睡眠障害の原因は何なのか…?今や3人に1人が不眠に悩んでいますが、それも当然です!

10人に1人。

この数字は不眠症で悩む日本人の数だそうです。

また、睡眠に問題を抱えているヒトを含めると、なんと3人に1人。

一方で、私は小学生の高学年の頃から寝つきが悪く、少なくとも30分くらいかかっていました。また、中学に入ると睡眠時間がおおよそ5時間/日なのにもかかわらず、布団に入っても2時間以上かかることが普通でした。

重要なのは、寝つきが悪いにも関わらず、日中は眠ってしまうこと。授業中はもちろん、電車でもすぐに寝ていました。落ちる。そう言ってもそれほど言い過ぎではない。と言うのも…

私は高校生の時、自転車で通学中、2度寝てしまい転んだ経験があります。

そんな私ですが、今では熟睡できています。

寝付くのは少なくとも3分以内。布団に入って以降の記憶が無いほど早く眠ってしまうことも度々です。また、日中眠気に悩まされることなどありません。

さて、この差はどこにあるのか?

睡眠に問題を抱えているヒトは参考にしてください。

睡眠は脳の働きの問題?

幼少期より、我が家は揚げ物がとても多い家庭でした。また、小学生低学年時に近所のお兄さんにマヨネーズかけごはんを教えられ、ハマってしまいました。さらに、友達とマックに通うようになると、タルタルソースたっぷりのフィレオフィッシュにもハマってしまいました。

脳も炎症を起こす!

脳の 70%は脂肪でできており,人体でいちばん脂っこい臓器です.だから脂肪を十分に摂らねばならないのですが,どんな脂肪を摂るかが,脳のやわらかさを決定します.脳に大切な脂肪は飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,コレステロール,オメガ 3 やオメガ 6 の多価不飽和脂肪酸です.最初の 3 つは体内でつくることができますが,オメガ 3 とオメガ 6 は体内でつくれないので,食事から摂取しなければなりません.

何度も繰り返し説明していますが、炎症が起きると体は自律神経を介して逃走もしくは闘争に備えます。具体的には交感神経を過剰に働かせ、戦闘態勢に入ります。

栄養学を専門とする研究者は,オメガ 3 とオメガ 6 の脂肪酸の比率は1 : 1 が望ましいといいます.現在この比率は日本人で 1 : 4,アメリカ人やイギリス人で 1 : 20 であります.(中略)

オメガ 6 が増えると,アラキドン酸が作られ,悪玉の PG-2 ができてくるため,脳に炎症が発生することになります.オメガ 6 の摂りすぎを避けるのが賢明です

「認知症」になりにくい食生活について 森田 宏 2020年 55 巻 1 号 6-12 より引用

つまり、揚げ物やマヨネーズ、ポテトチップスなどオメガ6を過剰に摂り続けると、脳に炎症が生じて交感神経が過剰に働くことになります。

当たり前の話ですが、睡眠は副交感神経の働きです。寝ようとしても逃走・闘争の神経(交感神経)が過剰に働いていたら、眠れるわけもありませんよね。

食事内容と睡眠

私の経験上、サラダ油を使った料理を週2回以上作るなら、そのご家庭はオメガ6過剰と想定されます。それに加え、マヨネーズを使う習慣、冷凍食品やお惣菜などの購入、パン食、菓子類などを食べる習慣があるなら、さらなるオメガ6過剰となります。揚げ物を週2以上食べるなら、超過剰と考えていいでしょう。

重要なのは、現代の日本人が当たり前のように食べているもの〝ほぼすべて″が睡眠の質を悪くするという事実です。

ヒト試験において直接的に摂取した食事の内容によって睡眠の質が変化することが示唆されている。

具体的には,食物繊維を摂取すると徐波睡眠が多くなり,飽和脂肪酸の摂取によるエネルギー量が多いと徐波睡眠が少なくなり,砂糖および食物繊維以外の炭水化物によるエネルギー摂取量が多いと覚醒状態が多くなるという報告がある.

脂質摂取による睡眠への影響 大久保 剛 2019年 19 巻 7 号 279-284

ほとんどの日本人は食物繊維不足です。これは、栄養の専門家である栄養士2003年の調査で明らかでしょう。

 

30〜60 歳代の 栄養士 (女性)85 名に 対 して 7日間の 食事調 査を行い ,摂取食 品群 との 関係を調べた.厚 生労働省の 推 奨値 で あ る 10g 以 上の 割合は22 .4 % で あ っ た

食物繊維摂取量について 近藤 みゆき, 小田 良子, 他 2003年 27 巻 41-44

 

勘違いしないで欲しいのが、厚労省の推奨する食物繊維摂取量10gはまやかしであるという事実です。本当の必要量は25gであり、これを前提にすると上記調査でこの数字を満たす食事をしている栄養士はいなかったようです。

繰り返しますが、栄養の専門家の家庭でこのレベルですから、この基準を満たす一般家庭はおそらく3%以下だと想定されます。

徐波睡眠:脳波に特徴的な低い周波数の「徐波」が多く出現する、ノンレム睡眠の一種であり、深睡眠とも呼ばれます。脳と体の疲労回復、細胞の修復、成長ホルモンの分泌、記憶の定着などを促進する重要な役割を持ち、睡眠の前半に集中して現れます。

肉や乳製品など飽和脂肪酸や砂糖が睡眠の質を悪くする。

この事実は何となく受け入れることができますが、忘れて欲しくないのが「食物繊維以外の炭水化物」もまた睡眠の質を悪くするという点です。

つまり、食物繊維含有量の少ないパンやパスタなど小麦製品や白米もまた、睡眠の質を悪くする原因となります。

DHAが睡眠に与える影響を調査した実験

脳で使われる脂肪酸のおおよそ17%はDHA(オメガ3)、アラキドン酸(オメガ6)は13%程度と言われています。既述の通り、これらは必須脂肪酸であり、必ず食事から摂らなければいけません。

しかし、日本人の魚離れは深刻です。また、大豆やトウモロコシを配合された飼料を与える養殖魚は食される魚の半数以上を占めるため、もはや魚とは言えません。したがって、私たちが想像する以上に、日本人のDHA不足は深刻です。

健康な成人男性 9 名(38.9±11.5 歳)が,サケの魚卵抽出油を 250 mg 充填したカプセル 4 粒(1,000 mg/ 日)を 3 ヵ月間経口摂取した。(中略)

熟眠感と相関する因子Ⅱの入睡と睡眠維持に関する調査項目のポイントの有意な上昇がみられた。(中略)

PC-DHA に富むイクラ抽出油はヒトにおいても REM 睡眠の調節に対して密接に関与していることが示唆された。また,レム睡眠量の増加が熟眠感の向上をもたらしている可能性が示唆された。さらに,PC-DHA の場合,効果が現れるまで 2~3 ヵ月を要する。このことは,ホメオスタシスによる恒常性の観点から効果が直ぐに薄れてしまう可能性が低いことを示唆している。

また,今回の実験の結果から逆に効果が薄れるまで,やはり 2~3 ヵ月を要する。

つまり,摂取している間だけ効果を発揮し,効果が現れるまで,そして消えるまでに脂質および脂溶性物質の特徴である体内での蓄積性と関係していると考えられる。

脂質摂取による睡眠への影響 大久保 剛 2019年 19 巻 7 号 279-284 より引用

ここでのポイントは蓄積性です。

例えば、起立性調節障害で10日間チャレンジをはじめても、1ヶ月レベルでやめるご家庭が少なくありません。ですが、上記論文の通り、摂ったオメガ3が最低限のレベルに達するには3ヵ月かかります。

逆に、しっかりオメガ6を過剰に摂り過ぎた期間を想像してください。朝起きられなくなったわけですから、少なくとも2~3年は超オメガ6過剰の生活を続けていたはずです。そのため、脳にオメガ6が過剰に蓄積しています。

参考までに、オメガ6が過剰となると次のような症状が現れます。(代表的なもののみ記します)

 

☑ メマイや立ちくらみ(メニエール病) ☑ 天気病(低気圧が近づくと頭痛やめまい、ダルさなど) ☑ 足の浮腫み ☑ 鼻炎や花粉症、喘息、アトピーなどのアレルギー ☑ 睡眠の質が悪くなる ☑ 朝起きられなくなる(脳が覚醒できなくなる)  など

 

オメガ6やオメガ3は脂溶性であるが故、脳に蓄積する。

この事実を見逃していた方は、あらためて以下の本を読み10日間チャレンジをはじめてください。

30日で朝「スッキリ目覚める」体質にする方法!: もう、起立性調節障害で悩む必要はありません。

トランス脂肪酸は脳に悪い!

トランス脂肪酸は食べ物ではありません。

が、ほとんどの女性はこの事実から目を逸らし続けているようです。

トランス脂肪酸は,リノール酸などの不飽和脂肪酸に水素を添加して固形にした時にできます.この脂肪酸は,マーガリン,マヨネーズ,ケーキ,クラッカー,ポテトチップス,チキンナゲッツ,シュークリーム等で使われています.

パンに塗るなら,マーガリンよりもバターをお勧めします.①

トランス脂肪酸がなぜ悪いのかは,食事から摂取されたトランス脂肪酸は,脳に運ばれ,DHA のすぐそばに入り込み,脳の思考プロセスを混乱させるからです.さらに,トランス脂肪酸は酵素のはたらきも邪魔し,必須脂肪酸 γ-リノレン酸,DHA, プロスタグランジンといった脳に欠かせない物質へのモデルチェンジも妨げます

オメガ 3 が不足した人は,血液中のトランス脂肪酸が増えています.この理由は,ケーキ,ポテトチップス,ピザなどをたくさん食べる現代人の特徴となっています

WHO(世界保健機関)と FAO(国連食糧機関)はトランス脂肪酸の摂取量を一日の総摂取エネルギーの 1%(日本人は 0.7%)以下に抑えるべきだと勧告しています.

日本人のトランス脂肪酸の摂取は低い②のですが,ファストフード店の魚フライ,フライドポテト,ドーナツには 1 個当たり 4 グラムものトランス脂肪酸が含まれているという報告もあります.ファストフード好きな人は基準を超えてしまいます。

「認知症」になりにくい食生活について 森田 宏 2020年 55 巻 1 号 6-12 より引用

パンに塗るなら,マーガリンよりもバターをお勧めします. と、ありますが、市販のパンのほとんどはマーガリンを使って製造されています。また、調理パンなどにはマヨネーズなども使用されていますし、揚げパンなどサラダ油がたっぷり染み込んでいますからトランス脂肪酸とオメガ6がたっぷり含まれることを忘れないでください。

② 日本人のトランス脂肪酸の摂取は低い

これは平均ではそうなのでしょうが、食の知識が無いヒトの多くは超過剰に摂取しており、欧米人とほぼ変わらないのが実態です。

これらより想像できると思いますが、睡眠障害の先には認知症が待っていることも忘れないでください。

体内時計のリセット

「なぜ、時差ボケと無縁なのか?」

実は、私たち夫婦は時差ボケに悩まされた経験がありません。ヨーロッパやアメリカ、カナダ、オーストラリア、インド、インドネシア、シンガポール、ベトナムなど、時差の違いはありますが、一度も時差ボケの経験は無し。

その理由は以下の論文で理解できると思います。

 

脂質においては、魚油が体内時計のリセットに効果的である。DHA や EPA などのオメガ 3 系の脂肪酸を多く含む魚油は大腸に存在する GPR (G protein-coupled receptor) 120 を介して、インクレチンである GLP-1 を上昇させ、インスリン分泌を上昇させる 。

魚油の中でも、DHA・EPA をより豊富に含んでいるマグロ油が、インスリン分泌を有意に上昇させ、体内時計のリセットを引き起こしていることが分かった.

脂質の時間栄養学 柴田 重信, 池田 祐子 2015年 24 巻 1 号 53-60

 

適切なオメガ3の摂取は、体内時計のリセットを引き起こす。故に、時差ボケに対応してくれるのでしょうね。

オメガ3は良質なエネルギー源となるから…

既述の通り、必須脂肪酸は脂溶性であるが故、蓄積性があります。

しかし、オメガ3はより持続的に摂取するよう意識する必要があります。

なぜなら、オメガ3はエネルギー源として利用されやすいから。

体内に蓄積されたとしても優先してエネルギー源として利用される為、例えば低血糖時(ブドウ糖が不足している時)にはオメガ6ではなく、オメガ3が優先的にエネルギー源として利用されてしまいます。

この事実を一般の日本人に当てはめると…

 

白米やパンを食べる習慣のあるヒトは、ほぼ間違いなく空腹感を自覚しているはずです。そして、お腹が空くとは血中のブドウ糖不足を意味しますから、代替エネルギー源が必要となります。そしてそんな時、オメガ3が利用されることになります。

したがって、お腹が空くという自覚があるヒトは、より意識してオメガ3の摂取を続ける必要があります。

まとめ

歯周病の原因は? – 実は、歯周病菌は歯周病のきっかけにすぎません。では、真犯人は?

歯周病に10日間チャレンジが有効。

この事実に驚かれた方も少なくないと思いますが、睡眠にも10日間チャレンジは有効です。ということは…

単純な話、ほとんどの病気は食っているものが悪い結果であるという話です。10日間チャレンジは、食べ物を食べ、食べ物でないものは食べないようにする習慣をお勧めしているにすぎません。

この事実を前提に、私は以前から次のような疑問を持ち続けています。

「なぜ病気になるような食事を摂る一方で、自分が病気になった時の心配をして生命保険や医療保険にお金を使うの?それに加え、病気になったら病院に行き、薬局で薬代もかかるでしょ!」

最後に、私たち夫婦は結婚して30年以上となりますが、病院に行ったのは私一度だけ。(指が化膿して腫れあがったことがある)支払った医療費は覚えていませんが、おそらく薬代も含めて5000円以下。また、生命保険や医療保険に入ったこともありません。

この事実をご紹介した上で、最後にヒポクラテスの言葉を記します。

「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」

 

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Posted by sinsd