亜麻仁油とえごま油のどちらがいいの?オメガ3オイル

亜麻仁油は亜麻という植物の種から採れる油です。また、えごま油はえごまの種から搾った油で、どちらもα-リノレン酸というオメガ3が摂れる代表的な油です。

重要なポイントは、このα-リノレン酸は油ですが栄養素であるという点です。α-リノレン酸は体内で合成できませんが、不足すれば私たちは生きていくことすらできません。そのため、必須脂肪酸と呼ばれます。

そんな亜麻仁油とえごま油について、

どちらをとったらいいですか?

こんな質問をたくさんいただきますので、ここで私のお返事をご紹介しておきます。

亜麻仁油とえごま油の共通点とは?

亜麻仁油とえごま油はともにオメガ3系の不飽和脂肪酸で、α₋リノレン酸が多く含まれいます。その含有量は産地などで多少の違いはありますが、おおまかには次の通りです。

えごま油の脂質構成

  • α-リノレン酸:約60%
  • オレイン酸:約14.4%
  • リノール酸:14.3%⇦オメガ6
  • その他11.3%

亜麻仁油の脂質構成

  • α-リノレン酸:約56%
  • オレイン酸:約18%
  • リノール酸:15%
  • その他11%

比較してお解りのように、脂質の組成に限れば際立った違いはないどころか‶ほぼ″同じだと考えていいでしょう。

亜麻仁油とえごま油の健康効果は

どちらもオメガ3であるα₋リノレン酸の働きで、次のような効果が期待できます。

  • アレルギー症状を緩和
  • 生活習慣病を予防・改善
  • 血液の流れを改善
  • 学習能力・記憶力を向上
  • 肌の調子が良くなる
  • 便秘の解消・ダイエット
  • 動脈硬化・高血圧の予防

ただし、オメガ3にはα-リノレン酸の他にEPAやDHAがあり、それぞれが分布する臓器細胞に偏りがあります。そのため、α-リノレン酸だけでは力不足です。

α-リノレン酸からEPAやDHAへの変換率

先の亜麻仁油とえごま油の脂質組成の通り、どちらの油にもα-リノレン酸がおおよそ60%含まれています。これが体内でEPAやDHAに変換されるのですが、その変換率は次の通りです。

・α-リノレン酸 → EPA:おおよそ5~10%がEPAに変換される
・α-リノレン酸 → EPA → DHA:おおよそα-リノレン酸の0.5%がEPAを経てDHAに変換される

※ 魚を食べない人と食べる人で変換率は変わるとされています。魚を食べない人はEPAへの変換率はおおよそ10~20%という研究もある。

 

α-リノレン酸は皮膚の細胞に多く存在する!

α-リノレン酸はとくに女性や肌のトラブルが多い方には重要です。というのも、α-リノレン酸は皮膚の細胞の細胞膜に多く入るからです。オメガ3は炎症を鎮めますから、亜麻仁油やえごま油を摂れば肌に潤いがでて美肌になります。

ここで重要なのは、せっかく亜麻仁油やえごま油を摂ってもサラダ油や植物油脂、トランス脂肪酸を減らさなければ意味がないことです。サラダ油や植物油脂、マーガリンなどはオメガ6がたっぷり入っています。また、今では牛や豚、鶏の肉の脂肪酸組成も昔と変わりオメガ6がたっぷりです。※ 詳しくは以下の記事でご確認ください。

食材の現実!牛肉の巻

したがって、少なくとも揚げ物やポテトチップスなどのスナック菓子は控えなければいけません。もちろん、食品やお菓子を買うときに「植物油脂」や「大豆油」など油類、「マーガリン」、「ショートニング」、「ファットスプレッド」といった表記のあるものを控える必要があります。

EPAやDHAはどの細胞に多いのか?

サラダ油などから摂れるオメガ6も必須脂肪酸です。体内で合成できない脂質で、これもまた重要な働きをしています。しかし、肉の脂質組成もオメガ6に大きく偏っていること。魚離れが進んでいること。コンビニ弁当や冷凍食品、お菓子類の利用が進んでいることから、ほとんど(私は99%以上の確率だと思っています)の人はオメガ6が大きく過剰になっていると考えていいでしょう。

そこで重要なのが、オメガ3とオメガ6の競合関係です。

・オメガ6:リノール酸   → アラキドン酸
     ↓↑  競合  ↓↑
・オメガ3:α-リノレン酸 →       EPA             → DHA

オメガ6にはリノール酸とアラキドン酸があります。また、オメガ3にはα-リノレン酸とEPA、DHAがあります。しかし、リノール酸に競合できるのはα-リノレン酸、アラキドン酸にはEPAが競合する一方で、DHAはリノール酸とアラキドン酸に無力です。

この事実を理解した上で、EPAとDHAが多く存在する臓器の細胞の話となります。

DHA:目の網膜心臓などエネルギーを大量消費する臓器細胞の多く存在

EPA:血管赤血球など血管系の細胞に多く存在

EPAには血液サラサラ効果がありますから、動脈硬化の予防にもつながります。ただし、EPAはアラキドン酸に競合しますが、体内には細胞にアラキドン酸を優先的取り込む酵素も存在します。したがって、オメガ6の摂取量を減らした上でEPAを摂る方がはるかに効果的です。

一方でDHAはアラキドン酸に対抗できません。また、脳に入る(血液脳関門を通過できる)オメガ3はDHAだけです。したがって、学習能力や記憶力を向上したければ、アラキドン酸を減らした上でDHAを摂ることは必須となります。

さらに、DHAを豊富に摂りアラキドン酸を減らせば、目の疲れやドライアイなどを改善させることもできます。なお、DHAやEPAの働きについては以下の記事を参考にしてください。

青魚に豊富な多価不飽和脂肪酸オメガ3に属するEPAとDHAの効能・健康効果とは?

 

アレルギーに共通するメカニズム!

亜麻仁油とえごま油は花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支炎などアレルギー症状にも効果が期待できます。なぜなら、これらのアレルギー症状が起きる部位は別であるものの、発症には共通のメカニズムがあるからです。

リノール酸の摂取量とアレルギー

東西ドイツが統一される前、大気汚染は東ドイツの方がひどかったのに、喘息や花粉症の患者は西ドイツの方が多かったそうです。また、統一後に東ドイツの大気汚染は改善されました一方で、喘息や花粉症患者は増えました。その原因となった環境因子がリノール酸摂取量の増加です。

先のようにサラダ油や植物油脂などの主要成分リノール酸は体内でアラキドン酸に変換され、細胞の膜に取り込まれます。これは免疫細胞も同じで、免疫細胞中のアラキドン酸が増えすぎるとロイコトリエンやトロンボキサン、プロスタグランジンといった脂質メディエーターの分泌が過剰に行われるようになります。

この脂質メディエーターが頭では頭痛、鼻では花粉症や鼻づまり、肌では皮膚炎、気管では気管支炎などアレルギー症状を起こすことになります。これをアラキドン酸カスケードと呼びます。

アラキドン酸カスケードを抑える薬

ステロイド剤:種類多数

鎮痛剤アスピリン、バファリン、ボルタレン、インドメタシン、ポンタール、イブプロフェン、ブルフェン、ロキソニンなど

アレルギー薬アゼプチン、アレジオン、ザジテン、セルテクト、リザベン、オノン、ぺミラストンなど

頭痛や生理痛で鎮痛剤を飲む方。鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状でお悩みの方なら、おそらくほとんどのヒトが上記の薬のいずれかを飲んでいると思います。そして、これらの薬はすべて、アラキドン酸カスケードを遮断することで効果を発揮します。

※ アラキドン酸の遊離を抑制したり、アラキドン酸から脂質メディエーターが生成する過程を抑制したりと、作用するメカニズムは薬によって違います。

また、上記の薬を飲んでいるのなら、「なぜ、いつまでも頭痛や生理痛、アレルギー症状が治らなかったのか?」お分かりいただけることでしょう。

そう、その悩みの裏にはリノール酸の摂りすぎがあったからです。薬を飲めば症状は軽くなるのでしょうが、原因物質のリノール酸を自らが摂り続けていたからこそ治らなかったわけです

 

炎症が起きると浮腫みが生じる!

亜麻仁油やえごま油に主成分、α-リノレン酸は浮腫みにも有効です。

朝、起きた時にが腫れている
夕方になるとが浮腫んでパンパンになる。

この記事を読んでいるあなたなら、健康意識が高いので次のことはご存知でしょう。

・オメガ6:炎症促す。血を固める
・オメガ3:炎症を鎮める。血液サラサラ

サラダ油や植物油脂を摂りすぎると、細胞膜に取り込まれたオメガ6が炎症を促します。また、細胞の炎症は血管外であるが故、拡張した血管から血漿成分が染み出します。サラダ油などを取り続ければ炎症反応が続きますから、体中でこの反応が続きます。したがって、体が浮腫むことになります。

炎症による血漿成分の浸出は正常な反応です。血漿成分中には免疫細胞が含まれており、それが炎症を鎮めるために送り出されています。亜麻仁油やえごま油は、こんな体の浮腫みにも効果があります。もちろん、DHAやEPAを摂ればさらなる効果が期待できます。例えば…

奇跡の10日間チャレンジ ←実際のレビューはこちら

頭痛持ちの夫の顔が浮腫んでいることに気づき、家族で10日間、××と〇〇を飲んでみることにしました。

2日目で、全員が一回り小さくなりました

3日目にはどんなにダイエットしても太いままだった娘のが驚くほど細くなり、それと同時にどんなに言っても寝ず、起きずだったのが、自ら早寝早起きを始めました

さらに5日目、娘が突然勉強を始めました。事例として挙げられていましたが、まさか我が家でこんな奇跡が起こるとは思ってもみませんでした。

10日後、夫と私は、顔の浮腫みとたるみが取れて、若いころの顔に戻っていました。娘はスッキリ痩せて、私は1キロ軽くなり、夫は頭痛がなくなっていました。

栄養状態が密接に外見や体調に影響していることを実感しました。これからも飲み続けます。

 

先のように、アラキドン酸カスケードというメカニズムで頭痛は起こります。また、これは炎症反応でもありますから、浮腫みにつながります。足の浮腫みは、起きた後に体の浮腫みが重力で下半身に移動したからです。

さらに重要なポイントは、お嬢さんが「勉強をはじめた」という点です。私は、顔の腫れや足が浮腫むヒトは、メンタル面や性格に大きな影響を受けていると確信しています。

 

必需品!! ←実際のレビューはこちら

6月から〇〇を飲み始めて1ヶ月も経とうするときに足の浮腫みの変化に気づきました。

夕方にはしゃがむと痛いくらいの浮腫みだったのがしゃがんでもふくらはぎが痛くないんです

2ヶ月後、親戚に痩せた?とまで言われました。ダイエットしていないのに…

何より有り難かったのは生理前の辛いイライラ、泣きわめく、過食がピタリと治りました。1番悩まされていたし、治らないと諦めていました。過食もなくなり、精神的に本当に楽になりました

毎月の生理が怖くありません。もう手離せません!

このように、足の浮腫みが解消されるとともに、メンタル面もどんどん良い方向に改善します。亜麻仁油やえごま油も、こういった理屈をお分かりの上で摂るとなお更効果的です。

もちろん、単に亜麻仁油やえごま油を摂れば同じ効果が得られるというわけではありません。しかし、体の浮腫みがメンタル面と関わることは事実です。そこで、足の浮腫みでお悩みなら、私の著書が実質無料で読めますのでお役立てください。

Amazonの電子書籍「30日で足が『むくまない』体質にする方法!」は実質無料で読めます!

亜麻仁油とえごま油の成分の違いとは?

含まれる脂肪酸については、亜麻仁油とえごま油で大差はないことがわかりました。また、α-リノレン酸の効能・効果もなんとなくでもお分かりいただけたと思います。次に、それ以外の成分にはどんな違いがあるのか?確認しておきましょう。

亜麻仁油の脂質以外の有効成分

亜麻仁油にはポリフェノールのひとつであるリグナンという成分が含まれています。リグナンは、ポリフェノールの一種で、更年期障害を改善、骨粗しょう症を予防、コレステロールを下げて肥満を予防すると言われています。

えごま油の脂質以外の有効成分

えごま油にはルテオリンとロズマリン酸というポリフェノールが含まれています。前者は強い抗炎症作用が、後者は抗酸化作用があります。

 

オメガ3/α₋リノレン酸の欠点

α₋リノレン酸は以下のような構造をしています。

すでにご紹介しましたが、二重結合とは次のような構造式のことで一見、とても結合力が強く思えてしまいます。が、実際はとても弱い結合です。

そのため、α₋リノレン酸に限らず、オメガ3系脂肪酸は空気中で簡単に酸化されてしまいます。そこで重要なのがビタミンEの含有量です。

ビタミンE含有量

亜麻仁油とえごま油のビタミンEの含有量には次のような違いがあります。

  • 亜麻仁油:0.5㎎/100g
  • えごま油:2.4㎎/100g

わずかな違いに思えるかもしれませんが、この差が酸化のスピードに大きな違いを与えます。事実、私は亜麻仁油は3週間も使えば香りや味の変化がわかります。同じ条件のえごま油は1ヶ月はもちます。私は、この違いをもっとも重視していますのでえごま油をお勧めしています。

 

まとめ

亜麻仁油やえごま油は酸化されやすいので、以下の期間内に使い切るようにしましょう。

  • 亜麻仁油:2週間以内に使い切る
  • えごま油:1か月以内に使い切る

どちらも光でも酸化が進みますから、購入時に遮光ビンもしくは箱に入った商品を選ぶ必要があります。また、冷暗所保存が基本ですから、使用後は速やかに冷蔵庫にしまいましょう。

私からすれば、このふたつの油から得られる効能効果に大きな違いはありません。しかし、この使用期限の違いから、私はえごま油をお勧めしております。

正直、亜麻仁油もえごま油も、サラダ油と比べるとはるかに高価です。そのため、私の妻と同じようなことをやらかしてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

もう10年以上前のことですが、私が冷蔵庫を開けるとそこに亜麻仁油を見つけました。そこで、ふと思いついて妻に聴きました。「これ、いつ買った?」と。

「う~ん、2ヶ月くらい前かな?」

ということで、「え~、もったいない!」と妻はグチったのですが、亜麻仁油は捨てることになりました。そう、「だって、2,000円もしたんだからチビチビ使ってたんだよ!」と妻はケチって使っていたのです。笑

話を元に戻しますが、オメガ3は細胞膜の流動性を高めます。細胞膜の流動性が保証されれば、細胞に栄養がとり込みやすくなります。また、使ったゴミも捨てやすくなります。したがって、代謝が上がります。

そのため、ほとんどの人がオメガ3脂肪酸をとると、尿量が多くなり便通が改善します。

例えば、この記事を書いている日に話をしていた中学2年生の女の子から次のような質問をいただきました。

「先生、えごま油をとるようになったら、今まで見たこともない大量のウンチが出るのですが大丈夫でしょうか?」笑

もちろん、大丈夫です。

なお、「えごま油はどの商品を購入したらいいの?」というご質問もたくさんいただいています。また、そう聞かれて調べてみて驚きました。なんと、通販で売れている代表的なえごま油のうち、約6割は生食に向かないものだとわかりました。詳しくは「えごま油の選び方!」をご覧ください。

えごま油の選び方!

【追記】

加熱利用は厳禁です!

このところ、一部の専門家の言葉に便乗し「加熱利用が可能なオメガ3オイル」とか「加熱可能なえごま油」と謳われたオメガ3オイルが販売されるようになりました。が、えごま油や亜麻仁油は生食をお勧めします。詳しくは以下の記事をご覧ください。

「えごま油」や「亜麻仁油」の加熱調理は可!という専門家の話を鵜呑みにしてはいけません!