「本当の妊活!」生理時に生理痛と頭痛、吐き気があったのですが治りました。なぜでしょうか?
「本当の妊活!」を読んで食生活を改善して2か月と少しになります。この間、2度生理になりましたが、一番最近の生理で大きな変化がありました。
もう、ここ10年以上、生理になるとひどい生理痛と頭痛、吐き気が2~3日続いていました。しかし、前回の生理時には「少し頭が痛いかな…」とは感じましたが、生理痛と吐き気はまったくありませんでした。
単に喜んでいいことなのだとは思いますが、理屈を知ればなお「本当の妊活!」を信じて食生活の改善を続けることができると思いまして質問させていただきます。
なぜ、頭痛や生理痛、吐き気も改善したのでしょうか?
以上のような質問をいただきましたので、簡単に説明したいと思います。
食の改善で生理痛や頭痛が氣にならなくなったことからわかるのは?
そもそも、健康な女性は生理時に不快な症状は起きません。
この女性は生理痛があったという話ですが、おそらくそれ以外にもイライラや落ち込みなど情緒的な問題が少なからずあったことでしょう。
どういうことかと言えば、生理痛と「イライラや落ち込み」という情緒的な問題は根っこが同じ。生理痛が改善すれば、自然とイライラや落ち込みといった気分のアップダウンも改善します。
いずれにしても、食事改善で生理痛が氣にならなくなったことから、この女性はオメガ6過剰摂取かつオメガ3不足が続いていたことがわかります。また、食事の改善により細胞膜で使われるオメガ6の減少およびオメガ3の増加が起きました。
追記
彼女は「本当の妊活!」を読んでから、当社のサプリ・ラケシスA(DHA&EPA・アスタキサンチン)を続けています。
オメガ6過剰は交感神経を過剰に緊張(興奮)させる!
本にも記しましたが、オメガ6から生じる生理活性物質は「炎症を促す」「血を固める」「アレルギー促進」の働きがあります。また、オメガ6の過剰摂取が続けば続くほど、この働きは些細な刺激で生じますし、過剰に生成されます。
重要なポイントとして、炎症が促されると自律神経のひとつ「交感神経」の働きが強くなることです。また、交感神経は活動の神経ですが、別名「闘争」と「逃走」の神経であること。さらに、交感神経が強く働けば働くほど、「逃走・闘争」に応じた物質であるアドレナリン(不安・恐怖=逃走)とノルアドレナリン(怒り・イライラ=闘争)が過剰分泌されます。
例えば、私たちがウイルス感染などで風邪をひくと寒気がします。また、食欲が無くなったりもします。
この時、ウイルスが侵入した部分で異物の排除のための免疫反応により炎症が起きるわけですが…
この反応は交感神経の緊張(興奮)で成立します。
また、この時、血液は筋肉優先で送られます。さらに、胃腸や肌表面の血流は妨げられます。この反応は、筋肉に血液を集めて熱を上げるためであり、肌表面の血流を妨げることで熱の発散を防いでいます。体温を上げてウイルス排除の働きを促進しているという話ですね。
当然ですが、胃腸への血流が妨げられれば食欲は減少します。また、血流が妨げられれば胃腸の活動が妨げられます。これを、人により食欲減少や吐き気など、違った形で現れます。
ポイント風邪ひいても食欲がある人がいますが、その原因の多くは砂糖や小麦、白米、菓子、ジュース類など糖分の過剰摂取にあります。普段から糖分の過剰摂取が続くと血糖値が乱高下します。本にも書きましたが、普段から血糖値が下がり過ぎてしまう体質になっています。
こんな人が風邪をひくと、交感神経の緊張(興奮)によりさらに血糖値が下がりやすくなります。
なぜなら、交感神経は活動の神経であるが故、筋肉によるブドウ糖消費が活発になるからです。風邪ひいてさらに血糖値が下がり、血糖値を上げるために偽の食欲が惹起されていると考えられます。
生理時の生理痛は?
既述の通り、オメガ6過剰は血を固める生理活性物質を生じます。
これが過剰になると、子宮内膜で傷が出来た時にできるカサブタのようなものが生じることになります。誰もが一度くらい、カサブタが自然に落ちる前に剥がした経験はあると思いますが、オメガ6過剰の女性は生理時に子宮内膜が剥がれる時に同じようなことが起きます。
あたかもカサブタを剥がすかのように子宮内膜が脱落する。これが痛みとなるのは自然なことでしょう。
当然ですが、カサブタは血液が固まっている状態です。そのため、血液の色が黒っぽくなります。
確認してもらうと分かりますが、オメガ6過剰の方は、生理時の経血の色が黒味を帯びます。一方で、食事改善がなされると、その血液の色は黒味が消えていきます。
生理時の吐き気は?
もう、説明は要りませんね。
オメガ6過剰摂取は、リラックスしている時から(リラックスしているつもりでも)交感神経が過剰に働くことになります。そのため、生理時、PGF₂α(オメガ6から生じる生理活性物質)の分泌が起きますが、その過剰分泌で交感神経がさらに過剰に働きます。
結果、胃腸への血流が減少し、吐き気となります。
また、既述の通り、これはヒトにより便秘や下痢、シャックリ、逆流性食道炎など、違った形で現れます。
生理時のイライラや落ち込みは?
前述した通り、交感神経が働けば働くほど、アドレナリン(不安・恐怖=逃走)とノルアドレナリン(怒り・イライラ=闘争)が過剰分泌されます。これは、所謂「情動」です。
重要なのは、良識をわきまえた冷静な大人であっても、私たち人間はこの情動の惹起に対して無力となることです。
誰もが苦手なものがありますが、例えば、「芋虫を食べろ!」と言われて気持ちよく噛んで食べることできますか?
ムリですよね。
この時、「逃走」の働きが置きます。そう、交感神経が働きます。
想像できると思いますが、もし芋虫口に入れることになったら、思いっきり手足に力が入りますよね。おそらく、体はガッチガチに緊張しています。
もし、芋虫口に入れることできても、噛むまで恐ろしいほどの「決断」が必要です。たぶん、ほとんどのヒトは口に入れることも出来ずに終わることでしょう。
また、もし芋虫噛むことができたとしても、それを呑み込もうとすると…
「ゲーーーーッ」
ほとんどのヒトは吐いてしまうのではないでしょうか?
ということで、交感神経が強く働くと胃腸への血流が減少。それが吐き気となるわけです。
同じように、生理時にアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が過剰となれば、私たちは情緒が混乱します。
オメガ6を過剰に摂取している女性の場合、その情緒の乱れは想像以上にヒトの理性を妨げることになります。
参考までに、私は「生理時になると万引きをしてしまう!」という相談を何度かいただいていますが、これらの女性は例外なくオメガ6過剰の生活をしていました。
夫婦喧嘩や親子喧嘩もまた、同じ理由ですよ。
以上、簡単に説明しました。