温貯蔵法による米穀類の品質変化は極めて緩徐で、従来の低温倉庫に管理されている状態と同等の効果のあることが確認された。

以上のことから、私は開封前の玄米は冷蔵庫(冷暗所)に保存しています。幸い、会社にも冷蔵庫がありますし、車載冷蔵庫も〝まさか″のために購入済みでした。会社の冷蔵庫には50キロ。以下の車載冷蔵庫は30リットル入りますが、たぶん30キロ近く(確認したら16キロでした)の玄米を保存しています

↓この車載冷蔵庫です。

 

また、それこそ万一のためにポータブル電源とソーラーパネルも購入済みです。ソーラーパネルは広げるのがメンドウなので写真はありませんが、下右の750Wで車載冷蔵庫は問題なく動きました。

また、家では1000wのポータブル電源がありますが、これは停電時に家の冷蔵庫を動かすために使います。とまあ、400Wと750W、1000Wの三台とソーラーパネル2台で備えています。

 

ソーラーパネルは100Wと80Wをそれぞれ一つずつあります。

 

開封した玄米は、八ヶ岳プロジェクトでお馴染みの小林(酋長)さんにご紹介いただいた以下の「米びついらず」を使っています。

私は5キロを10個と15キロを2個利用していますが、現在はどちらも品切れで30キロのみ販売されています。4月14日、小林さんにお聞きしたところ、もうすぐ販売再開とのことでした。ので、30キロで大きすぎるなら5キロと15キロが再販売されてからの購入をお勧めします。

お米の保存袋 クラフト袋付米びついらず30kg

<セット内容>
・クラフト袋:1枚
・本体袋(49cm×96cm):1枚
・脱酸素剤:2個

脱酸素剤を使用すると1年間は品質が保てるようです。1年後、脱酸素剤を交換すればさらに1年間品質が保てます。

以下は5キロ用の脱酸素剤です。

米びついらず用脱酸素剤エージレス5個セット

こちらは15キロと30キロの脱酸素剤です。

15kg,30kg用 米びついらず用脱酸素剤エージレス5個セット

 

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Posted by sinsd