長期休暇明け、とくに夏休み明けの9月1日に子供の自殺が多い理由を考えてみましょう。

平成27年版自殺対策白書厚生労働省:自殺対策白書によると、1972~2013年の42年間の18歳以下の自殺者を日付別にまとめたところ、9月1日が131人で最多でした。春休み明けや大型連休明けも100人近い日があり、長期休暇が終わった直後の自殺が明らかに目立ちます。

厚生労働省によると、平成27年に自殺という悲しすぎる選択をした子どもは、小学生6人、中学生102人、高校生241人に上ります。また、10~14歳では死亡者数の約20%、15~19歳では約36%が「自殺」で亡くなっていて、15歳から39歳までの年齢層の死因のトップは、すべて「自殺」です。

この原因について、さまざまな人が心理面からの指摘をしていますが…、私は次のような事実が本質だと考えています。

栄養格差解消、給食頼み!

日本経済新聞に、次のような記事がありました。

「低所得層の子供はそうでない子に比べ、成長に欠かせないタンパク質や鉄の摂取量が少ないなど栄養面の格差があることが、研究者による子供の食事調査で分かった。差は主に給食のない週末に生まれ、栄養格差解消は給食頼みであることが示された。」

学校給食実施基準に書かれた重要な事実とは?

学校給食では、子供の健康維持のために栄養面に大きな貢献をしています。厚生労働省は家庭での食生活を調査し、その食事内容から給食で必要とされる栄養素の必要量を決めています。わかりやすく言うと、家庭での朝食と夕食の内容を調査し…

 

  • そこで十分とれている栄養素は給食では少しでいい
  • 不足している栄養素は給食で増やす

ようにしています。では、実際に学校給食実施基準に書かれていることを抜粋しますので確認しておきましょう。

※ ここは眺めるだけで、読み飛ばしてもらって結構です。

① エネルギー

「学校給食摂取基準」の推定エネルギー必要量の算定に当たっては、文部科学省が毎年度実施する学校保健統計調査の平均身長から求めた標準体重と食事摂取基準で用いている身体活動レベルのレベルⅡ(ふつう)により算出した1日の必要量の3分の1を基準値とした。

② たんぱく質

「食事摂取基準」の目標量を用いることとし、学校給食による摂取エネルギー全体の 13%~20%を基準値とした。

③ 脂質

「食事摂取基準」の目標量を用いることとし、学校給食による摂取エネルギー全体の 20%~30%を基準値とした。

④ ナトリウム(食塩相当量)

「昼食必要摂取量」を算出すると、小学生は 0.1g未満、中学生は 0.2g未満であり、これに基づくと献立作成上味付けが困難となることから、「食事摂取基準」の目標量の3分の1未満を基準値とした。

⑤ カルシウム

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の 50%を超えているが、献立作成の実情に鑑み、「食事摂取基準」の推奨量の50%を基準値とした。

⑥ マグネシウム

「昼食必要摂取量」を算出すると、小学生は「食事摂取基準」の推奨量の3分の1以下であるが、中学生は約 40%である。このため、児童については、「食事摂取基準」の推奨量の3分の1程度を、生徒については 40%を基準値とした。

なお、従来の「学校給食摂取基準」においては、配慮すべき値として表の注に規定していたが、中学生において不足している現状が見られることから、「学校給食摂取基準」の表中の基準値とした。

⑦ 鉄

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の 40%を超えているが、献立作成の実情に鑑み、「食事摂取基準」の推奨量の40%程度とし、生徒は3分の1程度を基準値とした。

⑧ ビタミンA

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の 40%を超えているが、献立作成の実情に鑑み、「食事摂取基準」の推奨量の40%を基準値とした。

⑨ ビタミンB₁

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の約 40%であることから、「食事摂取基準」の推奨量の 40%を基準値とした。

⑩ ビタミンB₂

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の約 40%であることから、「食事摂取基準」の推奨量の 40%を基準値とした。

⑪ ビタミンC

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の3分の1以下であるが、望ましい献立としての栄養バランスの観点から、「食事摂取基準」の推奨量の3分の1を基準値とした。

⑫ 食物繊維

「昼食必要摂取量」を算出すると、小学3年生は「食事摂取基準」の目標量の約 40%、小学5年生は約3分の1であることから、「食事摂取基準」の目標量の 40%以上を基準値とし、中学生は 40%を超えているが、献立作成の実情に鑑み、「食事摂取基準」の目標量の 40%以上を基準値とした。

⑬ 亜鉛

「昼食必要摂取量」を算出すると、「食事摂取基準」の推奨量の3分の1以下であるが、望ましい献立としての栄養バランスの観点から、「食事摂取基準」の推奨量の3分の1を学校給食において配慮すべき値とした。

栄養素の指標が意味するものは?

栄養素の指標で重要なのは次の点です。

  • 「推定平均必要量」(estimated average requirement:EAR)は、栄養素の不足を回避する目的で設定した。推定平均必要量は、半数の人が必要量を満たす量である。
  • 「推奨量」(recommended dietary allowance:RDA)は、必要量を補助する目的で設定されており、推奨量はほとんどの人が充足している量である。

単純に、給食は夕食までの間に必要とされる栄養素を保証するものである。という話です。栄養素のほとんどは蓄えがききません。この事実を前提にして、休日や長期休暇中の食事内容を振り返ってみましょう。

例えば、昼食をインスタントラーメンですませたら、上記の栄養素はどれくらいとれるでしょうか?パンだけ。スパゲッティーのみ。冷凍食品のピラフ。

こういった食材では、上記のような栄養素の推奨量を満たせるはずもありません。長期休暇では、それが慢性的に続くことになります。また、アイスやジュース、お菓子類も家にいる時間が増えるが故、学校に通っている時より確実に増えることになります。

こういったし好品の代謝には大量の栄養素が使われてしまいますから、これもまた低栄養につながります。これは、当社では以下の小冊子で詳しく説明しております。

 

☑ なぜ、ジュースを飲むと感情が乱れるのか?

ジュースを飲む習慣があるのなら、どんな人でも感情が乱れるようになります。イライラしたり落ち込んだり、気持ちのアップダウンが激しくなります。そして、落ち着きがなくなり集中力もなくなります。その理由を正確に理解しましょう。

 

☑ アイスを食べる習慣がもたらす弊害とは?

ジュースと同じく、アイスもまた感情を乱す原因になります。しかし、そもそもほとんどの人が食べているのはアイスではありません。そして、それは更なる弊害をもたらすことになります。とくに発達障害や起立性調節障害、夜尿症でお悩みの方は真剣にお読みください。

 

調査結果が示した驚きの事実とは?

栄養格差の解消は給食頼みであった!

この記事の見出しが指摘してる事実は、その内容をしっかり読むと深刻な状況が浮き彫りになります。まずは、記事の抜粋を引用しましょう。

「年収が下位3分の1となったグループをみると週末『昼はアイス1本』『朝食に唐揚げ、昼はパン2つ、夕食抜き』の場合があり、平日も『朝食抜き、昼はインスタントラーメンだけ』のケースもみられた。めんやパンなど炭水化物に偏り、緑黄色野菜や魚介類は給食が担う食生活が目立ったという。」

とくに重要なのは次の点です。

「同グループの子どもは週末、野菜の摂取量が1日平均166グラムと、年収中位3分の1の176グラムに比べ5.7%少なかったが、平日はこの差が1.2%に縮小。魚介類も、週末は改装43グラム、中位層48グラムと摂取量に差が出たが、平日はともに50グラムで格差がなくなった。」

平日は格差がほとんどない!という事実は?

下位3分の1に目が行ってしまいがちですが、重要な点は平日にはほとんど差がないとう事実です。つまり、中位3分の1を加えた少なくとも全体の3分の2のグループは、確実に家庭での栄養摂取量に問題があることがわかります。

栄養が不足すれば、食欲という本能は満たされません。これは生存を脅かす危機ですから、わかりやすく言えば「飢えた獣」の状態を招きます。

低所得層の食事内容が、どうしても偏りがちであることは誰にでも容易に想像できます。しかし、この調査で明らかになったのは、中位層も大差がなかったという事実です。

ならば、長期休暇で低栄養状態が続き、「飢えた獣」のように情緒が乱れることは自然なことではないでしょうか?

まとめ

「怖い!」

私がいただく相談では、一定割合で怖い子供たちが来店します。俗にグレタとか不良と呼ばれる子供たちで、はじめての来店時はまあひどい言葉遣いや態度です。また、着ている服も暴走族の「夜露死苦(よろしく)」みたいな当て字がプリントされていたり、全身黒づくめだったりします。

が、そんな子供たちも栄養面の改善と、ジュースやお菓子などのし好品を控えることを同時並行で行うと、わずか1ヶ月程度で目つきも言葉遣いも、態度にも変化が現れます。

また、私の経験では、一般的に3か月程度で服の好みなども変わってきます。例えば以前、金髪で全身黒づくめの上に白字で「本気(まじ)」とプリントされたTシャツ、黒いマスクをしていた中3の女の子ですが、おおよそ3か月後には自ら髪を黒く染めて年頃の女の子と同じような服装に変えていました。

冒頭の自殺も同じで、私は栄養面の偏りが主な原因だと考えています。

低栄養は情緒を混乱させる。その結果、脳のカン違いのシステムが働き、ありとあらゆることが不安や不快、恐怖といった情報に上書きされてしまった結果でしょう。← ここ、1月14日のセミナーで詳しくご紹介します。

今回ご紹介した記事もそうですが、国民栄養調査からも私たちのほとんどが低栄養であることは明らかです。何かの問題を抱えているのなら、まずは食生活だけでも改善されることをお勧めします。

☑ 標準偏差からわかる見逃せない事実とは?

国民の8割以上は栄養不足である。また、約2割の人は知的障害を疑うレベルの栄養摂取状況である。これは、国民栄養調査(厚労省)からも明らかです。この小冊子では、中学2年生を前提に栄養状況の実態をご紹介しております。

 

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Posted by sinsd